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影たち

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夜 中にパッと目が覚めた。時計を見ると午前3時だ。
部屋は暗くて静かだったが、何かが違うと感じた。
そういえば、寝る前に窓を閉めたはずなのに、今は少し開いている。風が吹いてカーテンが揺れている。誰かが開けたのだろうか?いやいや、鍵は閉めていたはずだ。自然に開いた?それこそ不自然だろう。
まさか泥棒!?
不安になってベッドから起き上がった。

とにかく、寒い。秋になったばかりだと言うのに、以上に寒い。とりあえず窓を締めないと。
窓を閉め用途手を伸ばした時、窓の外に何かが見えた。
それは人間のような形をしていた。
それはゆらゆらと揺れていた。
それは黒い影だけの存在だった。
ゆっくりと近ずいてくるそれは窓に手をかけて、ゆっくりと中に入ろうとしている。私は恐怖に震えながら叫んだ。

「うあ!来るな!」

すると、影は一瞬にして消えてしまった。私は呆然と立ち尽くし、戸惑いながらも窓の外を確認した。

何もいない。

何が起きたのだろう?私の心臓は激しく鼓動し、冷や汗が背中を伝っていく。

とにかく寝よう。なにかの見間違いだ。

そう思うことにして横になった。しばらくしてから、再び窓の外に異変が起きた。ガタガタと窓が揺れている。何事かと見ると、今度は複数の影が現れ、窓に集まり始めた。彼らは窓を開けようとしていた。私は恐怖に打ち震えながら、声を出すこともできずにただ見つめるしかなかった。

窓の鍵がガチャリと外れた。ゆっくりと開かれ、影たちは部屋の中に入り込んできた。私は全身の力を振り絞って逃げようとしたが、足がすくんでしまい、逃げ出すことができなかった。影たちは私に近づいてきて、その存在感に私の息が詰まりそうだった。

すると、影たちは私の周りを取り囲んで、何かを囁き始めた。その声は耳に届いた瞬間、私の頭に響き渡り、私の心を蝕んでいくような感覚がした。私は苦しさに耐え切れず、絶叫してしまった。

すると、一瞬にして影たちは消え去った。それと同時に私は気を失ってしまった。

朝になって、私は起き上がり、窓を確認した。窓はしっかりと閉まっていて、鍵も壊れている様子は無い。昨晩の出来事は夢だったのか?しかし、あの時の恐怖がぐるぐると胸の中で蠢いている。

それからというもの、私は寝る時に窓を見ることが出来ない。何があったのかは分からないが、もう二度とあのような体験はしたくなかった。

しかし、時折夜中に目が覚めると、窓の外に黒い影が立っているような気がしてならない。

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