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第二章 迷宮顛倒変
石動御守
しおりを挟む俺は探降者となった。
錘《おもり》のように自らを深淵に垂らす者となったのである。放逐刑のゆえに迷宮を彷徨うのではなく、己の意志でそれをするのだ。
目的は二つ。
虚空権現の居ます最深部まで辿り着いて樋口二郎という只の人の身に戻ること。
さらには月の兎を取り戻すこと。
どちらも不本意に奪われたモノを奪還したい、それだけの想いであった。
雪之丞はその心だけでなく、身体までも男となり変わるが終生の願いである。
迷宮の混沌をその眼に焼き付け、画業のさらなる卓越を目指すのは、絵師三浦の企みである。銀嶺という迷宮でしか手に入らぬ顔料を手に入れることも目論んでいるらしいが、旅程のどこかでその機会もあろう。
頭領と仲間の仇を討つために月の兎を奪った相手を見つけ出すのは、薊野の宿願となった。これは俺の目的とも一致するのであるから都合がいい。
さて、奇なる縁によって参集した四人であったが、お世辞にも折り合いがいいとは言いかねる。独立不羈の三浦はもとより他人の干渉を受け入れぬ。うちの弟ほどではないにしろ何かと几帳面、豆腐屋の娘でもなかろうに四角四面な雪之丞とはとかく衝突しがちである。薊野といえば、むっつりとしていて何を考えているのかわからぬ上に、時に頑固な一面を見せる。俺は俺とて誉められたような人柄ではない。
つまりは事のはじまりから弥縫《びほう》しようもない欠陥を抱えた伍であったのである。
「隊伍には戦術がある。呪法を扱うものは後方に配し、それを前衛の者が守る、というのが常套だな。とはいえ、おいらたちの伍には身体を張って壁になれるのが樋口さんしかいねえときてる。ならば最後のひとりは分厚い盾になれるような奴じゃなけいけねえ」
地下一層。魍魎街で俺たちは迷宮攻略の段取りを話し合ったのだが、そこにおいて、すでに亀裂は生じていた。
雪之丞の真っ当な提言を三浦は揶揄したのである。
「そんなことより旅の道連れは愉快な者に限るで。陽気で賑やかなんがええわ」
「物見遊山じゃないんだぜ。絵師さんよぉ。迷宮を舐めてたらあっという間に屍になっちまう」
むっとした雪之丞の反論もさらりと受け流し、三浦は気安く続けた。
「ほいでもそっちの西瓜頭はむっつり陰気で張り合いがないやろ。あんたはガミガミうるさいし、こうな、気性の合わん半端者同士をひっつける膠《にかわ》みたいな奴を探さへんと」
「誰が半端者だ」と雪之丞が気色ばむと、三浦は「そんなもん決まってるがな。あんたやがな。女か男かようわからへん。それが半端者でなくて何が半端者や」と宣った。
あっという間に大乱闘である。
逆鱗に触れられた雪之丞は矢こそつがえなかったものの「おまえもタマ無しにしてやる」と三浦の股間を蹴り上げた。水野はといえば、絵師に見合わぬ軽やかな体捌きでそれを躱すと返す刀で頭突きをお見舞いする。くらくらした頭でも闘志を失ず、雪之丞は三浦に飛びかかり耳たぶを噛み千切ろうとする。
「やめぬか」と薊野が口を出すが、露ほどの効き目もない。
魍魎街ではこんな騒ぎは日常茶飯事とはいえ、些か度が過ぎたようだ。とりあえずと腰を落ち着けた待合は、畳が剥がれるわ、障子が破れるわで、散々な被害を被ったのである。慣れたもので主《あるじ》の対応は迅速であった。契約を交わした地回りの連中をここぞとばかりに招集して俺たちを叩き出したのである。
「馬鹿野郎。いきなり面倒を起こしやがって」
俺はため息も出ない。
こんな奴らとどうして命がけの迷宮に出られよう。背中を預けるなぞ夢のまた夢である。いきなり目の前が真っ暗になったみたいに俺は途方に暮れた。
「もし、そこの。差し出がましいことですが、察するに隊伍の折り合いがよろしくないようですが」
遜《へりくだ》っていながらも直截な物言いをするのは年老いた女であった。気配もなく傍らに立たれるのは気持ちのいいものではない。着物というよりもほつれた布地をぐるぐると痩せさらばえた身に巻きつけただけのいで立ちが寒々しい。まっとうな人とは見なされぬ河原者の出かも知れぬ。
「それがどうした」苛立っていた俺は喧嘩腰になった。「あんたの何の関係がある?」
「どれ、そこに居酒屋がありますでしょう。探降者の皆さまが集っております。そこに行けば互いにぴったりのお仲間が見繕えましょう。捨てる神あらば拾う神あり。離れるべき者は離れ、結ばれる者は結ばれる。いかがでしょう? 席料はたったの六文となっております」
「足元を見ていないだろうな」
「けっしてそのようなことは」
老婆は萎縮してみせた。が、内心は客が釣れたとほくそ笑んでいるのであろう。色気のない客引きだったが、こうなっては一度顔を出してみてもよいかと心が揺れかけた。
「なら、ちょっとだけ――」とついに俺が老婆に乗せられた時、入り組んだ横丁からひとりの男が少年が飛び出した。
「お客さんたち、この婆《ばばあ》を信用しちゃならねえよ。あの店に探降者なんざいねえよ。そんなフリをしてる悪党やら詐欺師ばかりさ。一緒に迷宮に下りてみろ、背中から刺されて身ぐるみ剥がれるのがオチだ。迷宮じゃそんな非道を咎める者もいやしねえしな」
「この餓鬼が、人聞きの悪いことを言うんじゃないよ。商売の邪魔をする気かい?」
老婆が血相を変えれば、
「この老いぼれ。さっさとくたばっちまえ」少年も負けていない。「てめえみたいのがいるせいで、堅気の商いしてるこっちにも悪評が立つんだ。しまいにゃこの界隈に客が足を向けなくなっちまう」
「坊主、いいかい? こちらのお客があたしが先に声をかけたんだ。通りの不文律を知らないとは言わせないよ」
「それはまっとうな商売同士の話だろうが。追剥ぎまがいの腐れ酒屋がしれっと聞こえのいい正論ぶってんじゃねえ」
なかなか気風のいい口上であった。
「ちっ、いまいましい餓鬼だ。親の顔が見てみたいよ」
劣勢とみると老婆は捨て台詞を残して退散したが、両者のやりとりを呆気にとられて眺めていた俺たちには何を信用すればいいのかわからない。迷宮での経験豊富は雪之丞は、この子供も怪しいと耳打ちしてくる。この通りの客引きなどはどれも似たりよったりである。なんとなればあの因業婆とグルで、このひと悶着そのものが芝居である可能性もあるという。
「わからんが、こうして往来に突っ立っているわけにもいくまい」
薊野は西瓜頭を揺すった。
「よし、決まりだ。うちはさ、二文だぜ」
鼻をすすりながら少年は手招きした。
× × ×
少年の両親が切り盛りしているのは「鯨波」という居酒屋であった。
地下を照らす不可思議光をうまく取り込んで店内は思ったよりもずっと明るい。一般の客の気配はなく、探降者たちの値踏みするような眼光が新来の俺たちを射抜く。それとも、あって無きが如く俺たちを気にも留めぬ者たちもいた。誰もが腕に覚えがありそうな分だけ御しやすいとは見えぬ。一癖も二癖もありそうだ。
「まずは一杯は注文してくれよ」
席料を受け取った少年はさらに金をせびろうとする。その一杯が安くはなかったのだったが、ここまで来たら引き返せない。どっしり腰を据えて卓を囲んだ。
「呪剣仕なら引く手あまただ。愛宕社中って隊伍が一番待遇がいいんだぜ。ただし、ひとり抜けて他の連中とはここでさよなら、ってことになるけど」
「むしろ俺たちの伍にひとり迎えたいんだ」
酒をちびりちびりやりながら俺は要望を伝えた。
身体を張って前線で戦える人材が欲しい。
「できれば見栄えのいいのがいいな。男でも女でも構わねえ」
三浦はまた雪之丞を揶揄うように言った。ひくひくと雪之丞の眉間が震えるが、今度はさすがに堪えたようだ。
「ふーん。銭はいくら出せるんだい?」と少年。
「そっちもあまり期待して欲しくねえな。俺たちは虚空権現を目指す。そんな途方もない目的に付き合える馬鹿がいい」
「そいつはまた」と少年は肩をすくめる。
「無理だ」と薊野が言い添える。「頭数が欲しければ仲間に声を掛けるぞ」
「そうじゃない」
俺は首を振った。
数を揃えたいだけなら、震央舎の連中でも引っ張ってこられただろう。弟だって同行を希望していたのだ。ただ、俺は直観したのである。俺の伍には、迷宮への強い執着と尋常ならぬ無謀さが必要だと。それが土壇場で物事の成否、あるいは生死を分けるであろう。迷宮に魂の半分を奪われていなければいけないのだ。
「ひとりだけ心当たりがある。待ってろ」
得体の知れぬ酒の肴を卓上に並べると少年は小走りに二階へ去っていった。
店はお世辞にも綺麗だとは言えぬが、随分と奥行きがあって広い。探降者たちの放つ独特の空気が店の敷居を高くしているのだろう、迷宮行と関わりのない人間はまったく居場所がなさそうだ。
「絶対ぼられてるよ。それに客だって探降者っていうかゴロツキみたいに人相悪い。料理も不味い」
雪之丞は挑戦的な視線で周囲を睥睨する。聞き咎められたらまた余計な騒ぎになるに違いない。俺はこれ以上雪之丞の口を滑らせぬためにこっそり酒を茶に取り替えたが、酔った雪之丞は気付かない。こいつは酒が弱い。そのうちに尿意を催したのか厠へと消えた。
「店はしょぼくれてるけどな、酒はうまいわ」
三浦がぐいと猪口を空けるその横で下戸の薊野が煙管《きせる》を吹かした。
ほどなくして少年が下りてきた。
連れ立って現れたのは年嵩のいかぬ少女であった。
「どああああああああ!」
現れたというよりも、階下に転がり落ちてきた。暗くて急な階段である。足を踏み外したのであろう。
これが石動御守であった。
「駄目だ。これは」
紹介を受ける前に俺は断定した。
あっという間に全身に痣をこしらえた少女にどうして前衛を任せられよう。
「一言目の挨拶が駄目だなんてありますか。失礼です。無礼です。非礼です」
御守はふくれっ面になって俺を睨み据えた。かなり背が低いので据わっている俺とほとんど眼の高さが変わらない。
「済まなかったな。こちらの手違いだ。子供は戻ってくれ」
「子供ですって。あたしはもう十七ですけど」
「子供だな」と薊野が言う。「迷宮で遊ぶには早すぎる」
こんなひょろがりの小娘に前衛はおろか随行させることだってできぬ。
あっという間に魔物に喰い殺されて骨も残らないだろう。
「あっという間に殺されると思ってますね」
「ぬ」心を読まれて俺は押し黙った。
「御守さんは絡繰《からく》り六部なんだってば。こう見えて滅茶苦茶強いんだぜ」
「ほう」と眼を光らせたのは三浦である。珍しいものならなんにでも食指が伸びる男であった。地上では滅多にお目にかかれぬ絡繰り六部に興味深々らしく、身を乗り出した。
「迷宮に出たら、おじさんたちなんて簡単に殺せますよ」
物騒な台詞を言い放って娘はにっこりと笑った。
絡繰り六部とは、諸国を遍歴する法華経行者が、機人の絡繰りを活用することで布教を簡便かつ迅速にした者たちのことを呼ぶ。この職能は、稀代の絡繰り技師であった石動時昌《いするぎときまさ》が、熱心な念仏行者でもあったことに端を発する。石動は機人の仕組みを分析し、その巧妙な絡繰りの仕組みをほぼ解き明かしたとされているが、惜しまれつつも数年前に没した。石動の研究は六部たちに受け継がれ、絡繰り六部という特異な生業となったのである。
「御守は絡繰りの天才なんだぞ。どこかの伍に加わる度いっつも問題起こして追い出されてるけどな」
「晋。余計なことを言わないで」
「だは。じゃ後は勝手にやっとくれ。おれは忙しいんでここで失敬」
少年はまた客引きのために路上に飛び出していった。太陽を浴びていないというのに元気なものである。
「娘。お主の力は坊主の言うほどのものなのか?」
薊野が問うのに、食いつくように勝気な娘は喉を震わせた。
「あたしほど絡繰りを熟知してる人間はいません。機人街で拾われて石動時昌の養子になったのは三つばかりの頃かな。絡繰りの部品と油の中で育ちました。爪の中に染みついた汚れは取れない。あたしの拵えた絡繰りはおっ父の石動だって嫉妬してたんです。どーよ」
「迷宮にはどこまで潜った?」
「三十層をいくらか越えたあたりです。文句ありますか?」
「さぞかし腕の立つ仲間がいたんだろうぜ」
冗談のような記録にひるんだ俺が取り繕うように口走れば、御守はぷりぷりと怒って唇を突き出した。
「ばーか、ですか。単独です。ここいらのヘボな探降者連中なんざ産気づいた川獺《かわうそ》ほどにも役に立たないんですから。あたしの絡繰りは迷宮の瘴気を取り込んで元気溌剌疾風怒濤です」
「この娘の言ってるのが本当ならとんでもない戦力だぜ」
確かに絡繰りに守られた頑丈な体躯なら前衛もこなせるだろうし、なにより、この蓮っ葉な少女なら三浦の退屈しのぎにはぴったりであろう。
「ええやんか。決まりや」
「口だけならなんとでも……」
と言いさした俺の頬を突風がかすめる。ついで背後の壁が陥没した。
少女のゆったりとした袖口から何かが奔ったのだったが、それはまったく目視できぬ速度であった。衣服の内側に仕込んだ何らかの絡繰りが発動したのであろう。
「次は当てますから」
「すまねえ」気持ち悪い汗を感じながら俺は素直に詫びた。
「勝手に話を進めちゃってますけど何様のつもりなんですか。こっちだってそちらさん方を値踏みする権利があるんです。うだつの上がらない面付き並べてちゃって。うら若き乙女に戦線に加わってくれってお願いするならそれなりの態度ってもんがありますでしょう。恋は短し走れよ乙女です」
「口の減らねえ娘だ。ただし言ってることはご尤もだ。どうすりゃいい? こうか?」
俺は伏して拝む仕草をしたが、ばーか、そんなじゃ駄目です、と一蹴された。
「ま、いくら頼まれたってこんなみすぼらしい伍には入りません」
けんもほろろに俺たちがフラれたかに見えたその時であった。厠から戻ってきた雪之丞を見るなり、御守が、はっと胸を突かれたように後じさったのである。
「こ、この人は? どなたです」
「うちのだ。雪之丞ってんだ」
「なんて、なんていい男!」
御守は内股となって頬を赤らめると身をよじらせた。
そんなふうに見たことがなかったが、確かに生粋の男子と見れば、雪之丞はかなりの美丈夫かもしれぬ。そもそも身体は女であるから、肌も白く、仕草も俺たち無骨者にはない嫋やかさがある。
「娘っこ、えらい笑かすやんか。こいつはなぁ――」
三浦が口を滑らしかけるのを俺は茄子の漬物で押しとどめた。
「そうだ。御守。俺たちと来れば、雪之丞と四六時中一緒ってことになるぜ」
「ぐぬぬぬ」御守は悶えた。どうやら本気で心動かされているらしい。当の雪之丞と言えば、話の流れについていけずきょとんとしている。
「どうでぇどうでぇ!」俺は駄目を押した。
思案の末、「そうですねぇ」と御守は形のいい顎を指先で三度弾いた。「ひとつ条件があります。蝋鉄《ろうてつ》って知ってますか?」
「さあな」俺たち四人は一斉に首を傾げた。
「無知ですね。どんな金属よりも薄く延びる。靭性《じんせい》も滅法あるんです」
「そいつがどうした? 絡繰りに使うのか?」
「ええ。その蝋鉄の原石が地下七階層にあるんです。それを掘り出してきて欲しいんです」
「いいぜ」俺は安請け合いしたことをすぐに後悔することになる。
前回は地下六階層まで降りた。今回は仲間も増えたし、腕も上がった。経験だってあるのだ。楽勝であろう。
が、御守は俺の胸を真っ直ぐに指差した。
「ただし、お侍さん、あなたひとりで行ってもらいます」
後に気付くのだったが、この時御守は俺を無謀なお遣いに出して、あわよくば野垂れ死にさせようと考えていたらしい。そうすれば雪之丞との間に余計な邪魔がなくなるというわけである。薄汚い絵師と西瓜の呪い師はそもそも敵ではないと見込んだのであろうが、恋する乙女の冷酷さとはかくも恐ろしいものだとついぞ知らなかった俺は、まさに御守の言う通り無知であった。
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この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
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