18 / 49
つかの間の静寂
黒天使の邂逅・2
しおりを挟む
コンソーラはガリアと共に、移動呪文発動装着の前にいた。
「腕輪はちゃんとついてるかしら」
「ええ、大丈夫です」
コンソーラは腕輪を動かして、装着が十分であることを確認する。
「気を付けていきなさい、貴女は本来戦闘に向いてないんだから」
ガリアは忠告した。しかしコンソーラは「ふふっ」と笑う。
「心配いりませんよ、ラフィアさんのためなら、戦闘でも何でもしますよ」
コンソーラは楽しげに語る。
コンソーラはラフィアに会えると思うと嬉しくて仕方ないのだ。
「何で貴女はラフィアに関すると、態度が変わるの?」
ガリアは疑問を口にする。
コンソーラは大人しく、どこか自信無さげな印象があるが、ラフィアのことになると、態度が一転するのだ。
「ガリアさんにはお話しませんでしたっけ」
「ごめんなさい、大分前に聞いたような気がしたけど忘れてしまったわ」
「私が幼い頃に、ラフィアさんが私の命を救ってくれたんです」
コンソーラは答えた。
コンソーラは竜巻を引き起こし、前に立ちはだかっていた三人の黒天使を彼方へ吹き飛ばす。
「さあ、行きましょう」
コンソーラは後ろを見て、リンに言った。
「君の仲間だよね、吹き飛ばしたりして大丈夫なの?」
リンがコンソーラを気にかけているのが伝わってきた。
「彼らも戦闘することは承知の上ですから、平気ですよ」
コンソーラはリンの心配を解消するように、優しく語る。
黒天使は戦闘訓練で仲間同士で武器や呪文を交えることもあるからだ。
元に戦艦アルシエルでベリルを相手に呪文の訓練していた。
「それより行きましょう、また私の仲間が現れるかもしれませんから」
コンソーラは緊張を交えた声を出した。
(ラフィアさん、もう少しの辛抱ですから我慢して下さいね)
コンソーラはリンの背中で眠るラフィアに心の中で言った。ラフィアの役に立てることが彼女への恩返しだと思った。
一行は学校に到着して、ラフィアを保健室に休ませることになった。
黒天使のコンソーラをメルキが見た時は驚かれたが、リンが事情を話してくれたお陰で、何とかコンソーラも一緒に学校の中に入ることができた。保健室に行く道中、コンソーラを見るなり良い顔をしなかったが、慣れてるので気にはならなかった。
ラフィアにラビエス草を飲ませ、リンがメルキと話している間、コンソーラはラフィアを見ていた。
ラフィアはラビエス草の効果もあり、さっきよりも顔色が良くなってきた。
「早く目を覚まして下さいね、ラフィアさん」
コンソーラは呟く。
ラフィアには話したいことが山のようにあり、第一に言いたいのは彼女に対してのお礼の言葉だった。
が、コンソーラは廊下に行くように言われて、ラフィアが起きる所を見届けることができなかった上に、ラフィアには攻撃されかけそうになり、天使に嫌われてることに慣れてるコンソーラでも、精神的なダメージは大きい。
(ううっ、やっぱそうなりますよね)
ラフィアの鋭い目付きは、コンソーラの気持ちを萎縮させた。
メルキの介入により、コンソーラへの攻撃は回避され、ラフィアも落ち着きを取り戻して、自分の非を詫びる。
(でも、私はくじけませんよ、ラフィアさんは私の恩人ですから)
ラフィアが平静になってくれたこともあり、コンソーラのダメージは緩和した。
(ラフィアさんには私のことを認めさせますから)
コンソーラはラフィアへの想いが膨らんでいったのだった。
「腕輪はちゃんとついてるかしら」
「ええ、大丈夫です」
コンソーラは腕輪を動かして、装着が十分であることを確認する。
「気を付けていきなさい、貴女は本来戦闘に向いてないんだから」
ガリアは忠告した。しかしコンソーラは「ふふっ」と笑う。
「心配いりませんよ、ラフィアさんのためなら、戦闘でも何でもしますよ」
コンソーラは楽しげに語る。
コンソーラはラフィアに会えると思うと嬉しくて仕方ないのだ。
「何で貴女はラフィアに関すると、態度が変わるの?」
ガリアは疑問を口にする。
コンソーラは大人しく、どこか自信無さげな印象があるが、ラフィアのことになると、態度が一転するのだ。
「ガリアさんにはお話しませんでしたっけ」
「ごめんなさい、大分前に聞いたような気がしたけど忘れてしまったわ」
「私が幼い頃に、ラフィアさんが私の命を救ってくれたんです」
コンソーラは答えた。
コンソーラは竜巻を引き起こし、前に立ちはだかっていた三人の黒天使を彼方へ吹き飛ばす。
「さあ、行きましょう」
コンソーラは後ろを見て、リンに言った。
「君の仲間だよね、吹き飛ばしたりして大丈夫なの?」
リンがコンソーラを気にかけているのが伝わってきた。
「彼らも戦闘することは承知の上ですから、平気ですよ」
コンソーラはリンの心配を解消するように、優しく語る。
黒天使は戦闘訓練で仲間同士で武器や呪文を交えることもあるからだ。
元に戦艦アルシエルでベリルを相手に呪文の訓練していた。
「それより行きましょう、また私の仲間が現れるかもしれませんから」
コンソーラは緊張を交えた声を出した。
(ラフィアさん、もう少しの辛抱ですから我慢して下さいね)
コンソーラはリンの背中で眠るラフィアに心の中で言った。ラフィアの役に立てることが彼女への恩返しだと思った。
一行は学校に到着して、ラフィアを保健室に休ませることになった。
黒天使のコンソーラをメルキが見た時は驚かれたが、リンが事情を話してくれたお陰で、何とかコンソーラも一緒に学校の中に入ることができた。保健室に行く道中、コンソーラを見るなり良い顔をしなかったが、慣れてるので気にはならなかった。
ラフィアにラビエス草を飲ませ、リンがメルキと話している間、コンソーラはラフィアを見ていた。
ラフィアはラビエス草の効果もあり、さっきよりも顔色が良くなってきた。
「早く目を覚まして下さいね、ラフィアさん」
コンソーラは呟く。
ラフィアには話したいことが山のようにあり、第一に言いたいのは彼女に対してのお礼の言葉だった。
が、コンソーラは廊下に行くように言われて、ラフィアが起きる所を見届けることができなかった上に、ラフィアには攻撃されかけそうになり、天使に嫌われてることに慣れてるコンソーラでも、精神的なダメージは大きい。
(ううっ、やっぱそうなりますよね)
ラフィアの鋭い目付きは、コンソーラの気持ちを萎縮させた。
メルキの介入により、コンソーラへの攻撃は回避され、ラフィアも落ち着きを取り戻して、自分の非を詫びる。
(でも、私はくじけませんよ、ラフィアさんは私の恩人ですから)
ラフィアが平静になってくれたこともあり、コンソーラのダメージは緩和した。
(ラフィアさんには私のことを認めさせますから)
コンソーラはラフィアへの想いが膨らんでいったのだった。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
第六監獄の看守長は、あんまり死なない天使らしい
白夢
ファンタジー
混乱を極める公国にて。
天界を追放され、魔界から爪弾きにされ、這這の体で辿り着いたこの場所で、不運にもマッドサイエンティストに拾われた俺は、実験体としては比較的幸運なことに、看守として楽しく過ごしている。
しかし愛すべき公国は、悲しきかな崩壊の最中。
数年前、人類の天敵としてこの国に突如ヴァンピールという存在が現れてからというもの、ただでさえ悲惨な世情はさらに悪化の一途を辿っていた。
しかし幽閉中の愛しい死刑囚594番と、可愛い部下達、ついでに育て親のイかれた官吏に、害が及ばなければそれでいい。
俺は、このままの日常に満足していた。
そんなある日、俺はマッドサイエンティストの官吏から、我が第六監獄において、とある子供を保護するように依頼された。
囚人番号427番として移送されてきた、傷だらけのその子供。
彼は史実上唯一無二の、人類に友好的な、理性を持つヴァンピールらしい。
もちろん官吏には従うが、あまり気が進まない。
なんというかぼんやりと、どうにも嫌な予感がする。
---
※一部に残酷・暴力描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。
お気に入りの死刑囚、官吏さんから預かったヴァンピール、育て親の官吏、友達の監獄医、様子がおかしい矯正長、可愛い部下の看守たちなど、ちょっと楽しくて、少しだけ狂った平穏な日常が終わりを告げるまでのお話です。
悲しい出来事も多いですが、きっと最後はみんな笑顔になれるはず。
楽しんでいただければ幸いです!
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる