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知らない置物
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不意に目が覚めてしまう日を皆さんも経験したことはないだろうか。その日の私も同じような感じだった。時計を見ると、午前五時半。変な時間に起きてしまった。なにか片付けでもしようかと一瞬悩んだが、やる気が起きないのでもう少し寝ようと布団の位置を直す。しかし、そのとき、目に入ったものに驚いて飛び起きた。
私のベッドの横には、小さなテーブルがある。いつもスマホの充電をしているそのテーブルの上に、知らない置物が置いてあったのだ。それは、猫のような形をした白い磁器製の置物だった。
しかし、その猫は普通の猫ではなかった。目は落ちくぼみ、口は牙をむき出しにして笑っているように見えた。その姿は、まるで悪魔のようだった。
私はその置物を見て、恐怖に震えた。
酔っ払って買ってきた?いや、昨日は飲んでいない。
どこから来たのだろうか?誰かが置いたのだろうか?私は一人暮らしで、鍵もかけている。
誰も入れないはずだ。それに、こんな気味の悪いものを持っている人がいるとも思えない。
私はその置物を手に取ろうとしたが、触れると熱くて手を引っ込めた。そのとき、その置物が動き出した。目のある位置が赤く光り、口が開いて鳴き声を上げた。
「ニャーニャー」
その声は猫の鳴き声ではなく、人間の悲鳴に似ていた。
あまりの恐怖に私はベッドから飛び降りて、ドアに向かって走った。しかし、ドアは開かなかった。鍵がかかっているのだ。私は鍵を探したが、見つからなかった。どころかドアノブも何もなくなっている。
私はパニックに陥った。窓から飛び出そうと思ったが、窓も開かない。無理やり割ろうと思い近くにあった空き缶を投げたがびくともしない。まるで閉じ込められているようだった。
原因を探すしかない。
私は部屋中を探したが、誰かが侵入した痕跡は見つけられなかった。ただ一つ見つかったのは、テーブルの下に落ちていた紙切れだった。
紙切れには、赤い字でこう書かれていた。
「これは呪いです。この置物は寂しがり屋で二度とこの部屋から出られません。この置物と一緒に死ぬまで暮らすことになります」
私は紙切れを読んで絶望した。そんな馬鹿な話があってたまるか。これは誰の仕業だろうか?いたずらにしても手が込みすぎている。そもそもなぜ私にこんな事をするのか。恨まれるようなことをやった覚えなど毛頭ない。
助けてくれる人はいないのだろうか?私はこの部屋から出られないのだろうか?
そのとき、また置物が動き出した。
「ニャーニャー」
私は叫んだ。
「うるさい!」
しかし、置物はやめなかった。
「ニャーニャー」
あれからずっと私は猫の置物と暮らしている。なぜかネットには繋がるのでこうやって書き込みもできるしアマゾンも置きはいなら受け取れるようだ。
ああ、ちなみにあの猫の置物だが、少しだけ愛着が持てるようになったんだ。定期的に撫でているけどだんだん大きくなってきてる気がする。
私のベッドの横には、小さなテーブルがある。いつもスマホの充電をしているそのテーブルの上に、知らない置物が置いてあったのだ。それは、猫のような形をした白い磁器製の置物だった。
しかし、その猫は普通の猫ではなかった。目は落ちくぼみ、口は牙をむき出しにして笑っているように見えた。その姿は、まるで悪魔のようだった。
私はその置物を見て、恐怖に震えた。
酔っ払って買ってきた?いや、昨日は飲んでいない。
どこから来たのだろうか?誰かが置いたのだろうか?私は一人暮らしで、鍵もかけている。
誰も入れないはずだ。それに、こんな気味の悪いものを持っている人がいるとも思えない。
私はその置物を手に取ろうとしたが、触れると熱くて手を引っ込めた。そのとき、その置物が動き出した。目のある位置が赤く光り、口が開いて鳴き声を上げた。
「ニャーニャー」
その声は猫の鳴き声ではなく、人間の悲鳴に似ていた。
あまりの恐怖に私はベッドから飛び降りて、ドアに向かって走った。しかし、ドアは開かなかった。鍵がかかっているのだ。私は鍵を探したが、見つからなかった。どころかドアノブも何もなくなっている。
私はパニックに陥った。窓から飛び出そうと思ったが、窓も開かない。無理やり割ろうと思い近くにあった空き缶を投げたがびくともしない。まるで閉じ込められているようだった。
原因を探すしかない。
私は部屋中を探したが、誰かが侵入した痕跡は見つけられなかった。ただ一つ見つかったのは、テーブルの下に落ちていた紙切れだった。
紙切れには、赤い字でこう書かれていた。
「これは呪いです。この置物は寂しがり屋で二度とこの部屋から出られません。この置物と一緒に死ぬまで暮らすことになります」
私は紙切れを読んで絶望した。そんな馬鹿な話があってたまるか。これは誰の仕業だろうか?いたずらにしても手が込みすぎている。そもそもなぜ私にこんな事をするのか。恨まれるようなことをやった覚えなど毛頭ない。
助けてくれる人はいないのだろうか?私はこの部屋から出られないのだろうか?
そのとき、また置物が動き出した。
「ニャーニャー」
私は叫んだ。
「うるさい!」
しかし、置物はやめなかった。
「ニャーニャー」
あれからずっと私は猫の置物と暮らしている。なぜかネットには繋がるのでこうやって書き込みもできるしアマゾンも置きはいなら受け取れるようだ。
ああ、ちなみにあの猫の置物だが、少しだけ愛着が持てるようになったんだ。定期的に撫でているけどだんだん大きくなってきてる気がする。
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