彼女に思いを伝えるまで

猫茶漬け

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高校1年目

山城さんとの関係1

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 阿部に呼び出された俺は、いつものラーメン屋に行くと阿部は一人で先にラーメンを啜っていた。
 阿部の目の前に座るとこちらに気がついて、箸を止めて斑目さんの事について聞いてきた。
 
 「お疲れ様です。斑目さんは誘いに乗ってくれました?」

 その質問に俺が簡単に何があったか説明すると、阿部は驚きもしないと言うか、阿部は既にどうなる事かわかっていたようで、半分どうでも良いような感じでスマホを見ながら俺の話を聞いていた。

 「まあ、しょうがないですね。ありがとうございました。それで今度、山城さんとデートですけど、行く日は決まったんですか?」

 俺が阿部に約束した日を答えると、阿部は以外にも前日の予定を開けておいて欲しいと言ってきた。
 俺は阿部がまたしても何かやらせたいことがあるのかと思いきや、俺の予想が外れることになった。

 「実は私の知り合いに美容師がいて、店が今度オープンするんですよ。私の紹介で格安で髪を整えてくれますので、どうです?行きますか?」

 阿部の口からこんな言葉が出てくるとは何事かと思い、もしやと思い太ももを抓ってみたが夢ではないことがわかった。
 阿部に人の心があったのか、これは何か裏があるんじゃないかと、俺は思ってしまったが、以外にも普通に阿部の紹介された美容院で格安で切ってもらうことになるとはこの時は思っていなかった。

 「少し身なりを整えた方が良いと思いますよ、そんな状態でしたら山城さんにも愛想をつかされちゃいますね。」
 
 阿部の指摘は的確で朧気な記憶から思い出すと、半年以上前に切ったことしか思い出せなかった。
 阿部はなんでこんなにも俺が必要となる事について、先回りして準備をしてくることに不気味な奴だと、俺は失礼とも思いながら阿部の行動について何か引っ掛かる感じがしていた。
 山城さんとのデートまでの間、平穏な日々が続くのだが、その間は毎日が楽しく充実した時間が過ぎていった。
 特に山城さんとは、毎日、デート先でどこを回るとか、お昼は何処で食べるなど話題が尽きないうえ、お互いの同意の中でデートプランが決まっていくので、俺は変に意識しながら恋心を募らせていた。
 それなのに何か心に隙間が出来ている感じがいるのは何故だろう。
 俺の周りの環境は良くなっているのに、この何とも言えない虚しさが何処からくるだろうか。
 こんな良くわからない感情を抱えるようになったのはいつからだろうか、気がまぎれれば感じもしないが、独りでいる時ほどこの感情に苛まれていた。
 
 デート前日に俺は阿部の案内で例の美容室に行き、髪を整えて貰っていた。
 阿部が紹介してくれた美容師の方は、あの人の不幸で飯が食べれるような阿部の紹介と聞きいて少しは身構えていたが、気さくで優しい女性の方だった。
 阿部が一言、『彼、明日はデートなんで誰もが振り向く様な男にしてください』と言ったことで美容師の方も熱が入ったらしく、容姿に無頓着な俺にもわかる様にモデルの写真を用意して、流行りとか体系とか服装なども考慮して、どうするか色々と熱弁していたが半分も理解できていなかった。
 その後、考えるのが面倒になったので、餅は餅屋と言うことで、美容師にすべてをおまかせすることにしていた。
 軽快音ともに鋏が髪を切る音を聞きながら、根掘り葉掘りと山城さんとの関係を美容師から質問されて困っているのを、遠くから阿部はあの不気味な笑い方をしながら見ていた。
 俺は美容室を出て別れ際に、阿部にお礼を言うと『お礼は明後日に聞きます。それまで取っといて下さい。』なんて洒落た言葉を言って、そのまま帰っていった。
 俺と阿部はどういう関係であるべきなのか、阿部が言うビジネスパートナーで片付けて良いのか、俺は阿部と言う人間がとてもじゃないが人には友人とは公言出来ない、絵に描いたような屑だとわかっているのに、本心の何処かでは阿部の友達でありたいと思い始めていた。
 
 俺は山城さんと約束した集合場所に三十分前に到着しいたのは、何とも言えない緊張感と高揚感で気持ちが落ち着かなくなっていて、どうせ待つなら待ち合わせ場所に少しでも早く行って待っていたいと思ったからだ。
 山城さんがミュージアムの開館と同時に入館したいと言う希望があったので、待ち合わせ時間に間に合う為には日が昇る前に駅前で山城さんを待つことになった。
 駅前は人が誰もいないので山城さんがまだ来ていない事はわかったが、5分もしないうちにこちらに歩いてくる山城さんを見つけた。
 この前より緊張間はないが、心臓が大きく鼓動して顔に血が上ってくる感じと同時に嬉しさと期待が高まったこともあり、俺は無意識に彼女の方に大きく手を振っていた。
 彼女はこちらに気付いたらしく、早足で近づいてきて笑いながらこう言った。

 「約束より三十分も早く集まっちゃうなんて、驚きですね。」

 俺は心の中で小躍りするほど嬉しかった。
 好きな女の子が、デートが楽しみで早く来てくれるなんて、もしかして異性として好きなんじゃないかと期待が膨らんで、高揚感が高くなりすぎて胃と肺の間が心地いい具合に痛みが走っていた。
 その場は身体から溢れんばかりの激情を押さえつけて、何もないような素振りで山城さんに答えた。

 「前もこんなこともありましたね、夏休みに映画に行くと聞いて、お互い事前に宇宙銀河大戦の全エピソードを視聴してきたりとか。」

 そう言うと、自然に二人で駅の改札へ談笑しながら歩き出していた。
 始発列車に乗るとやはり誰もいないので、席に座ると俺の隣に山城さんが座った途端に一気に彼女との物理的な距離感が近くなったことで、俺の心音が山城さんに聞こえるんじゃないかと思うぐらい高鳴っていた。
 彼女は全く気にしてないのか、こちらを向いて話しているが、俺が山城さんの方を向くと距離にして三十センチ程しかないので、顔が近すぎて見れない状況だった。
 それと彼女の体が服越しで触れていると思うと、妙に温もりが伝わってきている様に感じていた。
 いつも図書室でテーブルを挟んで会っているのに、今日に限ってこんなにも意識してしまうのは何故だろう。
 
 「髪を短くしたんですね。」

 急に山城さんが俺の髪が短くなったことについて、触れてくれたのだが言葉が詰まってどもってしまっていた。
 今日の為に、髪を整えてきましたなんて言えないし、口に出す前に顔から火が出るぐらい恥ずかしくなっていた。
 
 「あ、あ、あの、あれです、髪が伸びすぎて少し邪魔になったんで思い切って短くしてみました。」

 俺は真っすぐ前を向いてそう答えるのでやっとだった。
 ゆっくりと電車のドアが閉まって走り出した車両の中には二人だけの世界が出来ていた。
 そんな中、向かいの席の窓からビルの間から朝日が昇るのが見えた。
 もしかしたら、俺と山城さんの関係が進展するんじゃないかとそう言う希望が胸に広がっている様で、体が少し浮いているような幸福感を感じていた。
 会話が途切れて静寂が広がっているのに、電車が揺れや音が無性に心地よく感じていた。
 そんな中、今日こそは手をつなぐことが出来るんじゃないかと思い、自身の掌に視線を向けた時だった。
 その手には、黒い泥のようなもので手が真っ黒になっていた。
 俺は驚き目を瞑り、もう一度、掌を見ると先ほどの黒い泥のようなものはなくなっていた。

 俺が忘れていた不安が遠くからこちらを見ているような気がした。
 言い表すなら、出来るだけ見ない様に、目を合わせない様にしていた不安と目が合ってしまったようだった。
 恐らく、それは山城さんが知らない俺自身で、姿形なんて存在しないが、お金を稼ぐ為に依頼に合わせて芝居を打ち、人を騙すようなことをしている俺が、視線で忠告を促すようにこちらをずっと見ているのだ。
 その手で触れたらどうなるのか、汚れに気がつかれたらどうなるのか、彼女に近づくと言う事は、俺が秘密にしたい事がバレ易くなると言う事で、今の関係を守りたいならその手を隠せと言っているような感じがした。
 俺は出来るだけ山城さんに気付かれない様に、手を静かに上着のポケットにそっと入れた瞬間、彼女との距離がまるで遠く感じてしまった。
 こんなに近くの彼女の存在が、遥遠くの知らない場所でいる人と言えば良いのか、スマホやモニターの画面、または写真や絵、文字などの情報で感じられるような存在を感じると言えば良いのか、何とも言い合わせない虚しさを感じていた。
 そんな俺の内心を知らない山城さんに、少しでも俺の内心が言葉の節々や表情、態度から洩れないように全身に動きに注意することになった。 
 目の前の純粋に今日を楽しみにしていた彼女を失望させることは絶対に避けたかった。
 山城さんは鏡に映る自身の見ながら俺に一言、聞いてきた。

 「私も髪を短くしようかと思いますが、似合うと思います?」

 俺の中で脳内の思考をフル回転させながら、その一言に最適解がないのはわかっていたが、それでも自分が思う最大の回答を引き出していた。

 「俺は今のままでも、その、十分に魅力的だと思います。知的でどこか優しい感じの雰囲気があって、一緒にいると落ち着くし、何よりも山城さんのことは・・・。」

 ここで言葉が詰まったのは彼女の顔を見て、その頬が少し赤らめて恥ずかしいそうに顔を少し逸らしていることに気がついてしまったからだ。
 少し考えればわかった事で、最適解とは俺の内心で思っていることを彼女に言う事に気がついたのはこの時だった。
 それに、俺の言葉はもう髪の話ではないのは、彼女も気がついているだろうし、この後の続く言葉も察しがついているかもしれないと思うと、急に顔が熱くなってきた。
 二人しかいない車両内、窓から差し込む朝日、電車の揺れる音が心臓の打つ鼓動のように聞こえてる中の一瞬の静寂を破ったのは彼女だった。

 「何よりも私の事は・・・。」
 
 俺の言葉の続きを聞き返した彼女は、俺の目と視線があった。
 俺の中の色々な雑多な感情が彼女の瞳から深く吸い込まれ、たった一つ残った純粋な気持ちをそのまま口に出そうとするところで、後ろからいきなり口を塞がれた。
 俺の口を塞いだのはまたしても、俺の中にあった不安だった。
 それが亡霊のように耳元で微かに、それでいて鼓膜を通さずに直接脳に諭すように語りかけてきた。
 斑目さんに告白した事を忘れたのか、それが山城さんに伝わったらどうなるのか、その二言で俺は一気に心が冷めていくのがわかった。

 「・・・友達と思っています。」

 そう言って、俺は彼女から表情を見られない様に顔を逸らしていた。
 山城さんは俺に好意を抱いていることをこの時確信したが、それなのに全く喜べなかった。
 彼女が知っている俺は、俺の一部分だけで、俺が金銭の為に人を騙していると知らないから好意を抱いているだけだ。
 そして、俺は彼女を騙そうとしていることを踏みとどまったとことに安堵していた。
 もし、ここで山城さんと俺の関係が進んで、その後に秘密がバレた時のことを考えたらどうだろうか。
 山城さんは、俺が人を騙して金銭を得るようなことをしていたなんて知らなかったことを、騙されたと思うだろう。
 素性を知っていれば、言葉を交わすことも無かったのになんて思うのは、当然で間違いなく自然な反応だろう。
 俺は阿部にラーメン屋で語ったことを思い出していた。
 このままで良いと、知らなければお互い幸せなのだから、そして、このままの距離を保ちながらも学校を卒業するまでに、日常を取り戻し、全てが終わってから彼女に気持ちを伝えると言う事、それを思い出して俺は変に冷静になっていた。
 さっきまで、山城さんに対しての心臓の高鳴りや高揚感が無くなっていたが、同時に無くなった部分の空白に虚しさと言う感情が隙間なく詰まっていくようだった。
 この後、山城さんとの距離を取る様に当たり障りないような会話をしたが、山城さんはその距離を縮めるように自身のことを話していた。

 「家族以外でどこか出かけるのって、中学生以来で本当に楽しみで・・・。」

 俺は少し驚いていたのは、彼女が話をする時に大抵、趣味の話が大半だったのこともあったが、今回は本当にさっきまでの雰囲気もあるのか、いつもと違うと俺は察していた。

 「私って少し、その、宇宙銀河大戦に夢中すぎるところがあると言うか、話すことがそればっかりになってしまってて、中学生の時に友達から、宇宙銀河大戦の話ばかりしないでって、言われてたことがあったんだ。」

 俺は彼女の方に顔を向けると、窓を向こうを彼女はじっと見ていた。
 何処か表情が悲しげで、苦笑いに似たような笑顔を見ながら彼女の話を聞いていた。

 「それで、私は誰かと話す事に自信が無くなってしまって、気がついたら一人で図書室でいるようになってたの。」

 それはまるで、彼女が他人に晒す事のない内面を俺に見せて、そこに触れて欲しいと言ってるようだった。
 俺は恐怖したのは、彼女は俺に同じように俺の内心を晒すように求めているんじゃないかと言うことだった。
 俺が家族と不仲である事、その理由は暴力事件で慰謝料を求められていること、その金銭を何とかするために秘密裏に人を騙すようなことをしていること、俺はそれを言ったらどうなるかわかっていた。
 しかし、二人きりの電車の車内から逃げる方法はないし、変に答えても二人の関係は悪くなるだけで、それは望んでいないのでどうしても避けたかった。
 もし彼女がそれを受け入れたとしても、それは俺が好きな山城さんを汚してしまうんじゃないかと言う事だと、頭の中で初めて言葉に出来るほど鮮明になっていた。
 俺のような汚れた人間を受け入れることは、彼女自身もその汚れを受け入れる事になってしまう事だった。
 それは、俺の汚れた部分で、純粋な彼女が変わってしまうと言う事を恐れていた。
 彼女が好意を寄せている俺は、今ここにいる俺ではなく、彼女が想像した架空の俺だった。
 それは俺ではない別の俺で、俺は彼女に本当の自分を知って欲しいと言う半ば我儘な思いが満たされない事で虚しさを感じていた。
   
 「でも、登藤君がいてくれたから、毎日が楽しい事ばかりで、その、いつも、ありがとう。」

 普通なら胸が弾けるような言葉も、頬が赤らめて潤んだ彼女の視線も、全て彼女の中の俺に向けられたものだった。
 最近感じていた、山城さんといるのに何か心に隙間が出来ている感じは、これが原因だと気がついたのは遅かったかも知れないが、それでも俺は山城さんのことを諦められないでいた。

 「その、俺で良ければ、いくらでも付き合いますよ、山城さんが話す宇宙銀河大戦の話、俺は大好きですから。」

 そう言うと、山城さんは顔から笑みが零れたのを見て、俺も自然に笑っていた。
 
    
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