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第1部

間奏話<佐山目線>倫との出会い その2

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 次のデートの日が来た。俺はもう心に決めていた。倫を抱く。だが、どこまでは決めないでいようと思っている。
 あいつは今までノンケの人生を歩んできたんだ。彼女としたことはあっても、男とは初体験だろう。それは相当ハードルの高い作業だ。俺はそれを強要したくない。
 でも、出来たら、したい。


 俺らが会ったのは、まだ昼日中だ。こんなお天道様が高く明るく輝いているときにどうかと思うが、闇に隠れるようにするよりはいいと俺は思った。
 
 初夏の気持ちの良い風が吹く。借りた車で俺達は港に来ていた。こういう時は、やっぱり海だろう。海岸端、倉庫街を二人でそぞろ歩きをしていた時、人がいないのを見計らって、俺は倫を抱きしめた。

「佐山さん……」

 腕の中で心細そうに倫が俺の名を呼ぶ。俺のハートは銃で撃ち抜かれたみたいに飛び跳ねた。熱いキスをすると、とろんとした目で俺を見ている。まさに天使!

「倫、あんたを抱きたいんだけど、構わないかな」

 倫は一瞬戸惑いの表情をしたけれど、頷いてくれた。


 ラブホで俺らは順番にシャワーを浴びる。俺が後からシャワーを終えてベッドに行くと、倫は硬直したままベッドにいた。まるでまな板の鯉みたいになってる。

「どうした? 震えているのか?」

 怖いのだろう、間違いなく。俺は倫の髪を梳くように撫ぜた。

「僕、初めてなんです」

 そう告白する倫。なんて可愛いんだ! 今すぐぐちゃぐちゃにしたい気持ちを俺は抑えてこう言った。

「心配しなくていい。俺に任せて。もし、どうしても嫌ならしないから」

 やめる気はさらさらなかったが、拒否されたら仕方ない。こういうことは時間をかけないと。それは重々承知していた。

 俺は倫の花びらみたいな唇に口づけをする。なんて甘いんだ。嫌ならしないって言ったけど、走り出したら止まらない予感がする。俺はあいつの固くなってる可愛いものを愛撫する。倫は極上の声を出して喘いだ。

「ああ、ああん」

 俺が口で愛撫すると、倫は恥ずかしそうに声を上げる。その声が俺をそそりまくる。つい本気を出して愛撫してしまった。

「佐山さん、あのっあのっ」

 逝きそうなのを、恥じているのがわかる。そんなことは気にしなくていい。俺はそのためにあんたのモノを愛してるんだ。

「ああっ、ご、ごめんなさい! ああぁぁ!」

 何を謝るのか。でもそれがまたまた愛しくてたまらない。

「佐山さん、キスして……」

 俺はあんたの望みなら何でも叶えてやる。今すぐ死ねと言われたら死ねるよ。
 ありったけの愛をこめて口づけをする。倫の頂点が高く、深く、体中に染み渡っていくように。




その3に続く


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