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ミステリー探偵部編
旧図書館にて
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先輩に促されるまま部室を出た後、旧校舎のすぐ隣にある旧図書館へと向かっていた。
先輩から旧図書館についての話を聞く。彼女によると、旧図書館は図書の増加と老朽化が原因で新図書館が建てられた際に閉鎖されたようだ。
「そういえば」
移動している間に入部前から気になっていた事を確認しておく。
「うん、何かな?」
「どうして部室があるんですか?」
去年まで池上先輩を除いて何人部員がいたか知らないけど、やはり一年という短い期間で数多くある部の中から部室を与えられるのは何か大きな理由があるはずだ。
「さっき部室で先輩がいたって言ったけど名前を借りていただけで、実際活動していたのは私と花恋ちゃんの二人だけだったんだよね」
恐らく花恋先輩は旧図書館で待ち合わせをしている相手だろう。
その後先輩の話によれば、花恋先輩の先祖が神無月高校を創立するという話が出た際かなりの出資をしていたため、新図書館が建てられ旧図書館が閉鎖される事になった時に私的利用できるよう花恋先輩が交渉して借りられるようにしたらしい。
それでしばらく旧図書館を二人で利用していたようだけど、それだと人の目もあるので何とか空いている部室をもらえないかと偉い人に話をつけたそうだ。
そんなこんな話をしている内に旧図書館前に到着していた。
「鍵が掛かっていると思うからちょっと待ってね」
先輩は鞄の前ポケットから先程とは違う鍵を取り出し鍵穴に差し込んだ。
「中に人がいるのに鍵を閉めているんですか?」
「貸し出しが難しい貴重な本が沢山保管されているからね。万が一盗まれると非常にまずいんだよ」
市が運営する図書館にも館内でしか読めないような本もあるし、学校の創立に関わるような重要な書類があったり、他にも想像できないような本がいっぱいあるのだろう。
「開いたよ」
先輩の後ろに着いて行くカタチで旧図書館に足を踏み入れた。あまり換気がされていないのか古い本特有の酢酸の様な酸っぱい匂いが鼻をつく。
「花恋ちゃん、私だよ」
先輩は内側から鍵を閉めた後、奥に向かって歩き出した。
所々電気はつけられているが、黒いカーテンの様なモノで窓が塞がれていて日光が入ってこないため室内はかなり薄暗い。
室内を見渡しながら先輩の後ろをついていくと、本棚の陰から物音と共にヘッドライトの付いたヘルメットを被った少女が姿を現した。
「・・・待ってた」
恐らく彼女が花恋先輩だ。
池上先輩は結構背が高いので、花恋先輩がぱっと見小さく見えたけどそれでも155cmはあるだろう。
「花恋先輩、こんにちは。僕は斎藤風太っていいます」
「・・・私は花恋。よろしく」
「それで七不思議について新しい事が分かったって本当?」
先輩は近くの机の上に無造作に置かれている本を整理しながら言った。
「・・・地下書庫の床下に隠されてた」
図書館には地下書庫が基本的にあるんだろうけど高校の図書館にも同じようにあるんだ。勿論地下書庫にも電気は通っているはずだけど、花恋先輩がヘッドライト付きのヘルメットを被って出てきたのは地下書庫が暗くて見えづらいからかもしれない。
花恋先輩は適当に近くの椅子に座ると脇に抱えていた見るからに古そうな本を机の上に丁寧に置いた。他にも机上に本が沢山置かれているけどそれらは七不思議に関わるモノなのかな。
「風太君も座って」
「はい、失礼します」
先輩は戸締りがしっかりできているかどうか確認しにいった後、僕の左横の席に座った。
「花恋ちゃん。その書物には何が書かれていたの?」
「・・・私たちが追い求めている七不思議の原因」
いきなり会議が始まってしまったけど僕は七不思議について何も知らない。そのあたりの事を確認しておかなければ話について行く事など到底できないだろう。
「あのー、すみません。先に聞いておきたい事があるんですけど先輩の言う七不思議って一体何なんですか?」
「そういえば説明がまだだったね。風太君は七不思議を認識できていなかった事を忘れていたよ」
認識できていない? 先輩の言い方に違和感を覚える。知らないと認識できていないでは意味が大きく違ってくるからだ。
「・・・優路。先に説明しといて」
「あはは、ごめんごめん」
先輩は自身の頭を拳で軽く叩いた。
「認識できていないってどういう意味ですか?」
「それこそが七不思議における重要な事の一つなんだよ。花恋ちゃん、あれ見せてあげて」
花恋先輩は先輩の言うあれをすぐに理解し、机に積まれていた本の内一冊を取り出し、僕はその本を受け取る。
「・・・読める?」
花恋先輩から受け取った本の表紙には大きく六芒星が描かれていてその上に何やら記号の様な文字? が書かれていた。適当にページをめくり中も見てみるけど、表紙に書かれていたような文字が並んでいるだけで何が書いてあるのかさっぱりわからない。
「読めないでしょ」
「はい、なんて書かれているのさっぱりです」
「これはね。ここら一体の陰陽師が使う特殊な文字なんだ。私達は分かりやすいように陰陽師語って呼んでいて、一般人に知られたくない内容を書き残しておく時に使う言語なんだよ」
「なるほど」
僕は陰陽師について詳しくは知らないけど、テレビやネットで見た情報だけで言えば、式神を用いて妖怪を退治したり明日の天気を予測したり・・・。
今回は七不思議について話しているから、
「妖怪みたいな魑魅魍魎が関わっていて、その得体のしれない存在を何とかしようとしているんですか?」
そうだとすれば僕が関わっていいような事なのだろうか。一瞬僕の頭に、花恋先輩の事に気付いた僕を消すためにここに呼んだのかという考えが湧いて出てきたけどそれはないとすぐに否定した。それなら陰陽師について話す必要はないからだ。
「正解だよ。この七不思議には神と妖怪が関わっているんだ」
妖怪だけでなく神も関わってきているのか。
科学が発展してから神や妖怪の仕業だと思われていた現象が科学的にどうやって起きるのか証明され、彼らの存在は否定され始めている。だから現代では昔に比べて神を信仰したり妖怪を恐れたりする人間はかなり減っただろう。
「そうなんですね」
「あれ? 意外と素直に受け取るんだ。君はてっきり理で証明できない事を否定するタイプかと思ったよ」
先輩が冗談っぽくハハッと笑って見せた。
「証拠があれば一番いいですけど、初めから何かを否定して入るのは間違っていると僕は思っているので」
それにこういった事は・・・いや今はあまり関係ない。
「それで話を戻したいんですけど、七不思議って結局何なんですか?」
少し話題がそれてきているので話の軌道を修正する。
「そうだったね。まず七不思議っていう呼び方なんだけどそれは私達が今回解決すべき全ての事象をまとめて言う時にわかりやすいよう付けた名前なんだよね。だから本来の意味の七不思議と同様に中身は別に存在しているけど七つぴったりっていうわけでもないんだ」
さっき言っていた陰陽師語と似たような感じで付けたんだろう。
「それで七不思議はね、二百年程前にここら一体で神が起こした重大な事件がきっかけで始まったんだ」
先輩から旧図書館についての話を聞く。彼女によると、旧図書館は図書の増加と老朽化が原因で新図書館が建てられた際に閉鎖されたようだ。
「そういえば」
移動している間に入部前から気になっていた事を確認しておく。
「うん、何かな?」
「どうして部室があるんですか?」
去年まで池上先輩を除いて何人部員がいたか知らないけど、やはり一年という短い期間で数多くある部の中から部室を与えられるのは何か大きな理由があるはずだ。
「さっき部室で先輩がいたって言ったけど名前を借りていただけで、実際活動していたのは私と花恋ちゃんの二人だけだったんだよね」
恐らく花恋先輩は旧図書館で待ち合わせをしている相手だろう。
その後先輩の話によれば、花恋先輩の先祖が神無月高校を創立するという話が出た際かなりの出資をしていたため、新図書館が建てられ旧図書館が閉鎖される事になった時に私的利用できるよう花恋先輩が交渉して借りられるようにしたらしい。
それでしばらく旧図書館を二人で利用していたようだけど、それだと人の目もあるので何とか空いている部室をもらえないかと偉い人に話をつけたそうだ。
そんなこんな話をしている内に旧図書館前に到着していた。
「鍵が掛かっていると思うからちょっと待ってね」
先輩は鞄の前ポケットから先程とは違う鍵を取り出し鍵穴に差し込んだ。
「中に人がいるのに鍵を閉めているんですか?」
「貸し出しが難しい貴重な本が沢山保管されているからね。万が一盗まれると非常にまずいんだよ」
市が運営する図書館にも館内でしか読めないような本もあるし、学校の創立に関わるような重要な書類があったり、他にも想像できないような本がいっぱいあるのだろう。
「開いたよ」
先輩の後ろに着いて行くカタチで旧図書館に足を踏み入れた。あまり換気がされていないのか古い本特有の酢酸の様な酸っぱい匂いが鼻をつく。
「花恋ちゃん、私だよ」
先輩は内側から鍵を閉めた後、奥に向かって歩き出した。
所々電気はつけられているが、黒いカーテンの様なモノで窓が塞がれていて日光が入ってこないため室内はかなり薄暗い。
室内を見渡しながら先輩の後ろをついていくと、本棚の陰から物音と共にヘッドライトの付いたヘルメットを被った少女が姿を現した。
「・・・待ってた」
恐らく彼女が花恋先輩だ。
池上先輩は結構背が高いので、花恋先輩がぱっと見小さく見えたけどそれでも155cmはあるだろう。
「花恋先輩、こんにちは。僕は斎藤風太っていいます」
「・・・私は花恋。よろしく」
「それで七不思議について新しい事が分かったって本当?」
先輩は近くの机の上に無造作に置かれている本を整理しながら言った。
「・・・地下書庫の床下に隠されてた」
図書館には地下書庫が基本的にあるんだろうけど高校の図書館にも同じようにあるんだ。勿論地下書庫にも電気は通っているはずだけど、花恋先輩がヘッドライト付きのヘルメットを被って出てきたのは地下書庫が暗くて見えづらいからかもしれない。
花恋先輩は適当に近くの椅子に座ると脇に抱えていた見るからに古そうな本を机の上に丁寧に置いた。他にも机上に本が沢山置かれているけどそれらは七不思議に関わるモノなのかな。
「風太君も座って」
「はい、失礼します」
先輩は戸締りがしっかりできているかどうか確認しにいった後、僕の左横の席に座った。
「花恋ちゃん。その書物には何が書かれていたの?」
「・・・私たちが追い求めている七不思議の原因」
いきなり会議が始まってしまったけど僕は七不思議について何も知らない。そのあたりの事を確認しておかなければ話について行く事など到底できないだろう。
「あのー、すみません。先に聞いておきたい事があるんですけど先輩の言う七不思議って一体何なんですか?」
「そういえば説明がまだだったね。風太君は七不思議を認識できていなかった事を忘れていたよ」
認識できていない? 先輩の言い方に違和感を覚える。知らないと認識できていないでは意味が大きく違ってくるからだ。
「・・・優路。先に説明しといて」
「あはは、ごめんごめん」
先輩は自身の頭を拳で軽く叩いた。
「認識できていないってどういう意味ですか?」
「それこそが七不思議における重要な事の一つなんだよ。花恋ちゃん、あれ見せてあげて」
花恋先輩は先輩の言うあれをすぐに理解し、机に積まれていた本の内一冊を取り出し、僕はその本を受け取る。
「・・・読める?」
花恋先輩から受け取った本の表紙には大きく六芒星が描かれていてその上に何やら記号の様な文字? が書かれていた。適当にページをめくり中も見てみるけど、表紙に書かれていたような文字が並んでいるだけで何が書いてあるのかさっぱりわからない。
「読めないでしょ」
「はい、なんて書かれているのさっぱりです」
「これはね。ここら一体の陰陽師が使う特殊な文字なんだ。私達は分かりやすいように陰陽師語って呼んでいて、一般人に知られたくない内容を書き残しておく時に使う言語なんだよ」
「なるほど」
僕は陰陽師について詳しくは知らないけど、テレビやネットで見た情報だけで言えば、式神を用いて妖怪を退治したり明日の天気を予測したり・・・。
今回は七不思議について話しているから、
「妖怪みたいな魑魅魍魎が関わっていて、その得体のしれない存在を何とかしようとしているんですか?」
そうだとすれば僕が関わっていいような事なのだろうか。一瞬僕の頭に、花恋先輩の事に気付いた僕を消すためにここに呼んだのかという考えが湧いて出てきたけどそれはないとすぐに否定した。それなら陰陽師について話す必要はないからだ。
「正解だよ。この七不思議には神と妖怪が関わっているんだ」
妖怪だけでなく神も関わってきているのか。
科学が発展してから神や妖怪の仕業だと思われていた現象が科学的にどうやって起きるのか証明され、彼らの存在は否定され始めている。だから現代では昔に比べて神を信仰したり妖怪を恐れたりする人間はかなり減っただろう。
「そうなんですね」
「あれ? 意外と素直に受け取るんだ。君はてっきり理で証明できない事を否定するタイプかと思ったよ」
先輩が冗談っぽくハハッと笑って見せた。
「証拠があれば一番いいですけど、初めから何かを否定して入るのは間違っていると僕は思っているので」
それにこういった事は・・・いや今はあまり関係ない。
「それで話を戻したいんですけど、七不思議って結局何なんですか?」
少し話題がそれてきているので話の軌道を修正する。
「そうだったね。まず七不思議っていう呼び方なんだけどそれは私達が今回解決すべき全ての事象をまとめて言う時にわかりやすいよう付けた名前なんだよね。だから本来の意味の七不思議と同様に中身は別に存在しているけど七つぴったりっていうわけでもないんだ」
さっき言っていた陰陽師語と似たような感じで付けたんだろう。
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