雪とマリア様に抱かれて

優希ヒロ

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僕は次の日から日記をつけることにした。
日記をつけ始めて、1ヶ月…。
僕の身体が痛みで悲鳴をあげていた。
子ども達を抱っこすることがきつくなってきた。
散歩が終わると息が切れ、立っているのもしんどかった。
子どもが昼寝している間に身体の調子を戻そうと必死になる日々が続いた。
僕のマリア様はたくさんのライブや撮影で多忙の日々を送っていた。
それをみると、僕も病気に負けていられないとより一層頑張った。
マリア様にファンレターを1ヶ月に一度送り始めた。
それが三回目になる頃、僕はもうほとんど動けず、病院に入院していた。ペンも持ってなくなり、字を看護師さんに書いてもらうようになった。
まだ生きたい、死にたくない…。
生きてマリア様の歌を聞きたい。それだけが僕を生にしがみつかせるものだった。
「お母さん、もう来なくて良いよ…。僕は一人で大丈夫だから…。」
「駄目、最後くらい一緒に居させて。お母さんは翔真に何もしてあげられなかったから…。」
「最後なんて言わないでよ、僕は絶対に生きる。まだ死なない。だから、大丈夫。弟達やお父さんと仲直りしてよ。」
「わかった…。辛くなったら言ってね。愛してるわ、翔真。」
「僕も愛してる、お母さん…。」
僕はそれから、病院での闘病生活が続いた。
マリア様の歌を聞いて、自分自身を鼓舞し抗がん剤の副作用にも耐えた。
「翔真くん、大丈夫?」
「はい…。身体はすごくだるくて辛いですけど…。」
「君のマリア様のライブのチケット、買っておいた。行きたい?」
「はい、行きたいです。外出許可出ますか?」
「そうね、次の検査次第ね、頑張りましょう。」
「はい…。」
次の検査結果はよくなってないようで外出許可は出なかった。

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