36 / 36
番外編 男たちの野望 ~祥を取り巻く男達の実情を描く!~
ラストエピソード 鹿島の気持ち その2
しおりを挟む
いきなりキスから始まった恋だったが、めでたく先生、いや、祥と付き合うことになった。良かった。嫌われてなくて。
だか、俺は忙し過ぎて祥との時間をなかなか持てない。祥が寂しい思いをしてるんじゃないか、俺はいつも気になっていた。
「今度、二人で出掛けないか?」
そんなときだ。久しぶりに休みがもらえたので、祥を誘ってみた。するといつもキラキラしてる瞳をいっそう輝かせて喜んでくれたんだ。
可愛い! この可愛さを独り占めしてることに俺は有頂天になった。
デートは素晴らしかった。祥の作ってくれた弁当はさすがプロの腕前で、味はもちろん、宝石箱のような美しさだった。
降りだした雨の中で交わしたキスは、まるで映画の1シーン。俺はあの瞬間を一生忘れることはないだろう。
だが。そのあとは悪夢の連続だった。俺のアパートに祥を招き入れ、さあこれからという時に! なんと呼び出しが来てしまった……。マークしていた売人が動き出したと。あの野郎、ぜってえ許さん!
俺は酷くなる一方の雨の街に、祥を一人で帰宅させた。この時ばかりは自分の職業を呪ったよ。
俺はとにかくこのヤマをさっさと片付けたくて突っ走った。その甲斐あってか思った以上に早く完遂でき、俺は嬉々として祥に連絡した。
だが、祥からは返信どころか既読も付かない。いや、怒っていても不思議はない。俺は謝って機嫌を直してもらうため、翌朝祥の家を訪ねたんだ。
しかし……。
俺はそこで、なんと沢城に会った。どういうことだ!? 俺は思わず奴に掴みかかった。だがあの男は全く動じずこう言った。
「そんなに大事なら、雨の中を一人で帰さないことですね」
俺は何も言えなかった。祥は熱を出して倒れたと。居合わせた沢城は看病していたらしい。俺は自分の不甲斐なさに心底腹が立った。
とは言え、この沢城ってやつ。まじで堅気なのか? 迫力半端ない。祥にも手を出してはいないだろうな。
自分の家のリビングで小さくなってる祥。あんたは何も悪くない。どうか俺を許してくれ。俺はあいつを優しく抱き締める。祥は俺の腕のなかで自分の体を預けてくれた。
「祥は基本淫乱です。節操なくモテて節操なく惚れるんです。鹿島さん、苦労しますよ」
祥の事務所のスタッフ。あいつの同級生だったという舞さんから、俺は驚愕の事実を聞いた。そういう予感はあったが、そこまでとは思わなかった! 俺もまだまだだな。
たけど、不思議だな。そんな話を聞いてもあいつと別れようと思わなかった。もしかすると、そんな気の多いところも、俺は好きになってたのかもしれない。
――――よし。それなら、俺は名実ともにあいつを独占してやる。祥を満足させてやろうじゃないかっ!
難解な事件ほど燃える。それが俺の本質だ。難しい相手ほど攻略しがいがあるというもんだ。
祥を俺なしではいられないようにしてやる。そのためには、まず、自白させないとな。
自然と身体中に力がみなぎってくる。俺は全力で祥を虜にするぞ。あいつに出会ったのは、きっと偶然じゃない。本物の恋をするチャンスを与えてもらったんだ。
俺はこの機会を逃す気はない。祥、覚悟しろよ。あんたを夢中にさせてやる。そして、一緒に幸せになろう。
番外編 完結
ありがとうございました!
※この作品の他にもBL小説を投稿しています。よろしければ是非お立ち寄りくださいませ♡
だか、俺は忙し過ぎて祥との時間をなかなか持てない。祥が寂しい思いをしてるんじゃないか、俺はいつも気になっていた。
「今度、二人で出掛けないか?」
そんなときだ。久しぶりに休みがもらえたので、祥を誘ってみた。するといつもキラキラしてる瞳をいっそう輝かせて喜んでくれたんだ。
可愛い! この可愛さを独り占めしてることに俺は有頂天になった。
デートは素晴らしかった。祥の作ってくれた弁当はさすがプロの腕前で、味はもちろん、宝石箱のような美しさだった。
降りだした雨の中で交わしたキスは、まるで映画の1シーン。俺はあの瞬間を一生忘れることはないだろう。
だが。そのあとは悪夢の連続だった。俺のアパートに祥を招き入れ、さあこれからという時に! なんと呼び出しが来てしまった……。マークしていた売人が動き出したと。あの野郎、ぜってえ許さん!
俺は酷くなる一方の雨の街に、祥を一人で帰宅させた。この時ばかりは自分の職業を呪ったよ。
俺はとにかくこのヤマをさっさと片付けたくて突っ走った。その甲斐あってか思った以上に早く完遂でき、俺は嬉々として祥に連絡した。
だが、祥からは返信どころか既読も付かない。いや、怒っていても不思議はない。俺は謝って機嫌を直してもらうため、翌朝祥の家を訪ねたんだ。
しかし……。
俺はそこで、なんと沢城に会った。どういうことだ!? 俺は思わず奴に掴みかかった。だがあの男は全く動じずこう言った。
「そんなに大事なら、雨の中を一人で帰さないことですね」
俺は何も言えなかった。祥は熱を出して倒れたと。居合わせた沢城は看病していたらしい。俺は自分の不甲斐なさに心底腹が立った。
とは言え、この沢城ってやつ。まじで堅気なのか? 迫力半端ない。祥にも手を出してはいないだろうな。
自分の家のリビングで小さくなってる祥。あんたは何も悪くない。どうか俺を許してくれ。俺はあいつを優しく抱き締める。祥は俺の腕のなかで自分の体を預けてくれた。
「祥は基本淫乱です。節操なくモテて節操なく惚れるんです。鹿島さん、苦労しますよ」
祥の事務所のスタッフ。あいつの同級生だったという舞さんから、俺は驚愕の事実を聞いた。そういう予感はあったが、そこまでとは思わなかった! 俺もまだまだだな。
たけど、不思議だな。そんな話を聞いてもあいつと別れようと思わなかった。もしかすると、そんな気の多いところも、俺は好きになってたのかもしれない。
――――よし。それなら、俺は名実ともにあいつを独占してやる。祥を満足させてやろうじゃないかっ!
難解な事件ほど燃える。それが俺の本質だ。難しい相手ほど攻略しがいがあるというもんだ。
祥を俺なしではいられないようにしてやる。そのためには、まず、自白させないとな。
自然と身体中に力がみなぎってくる。俺は全力で祥を虜にするぞ。あいつに出会ったのは、きっと偶然じゃない。本物の恋をするチャンスを与えてもらったんだ。
俺はこの機会を逃す気はない。祥、覚悟しろよ。あんたを夢中にさせてやる。そして、一緒に幸せになろう。
番外編 完結
ありがとうございました!
※この作品の他にもBL小説を投稿しています。よろしければ是非お立ち寄りくださいませ♡
0
お気に入りに追加
44
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
キノウ様
感想ありがとうございます!
こちらの作品も読んでいただいて嬉しいです!
ふらふらとよそ見ばかりしちゃいがちな主人公ですが、
それを繋ぎとめる強力な愛があれば大丈夫。
なんて、気が気じゃないですね。
私の作品では珍しいタイプの主人公ですが、
二人が永遠の愛を貫けることを祈ってます。^^;
いつも素敵な感想、ありがとうございます。
好みの作品を探していて、作品の概要にピンと来て読ませて頂きました!
まだ途中なのですが、料理教室を通じて展開されていく展開にとってもにこにこしてしましました!!登場人物の職業も個人的に俺得過ぎて……大変美味しいです……。
BL小説大賞に参加中、とのことで応援しています!!素敵な作品を有難う御座います!!
また時間を見て、続きを読みに伺います^^
一〇九様
感想ありがとうございます!
好みの作品とのこと、ものすごくうれしいです!
彼らの今後の展開、楽しんでいただければ幸いです。
お時間あるとき、どうぞお寄りください。
それからBL大賞の応援、めちゃくちゃ嬉しいですー!
こちらこそ、感謝です。頑張ります!
ありがとうございました。m(__)m