30 / 44
30 いい雰囲気なのか、マズい雰囲気なのか
しおりを挟む
裏通りの目立たない駐車場に車を入れると、海斗は札幌に電話をかけた。
電話が繋がるなり、時宗にまで怒鳴り声が聞こえてくる。
ひとしきり向こうにしゃべらせてから、海斗は静かに話し始めた。
「仕事はちゃんとやったべ? ……そう、受取人から電話あったべ? あいつ前よりイカレ具合進んでんでねぇか。そろそろ警察に踏み込まれる感じだぞ? ……まぁオレには関係ねぇけども。それで……あんたもわかったと思うけど、話があんだ」
駐車場の周囲を見回しながら、海斗は電話を続ける。
「うん。オレ仕事やめる。……借金? 今いくらあんですか? まだそんなん? ……ほんとかね。あんたらもう信用ならね。オレ友だちできたんだ。すっごく優しくて……その人、全部オレの代わりに払って足抜けさしてくれるって。うん。そんでドライバーやらしてくれるって。オレもう帰らね。……あんたのこと、世話にはなったけども。もう嫌なんだ。いつまでも金払えって、嘘ばっかり。友だちは優しんだ。優しくて……一緒にいてくれる」
海斗はちらりと時宗を見た。こんなんでいいだろか。そういう目だ。
時宗はにっこり笑ってみせた。そのまま手を伸ばし、スマホを持っている海斗の手を優しく包んで引っ張る。戸惑いながら、海斗は続けていた。
「? いや、オレは仕事やめんだ。あとで口座番号送ってくれ。そこに金入れとく。そしたらもうオレ帰らね。今回の報酬? 丸ごといらね」
ゆっくりと時宗が手を引くと、海斗はスマホから耳を離さないまま首を傾けた。
「したっけ」
海斗が会話を続けようとしたタイミングで、時宗はスマホを握る手にキスをした。ちゅ、という水音と共に、海斗が「んぇっ?!」という変な声を上げる。肩がびくんと跳ね上がった。
「だっ、誰もいね。オレひとりだ!!」
焦って言い募るのを面白がりながら、時宗は海斗の肩を抱き寄せ、今度はこめかみに口づけた。今度もわざと音を立ててやる。
「んっ、何してんだ! やめれ」
スマホから顔を離し、海斗は囁き声で怒る。意識がそれたところで時宗はひょいとスマホを取り上げ、向こうに聞こえるように言った。
「なぁ……金も足抜けも、うちのオヤジがなんとかする。そんなことより……早く電話切ってイイことしようぜ?」
とびきり甘い囁きを残し、時宗は容赦なく通話を切った。
海斗がスマホをひったくるように取り返す。うつむき、表情は見えないままだった。
あ~、これは……やらかした雰囲気?
「すまん。でも『友人』がお前の借金を肩代わりする理由がはっきりわかった以上、あいつらは黒いワゴンの連中を探し始める」
予告なくこういうことをしてしまって、時宗はなんとなく罪悪感を覚えた。海斗は顔を向こうへそらしたまま、無言でエンジンをかけた。
「金払ってくる」
そう言って時宗は精算機へ向かった。
嫌だったか……。
やっぱそうだよな。ノンケがいきなり男と恋人のふりなんかさせられたら、拒絶して当然だよな。
お金を払って車に戻ると、海斗はやはり、顔を伏せたままだった。
「……ごめん。ただ、スマホの電源は切っておいた方がいい」
低く言うと、時宗は助手席の外を見た。
とっさに考えてやったことだけど、やっぱ無理なもんは無理だよな。ついさっきまで滅茶苦茶いい雰囲気だったのに。俺がいっぺんにブチ壊した。
これで、友だち認定も解除か。
海斗はゆっくりと車を動かし、道に出て角を曲がった。そういえばカーナビも再設定していないし、そもそも時宗はまだ、五反田の事務所の住所を教えていない。
どこ行くつもりだ?
海斗は無言のまま、のろのろと住宅街を走っている。
「おい……」
時速10キロで、塀にぶつかりそうなぐらいヘロヘロ運転してるけど、そんなにショックだったか?
あ~、ちょっとは何とかなるかもって思ったけど……地味に俺もショックだわ。
こういう時、車っていう密室空間の中は地獄だよな。そんなに嫌だったんなら、俺、車から降りて電車で事務所行くよ。
そう思っていると、海斗は突然車を止めた。細い道のど真ん中だ。今のところ誰も来ないが、いつ誰が来てもおかしくない。
「……あのさ」
車降りるから、と言おうとした時、海斗が顔を上げた。
「と、時宗、さっきのあの、あれ」
「あ~、うん、ごめん」
「あの、ああいうの、その、先に言えって言ったべ?」
「……先に言ったら、不自然な反応になるかと」
「そ、そっか」
「うん。あれは……向こうを騙すための演技だから、別に気にしないでもらえると……」
「あっ! あっ、そうかそうだよな!!」
ん?
時宗は思っていたのと違う反応に、海斗の顔をのぞきこんだ。街灯の下、海斗は唇を噛んでじっとしている。
「お前……もしかして……」
「なんでもねぇ!!」
「顔赤い?」
「うるっせぇ! オレあんなん、いっぺんもしたことねんだ。あんな……」
口ごもると、海斗は焦ったようにカーナビに手を伸ばした。
「これからどこ行くんだ。見つかるからすぐ移動しないと」
「あ~、えぇと……」
住所を伝えると、海斗は素早く打ち込みカーナビを設定した。
その手が下りる寸前、時宗はとっさに掴んだ。
「んえぇぁ」
よくわからない叫び声をあげ、海斗が手を引っ込めようとする。その手をぐいと引き、時宗は海斗の目をのぞきこんだ。
「……友だちなら、友だちでいい。ひとつだけ教えてくれ。……俺に触られるのは、嫌か?」
「とっ……友だち」
「そうだ。友だち同士だって、肩を叩きあったりするだろ? 俺に触られるのは、そういうのも含めて全部嫌か?」
海斗は時宗を見返していた。綺麗な瞳だ。時宗は思わずその瞳をじっと見つめた。純粋な光。その目が伏せられ、睫毛が震える。何か言おうと唇が薄く開く。
顔を近づけても、海斗はどうしたらいいかわからないらしい。時宗の手を振り払うこともできず、じっとしている。時宗は吸い寄せられるように、海斗の唇に自分の唇を近づけた。キス、したい。
ビーッと鋭くクラクションを鳴らされ、2人は飛び上がった。
海斗は焦って車をガタンと発進させ、あたふたとギアチェンジをしている。表通りへの進入で一時停止をした時、海斗はもそもそ言った。
「わ、わかんねぇけど、その、なんか……嫌じゃないけど、お前、ああいうのやめれ」
「何を?」
「友だちだから、触られんのは嫌じゃないけど……ちゃんと、触るって先に言え。お前が近いと、その、あのあれだ……」
海斗の声がちっちゃくなる。
「……どきってするから、やめれ」
時宗は笑いだしそうになった。
よかった。
少なくとも、拒絶はされてなかった。それどころか、優しくちょっとずつ馴らしていけば、けっこういけるんじゃないか、これ?
箱入り海斗くん。きっと女にも男にも触れられたことがない。『友だち』に触れられても、普通はどきっとしないんだぞ?
「海斗、お前さ」
スバルは五反田に向けて広い道に乗った。窓に頬杖をつき海斗を見つめる。信号待ちで視線に気づき、海斗がこちらを見る。
「なんだ?」
「……ん? 世界一めんこいなと思ってさ」
かぁっと海斗が赤くなった。唐突に手が伸びてきて、ぐいっと乱暴に顔を押される。強引に反対側を向かされ、時宗は不満の声を上げた。
「いきなり何すんだよ」
「だ、だってなんか……その目、恥ずかしいべ?!」
「どの目だよ」
「なんか……なんか、なんかそういう、なんか……なんか、ふわんってなる目」
なんじゃそりゃ。
「いいだろ別に、俺がどんな顔してたって」
「よくねぇ!! 見られてたらシフトミスるでねぇか」
「ずっとお前の隣に乗ってるんだぞ? お前の運転が上手いことなんてとっくに知ってる。見られてミスるような奴じゃない」
「うるっせぇ五反田行くぞ。お前もうしゃべんな!」
「信号青になったぞ」
後ろからクラクションを鳴らされ、海斗はまたもガコガコいわせながらシフトを入れた。
「落ち着け」
「落ち着いてる!」
時宗は声を上げて笑った。海斗がぶすっと拗ねた顔になる。
「ごめんってば、晩飯おごるって言ったろ?」
「あれは……お前が嘘ついてた分だ」
「わかった。じゃあ2回目もおごる。何がいい?」
「…………お、思いつかねぇ。東京って何がんまいんだ?」
「焼肉でも行くさ。弥二郎と敬樹にお前を紹介して、4人で」
「ほんとか?! じゃあ焼肉」
あぁ楽しそうだ。弥二郎と敬樹と、海斗と俺。事件が解決したら、みんなで焼肉に行こう。きっと財布は空っぽになる。それでも、弥二郎が帰ってきて、お前の笑顔がたくさん見られるなら、俺はお前に焼肉をおごる価値がある。
電話が繋がるなり、時宗にまで怒鳴り声が聞こえてくる。
ひとしきり向こうにしゃべらせてから、海斗は静かに話し始めた。
「仕事はちゃんとやったべ? ……そう、受取人から電話あったべ? あいつ前よりイカレ具合進んでんでねぇか。そろそろ警察に踏み込まれる感じだぞ? ……まぁオレには関係ねぇけども。それで……あんたもわかったと思うけど、話があんだ」
駐車場の周囲を見回しながら、海斗は電話を続ける。
「うん。オレ仕事やめる。……借金? 今いくらあんですか? まだそんなん? ……ほんとかね。あんたらもう信用ならね。オレ友だちできたんだ。すっごく優しくて……その人、全部オレの代わりに払って足抜けさしてくれるって。うん。そんでドライバーやらしてくれるって。オレもう帰らね。……あんたのこと、世話にはなったけども。もう嫌なんだ。いつまでも金払えって、嘘ばっかり。友だちは優しんだ。優しくて……一緒にいてくれる」
海斗はちらりと時宗を見た。こんなんでいいだろか。そういう目だ。
時宗はにっこり笑ってみせた。そのまま手を伸ばし、スマホを持っている海斗の手を優しく包んで引っ張る。戸惑いながら、海斗は続けていた。
「? いや、オレは仕事やめんだ。あとで口座番号送ってくれ。そこに金入れとく。そしたらもうオレ帰らね。今回の報酬? 丸ごといらね」
ゆっくりと時宗が手を引くと、海斗はスマホから耳を離さないまま首を傾けた。
「したっけ」
海斗が会話を続けようとしたタイミングで、時宗はスマホを握る手にキスをした。ちゅ、という水音と共に、海斗が「んぇっ?!」という変な声を上げる。肩がびくんと跳ね上がった。
「だっ、誰もいね。オレひとりだ!!」
焦って言い募るのを面白がりながら、時宗は海斗の肩を抱き寄せ、今度はこめかみに口づけた。今度もわざと音を立ててやる。
「んっ、何してんだ! やめれ」
スマホから顔を離し、海斗は囁き声で怒る。意識がそれたところで時宗はひょいとスマホを取り上げ、向こうに聞こえるように言った。
「なぁ……金も足抜けも、うちのオヤジがなんとかする。そんなことより……早く電話切ってイイことしようぜ?」
とびきり甘い囁きを残し、時宗は容赦なく通話を切った。
海斗がスマホをひったくるように取り返す。うつむき、表情は見えないままだった。
あ~、これは……やらかした雰囲気?
「すまん。でも『友人』がお前の借金を肩代わりする理由がはっきりわかった以上、あいつらは黒いワゴンの連中を探し始める」
予告なくこういうことをしてしまって、時宗はなんとなく罪悪感を覚えた。海斗は顔を向こうへそらしたまま、無言でエンジンをかけた。
「金払ってくる」
そう言って時宗は精算機へ向かった。
嫌だったか……。
やっぱそうだよな。ノンケがいきなり男と恋人のふりなんかさせられたら、拒絶して当然だよな。
お金を払って車に戻ると、海斗はやはり、顔を伏せたままだった。
「……ごめん。ただ、スマホの電源は切っておいた方がいい」
低く言うと、時宗は助手席の外を見た。
とっさに考えてやったことだけど、やっぱ無理なもんは無理だよな。ついさっきまで滅茶苦茶いい雰囲気だったのに。俺がいっぺんにブチ壊した。
これで、友だち認定も解除か。
海斗はゆっくりと車を動かし、道に出て角を曲がった。そういえばカーナビも再設定していないし、そもそも時宗はまだ、五反田の事務所の住所を教えていない。
どこ行くつもりだ?
海斗は無言のまま、のろのろと住宅街を走っている。
「おい……」
時速10キロで、塀にぶつかりそうなぐらいヘロヘロ運転してるけど、そんなにショックだったか?
あ~、ちょっとは何とかなるかもって思ったけど……地味に俺もショックだわ。
こういう時、車っていう密室空間の中は地獄だよな。そんなに嫌だったんなら、俺、車から降りて電車で事務所行くよ。
そう思っていると、海斗は突然車を止めた。細い道のど真ん中だ。今のところ誰も来ないが、いつ誰が来てもおかしくない。
「……あのさ」
車降りるから、と言おうとした時、海斗が顔を上げた。
「と、時宗、さっきのあの、あれ」
「あ~、うん、ごめん」
「あの、ああいうの、その、先に言えって言ったべ?」
「……先に言ったら、不自然な反応になるかと」
「そ、そっか」
「うん。あれは……向こうを騙すための演技だから、別に気にしないでもらえると……」
「あっ! あっ、そうかそうだよな!!」
ん?
時宗は思っていたのと違う反応に、海斗の顔をのぞきこんだ。街灯の下、海斗は唇を噛んでじっとしている。
「お前……もしかして……」
「なんでもねぇ!!」
「顔赤い?」
「うるっせぇ! オレあんなん、いっぺんもしたことねんだ。あんな……」
口ごもると、海斗は焦ったようにカーナビに手を伸ばした。
「これからどこ行くんだ。見つかるからすぐ移動しないと」
「あ~、えぇと……」
住所を伝えると、海斗は素早く打ち込みカーナビを設定した。
その手が下りる寸前、時宗はとっさに掴んだ。
「んえぇぁ」
よくわからない叫び声をあげ、海斗が手を引っ込めようとする。その手をぐいと引き、時宗は海斗の目をのぞきこんだ。
「……友だちなら、友だちでいい。ひとつだけ教えてくれ。……俺に触られるのは、嫌か?」
「とっ……友だち」
「そうだ。友だち同士だって、肩を叩きあったりするだろ? 俺に触られるのは、そういうのも含めて全部嫌か?」
海斗は時宗を見返していた。綺麗な瞳だ。時宗は思わずその瞳をじっと見つめた。純粋な光。その目が伏せられ、睫毛が震える。何か言おうと唇が薄く開く。
顔を近づけても、海斗はどうしたらいいかわからないらしい。時宗の手を振り払うこともできず、じっとしている。時宗は吸い寄せられるように、海斗の唇に自分の唇を近づけた。キス、したい。
ビーッと鋭くクラクションを鳴らされ、2人は飛び上がった。
海斗は焦って車をガタンと発進させ、あたふたとギアチェンジをしている。表通りへの進入で一時停止をした時、海斗はもそもそ言った。
「わ、わかんねぇけど、その、なんか……嫌じゃないけど、お前、ああいうのやめれ」
「何を?」
「友だちだから、触られんのは嫌じゃないけど……ちゃんと、触るって先に言え。お前が近いと、その、あのあれだ……」
海斗の声がちっちゃくなる。
「……どきってするから、やめれ」
時宗は笑いだしそうになった。
よかった。
少なくとも、拒絶はされてなかった。それどころか、優しくちょっとずつ馴らしていけば、けっこういけるんじゃないか、これ?
箱入り海斗くん。きっと女にも男にも触れられたことがない。『友だち』に触れられても、普通はどきっとしないんだぞ?
「海斗、お前さ」
スバルは五反田に向けて広い道に乗った。窓に頬杖をつき海斗を見つめる。信号待ちで視線に気づき、海斗がこちらを見る。
「なんだ?」
「……ん? 世界一めんこいなと思ってさ」
かぁっと海斗が赤くなった。唐突に手が伸びてきて、ぐいっと乱暴に顔を押される。強引に反対側を向かされ、時宗は不満の声を上げた。
「いきなり何すんだよ」
「だ、だってなんか……その目、恥ずかしいべ?!」
「どの目だよ」
「なんか……なんか、なんかそういう、なんか……なんか、ふわんってなる目」
なんじゃそりゃ。
「いいだろ別に、俺がどんな顔してたって」
「よくねぇ!! 見られてたらシフトミスるでねぇか」
「ずっとお前の隣に乗ってるんだぞ? お前の運転が上手いことなんてとっくに知ってる。見られてミスるような奴じゃない」
「うるっせぇ五反田行くぞ。お前もうしゃべんな!」
「信号青になったぞ」
後ろからクラクションを鳴らされ、海斗はまたもガコガコいわせながらシフトを入れた。
「落ち着け」
「落ち着いてる!」
時宗は声を上げて笑った。海斗がぶすっと拗ねた顔になる。
「ごめんってば、晩飯おごるって言ったろ?」
「あれは……お前が嘘ついてた分だ」
「わかった。じゃあ2回目もおごる。何がいい?」
「…………お、思いつかねぇ。東京って何がんまいんだ?」
「焼肉でも行くさ。弥二郎と敬樹にお前を紹介して、4人で」
「ほんとか?! じゃあ焼肉」
あぁ楽しそうだ。弥二郎と敬樹と、海斗と俺。事件が解決したら、みんなで焼肉に行こう。きっと財布は空っぽになる。それでも、弥二郎が帰ってきて、お前の笑顔がたくさん見られるなら、俺はお前に焼肉をおごる価値がある。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
【運命】に捨てられ捨てたΩ
諦念
BL
「拓海さん、ごめんなさい」
秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。
「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」
秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。
【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。
なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。
右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。
前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。
※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。
縦読みを推奨します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる