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マメ柴のシバ
一緒にお食事
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何か腑に落ちない感じにはなったが、ひとまず長谷川への謝罪が済んだ。
もうシバがなりふり構わず騒ぎ倒すこともないだろうし、
あとはみつるの迎えが来るまで穏やかに過ごすだけだ。
大火無く、と会社の上司が朝礼で言う度に、逆らうつもりもないくせにつまらない大人になった気がして嫌だったが、今に限って言えば大賛成だった。
部屋に戻ったさゆりは、今度は外出の準備をすることにした。
シバのものを買うためだ。
今のシバの靴は、きみやから借りた海外ブランドのシンプルなコルク底サンダルだったが、サイズがまるであっていない。
来週遊ぶのであれば、スニーカーくらいは必要だろう。
それと歯磨きと、メンズの洗顔料と、替えのトランクスをもう数枚…髭剃りは…いらないか。生えて来る気配がないし。
獣人のくせに腕も足もツルツルである。羨ましい。
妬みながら頭の中で買い足すものをリストアップしていく。
シャンプーハットは?…いやいや、過保護すぎかもしれない。
今日の様子で必要あれば考えよう。
だいたい挙げ列ねたところで、お昼ご飯に思いいたる。
食材は買ってあるので、買い物から帰ったら家で食べても良い。
でも、いまのシバは人間である。
外で一緒に食べてみようかな。
えりかの言うとおり、ずっと家にこもりきりは良くないと思うのだ。
みつるの話振りによると獣人も人間の社会に関わりがあるようだし、こちらでも社会になるべく触れておいた方が良いのではないか。
それに、だって、憧れるじゃないか。
愛犬を連れてレストランでランチとか。いや、犬じゃないんだけどさ。
さゆりはシバを連れて外食することにした。行き先はカトレアに決める。あそこなら多少シバの行儀が悪くとも自分の顏で何とかなると考えたからだ。
そうと決まれば自分の身支度を軽く整えにかかる。せっかくだし、この間買ったスカートを履いていこう。
最近人気が出てきていると以前看板娘のかなに教えてもらったブランドで、その後早速入手してみたやつだ。
まだ彼女に見せていなかった。
ネットショップで買うとポイントがすごい溜まると言われたのでポチったのだが、サイズが合わなかったら嫌なので守りに入ってゴムウェストのやつにした。
早速クローゼットから取り出して広げてみる。
明るいカラートーンの可憐な花柄がサーモンピンクのコットン地にプリントされた、ミモレ丈のフレアである。
ちょっとさゆりには若向けすぎる気もしたが、買う時はこれくらいまだ着れると思ってしまったのだ。
案の定実物を見たら躊躇してしまい今に至るのだが。
他人の目は「人が何着ようと勝手だろ。」と開き直れるが、自分の目だけは誤魔化せない。
でも今なら、かなに見せるという大義名分で履ける気がした。
大丈夫。いけるいける。
……
「……。シバ、ちょっとおいで。」
「んー。」
ベッドに座って待っていたシバがとてとてと近づいて来る。
「これ、ちょっと履いてみて?」
もうシバがなりふり構わず騒ぎ倒すこともないだろうし、
あとはみつるの迎えが来るまで穏やかに過ごすだけだ。
大火無く、と会社の上司が朝礼で言う度に、逆らうつもりもないくせにつまらない大人になった気がして嫌だったが、今に限って言えば大賛成だった。
部屋に戻ったさゆりは、今度は外出の準備をすることにした。
シバのものを買うためだ。
今のシバの靴は、きみやから借りた海外ブランドのシンプルなコルク底サンダルだったが、サイズがまるであっていない。
来週遊ぶのであれば、スニーカーくらいは必要だろう。
それと歯磨きと、メンズの洗顔料と、替えのトランクスをもう数枚…髭剃りは…いらないか。生えて来る気配がないし。
獣人のくせに腕も足もツルツルである。羨ましい。
妬みながら頭の中で買い足すものをリストアップしていく。
シャンプーハットは?…いやいや、過保護すぎかもしれない。
今日の様子で必要あれば考えよう。
だいたい挙げ列ねたところで、お昼ご飯に思いいたる。
食材は買ってあるので、買い物から帰ったら家で食べても良い。
でも、いまのシバは人間である。
外で一緒に食べてみようかな。
えりかの言うとおり、ずっと家にこもりきりは良くないと思うのだ。
みつるの話振りによると獣人も人間の社会に関わりがあるようだし、こちらでも社会になるべく触れておいた方が良いのではないか。
それに、だって、憧れるじゃないか。
愛犬を連れてレストランでランチとか。いや、犬じゃないんだけどさ。
さゆりはシバを連れて外食することにした。行き先はカトレアに決める。あそこなら多少シバの行儀が悪くとも自分の顏で何とかなると考えたからだ。
そうと決まれば自分の身支度を軽く整えにかかる。せっかくだし、この間買ったスカートを履いていこう。
最近人気が出てきていると以前看板娘のかなに教えてもらったブランドで、その後早速入手してみたやつだ。
まだ彼女に見せていなかった。
ネットショップで買うとポイントがすごい溜まると言われたのでポチったのだが、サイズが合わなかったら嫌なので守りに入ってゴムウェストのやつにした。
早速クローゼットから取り出して広げてみる。
明るいカラートーンの可憐な花柄がサーモンピンクのコットン地にプリントされた、ミモレ丈のフレアである。
ちょっとさゆりには若向けすぎる気もしたが、買う時はこれくらいまだ着れると思ってしまったのだ。
案の定実物を見たら躊躇してしまい今に至るのだが。
他人の目は「人が何着ようと勝手だろ。」と開き直れるが、自分の目だけは誤魔化せない。
でも今なら、かなに見せるという大義名分で履ける気がした。
大丈夫。いけるいける。
……
「……。シバ、ちょっとおいで。」
「んー。」
ベッドに座って待っていたシバがとてとてと近づいて来る。
「これ、ちょっと履いてみて?」
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