人生の意義:推し

Prologue

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まあ願いの甲斐なく呆気なく、今世が始まってしまいましたとさ。

鏡を見たら超絶美少女すぎて驚いた。中身と外見が釣り合わなすぎ問題どうしましょう。
鏡を見るたびに落ち着かなくなって、黒縁眼鏡かけて髪の毛を無造作に一つにまとめて少し落ち着いた。
これでも前世より顔が良い。
…覆面かぶりたい。

りょうくんのためにお金を使うことは生きる喜び。課金しているのではない。
こちらが課金させていただいているわけで。推しのために生きられるなら、我が人生一片の悔いなしってやつ？

大体私はイケメンと恋をしたいわけじゃない。ただ同じ世界に存在して、同じ空気を吸って、たまに舞台で目の前に立ってくれたらそれはそれはウルトラスーパーハッピーだけど。

でも残念ながらこの世界にはりょうくんがいないんだよなあ。

その事実を知ったとき私は家族が大学病院を何件も梯子するくらいには凹んだ。泣いて泣いて、何枚バスタオルをびしょびしょにしたことか。十年たった今その現実を受け入れつつあったのだけど。