18 / 19
18,転生悪役令嬢の告白。
しおりを挟む
「まさか本当に革命が起きるなんて……。
じきに王宮は無血開城されるんですね。
新しい議会の構想も、憲法の草案も革命組織で準備済みというわけですか。
ヒロインや攻略キャラの転校生が活動に加担していたとは全く予想外です。
いわゆる転校生ルートにヒロインが入ったということでしょうか。
私が知ってる内容とは大分違いますが。
で、あなたもその一味の一人だからそれを知っていると。
いつの間にそんな危険な活動に参加してたんですか。
どうしてずっと黙っていたんです?
邪魔されるかもしれないと思った?
私が反対すると思ったんですね。
失礼な。
いくら私が小うるさくても、大義ある活動に覚悟を持って臨むなら、理解を示すことはやぶさかではありません。
そうですか。
誤解が解けたなら良いのです。
素直に謝ったので許しましょう。
え?まだ処刑エンドがあると思うかですか?
そうですね。
流石にここまで展開が元のゲームのあらすじから離れてしまえば、私の処刑イベントもないのではないでしょうか。
どんな余波があるかわからないからしばらく身を潜める、というあなたの案には賛成ですが。
わ、ちょっと、危ないから抱きつかないでください。
いつもの馬車と違って狭いんですから。
だから、ちょっと離れてもらって良いですか?
あなたに聞きたいことがまだあるのです。
ふう。
まず、両親は無事なのでしょうか。
そうですか。
無血革命だから命は無事というなら何よりです。
もう絶縁されている身なので関わることは難しいでしょうが、平穏に暮らしてくれることを祈ります。
あと、王子たちはどうなってしまうんでしょう。
ちょっと、不機嫌にならないで下さい。
絶縁と同時に婚約破棄もされてますが、一応名ばかりといえど元婚約者が酷い目に遭うのは忍びないのです。
そうですか。
立憲君主制国家にして、王室は実権のない名誉職にするんですね。
おそらくいきなり王政を停止したら周りの王国から総攻撃を受けますから、それが妥当でしょう。
貴族制度についても、あまり急進的に改革するのは良くないでしょうね。
徐々に必要なところから特権を無くしていかないと、揺り戻しが来そうです。
分かるというか、前世で習った歴史知識ですよ。
このあと目指すべきは中央集権国家でしょうから、まず租税制と徴兵制から手をつけるべきだなとか、今の民間では魔術を広く活用するだけのノウハウが無いから、イノベーションの促進には国営の研究所が必要だなとか、前世で学校に通っていればまあ誰でもわかります。
この辺の話をもっと聞きたければ、後にして下さい。
それで、あなたはどうするんですか?
財産は処分して市民として生きるんですね。
確かに、あなたが手に入れた王子たちの魔力が今回の革命の引き金なら、貴族でいても肩身は狭いでしょうからそれが良いと思います。
これから魔力の活用で経済は絶対に成長しますから、財産処分で手に入れたお金を投資に回せば、生活には困らないでしょうし。
私はどうしたいかですか?
その前に最後の質問です。
私、あなたが好きです。
ずっとずっと好きでした。
これからも、あなたと一緒にいたいです。
あれ?どうしました?
顔が真っ赤ですよ。
風邪ですか?
大変。この話は後にしましょう。
ふふふ。冗談ですよ。
それで、質問の続きです。
あなたの気持ちを、聞かせてくれませんか?」
END
ここまでお付き合いありがとうございました。
じきに王宮は無血開城されるんですね。
新しい議会の構想も、憲法の草案も革命組織で準備済みというわけですか。
ヒロインや攻略キャラの転校生が活動に加担していたとは全く予想外です。
いわゆる転校生ルートにヒロインが入ったということでしょうか。
私が知ってる内容とは大分違いますが。
で、あなたもその一味の一人だからそれを知っていると。
いつの間にそんな危険な活動に参加してたんですか。
どうしてずっと黙っていたんです?
邪魔されるかもしれないと思った?
私が反対すると思ったんですね。
失礼な。
いくら私が小うるさくても、大義ある活動に覚悟を持って臨むなら、理解を示すことはやぶさかではありません。
そうですか。
誤解が解けたなら良いのです。
素直に謝ったので許しましょう。
え?まだ処刑エンドがあると思うかですか?
そうですね。
流石にここまで展開が元のゲームのあらすじから離れてしまえば、私の処刑イベントもないのではないでしょうか。
どんな余波があるかわからないからしばらく身を潜める、というあなたの案には賛成ですが。
わ、ちょっと、危ないから抱きつかないでください。
いつもの馬車と違って狭いんですから。
だから、ちょっと離れてもらって良いですか?
あなたに聞きたいことがまだあるのです。
ふう。
まず、両親は無事なのでしょうか。
そうですか。
無血革命だから命は無事というなら何よりです。
もう絶縁されている身なので関わることは難しいでしょうが、平穏に暮らしてくれることを祈ります。
あと、王子たちはどうなってしまうんでしょう。
ちょっと、不機嫌にならないで下さい。
絶縁と同時に婚約破棄もされてますが、一応名ばかりといえど元婚約者が酷い目に遭うのは忍びないのです。
そうですか。
立憲君主制国家にして、王室は実権のない名誉職にするんですね。
おそらくいきなり王政を停止したら周りの王国から総攻撃を受けますから、それが妥当でしょう。
貴族制度についても、あまり急進的に改革するのは良くないでしょうね。
徐々に必要なところから特権を無くしていかないと、揺り戻しが来そうです。
分かるというか、前世で習った歴史知識ですよ。
このあと目指すべきは中央集権国家でしょうから、まず租税制と徴兵制から手をつけるべきだなとか、今の民間では魔術を広く活用するだけのノウハウが無いから、イノベーションの促進には国営の研究所が必要だなとか、前世で学校に通っていればまあ誰でもわかります。
この辺の話をもっと聞きたければ、後にして下さい。
それで、あなたはどうするんですか?
財産は処分して市民として生きるんですね。
確かに、あなたが手に入れた王子たちの魔力が今回の革命の引き金なら、貴族でいても肩身は狭いでしょうからそれが良いと思います。
これから魔力の活用で経済は絶対に成長しますから、財産処分で手に入れたお金を投資に回せば、生活には困らないでしょうし。
私はどうしたいかですか?
その前に最後の質問です。
私、あなたが好きです。
ずっとずっと好きでした。
これからも、あなたと一緒にいたいです。
あれ?どうしました?
顔が真っ赤ですよ。
風邪ですか?
大変。この話は後にしましょう。
ふふふ。冗談ですよ。
それで、質問の続きです。
あなたの気持ちを、聞かせてくれませんか?」
END
ここまでお付き合いありがとうございました。
1
お気に入りに追加
332
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は婚約破棄したいのに王子から溺愛されています。
白雪みなと
恋愛
この世界は乙女ゲームであると気づいた悪役令嬢ポジションのクリスタル・フェアリィ。
筋書き通りにやらないとどうなるか分かったもんじゃない。それに、貴族社会で生きていける気もしない。
ということで、悪役令嬢として候補に嫌われ、国外追放されるよう頑張るのだったが……。
王子さま、なぜ私を溺愛してらっしゃるのですか?
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。
平和的に婚約破棄したい悪役令嬢 vs 絶対に婚約破棄したくない攻略対象王子
深見アキ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・シェリルに転生した主人公は平和的に婚約破棄しようと目論むものの、何故かお相手の王子はすんなり婚約破棄してくれそうになくて……?
タイトルそのままのお話。
(4/1おまけSS追加しました)
※小説家になろうにも掲載してます。
※表紙素材お借りしてます。
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる