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マメ柴のシバ
私の愛犬が女装したらめちゃくちゃ可愛い件
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まあ、可愛いよね。
スカートは普通にシバに似合った。
元々中性的な顔立ちなのと、長めのショートヘアなのとでボーイッシュな女の子と言われても疑うことは難しい。
ただ、案外体格はしっかりしているので、首回りと、肩と、ひざ下がやはり男の子である。
「そうだなぁ。」
さゆりはクロゼットをさらに漁ると、薄手の黒タイツと紺のハイネックブラウスを取り出した。
着方を教えながら何とかシバに身につけさせる。
黒タイツとハイネックは、太い足や首をうまく誤魔化した。
ブラウスの肩周りには大振りのフリルが付いていて、がっしりした肩幅もカバー出来ている。
日頃から誤魔化し服選びに余念がなくてよかった。
「うん。」
割とこれはもう、女の子だわ。
これで行こう。
さゆりはそう思った。
もちろん酔狂ではなく、このエキセントリックな選択にはちゃんと理由がある。
シバを男の格好でカトレアに連れて行ったら、間違いなく女将さんが面倒な勘違いをすると思ったのだ。
年の差を考えろ、と言ってもあの御仁には通じないだろう。
それに、シバを見たかなに変な気を起こされても困る。
さっきの長谷川の反応から、少し不安になった結果の決断だった。
十中八九さゆりの親バカな杞憂なのだが、残念なことに誰も止める人がいない。
「それで外に行こうか。」
さゆりの言葉に、シバは自分の衣服をまじまじと見てスカートのドレープをつまんだりしている。
その反応にふと我に返った。
女装で外に出るって普通男だったら嫌だよな、と。
少なくとも現代日本の一般男性に備わる程度のマチズモがあれば、相当の抵抗を感じる行為に思われた。
その辺どうなんだろう。獣人のジェンダー観は。
「シバ、その格好するの嫌?」
さゆりは率直に聞いてみた。
犬を人間の好き勝手に着飾ることには賛否両論ある。いや、シバは犬じゃないが。
「さゆりはどう思う?」
「私は、すっごく似合ってるしすっごく可愛いと思う。」
本心から出た声で力強く断言した。
客観的にみて少し気持ちが悪いくらいに。
「さゆりが嬉しいなら、シバもこれが良い。」
そのままにへらっとシバは笑った。
はい、ただの愛い奴。
シバの了解が取れたので、早速マンションを出ることにする。
玄関を開けたとたん、シバは勢いよく飛び出した。
「待て待て待て!」
外廊下をエレベーターまでダッシュして、突き当たりで飛び跳ねているシバを慌てて追いかける。
「シバ!ヒール!」
キョトンとしている。
そりゃあそうだ。
「外では私について来て。」
キョトンとしている。
リードを繋いでやろうか。
仕方がないので、左手をシバの右手と繋いだ。
「外に慣れるまで、歩く時はこうするから。」
顔を近づけてそう念を押すと、満面の笑みで口周りを舐めようとして来たのですんでで避けてエレベーターに乗り込んだ。
スカートは普通にシバに似合った。
元々中性的な顔立ちなのと、長めのショートヘアなのとでボーイッシュな女の子と言われても疑うことは難しい。
ただ、案外体格はしっかりしているので、首回りと、肩と、ひざ下がやはり男の子である。
「そうだなぁ。」
さゆりはクロゼットをさらに漁ると、薄手の黒タイツと紺のハイネックブラウスを取り出した。
着方を教えながら何とかシバに身につけさせる。
黒タイツとハイネックは、太い足や首をうまく誤魔化した。
ブラウスの肩周りには大振りのフリルが付いていて、がっしりした肩幅もカバー出来ている。
日頃から誤魔化し服選びに余念がなくてよかった。
「うん。」
割とこれはもう、女の子だわ。
これで行こう。
さゆりはそう思った。
もちろん酔狂ではなく、このエキセントリックな選択にはちゃんと理由がある。
シバを男の格好でカトレアに連れて行ったら、間違いなく女将さんが面倒な勘違いをすると思ったのだ。
年の差を考えろ、と言ってもあの御仁には通じないだろう。
それに、シバを見たかなに変な気を起こされても困る。
さっきの長谷川の反応から、少し不安になった結果の決断だった。
十中八九さゆりの親バカな杞憂なのだが、残念なことに誰も止める人がいない。
「それで外に行こうか。」
さゆりの言葉に、シバは自分の衣服をまじまじと見てスカートのドレープをつまんだりしている。
その反応にふと我に返った。
女装で外に出るって普通男だったら嫌だよな、と。
少なくとも現代日本の一般男性に備わる程度のマチズモがあれば、相当の抵抗を感じる行為に思われた。
その辺どうなんだろう。獣人のジェンダー観は。
「シバ、その格好するの嫌?」
さゆりは率直に聞いてみた。
犬を人間の好き勝手に着飾ることには賛否両論ある。いや、シバは犬じゃないが。
「さゆりはどう思う?」
「私は、すっごく似合ってるしすっごく可愛いと思う。」
本心から出た声で力強く断言した。
客観的にみて少し気持ちが悪いくらいに。
「さゆりが嬉しいなら、シバもこれが良い。」
そのままにへらっとシバは笑った。
はい、ただの愛い奴。
シバの了解が取れたので、早速マンションを出ることにする。
玄関を開けたとたん、シバは勢いよく飛び出した。
「待て待て待て!」
外廊下をエレベーターまでダッシュして、突き当たりで飛び跳ねているシバを慌てて追いかける。
「シバ!ヒール!」
キョトンとしている。
そりゃあそうだ。
「外では私について来て。」
キョトンとしている。
リードを繋いでやろうか。
仕方がないので、左手をシバの右手と繋いだ。
「外に慣れるまで、歩く時はこうするから。」
顔を近づけてそう念を押すと、満面の笑みで口周りを舐めようとして来たのですんでで避けてエレベーターに乗り込んだ。
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