彼女に思いを伝えるまで

猫茶漬け

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高校1年目

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山城さんとデートをした日から数日後、夏休みは終わり新学期が始まったある日のことだった。
 俺は昼休みに山城さんに会いに行くのが日課になっていたが、いつも通りに図書室に向かう途中で斑目さんを見かけた。
 彼女は小柄な体系に合わない大きさの荷物を運んでいたが、どう見ても正面の視界が荷物で遮られているせいで、足取りがおぼつかない様子だった。
 斑目さんとは阿部との付き合いで遊びに行ったきりで、連絡先は交換したがSNSを通しての意思疎通は出来ていないと言うか、相手にされていなかったと言った方が正しいのだが、阿部を嫌っているなら、当然、俺もそんなに良い印象ではないだろうと思ってもいた。
 そんな顔しか知らない他人とは言え、阿部の顔を立てるとかそういうことでもなく、見ていて危ないと思ったので彼女に近づいて、何も言わずにその荷物を半ば強引だが正面から持ち上げた。
 急に荷物が軽くなったことに彼女は驚き、荷物から手を放して荷物を持っているのが誰なのか確認して、俺の顔を見るなり何とも言えない驚きの表情をしていたが、とりあえず何処に運ぶのか確認することにした。

 「これ、何処に運べばいい?」

 斑目さんは未だに状況を理解できていない様子だったが、運ぶ先については返事が返ってきた。

 「え、あ、美術室に・・・。」

 体感的に重さは15kgぐらいはある段ボールを持って、これから階段を3フロア分も登ると考えたらその場に荷物を置きたくなったが、それはそれでかっこ悪いので諦めて運ぶことにした。
 その間、斑目さんは後ろをついて来て、両手の塞がっている俺の代わりに美術室の扉を開けて、教壇の上に荷物を置くように指示した。
 夏の残暑もあり、目的地の美術室に運び終わるまでには額から汗が滲み出て、少し喉が渇いたと思っていたところに斑目さんは段ボールの中から1本ペットボトルを取り出すと俺に差し出してこう言った。

 「荷物運んでくれてありがとう、これはお礼だから。」

 恐らく、彼女が荷物を運び終わったら飲もうと思い、買っていたものだと思われるジュースを受け取った。
 用事も済んだので二人で美術室を出ると斑目さんが扉の施錠をしているのを見ながら、俺はこのまま図書室に行こうと思い、歩き出す瞬間に斑目さんに呼び止められた。

 「今日は阿部とは別行動なの?」

 別に阿部とは学校で用事がない限り顔を合わせないようにしているが、彼女の中では阿部と俺は四六時中一緒にいるように思っているようだったが、それは誤解で、阿部が言うビジネスパートナーと言う距離感であったが、言葉で表現が難しく、誰かに説明が出来るような言葉が浮かばなかった。
 お互い面倒な付き合いなしで目的の為に持ちつ持たれつの関係であって、ある程度の信用を持てる相手と言うべきだろうかと思っているが、阿部の内側から溢れる黒い善意のようなものを感じていた。
 
 「別に阿部は仲の良い友達でも、何でもないんだ。あいつが俺の前に現れるときは、何か俺にやらせたい時ぐらいだ。」

 そう言うと、彼女は俺にあるお願いをしてきた。

 「来週もお昼休みに荷物運びがあるから、暇だったら手伝って欲しいんだ。」

 俺の頭の中で阿部が『友達の友達で彼女から協力を得たいのですよ。』とそんなことを言っていた事を思い出したと同時に、ボーリング後にメッセージを送った時の何とも言えない虚無感を思い出していた。
 阿部に頼まれた事を忘れていたが、今がそのチャンスなのではと、直観的に感じたのでその場で返事を返してしまった。

 「別に、特別な用事がある訳でもないから良いよ。」

 脊椎反射で出た言葉について、すぐに頭の中で山城さんと会える時間が短くなると思い失敗したと後悔していたが、出してしまった言葉は口に戻すことも出来ないし、無かったことにも出来ないのだ。
 その答えを聞いて、若干、嬉しそうな斑目さんの顔を見てしまったからには、やっぱり手伝えないなんて言うことが出来なかったのもあり、ポジティブに考えたら荷物を運ぶのを手伝った事で彼女の評価が上がり、阿部の御願いを叶えることが出来ればそれに見合う報酬が転がり込んでくると言う期待もあった。
 
 「ありがとう、助かる。じゃあ来週、よろしくね。」

 斑目さんとその場で別れて、彼女の背中を見送ると図書室に出来るだけ急いで向かったが、図書室に来るのが遅くなった事について山城さんに問われてしまった。
 山城さんからしたら、毎日、同じ時間に会っているので物珍しさで聞きたくなったと思うが、俺は絶対に斑目さんの荷物運びを手伝っていたことを山城さんに話したく無かった。
 それは斑目さんとは、特に人間関係として何かしらつながりがあると言う事を山城さんが知った場合、山城さんと俺の関係にどんな影響が出るのか想像出来なかった。
 山城さんにどう思われるか、それだけが気がかりで万が一に斑目さんに好意があるなんて言う誤解を受けたくなかったのと、彼女に気にされていないが俺は山城さんだけに好意をあると言う事を態度で伝えたかったのもあった。

 「あ、えっと、ちょっと阿部と会ってまして・・・。」

 咄嗟に嘘をついたことで、その日は寝るまで罪悪感に苛まれていた事に理由があるとするならば、好きだと言う気持ちがあるからなのだろう。
 それなのに嘘をついていたら本末転倒なのに考えれば考えるほど頭に答えが出ない、小さな嘘にそんなに悩む必要があったのかわからないが、そんなことが頭にこびりついて離れない、山城さんと別れた後も、バイト中も、阿部とラーメンを啜っている時もずっと離れる事がなかった。

 「また、どうしたんですか。そんな景気が悪い顔して?」

 俺は悩んでいた、この頭に引っ掛かるような思いを阿部に相談した方が良いのかと思った。
 しかし、阿部の行動やこれまでの事を考えれば話したくもないが、その場の雰囲気で理由もなく話してしまった。

 「実は山城さんに嘘をついてしまって、斑目さんと会っていた事を、お前に会っていたと言ってしまったんだ。」

 阿部は口を開けて唖然としていて、それは何言ってんのかわからないと言う感じで、だからどうしたと言いたげで、俺はこれ以上言うと馬鹿にされると思いその先を言うのを止めた。

 「いや、何でもない。」

 阿部が何か考えながら急に笑いながら俺が思っていたことに気がついたらしく30秒ぐらいだろうか、阿部の薄気味悪い笑い声を聞きながら自分が馬鹿だったことを心底後悔した。

 「ああ、なるほど、嘘をついたのでバツが悪いので辻褄を合わして欲しいってことですか?」

 若干、阿部は外していたが俺が言いたいことは何となくわかっていた。

 「登藤もあれですね、夢を見すぎてますよ、それは、まぁ、恋愛なんて純粋で綺麗なものでないですから、どちらかと言うと豚骨スープみたいにドロドロしていますよ。骨を煮詰めて旨いスープが出来るなんて誰が考えたんですかね。」

 そう言いながら、阿部は麺をズルズルと啜った。

 「それどころか、私たちみたいなビジネスパートナーの方がクリーンな関係だと思いますがね。」

 俺はその言葉の意味を深くとらえなかったと言うより、俺の単純な頭では理解出来ていなかったのもあるが、それよりも頭に詰まった思考を煮詰めていた。
 話題を逸らす為に斑目さんの荷物を運んだ時の事を話をすると、何やら上機嫌に来週に斑目さんの手伝いをすることについて根掘り葉掘り聞いてきた。

 「そんで、なんで美術部の荷物運びなんてやるんですかね?それも斑目さんだけでなのかも気になりますね。何よりもこれは好機ですよ。」

 阿部は何を考えているのかわからないが、会う時間について確認することや、再来週もあるのかとか聞いた方が良いと騒ぎ始めて面倒なことになった。
 阿部から色々言われていたが、それでも斑目さんに何かしらSNSメッセージを送れば良かっただろうが、全く会話を切り出す文章が思いつかなかった。
 それは単純に「来週って何時ごろから荷物運ぶ?」送ったら「〇時〇分頃に何処来て欲しい」で終ってしまうのが目に見えていたと言うより、前に実際にやっていたことを思い出していたが、俺はそれでも少しでも阿部に恩を売っておきたいと下心みたいな考えがあった。
 山城さんとの夏休みにあったデートのような事を阿部を利用して出来ないかと思っていて、その為にはどうしても阿部の要望通り、斑目さんと人間関係的にちょっとした頼みごとを聞いて貰えるような友達になることだ。
 そして、そのチャンスが手元に来ていると言うのに、頭に最適な文章が出て来ないことについて無駄に悩んで時間だけが過ぎていき、当日まで何もメッセージを送れずにいた。
 学食で昼食を独りで食べている時にスマホが鳴ったのでスマホ画面を確認すると、そこには斑目さんの名前が表示されていて、約束してる荷物運びの件だとわかっていたが、直接電話で連絡が来るとは思っていなかったので緊張した面持ちで電話に出ることになった。

 「もしもし、今から職員室まで来れる?」

 とりあえず、その場で10分後ぐらいには行けると答えると、「じゃあ、宜しくね。」と言って電話を着られたので、待たすのも気が引けたので出来るだけ早く昼食を食べ終わると足早に職員室に向かった。
 職員室前の廊下に先週と同じぐらいのサイズの段ボールが床に置いてあり、壁に寄りかかりながらスマホを弄っている斑目さんがいた。

 「待たせてゴメン、運ぶのはこれで良い。」

 そう言いながら段ボールを持ち上げてみると、前回よりに腕の筋肉や指に負荷がかかるのを感じた。
 段ボールを抱えて美術室に運びながら、阿部が知りたがっていた、何故に昼休みに独りで段ボールを運んでいるのか聞いてみた。

 「なんでまた、昼休み中に荷物運びを独りでしてるんだ?」

 俺としては斑目さんが昼休み中に荷物運びをしているのかなんて興味はなかったが、阿部がうるさく聞いて欲しいと言われていた事もあり、阿部の機嫌取りの為にも聞いておこうと思った。
 そう言うと前を先導している斑目さんが理由について簡単に答えてくれた。

 「美術部の顧問先生が生徒会を兼任していてね。体育祭の小道具や文化祭の看板とかの修繕を美術部員が毎年対応しているの。」

 その内容には大切な部分が一つ抜けていることについて気がついたと言うより、阿部が言っていたことを思い出した。

 「それだったら、独りで運ばないで美術部の部員に手伝って貰えば良いんじゃない?」

 荷物で前が見えないので表情までは確認できないが、少し間を開けてそのことについて美術室に着いたら話すとはぐらかされてしまった。
 美術室に着くと、この前と同じように机の上に荷物を置くと彼女は一言、礼を言うと前回と同じようにジュースを手渡してきて、彼女もその場で同じものを手に取ると封を切って飲み始めた。

 「さっきの話なんだけど、私がなんで荷物運びしてるかって話なんだけどね。」

 斑目さんはざっくりだが、昼休みに独りで荷物運びをしている理由について説明を始めた。
 美術部の顧問先生が生徒会を兼任しているので、彼女は生徒会に入るために先生に内心を良くする為に荷物運びをしていて、本来であれば夕方頃から美術部全員で荷物運びをするのだが、それでは美術部の顧問にアピールが出来ないので無理を言って、昼休みに荷物運びをしていると言う事だった。
 簡潔に言えば、先生に積極的に手伝いをして生徒会に入る様に推薦されることを狙っている為だと、ジュースを飲みながら聞いていた。
 常識の範囲で根回しで生徒会に入りたいと思っている事はわかったが、入りたい理由については深く聞かないことにした。

 「この話は阿部には秘密にして欲しいの、阿部には邪魔されたくないからね。」

 斑目さんは申し訳ないが既に手遅れで、俺は阿部には話す事になってしまうが、阿部に知られたくない理由について知りたかった。

 「阿部に秘密にして欲しいって、阿部が何かする訳じゃないしなぁ。」

 そう言うと、彼女の目がジッとこちらを睨むような目つきと無言の圧力で何とも言えない雰囲気にバツが悪くなり身体を背けた。
 俺は斑目さんの琴線に触れたと思い、無駄に機嫌を悪くしてもしょうがないので、彼女には阿部には秘密にすると言ってその場を去ろうとしたが、彼女が先に話し始めた。

 「私と阿部は出身校が同じなの、あいつとは色々あったの。」

 斑目さんが阿部と同じ学校出身だったとは、知って驚きのあまり彼女の顔を見てしまった。
 彼女は目線を違うところに外していたが、顔色が良い感じではなかったのもあるが、不安と言うか不満に近い感じで、怒りにも感じるような震えるような声色で話をしていた。

 「阿部は私の知り合いに何かしたらしく、その子が学校に来なくなっちゃったの。」

 中学時代に阿部と仲が悪かった女子生徒がいて、斑目さんが言うには犬猿の中と言う事だった。
 その女子生徒は正義感が強いのか阿部の悪行を見つけてはそれを暴露するようなことをしたそうだが、中学の夏頃から女子生徒は急に不登校になり、友達とも音信不通になってしまって理由もわからないままで今も引きこもっているそうだ。

 「これは私の友達の意見なんだけど、阿部が何かしたんだと思う。阿部が生徒会の上級生に媚を売っているの見ると、阿部と私は嫌でも関わることになる。だから、その前に阿部の尻尾を掴んで何処か邪魔出来ない様に追いやりたいの。」

 俺は急に不安になってきた。
 彼女が言う友達の意見というのは本音を隠す為の建前なのでないのかと、例えるなら何か人に相談しにくい事を『自分』とは言わず『友達』のことと隠して話をしているとそう感じとれてしまっていた。
 それは予感だったが頭の中で斑目さんと阿部のどちらの味方をするのか迫られるようなことになるんじゃないのかと言う事と、その争いに既に片足を突っ込んでいるじゃないかと言うことが脳裏に浮かんでいたが、数十秒後にそれは的中する。
 この前のボーリングは阿部に近づき何か悪いことをしているところを掴もうとしていたのかと思ったら、急に喉が渇いてきて、貰ったジュースを飲まずに入れなかった。
 阿部も俺も生徒指導室に呼ばれて事情聴取をされていないことを考えると、まだ斑目さんは夏休みの宿題でお金を稼いでいた事の証拠を掴んでいないようだ。
 それでも、俺は変な汗で残暑など感じられないほど肝が冷えていた。
 阿部は確かに俺が書いた読書感想文を渡したが、報酬としてのお金のやり取りをしていなかったから捕まらずに済んでいただけなのだ。

 「御願いがあるんだけど、阿部について何かわかったことがあったら何か教えて欲しいの。登藤は阿部のビジネスパートナーってだけなんでしょ?じゃあ、私に協力してくれるよね。」

 斑目さんの言う通り俺と阿部はそう言う紙切れのような薄ぺっらな関係かも知れないが、俺には阿部を売るような事は出来ないのも事実だ。
 この紙のような薄ぺっらい関係には、壱萬円札紙幣のような価値を俺の中では持っていて、阿部はその薄い信頼を積み上げていた。
 何よりも山城さんとの関係を円滑に勧めるには、阿部の助力に頼りたいと言う思いは捨てられなかった。
 しかし、斑目さんの提案を断った場合を考えると、阿部が何かしら尻尾を掴まれたら芋づる式に俺も捕まること、その悪評が山城さんの耳に入ったら関係は崩れることも容易に想像も出来た。

 「協力ってなんだよ、俺は阿部がそんなに悪い奴だとは思えない。それだって阿部が原因だって事はわかっていないだろ。」
 
 俺はどちらかに加担する事を選択出来なかったのは、どちらかを選ぶなら軽率に選ぶとどうなるかわからない、阿部と斑目さんのどちらが形勢が良いのか見定めてからでも選択は遅くないと思ったからだ。
 斑目さんはこちらを顔色をジッと見て何か思うところがあるようで、斑目さんは直感的に俺が阿部の何かしら秘密に関わっているだろうと予想し、協力的なのか品定めしてきた。
 正直、合うのが3回目で協力して欲しいと言われてもそんな気にはなれなかったが、斑目さんの一言に俺はその考えをすぐに改めることになった。

 「例えば、生徒内で秘密裏に学力評価にかかわる課題を金銭報酬を貰って代行するような事とか。」

 俺はその一言に体が強張っていき、手に力が自然に入って仕舞い、握っていたペットボトルを変形させてしまった。
 斑目さんはもう俺と阿部が何をしていたのか知っていて、後は証拠となるを何かを手に入れる事さえ出来れば、学校側に報告することが出来るとこまできているとその一言で理解できた。
 脳内に阿部と一緒に生徒指導教員に連れて行かれる恐ろしい光景が脳裏に浮かんだと同時に、両手で首を捕まれているような嫌な不快感を感じていた。

 「わかった、別に後ろめたいものがある訳でもないからな。」

 その場は不審がられない様に虚勢でなんとか協力をすることにしたが、阿部とは言え、知合いを売るような事をするのは俺には出来ないと思いつつも、阿部と一緒に生徒指導室に連れて行かれるのも避けたかった。
 その後、前回と同じく美術室のドアを斑目さんが施錠してその場で別れたが、俺の頭は阿部を裏切り斑目さんに加担すべきなのかと言う悩みを抱えてしまっていたのだが、どちらかと言うと阿部とは手を切るべきだと思っていた。
 阿部が捕まる時は俺も同じく捕まることになる事は間違いない、斑目さんに加担すれば逃れられる可能性はあるかもしれない、俺にとって何が良くて、何が悪くて、どうすれば穏便に全てが納まるのか、答えが出ないような堂々巡りの思考を止めることが出来なかった。
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