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番外編 男たちの野望 ~祥を取り巻く男達の実情を描く!~

エピソード3 沢城の気持ち

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 城山祥先生。私は彼のこと、以前から注目してたんだよね。イケメン料理研究家ってことで、随分女性人気が高かったけど。実はゲイだって感じてたから。
 恋愛に老若男女、既婚未婚、そんなものは問わない。気に入ったらそれでいい。というのが私のポリシーだから、獲物は常に平等に襲うことにしている。なんで、料理教室の応募に当選したときは、運命だと思ったね。


 男性限定料理教室には、三人のアラサーがいて、どうやら先生のタイプが集められたらしい。そんなことは一目瞭然。大体、料理教室に写真データがいるってとこからもわかるよね。そして私を含めて三人とも、先生を狙うハンターだった。

「先生、すみませぇん。早く来てしまったんだけど、大丈夫ですかねぇ」

 他の二人、鹿島と美原ってやつに先を越された感があった。まあ、私は順番には拘らない。ゆっくりやらせてもらうさ。
 ということで、ちょっと早めに教室に訪れた。先生は明るく招き入れてくれた。うんうん、そういうとこ、嫌いじゃないよ。

「熱があるかもっ」

 男同士なら、なんてことない動作だ。私は先生のおでこに手を当てる。すると、真っ赤になってふらふらしてる。なんちゅう可愛いリアクションだ。
 このまま襲いたい気持ちも沸いたが、私は慌てるつもりはない。なんたって、私は人のモノを頂くのが何より好きなんだ。だから、先生が誰かと付き合い始めてからの方が美味しいんだよ。


 先生は腕まくりと前髪を下ろした姿がお気に入りらしい。そこを踏まえて次の作戦へと移行する。どうやら鹿島と付き合いだしたようだし、美原とも何かあったらしい。益々熟れて美味しくなったというものだ。

 私は自動車メーカーのエンジニア。車にはまあ、ウルサイほうだ。ところで城山先生だが、欧州車の珍しい車に乗っておられる。これは海外でしか販売していないので、かなりのマニアだと思う。私が生徒に選ばれたのも、そのせいかもしれないな。
 ということで、餌を高級スポーツカーにした。有難いことに、私はそういった種類の車に簡単に乗れてしまうご身分なのだ。給料はそれほどじゃないけどね。


 先生のスケジュールを確認して待ち伏せ。そして見事に一本釣りできた。先生、ちょっとチョロすぎますよ。ま、そこも嫌いじゃない。

 車の中、私は先生と鹿島や美原とのことを言い当て、先生を動揺させた。先生は私の隣でライオンの前のウサギみたいにびくびくしてる。可愛すぎだろ。
 こうして舞台は整った。先生が車を降りようとしたその時、私はむんずと手を伸ばす。

「な、なにもしないって……」

 あんた、高校生か。いやいや、本当に初心だなあ。それともそれはフリですか? どちらにしても、私のタイプど真ん中だよっ。

「やだなあ、先生。それは、するってことですよぉ」

 先生の可愛い唇をたっぷり愛撫する。私の下で喘ぎながら抵抗する先生のなんと愛おしいこと。ついつい本気になってしまいそうだった。
 でも車の中だし、よそ様の駐車場だったので最後までできなかったのが残念! だけどいい加減のところでつまみ食いするのが、長く楽しめる秘訣だからな。

 次はいつ、食べさせてもらおうかな。これから一年、楽しみすぎだ。


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