疾走する玉座

十三不塔

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第五章 星火燎原

火を熾す

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 火を熾《おこ》すというのは、神聖な行為だ。

 北の原野においては特にそうだった。火を熾《おこ》すのに手間取ったがために凍死した者の話はありふれている。火は命そのものだとレイゼルは子供の頃から知っていた。教わることなく北の子供たちは知るのだ。

 火は命であり、言葉であり、希望であり――つまるところ好ましいもの全てのことだった。

 だから、とレイゼルは思った。

 炎の息を吐くという竜は、漲る命そのものであったにしろ、決して恐れるべき存在ではない。おとぎ話の竜、それは憧憬の的であり、いつの日か自分は竜になるのだと少女は誓ったのだった。他に火を放つ生命体はいない。火によって凍土を溶かす。それが少女の夢だった。

 フランケル山脈。そして竜紋《サーペイン》。

 その徴を身に帯びた時、レイゼルは飛び上がるほど嬉しかった。正しくは、レイゼルの中の少女が歓喜に震えたのだった。幼き日の決意がただならぬ現実となって再来したかのように。

 ――ウグイスは春の訪れを告げる鳥だよ。
 ――北の大地にも春は来る、そう願いたいものだな。

 ウェス・ターナーとスタン・キュラム。レイゼルは少年たちと共に竜と邂逅した。

 だから、少女だった頃の気持ちが蘇ったのかもしれない。

 ウグイスの長陽石は母から貰ったものだ。母はそれを父から譲り受けたという。レイゼルは父の顔を知らぬまま育ったが、領主の娘でありながら素性定かならぬ男と契った母の秘密多き人生にレイゼルはあえて眼を向けなかった。大人の事情というやつは、複雑にもつれあい、その上、凍りついている。溶かすことも解きほぐすこともできぬものに子供が手を出すべきではなかった。

 であるならば、竜のように在るべきだ。

 炎を宿して空を舞う。それよりも美しく力強い生き物がいるだろうか。

 レイゼルは生涯にたった一度だけ眼にした竜の気高さを思い出す。その隻眼の奥にあった宇宙を。

 ――竜とは世界の外側、そして人の内奥に在るもの。
 ――同じ寝所に眠る夫婦であっても見る夢は異なる。おまえたちは敵同士でありな
がら同じ悪夢を見るがいい。 

 言霊がさんざめく。レイゼルがこれまでに耳にした数々の声がハウリングを起こし、頭蓋の内側で殷々と跳ねる。

 ――変成器。それは蛹であり門。
 ――わたしは玉座を追うぞバローキ。
 ――言祝げ、幕引きの王スタン・キュラムのいと短き御代を。
 ――雪玉を転がして、あの木の間を一番先に抜けたら勝ち。どう?

 あちこちへ彷徨う記憶と思考に引き回されながらレイゼルが帰り着いた場所は汚れなき雪原だった。ベイリー・ラドフォードとスタン・キュラムの姿があった。二人はあどけない少年のようでもあったし、年経た老人にも見えた。

「腹減ったなぁ」子供っぽい口ぶりで言ったのはスタンだった。

 ベイリーはポケットの中のものを取り出して見せ合おうと持ち掛けた。知恵ある老人のしわがれた声。まるで古木がしゃべっているみたいだ。

「じゃ、出そう!」

 レイゼルのポケットにはベリーと干し肉の欠片があった。

 スタンのポケットにはチューブ入りのゼリーがあった。

 ベイリーのポケットには、食べ物はなかったそのかわりに吸いかけの煙草と小ぶりの飛び出しナイフがあった。

 煙草は先端押しつぶされているがまだ吸えるだろう。どんな味がするのだろう?

「みんな自分のモノをそれぞれひとり占めにしたら?」
「そうもいいね。でもちょっとずつ分け合うってのはどう? いろんな味が楽しめる」
「煙はお腹の足しにならない。それでもいいのかい?」
「いいよ。ただ火が……」
「うん、火が要るな」

 そうだ、やはり火だ。

 レイゼルは火を熾そうと思った。
 焚きつけを集め、火を育てるのだ。

 そうすればずいぶんと温かくなるだろうし、話が弾む。冷たくささくれた空気が、柔和に円かになって、くつろいで煙草だって吸える。濡れたブーツも乾かせるし、雪を溶かした水でお茶を淹れたりもできる。火は便利で不可欠だ。

 ――だから、レイゼルは、

「わたしが火になろう」
 と決めたのだった。

 すると燃え上がったのはレイゼルではなく世界の方だった。神話にあるおしまいの日のように――ただし、それは恐ろしくも悲しくもなく――すべてが燃え開けていく。

 そうしてレイゼルは覚醒した。

 彼女が仰臥していたのは水晶のような構造体の内部だった。月と星々の光が屈折しながら届いた。長い夢を見ていたのがわかる。そばに横たわるベイリーとスタン、彼らもまた夢を見ていただろうことも竜紋《サーペイン》の繋がる感覚でわかる。

(怪物に飲み込まれたはずだったが……ここは?)

 レイゼルに続いて、スタンが、さらにベイリーが眼を覚ました。彼らは見るだろう。旅の目的が失われたことを。追い求めた玉座が、割れ砕け二度と戻らないことを。

「機械から外れてる」
「粉々になった」
「玉座はもう……」

 三人は口々に言った。

 王権の象徴たる玉座は無数の罅《ひび》に覆われていた。指先でそっと突けばボロボロと崩れ落ちてしまいそうだ。三つの千年紀を越えてきた神聖なる玉座が――長駆と疾走の果てに――いま最後の時を迎えつつあった。

「たぶん、俺たちは玉座を作動させた。けど、間違った使い方をしたんだろう」

 スタンが落ち着いた物腰で言った。

「だから壊れた?」ベイリーは物憂げだった。二人よりもずっと遠い場所から戻ってきたように見えた。

「かもしれない」とレイゼル。ロドニーで女王から聞かされた情報を交えながら続けた。「我々は玉座が約束した永遠を拒絶し、有限に留まった。人であることを放擲できず、あさましい生存を続けるというわけだ」

「あっけねえな。王様のケツ乗せ台もこんなもんかよ」

 とはいえ、三者はそれぞれに感じていた。永遠の欠片とでもいうべきものが、不完全ながらその身に宿っていることを。

 不死の身体は得られずとも、人間離れした頑強さを備え、惑星と宇宙とにまたがる精神網に溶け込むことはできずとも、そのネットワークへ繋がる能力を得た。

 そして歴史にその名を刻む名君にはなれぬにしろ――ただ、人心を掌握し、崇拝を集めるカリスマなら玉座に授かる必要もない。少なくともレイゼルとベイリーはその地位を含めて、もとより王に近い存在であった。

「ここは?」王宮の控えの間ほどの広さの空間をベイリーはそぞろ歩く。透明な材質の壁の向こうにはおそらく水がある。暗い水に囲繞された空間に三人は佇んでいた。

「信じがたいことだけど、あの怪物の中だ。あいつの身体は変成に巻き込まれて結晶化した。そうだとしか考えられない」

 スタンはさらに冴えわたる視力で周囲を眺め渡しながら〈はた迷惑な微罪モレ・ステルペカ〉を拾い上げた。手に吸い付くようなその感触を知れば深く安心できた。状況に、ではなく、以前よりももっと根本的に変貌してしまった自分自身に。

 月と星々の光もこの深度までは差し込まない。ほとんど光の差さない場所でも三人が視えていたのは、変成による能力の拡大であったが、あまりにスムーズにそれが機能したためひとりとして気付く者はいない。

「古代機械はどこへ?」
 レイゼルが口を開いた。

「きっと水晶の宮殿の中、出口を求めて走り回ってるさ。玉座は止まっても、アレは走ることをやめない」

 スタンは呆れた口調だった。

「下層に反応がある。この怪物のエネルギー源だったものが。俺の剣が囁いてる」

× × ×

「なんでわたしがこんなことをっ!」

 岸に打ち上げられたメリサは同じく打ち上げられたガラッドの口を口で塞ぎ、思いっきり息を吹き込んだ。分厚い胸が大きく上下したかと思うと、ガラッドは大量の水を吐いた。

「大丈夫?」
「ん、ああ」けろりとした表情でガラッドは応じる。
「でも、頭からけっこう血が出てるわよ。まだ起き上がらない方がいいんじゃない?」

 側頭部に手をやるとべったりと大量の血がついた。即席の眼帯も外れてどこかへ飛んでいったらしい。白濁した眼を向けられるとメリサは妙な気分になった。泳ぎの得意でないメリサを抱いてガラッドは激流にもがいたのだった。もう少しで岸にたどりつくといったあたりで水中の岩に頭を打ち付けたのだった。

「あの波にけっこう河上まで運ばれたみたいね。でもそのおかげで怪物に食べられずに済んだのかも」

「ああ」ガラッドはぺたりと座り込んだまま気の抜けた返事をした。まだ意識がボーとしているらしい。

「計算高い商人様が私を助けるなんて……あんたって本当は賢くないわね」

「ああ」

「ありがと」不貞腐れたようにメリサはおずおずと口にする。

「うん」

 メリサはため息をつきながら、
「いいわよ、答えなくても、ひとりで喋ってるから。こんなにとんでもないことばかり続くと気が触れるまで喋る続けるか……それともいっそ永久に黙るか、ね」

 思わず口走った自分の言葉に胸騒ぎがした。

 冷え冷えとしたものが背中を走った。メリサは取り繕うように首を振ったが、すべてが手遅れであるような気がする。この虚脱感は河に流された疲労によるものだけではない。

 何者かが近づいてくる。二人分の足音だった。

 茂みをかき分けてひとりが顔を出した時、それが死闘を繰り広げた相手であるにもかかわらずメリサに安堵が押し寄せた。

「ガラッドさん!」

 ジヴだった。衣服をまとったサルキアも続いて現れた。

 メリサは敵に囲まれた形になるが、いまや互いに敵対するメリットを見つけられやしないだろう。ただ生きてこの実りなき旅から帰還すること。誰もがきっとそれだけを望んでいるはずだ。

「よかった。生きてたんですね」
「ベイリー様は死んだかもね。やっぱり普通に考えてあんな化け物に飲み込まれて無事でいられるわけがない!」

 メリサはサルキアを責めるように言った。いまさら栓無きことであったが、メリサは我慢ができなかった。

「メリサ」サルキアは静かな威厳を漂わせつつ言葉に意志を乗せた。「もし、ベイリー・ラドフォードに何かあれば、わたしを好きにして構いません。救国の英雄。彼は確かにイルムーサの……いえ傀儡だったとはいえ、わたしの無法を止めてくれました」

「恨んでたんじゃ?」

「そうね」間髪入れずサルキアは答えた。毒を盛られ、王宮から退場させられたのだ。すべてを水に流すには彼女は激しすぎ、また若すぎた。

「さっき、河べりでジヴと裸で身を寄せ合っててわかったの。王族と奴隷を隔てるものって何だと思う? それはね、服よ。ただ、まとってる布切れだけが違うの。娼館に暮らしていた時、娼婦たちも言ってたわ。貴族も乞食もベッドの上じゃするこた同じってね。そんなはずはないって思っていました。生まれながらに人には貴賤があり、その間には飛び越えることのできない深い溝があるのだと」

 旅の間使っていたサルキアの蓮っ葉な口調は次第に影をひそめつつあった。王族としての洗練された口ぶりが戻ってくるのにはもうしばらくかかりそうだが、そんな変遷は、そのままの彼女の波乱多き半生を証だてるものだった。

「でも、同じだったわ」サルキアは肩をすくめた。「元奴隷のジヴとわたしと。股間の挟まってるものがあるのかないのか、違いはそれだけだったわ!」

「なんてこと!」メリサは眼を白黒させた。ジヴはガラッドに寄り添って出血した頭部に布を巻きつけた。

「だからもし、ベイリーが生きてたら、あの人が王様になりたいのなら譲ります。シュロークの念願は果たせないけど、王族に返り咲くより楽しい事がいっぱいあるはず。王宮も権威も歴史もバカバカしい。だいたい玉座なんて新しいのを拵えればいいじゃないの。あんなものをとっ捕まえるために装甲車から飛行船まで引っ張り出して。国民の税金をなんだと思っているのかしら!」

 王位継承者にふさわしからぬ乱暴な物言いは、しかしメリサを跪かせた。

「サルキア様。あなたがそのような達見に至られたのであれば……あらためて臣下の礼を取らねばなりますまい。慈悲と憐みに基づいた徳政。初代王ハゼムや庶子王リアムだけが為した偉業。それを実現するため、サルキア様には是非にこそ新たな王になって頂かなくては。ベイリー様も今のサルキア様になら、安心して国政をお任せするでしょう」
 
 メリサの恭順にはどこか不可解な唐突さがあった。その上、芝居がかってもいたが、ここは穿った見方をせず素直に受け取るべきなのかもしれない。

「そうでしょうか。ベイリーとは父の代からの因縁があるのだし、そう簡単にはいかないと思うけれど」
「いいえ、所詮は私怨。過去の恩讐に拘泥し価値ある未来を見過ごすのであれば、英雄ベイリー・ラドフォード将器にあらず。従う謂れはありません」
「わたしは過ちを犯し、国民を失望させました」
「失策は取り戻すことができます」
「どちらにしろ、あなたたちには手伝って頂かなくては――我が国の再建を」

 公女サルキアは、跪いた臣下の手を取り、ゆらめく火を宿した瞳で、滔々と流れる大河を一瞥した。それは彼女が少女であることをやめた日であり、新たな激流に片足を踏み込んだ瞬間でもあった。

× × ×

「こいつはハイドラの心臓か」

 透明な心臓の彫刻――あれほど巨大な生物に相応しく、心臓もまたスタンたち三人が手を繋いで囲んでも足りないほど大きかった。爬虫類の例に漏れず、2心房1心室という構造だった。その心室部分に何かがある。

(こいつがあのふざけた再生能力の根源か)

 ゆらめく炎の形の刀身。フランベルジュという様式の両刃剣が心室に浮かんでいた。

「あれは?」レイゼルが、ここへ連れてきたスタンを促した。

「ハゼムの鍛えた五振の名剣。ずっと行方知れずになっていたけれど、怪物に埋め込んであったのか。たぶん、ハゼムの悪ふざけだろう。河口の守護獣に決して絶えることのない活力をくれてやったのさ」

 〈神の赤い信条クレ・デジョーリョス〉は刃も柄も長大で、両手で使用する形状をしていた。赤みを帯びた刃には波状のカーヴがあり、切りつけた相手の止血を妨げるという。さらには炎を象ったのに相応しく熱が放たれており、この下層部全体に温もりを与えていた。

「火」

 レイゼルはとっさに手を伸ばすが、硬質化した心臓に隔てられて触れることができない。

「火だ。わたしは火になりたかった」

 呆けたように繰り返す。

「玉座は失われた。旅も終わりだな。レイゼル姐さん。そいつが欲しいなら手に取るといい。剣は人を、人は剣を選ぶという。ま、長い旅のご褒美にしちゃシケてるけど」

「おまえはどうするのだ? スタン・キュラム」そう問うたのは、ベイリーだった。

「俺は故郷に戻って船を漕ぐさ」
「ウェス・ターナーを連れて?」
「頼みがあるベイリーさん。あんたウェスを王都に連れてってくれないかな。あいつの才能を活かせるのはそこだけだ」
「私は帰れない。この旅で失ったものが多すぎる。私は失敗したのだ」
「勝者のないレースだ。恥じることなんてあるもんか」

 ベイリーは苦く笑って、
「ウェスと離れて生きるのか?」
「兄弟同然だったさ。いい加減、あいつの尻ぬぐいもうんざりなんだ」

 嘘だ、とレイゼルが断言する。

「おまえはウェスの足枷になりたくないのだろう。ウェスを守ってきたはずが、この旅で知った。むしろ守られていたのは自分だと」

 スタンは、かなわないなと言わんばかりに頭を掻いた。

「その通りだ。竜も言ってたじゃないか。俺たちは歴史に名を残すかもしれない。でも世界を変えるのはウェスやガラッドのような人間だって」

「――わたしは国を造るぞ。北の独立だ。火を熾《おこ》す」決然とレイゼルは告げた。腰の手斧で心臓の壁を破って〈神の赤い信条クレ・デジョーリョス〉を引っ掴んだ。

「馬鹿な。反乱と見なされるぞ」
「中枢の機能の停止したシェストラに何ができる。それになベイリー・ラドフォード、おまえが討伐に来ないのなら、国軍など恐れることもない。スタン、いつの日か、わたしは王都へウェス・ターナーを奪いに行くかもしれぬ。いや、必ず行くだろう。だから一緒にいてウェスを守れ」

「ちぇっ、どうしてもそうくるか」スタンは膨れ面になったが、内心まんざらでもなさそうだ。ベイリー・ラドフォードはレイゼルの誘導を知ってか知らずか言葉をつぐんだ。

 レイゼルの宣言の真意はわからない。

 ただ、それはスタンの未来へ大きな影響を与えるだろう。竜紋《サーペイン》の共有者といえど、互いの心の隅々まで知ることができるわけではない。分かちあえるのは感情と技能のみであり、戦いが無効になる程度には互いのことが筒抜けだが、対立や意見の相違がなくなるわけではなかった。

 振動が走った。遠い地鳴りのような揺れだったが、危険というやつは人懐こい犬のように寄ってくるものだ、とこの旅で知ったのだ。

「やべぇ、その剣を取ると、この構造は保《も》たないらしい」

 水晶に似た構造体、ハイドラであった巨大な骸が瓦解しようとしていた。

 三人は一瞬目配せをした。

「脱出しなくちゃ。上へ行くんだ。猶予はある……ことを願うよ」
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