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黒い箱

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私はネットで注文した本が届いたので、玄関先に置かれたダンボールを開けた。中には、私が買った本とは違う、黒い箱が一つ混じっていた。
箱には何の表示もなく、軽く揺らしても中から音はしなかった。たまに入ってる送り主からのプレゼントだろうか?
不審に思いながらも、箱を開けてみると、中には小さな人形が入っていた。人形は白いドレスを着ていて、金髪の髪を長く伸ばしていた。顔は可愛らしい感じだったが、目は真っ黒で、まるで見つめられているような気がした。

フランス人形のようでもあるが顔の雰囲気は日本人形のようで、なんでこんなものを一緒に送ってきたのか、何の意味があるのか分からなかった。
とりあえず送り主に届いた旨を伝えようと思い、フリマアプリを開いたが、連絡先が消えていた。
薄ら寒い気持ち悪さを感じたので、私はこの人形を捨てようと思ったが、人形を捨てるのは忍びないし、何となく気になってしまって、部屋の棚に置いておくことにした。
その日の夜、私は夢を見た。
夢の中で人形が動き出すのだ。人形は棚から降りて、私のベッドに近づいてきた。そして、私の顔をじっと見つめながら、小さな声で何かを囁いた。

「ありがとう。やっと会えたね。私はずっとあなたを探していたの。あなたは私の運命の人なのよ」

私はその声に驚いて目を覚ました。部屋に明かりをつけると、棚に置いておいた人形が消えていた。代わりに、ベッドの横に黒い箱が置かれていた。箱には赤い文字で「開けて」と書かれていた。私は恐怖に震えながら、箱を開けると、中には人形の頭だけが入っていた。頭は血まみれで、目はまだ真っ黒だった。そして、その目が私を見つめて、再び囁いた。

「どうして逃げるの?私はあなただけを愛してるのに。あなたも私を愛してくれるよね?」

私は叫んで目を閉じた。そして、二度と開けることはなかった。
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