彼女に思いを伝えるまで

猫茶漬け

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高校1年目

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 俺の日常は若干だが良い方向に動き始めていた。
 お金をテーブルに置いた日の夜、扉越しに母さんが俺に謝っていた。
 俺が起こした暴行事件で慰謝料の支払いに精神的に余裕が無かったと、父さんも母さんも疲れて気がどうかしていたと、俺に当たってしまっていたと、そう言う母さんの言葉を俺は黙って聞いていた。
 嬉しかった、まだやり直せると言う希望がある事がわかっただけで俺は気持ちは軽くなり、そして未来に希望を見に出すことが出来た。
 しかし、それは俺の行動を短絡的な考えに向かう事を助長する形になっていた。
 俺は阿部に言われた駅のコインロッカーの前に立ってロッカーのカギを握っていた。
 事の始まりは数日前、阿部とバイト帰りにラーメン屋に行った時だった。
 浮かれている俺をどん底に落とすようなことをさらっと阿部は言い始めたのだ。

 「登藤、もうそろそろバイトは辞めないとバレますよ。」

 俺は最初、阿部が何を言い始めたのか良くわからなかったが、阿部は理解していない俺にその絶望的な話を続けた。
 阿部が言うには、源泉所得税と言うものがり、年間の所得によって発生するとの事だった。
 問題は、バイトが学校でバイトを禁止されているのに、バイトをしていることが家族にばれると言う事だ。
 そもそも、壱拾五萬円言う金額を渡しているから勘づいていると思うが、俺は折角修復に向かっている家族との関係が悪化すると言う事に恐れていた。
 頭で色々と考えてしまって、阿部の話を半分聞きながら脳内でこれから起こるかも知れない最悪な妄想が頭を支配していた。
 人は小難しいことを、全て知っているように自信持って語られて仕舞うとそれを信じてしまう時があり、精神状態的に追い込まれた場合、ありもしない問題に対して対応しなくてならない様に思ってしまうことがある。
 それは全て阿部が俺を上手く動かす為、煙に巻いていることに気付くのは事が全て終わった後だった。
 阿部はあの気味悪い薄ら笑みを浮かべながら俺にある提案をしてきた。

 「私に名案があるんですが、どうです?興味あります?」

 その言葉に俺が頷く事しか出来ないことを阿部はわかっていたように一つのカギを渡してきた。
 俺が阿部の手から取ろうとした時、阿部は俺にこのカギが何処で使うのかを伝えてきた。

 「〇〇駅の36番ロッカーカギです。明日は土曜日、登藤はバイトも入っていないので暇だと思ってましたので、お手伝いを用意してましたよ。午前10時にロッカーから紙を取り出してください。その内容を読んで行動してください。まぁ、誰かを助ける事になるので頑張って下さい。」

 俺は阿部から不気味なものを感じて、不安から阿部に何をすれば良いのか、何をさせる気なのか、その場で聞きたいことを全て質問したが、阿部はあの不気味な笑い方をしながら、俺に信用するように説得をしてきた。
 
 「大丈夫です、別に悪いことをして欲しいと言う事ではないんですよ。人助けですよ、どうしても私では出来ないので登藤に御願いしたいんです。」
 
 阿部は俺の質問には答えようとしなかったのに俺はカギを突っ返す事を出来なかったのは、阿部を信用しているからか、それとも抱えている問題の解決策が喉から手が出るほど欲しかったのか、理由については色々あったが、俺の頭ではこのカギを手放した場合、待っているのは最悪な結果しかないと思ったからだ。
 俺はその心の端に不安を抱えながら、結局は駅のロッカー前まで来てしまっていた。
 阿部が言う通りにスマホで確認すると、表示された時間は午前10時、俺はカギを握る手が震えながら金属がカチカチぶつかり合うと、何とも言えない不協和音を聞きながら焦る気持ちが高鳴ってきて、鍵穴に入らないカギに苛立ちを感じいた。
 鍵穴にカギが入り、躊躇することなくカギを回すと、扉が開く金属音でさっきまでの苛立ちも喉を通る様に流れて、頭に上っていた血が引いていくようだった。
 扉を開けるとそこにあったのは封筒、手に取って表も裏にも何も書かれていないものだった。
 ロッカーを閉めるとその場から離れて、出来るだけ人気ない場所を本能的に探し始めていた。
 何も考えずにファーストフード店に入ると、そのままトイレに個室に入るとカギを閉めて、封筒の口を破る音を出ない様に少しずつ手で切っていった。
 封筒の中に紙が一枚、そこには印字された文字はあまりにも端的に書かれていた。

 〈11時50分 〇〇〇駅北口のコンビニ前で斑目 瞳が襲われる〉

 俺は心臓がキュッと締まると同時に鼓動が大きくなってきた。
 頭に洪水のように溢れ出した、様々などうするのかと言う自身に問いかけてはその答えを思いが浮かんでは消える想像に脳内が塗りつぶしていくようで、視界に霞がかかってくるのを感じた。
 スマホを取り出すと阿部に電話を掛けるがコール音だけが鳴りづづけるだけで出る気配がない、悪戯にしてもロッカーに封筒を入れておくなんて手が込みすぎている。
 本人か警察に知らせた方が良いのか、嫌、こんな紙切れ一枚では悪戯だと思われるだけだと思った時、頭に出てきたのは阿部の一言だった。

 『人助けですよ、どうしても私では出来ないので登藤に御願いしたいんです。』

 俺の頭で色々と仮定を作り始めた。
 阿部はどうして直接、斑目さんにこのことを伝えなかったのか、それは阿部を斑目さんが信用していないどころか敵意があるからだ。
 だから、阿部から伝えても信じてもらえないし、それを教えたことで斑目さんが周りに聞いたりすると、阿部が情報を漏らしたことがバレて立場が危うくなるからだ。
 スマホを使わないでこんな古典的な手を使っている理由はなんなんだ、通話履歴や情報のやり取りをスマホに残したくなかったからと思ったら、阿部はもしかして実行犯と行動を共にしているのか。
 犯行が失敗した時に、阿部は真っ先に疑われる恐れがあったからスマホなどの通信機器に記録を残したくなかったのと、そのような記録を残すことを消すように言われていた。
 俺の頭の中で仮定問題に答えをつけて、あっという間に理由付けで自分を納得させる壮大な物語が出来上がっていた。
 だったら、助ける行くしかないだろうと思ったが、前に誰かを助けた事で自分を今の現状に追い込んだ過去の出来事が頭にチラついていた。
 それが大きな悔いのような杭が身体なのか、頭なのか、心臓なのか、どっかに刺さってありもしない壁なのか、柱なのか、十字架に磔れて、動けないような状態だった。
 スマホの表示を見ると10時25分、行動すべきことは結論がついていたがトイレから出ることが出来なかった。

 暫くして、俺は自分自身を騙すことでトイレから出て紙に書いてあった駅に向かっていた。
 あの後、落ち着いて考えた俺はそもそもこれは阿部が俺に仕掛けたドッキリなんじゃないかと思う事にしていた。
 阿部がそんな犯罪のようなことに加担するわけがない、先ほどまでの壮大な物語を考えていた俺は只の阿保だったと思う事で、足取りは重いが目的地に向かっていた。
 駅に行き、阿部にわざと騙されて時間的に昼なので、お詫びとして昼食を奢って貰い、阿部が言っていたバイトが続けられる方法を聞くだけだ。
 俺は電車に揺られながらそう思う事で不安に蓋をして、上から何度も土を掛けるようにこれは悪戯だと思う事で封じ込めていたが、土が水で湿ってくるように少し漏れ出したが平常心が保つことが出来ていた。
 駅に着き、改札を出て、遠目で紙に書かれたコンビニを遠くから確認するとそこには誰もいなかったが、俺の中の不安が高鳴ってくきた。
 スマホで時刻を確認すると11時30分、残暑で暑さなのか、緊張のせいなのか、汗が止まらない。
 封じ込めたはずの嫌な予感が溢れ出し、漏れ出した水に土を何度も被せるように悪戯だと頭の中で復唱していたが、身体は正直だった。
 俺はコンビニ前が確認出来る、向かいのファーストフード店の2階窓際席に飲み物だけ買って、手を付けないまま座っていた。
 阿部が現れることを祈りながら待っていたら、俺の予想を裏切る形でコンビニ前に現れたのは斑目さんで俺の更に不安が膨れ上がって来てた。
 もう膝まで不安と言う水が上がってきているのに、水が流れに流されない様に必死に踏ん張ってような状態だった。
 スマホを取り出すと画面に表示された11時45分、今すぐ電話を掛けようと考えていたが何て言えば良いのか言葉が浮かんでこない。
 俺から不審な電話をすればあらぬ疑いをかけらえるんじゃないか、なんで襲われること知っていたのか、阿部に聞いたと言えば良いのか、それに阿部は実行犯でそれを止めようとしてと説明して、考えている暇があったらコールボタンを押せばいいのに指が動かない。
 こんな面倒なことに巻き込まれて、また俺は全て台無しになってしまうんじゃないかと言う思いが思考を渋滞させていた。
 しかし、コンビニから少し離れたところから、絵に描いたような不良を体現した赤や黄色の派手な色をした上着に金髪の男がコンビニ前に立っている斑目さんの方へ向かっていくのを見た途端だった。
 一気に溢れ出した不安が濁流にとなり、そのまま俺を押し流される形で俺は階段を駆け下りていた。
 階段を上ってくる客を躱して倒れそうになりながら店を出て、コンビニ前で視線を向けると先ほどの男が斑目さんを壁際に追い込む形で壁に手をついて声を掛けていて、学校ではあんなに気が強い彼女が不安そうに怯えているのを隠しながら顔を逸らして無視をしているが目に入った。
 相手は殴ってはいけない、どんなことがあってもそれだけはしないと、何度も頭で自身に言い聞かせながら斑目さんの方へ歩みを進めた。
 俺は男の背後から肩を叩きながら声を掛けた。
 
 「彼女を放してくれないか。」

 不機嫌そうに振り向く男とこちらを品定めするような目つきでこちらを舐めるように、足元から視線を上げていき目があった。
 数秒だろう、視線が合った状態で皮膚に痛みが走るような雰囲気と緊張感が支配していくと同時に、自然と握り拳を握るって力が入ってくる。
 
 「チッ、彼氏持ちかよ。」

 そう捨て台詞を吐くと男は何も無かったようにその場を去っていた。
 その背中が見えなくなると安堵のため息が自然と口から出て、握りっていた握り拳から力が抜けた。
 
 「大丈夫?」
 
 彼女は聞こえていたのかわからないが反応がなかったので心配になり、肩を軽く叩くと電気が走ったように身体を震わせた。
 
 「大丈夫!大丈夫だから・・・。」

 そう言いながら、斑目さんの目は今にも涙が出て仕舞いそうなほど潤んでいたので、よっぽど怖かっただろう。
 俺はどうすれば良いのかわからないが、目の前がコンビニだったのでとりあえず飲み物を買って来て彼女に渡した。
 彼女が隣で飲み物を飲んでいるを横でこれからどうするか考えていると何処かで見た事ある人がこちらに近づいいてきた。
 
 「登藤君、久しぶりだね。こんなところで何してんの?」

 声を掛けてきたのは、夏休みに一緒にボーリング行った大島さんだった。
 俺は大島さんに阿部の話は伏せて、斑目さんがガラの悪い男に絡まれてそれを助けた事を話す、大島さんは斑目さんと遊ぶ約束をしていたと言う事だった。
 大島さんは斑目さんを任せても欲しいと言うので、俺はその言葉に甘えてその場を離れることにした。
 
 その日の夕方に阿部は俺をいつものラーメン屋に夕食を食べに誘ってきた。
 店の前で阿部と合流すると席に着くと阿部が今日の事について聞いてきた。
 
 「今日、斑目さんを助けたんですか?」

 その顔はあの不気味な笑みに今日の事を思い出すと腹が立ったが、そこを堪えて俺は頷いた。
 
 「それは良かったです。心配していましたが登藤なら絶対やってくれると信じてした。それと登藤がバイトを合法的に出来る方法があります。」
 
 阿部の言葉を聞いて思い出したが、元々は阿部が名案があると言う事で斑目さんが襲われるのを助けることになった。
 それよりもまず、阿部になんで斑目さんが襲われるのがわかっていたのか、阿部に聞く事にした。

 「阿部、どうして斑目さんが襲われるのがわかっていたのか、説明して欲しい。」

 そう言うと阿部は顔色も変えずに間を少し置いてこう答えた。

 「まぁまぁ、とりあえず注文しません?今日は昼ご飯食べてないのでチャーシュー麺の大盛とか食べたいですね。登藤は何食べたいですか?積もる話はご飯を食べた後にしません?」

 そう言うと阿部は、カウンター奥にいるラーメン屋の店主に向かってチャーシュー面を大盛で注文した。
 俺はあまり納得していないが、俺はラーメンを注文した。

 「じゃあ、まず、斑目さんが襲われることを知っていたことについてですが、あれは偶然です。普通に誰かに言えば必ず私が情報元とバレるので、登藤にお願いするしかなかったのです。今後もこのことについては他言はしない様にお願いします。」
 
 「じゃあ、斑目さんはもう襲われたりしないと言う保証はないじゃないか。どうすんだよ。」

 そう言うと阿部はため息を突くと、コップの水を一口飲むと俺に諭すような口調で語りかけてきた。

 「斑目さんは登藤の何なんですか?ただの知り合いですよね。斑目さんが襲われるのは彼女がこれまでの行動で起こったことですよ、自業自得で登藤が危険な目に合う理由は何なんでしょうかね。人を助けて自爆するのは辞めた方が良いんじゃないですかね。」
 
 阿部が言いたいことはわかるが、阿部が言っていることに矛盾がある事について俺は阿部にそれを問い詰めた。
 
 「そもそも、今日の斑目さんを助ける事を御願いしたのは阿部じゃないか。」

 阿部はそれを聞いても顔色一つ変えずに、落ち着いた口調で説明を始めた。

 「斑目さんはまだ、利用する必要があったので助ける必要があっただけです。それは登藤がバイトを合法的に続ける方法と関わっています。」

 阿部のその言葉に俺は阿部のことを本当に最低の屑で、容姿だけじゃなくて性格も宇宙人だと、お前との関係は金輪際で絶縁すると、この場で言ってやろうと思った。
 しかし、俺はその言葉が喉元まで出かけていたのを止めてしまっていた。
 俺の中で阿部を利用出来なくなるのを、心の片隅で手放したくないと言う気持ちがあり、その魚の骨のような思いが喉元に刺さっていたせいで俺はそのまま言葉を飲み込むことになった。
 代わりに出てきたのはため息を見て、阿部は俺のご機嫌を取る様に話を始めた。

 「まあまあ、斑目さんに貸しが一つ出来たので、これをうまく利用すべきだと思いませんか。これは好機ですよ。」

 阿部は何やら考えがある事はわかったが、俺が聞いて来るまで黙って喋ろうとしなかったので、とりあえずその場の流れで阿部に尋ねた。

 「何か考えがあるのか。」

 そう言うと、阿部はあの気味が悪い笑い方をしながら待っていましたと言わんばかりに考えを喋り始めた。

 「斑目さんは美術部で生徒会顧問の先生と中が良いらしいじゃないですか。じゃあ、例えばの話でアルバイト禁止は校則とされていますが、過去に例外があるんじゃないかと思い調べました。特別に許可を得たとする場合とかなんて。」

 過去に特別に許可したと言う事は、同じように特別に許可される可能性があると言う事に俺は疑問があった。
 しかし、阿部の自信に満ち溢れたあの気味が悪い笑い方に心なしか信頼に近い感情を感じていた。
 俺は結局、阿部とは手が切れなかった事は阿部を選択することになる事を理解していなかった。
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