黒白英雄戦記

優希ヒロ

文字の大きさ
上 下
3 / 40
1章白の英雄誕生

しおりを挟む
「雄牙、どこに向かってるの?」
「スラム街の方に向かってるかな、そこを越えたら、何もない平原があるらしいからそこへ向かってる。」
「そうなの、怖いな…。」
「大丈夫、僕がついてるから…。」
二人はスラム街の方に向けて森の中に入っていた。
(ゼロ、この森に敵はいるか?)
(いるね、だが大丈夫だ、お前でも倒せるチンピラだ。)
(そうか…。)
(それと左の胸ポケットに魔導書入れてある、使う時にだけ大きくなる。使える魔法はサイレント…。魔法を無効化できる、覚えておけ。)
(わかった…。)
雄牙は剣を抜くことなく、華麗に蹴りや拳を入れ、チンピラ達を倒した。
「なんだ、こいつ…。星ゼロの能無しじゃなかったのかよ…。」
「何故、それを知っている!」
「雄牙、彼らは…。」
「たぶん、キングナイツに雇われていたってところかな…。」
(いや、こいつらは噂を聞いたんだろうよ、星ゼロを捕らえて引き渡せば高価な金がもらえるって)
(そうか、用心しないとね…。)
「シホ、大丈夫だった?」
「うん…。」
「じゃあ、行こうか。」
二人は森を進んで行った。
森の出口が近づくと何かただならぬ気配を感じた。
「シホ、待って!」
「えっ!」
「何か来る!」
地面から巨大な植物の化け物が現れた。
(こいつはデビルフラワーか、だが…。)
(だが、何?)
(何でもない…。お前だけ何とかしろ、良いな?)
(わかった…。)
(毒液に気を付けろ。)
「シホ、僕に引っ付け!」
「引っ付く?くっつけば良いの?」
「ああ…。」
シホは雄牙に抱きついた。
雄牙は化け花の触手を斬っていったが、分裂をしていた。
「きりがない、どうすれば…。」
化け花は毒液を吐き始めた。
「シホ、しっかり捕まってて!」
「うん…。」
雄牙は宙を飛び回っていたが、毒液で地面に足場が無くなった。
「しまった!」
「エア…。」
雄牙は宙に浮いた。
「シホ、魔法を使えるのか?」
「うん…。これで何とかして…。」
「ああ、これで足場に囚われることなく戦える。」
「かわしてるだけじゃダメだよ、どうしよう?」
「この剣が大きくなれば…。」
剣が赤く光り始めた。
「これは…。」
(やれ、雄牙!)
「くらえ!」
剣が大きくなり、化け花を斬り捨てた。
「やった、雄牙!」
「ああ…。」
「その剣不思議ね…。まるで必要なものを剣が判断したみたいね。」
「そうかもね、早く森を抜けよう。」
二人は森の出口を目指した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

モブ系悪役令嬢は人助けに忙しい(完結)

優摘
ファンタジー
※プロローグ以降の各話に題名をつけて、加筆、減筆、修正をしています。(’23.9.11) <内容紹介> ある日目覚めた「私」は、自分が乙女ゲームの意地悪で傲慢な悪役令嬢アリアナになっている事に気付いて愕然とする。 しかもアリアナは第一部のモブ系悪役令嬢!。悪役なのに魔力がゼロの最弱キャラだ。 このままではゲームの第一部で婚約者のディーンに断罪され、学園卒業後にロリコン親父と結婚させられてしまう! 「私」はロリコン回避の為にヒロインや婚約者、乙女ゲームの他の攻略対象と関わらないようにするが、なぜかうまく行かない。 しかもこの乙女ゲームは、未知の第3部まであり、先が読めない事ばかり。 意地悪で傲慢な悪役令嬢から、お人よしで要領の悪い公爵令嬢になったアリアナは、頭脳だけを武器にロリコンから逃げる為に奮闘する。 だけど、アリアナの身体の中にはゲームの知識を持つ「私」以外に本物の「アリアナ」が存在するみたい。 さらに自分と同じ世界の前世を持つ、登場人物も現れる。 しかも超がつく鈍感な「私」は周りからのラブに全く気付かない。 そして「私」とその登場人物がゲーム通りの動きをしないせいか、どんどんストーリーが変化していって・・・。 一年以上かかりましたがようやく完結しました。 また番外編を書きたいと思ってます。 カクヨムさんで加筆修正したものを、少しずつアップしています。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

真実を知って反省しなさい

小雲乃のぼる
ファンタジー
悪役令嬢にざまぁ返しされ、罪人として牢に入れられてしまったヒロイン。それは一見、よくある転生悪役令嬢物の結末。しかし、牢を訪れた悪役令嬢が語る真相はーー ※注意!!※悲劇です。どん底です。救いなし、カタルシスなしです。本当に胸糞好きな方のみ、ご覧ください。 構想段階ではまっとうな転生悪役令嬢のヒドイン断罪物だったのに……なぜこうなった(-_-;)

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~

りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。 ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。 我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。 ――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」 乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。 「はい、では平民になります」 虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。

処理中です...