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第10章 爆炎の四女と魔術師寄りの薬師
第4話 薬師、魔術師になります!
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「手紙、読んだよ。一級魔法薬師になるためにユーファステア侯爵家の5人の娘の願いを叶えろっていう試験をやってんだろ?」
木板で囲まれた簡素な部屋の小さな椅子。
同じような体形のわたしたちが隣り合わせに座って、お互いの顔を見つめあっている。
セロエは真剣な表情でわたしに聞いてきた。
「はい。先日サーシャ様のお願いを叶えてきまし……叶えてきたの」
「ふーん、サーシャ姉さんね。もう喪に服して5年か、元気にしてた?」
「元気だったよ。健康そのものだって担当医も言ってた」
「そっか。ならいいけど」
セロエは足を組み替えた。といってもわたしに向けていた足裏をよそにやっただけだけど。
「んで?今度はあたしの願いを叶えに来たってわけ?」
「そう」
「はっ!まったく、関係ないあたしまで巻き込みやがって……」
「……申し訳ないです」
「あ!?いや、お前は悪くないって。そんな試験内容にしやがった奴らのせいだろ」
「まあ、そうなんだけど……」
改めてセロエをまじまじと見るが、やっぱり貴族令嬢だった面影は全くない。
茶色の髪は一般国民の多い色だし、態度はギルドメンバーらしい荒々しさだ。
幼いころから令嬢らしさを求められて苦痛だったのかな。そう思うと今の自然体に好印象を感じる。
まさにユーファステア侯爵家の噂通り、自由に生きるご令嬢そのものだ。
「お前、わざわざギルドメンバーになってあたしを探しに来たってことだろ?」
「そうだよ」
「はー!ローレンス兄貴何やってんの!止めなかったわけ!?」
「……えっと、言ってない」
「言ってないィィ!?」
この人、ほんと元気だな……耳がキンキンするかと思った。
「おまっ、バレたらどうすんの!?」
「どうするって……大丈夫だと思うけど」
「いやいやいやいやおまおまおまえ、あいつ卒倒すんぞ?」
「そうかなあ」
クリード殿下なら伝え方によっては倒れそうだけど。
これから王城に戻ったら報告しないといけないし……なんか気が重くなってきた。
「まだ登録したばかりだな?なんの依頼を受けた?肉捌いたりしたか?」
「ラットを退治しただけ」
「ふーーーーーー!よかったセーフ、あたしの寿命セーフ」
「次はミリスノシシの肉集めの依頼を受けようと思ってたくらいかな。捌《さば》くくらいは魔法でできるから」
「うわっマジでセーフ、か弱そうな子が血生臭い香りして王城戻ったら大事件だろ」
絶対受けるなよそんな依頼!と強く言われた。
久々に腕が鳴ると思ってたのに、ちょっと残念だ。
「悪ぃ、話がずれたな。んであたしの願い事なんだけど……うーん、」
「何か薬で役立てることはない?」
「そうだなあ。薬自体はたくさんあって損ないしぃ?メイシィほどの実力者の薬は貴重だしぃ?持ち運べる携帯薬セットはぜひほしいところなんだけど、そういう願いじゃねーよなあ」
「そうですね、もっと根本的なお手伝いができればと思うんだけど……」
「根本的?」
何かひっかかったらしい。セロエは目を丸くしてわたしを見た。
やがて、その表情が薄ら暗い、というか、悪いものに変わっていく。
「ちょうどあるじゃん、根本的なお願い」
「え?」
にやっと笑う姿は、どこかでみたことがあるような。
記憶は薄れているけれど、とりあえず良い思い出ではないし、悪い予感しかしない。
そうしてわたしは、あの状態へと至るのだ。
「はあ、はあ、はあ……」
「なんだなんだあ?王城の魔術師ってのはこんなんでバテるのかあ?」
土煙が誰かの風魔法に飛ばされる。
黒いかけらになって消えていく魔物の形相は夢に出てきそうなほど歪んでおり、背筋が凍る思いで杖を地面に突き立て、残滓《ざんし》を払う。
そのまま装飾もない棒きれのような杖に体重を預けて息を整えていると、隣で煽ってくるセロエはにやりと笑いかけてきた。
「はあ、はあ、あ、あの!」
「ああ?」
「わたし、魔術師じゃないんですけど!?」
「おっそれだけ大声が出るなら元気だな。よしっいくぞメイシィ!
魔物退治あと50匹、気張っていくぞー!」
「わたし、薬師なんですけど!?」
足取り軽やかに前へ進むひとりの魔術師。
わたしは彼女に大声を浴びせることになる。
「セロエ!!」
「アーーーーーっハハッハッハーーーーーーー!!」
セロエの『願い』はとても単純明快。
彼女が『満足』するまで依頼を一緒にこなしつつ、怪我の治療を支援することだった。
―――――――――――――――――――――
へとへとで帰ってから次の朝。
すぐに仲間の薬師たちに経緯を話すと、ミカルガさんが倒れそうなほど落ち込む反応を見せた。
マリウスまで頭を抱えていた。わたしも一緒になって抱えたい。
平日は魔法薬師として励み、休みはギルドへ。
さすがにすべて黙っているわけにはいかないので、クリード殿下とローレンス様に状況を報告することになった。
「セロエ嬢が見つかった……!?」
驚いた顔のおふたりに、わたしはかなり省略と虚飾にまみれた経緯を伝えた。
ミカルガさんだけでなくセロエからも、魔術師としてギルドメンバーになったと絶対に言うな、と厳命された。
そのため『ギルドで事務処理の手伝いをしながらお願いごとが決まるのを待っている』としている。
「そうなのか……セロエ嬢は願いが決まらないと」
「日々の依頼に追われていらっしゃるようでしたので、なかなか思いつかないようです。お休みの際に考えてみるとおっしゃってました」
「セロエ……ずいぶんと無骨な人間ではなかったか?」
「あ……まあ、とても元気で良い方でした」
はあ、とローレンス様がため息をつく。
わかりきってたけど、この兄妹は正反対で全く合わなそうだ。
といっても嫌悪感は全く感じない。さっさと部屋を追い出されたり、そもそも逃げられたり、ローレンス様は姉妹たちに親しみを込めてぞんざいに扱われているかも。
「それなら、しばらくメイシィはギルドに通いつつ薬師の仕事をこなすんだね」
「はい、状況により王城にいないことが増えるかもしれません。申し訳ございません、クリード殿下」
「いやいいんだよメイシィ。私もパーティの招待が多くて君より王城を空けている状態だからね」
寂しいよ、とこぼして、殿下は止めていた手を再開させた。
後ろから聞こえてくる声がくすぐったくて、わたしは身じろぎする。
「……あの、クリード殿下」
「なんだい?」
「そろそろ……髪から手を放していただいても?」
「ま、待ってほしい。まだ梳き終わっていない……!」
わたしを足の間に座らせているクリード殿下は、慌てた声でわたしの後頭部をくすぐった。
髪を自由に触って良いと言ってから、お会いするときはいつもこの調子になってしまった。
どこからともなく出てくる高級そうな液体だったり、職人技の結晶のような煌めく櫛《くし》だったり。
お人形遊びのような扱いになっている。おかげでやたらと頭髪の調子が良い。
「殿下……そんなにわたしの髪は飽きませんか……」
「まったく飽きないよ。むしろ時間が足りない。もっと触りたい」
「ええ……」
恥ずかしい。髪に触れるとき、たまに頭皮に指が触れるのだ。
あまりに優しい手つきだから、くすぐったくてびくりと反応してしまうのに。
やたらと意識してしまうのに。
「髪は切らないでね、メイシィ」
「はい、しばらくは我慢します」
そういうと、殿下はにこりと笑った。急に日差しでも入ったのだろうか、ご尊顔が煌めいて見えるのは気のせいかな。
前を向くとローレンス様が眩しそうに眉間に皺を作っていた。
あ、どうやら気のせいではないみたい。
「……ねえ、メイシィ」
「はい」
「念のため聞くけれど、」
クリード殿下が言葉を切る。めずらしい。
わたしは首だけ後ろを振り返ると、両腕が回って来て圧迫感に襲われた。
背中には固い感触、前には筋肉のついた腕がふたつ。
「!」
抱きしめられている。スリ、と髪が混ざる音が聞こえる。
驚きすぎて逆に冷静になっているわたしの耳元で、クリード殿下は息を含ませた声を発した。
「本当にギルドで事務作業をやってるんだよね?まさか依頼を受けてないよね?」
え、まさかバレてる?いやいやまさかそんな。
沈黙は肯定になる。わたしは素早く声を上げた。
「もちろんです、殿下」
クリード殿下の表情はわからない。わからないけれど、疑っていないと信じよう。
……大丈夫よね?
木板で囲まれた簡素な部屋の小さな椅子。
同じような体形のわたしたちが隣り合わせに座って、お互いの顔を見つめあっている。
セロエは真剣な表情でわたしに聞いてきた。
「はい。先日サーシャ様のお願いを叶えてきまし……叶えてきたの」
「ふーん、サーシャ姉さんね。もう喪に服して5年か、元気にしてた?」
「元気だったよ。健康そのものだって担当医も言ってた」
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セロエは足を組み替えた。といってもわたしに向けていた足裏をよそにやっただけだけど。
「んで?今度はあたしの願いを叶えに来たってわけ?」
「そう」
「はっ!まったく、関係ないあたしまで巻き込みやがって……」
「……申し訳ないです」
「あ!?いや、お前は悪くないって。そんな試験内容にしやがった奴らのせいだろ」
「まあ、そうなんだけど……」
改めてセロエをまじまじと見るが、やっぱり貴族令嬢だった面影は全くない。
茶色の髪は一般国民の多い色だし、態度はギルドメンバーらしい荒々しさだ。
幼いころから令嬢らしさを求められて苦痛だったのかな。そう思うと今の自然体に好印象を感じる。
まさにユーファステア侯爵家の噂通り、自由に生きるご令嬢そのものだ。
「お前、わざわざギルドメンバーになってあたしを探しに来たってことだろ?」
「そうだよ」
「はー!ローレンス兄貴何やってんの!止めなかったわけ!?」
「……えっと、言ってない」
「言ってないィィ!?」
この人、ほんと元気だな……耳がキンキンするかと思った。
「おまっ、バレたらどうすんの!?」
「どうするって……大丈夫だと思うけど」
「いやいやいやいやおまおまおまえ、あいつ卒倒すんぞ?」
「そうかなあ」
クリード殿下なら伝え方によっては倒れそうだけど。
これから王城に戻ったら報告しないといけないし……なんか気が重くなってきた。
「まだ登録したばかりだな?なんの依頼を受けた?肉捌いたりしたか?」
「ラットを退治しただけ」
「ふーーーーーー!よかったセーフ、あたしの寿命セーフ」
「次はミリスノシシの肉集めの依頼を受けようと思ってたくらいかな。捌《さば》くくらいは魔法でできるから」
「うわっマジでセーフ、か弱そうな子が血生臭い香りして王城戻ったら大事件だろ」
絶対受けるなよそんな依頼!と強く言われた。
久々に腕が鳴ると思ってたのに、ちょっと残念だ。
「悪ぃ、話がずれたな。んであたしの願い事なんだけど……うーん、」
「何か薬で役立てることはない?」
「そうだなあ。薬自体はたくさんあって損ないしぃ?メイシィほどの実力者の薬は貴重だしぃ?持ち運べる携帯薬セットはぜひほしいところなんだけど、そういう願いじゃねーよなあ」
「そうですね、もっと根本的なお手伝いができればと思うんだけど……」
「根本的?」
何かひっかかったらしい。セロエは目を丸くしてわたしを見た。
やがて、その表情が薄ら暗い、というか、悪いものに変わっていく。
「ちょうどあるじゃん、根本的なお願い」
「え?」
にやっと笑う姿は、どこかでみたことがあるような。
記憶は薄れているけれど、とりあえず良い思い出ではないし、悪い予感しかしない。
そうしてわたしは、あの状態へと至るのだ。
「はあ、はあ、はあ……」
「なんだなんだあ?王城の魔術師ってのはこんなんでバテるのかあ?」
土煙が誰かの風魔法に飛ばされる。
黒いかけらになって消えていく魔物の形相は夢に出てきそうなほど歪んでおり、背筋が凍る思いで杖を地面に突き立て、残滓《ざんし》を払う。
そのまま装飾もない棒きれのような杖に体重を預けて息を整えていると、隣で煽ってくるセロエはにやりと笑いかけてきた。
「はあ、はあ、あ、あの!」
「ああ?」
「わたし、魔術師じゃないんですけど!?」
「おっそれだけ大声が出るなら元気だな。よしっいくぞメイシィ!
魔物退治あと50匹、気張っていくぞー!」
「わたし、薬師なんですけど!?」
足取り軽やかに前へ進むひとりの魔術師。
わたしは彼女に大声を浴びせることになる。
「セロエ!!」
「アーーーーーっハハッハッハーーーーーーー!!」
セロエの『願い』はとても単純明快。
彼女が『満足』するまで依頼を一緒にこなしつつ、怪我の治療を支援することだった。
―――――――――――――――――――――
へとへとで帰ってから次の朝。
すぐに仲間の薬師たちに経緯を話すと、ミカルガさんが倒れそうなほど落ち込む反応を見せた。
マリウスまで頭を抱えていた。わたしも一緒になって抱えたい。
平日は魔法薬師として励み、休みはギルドへ。
さすがにすべて黙っているわけにはいかないので、クリード殿下とローレンス様に状況を報告することになった。
「セロエ嬢が見つかった……!?」
驚いた顔のおふたりに、わたしはかなり省略と虚飾にまみれた経緯を伝えた。
ミカルガさんだけでなくセロエからも、魔術師としてギルドメンバーになったと絶対に言うな、と厳命された。
そのため『ギルドで事務処理の手伝いをしながらお願いごとが決まるのを待っている』としている。
「そうなのか……セロエ嬢は願いが決まらないと」
「日々の依頼に追われていらっしゃるようでしたので、なかなか思いつかないようです。お休みの際に考えてみるとおっしゃってました」
「セロエ……ずいぶんと無骨な人間ではなかったか?」
「あ……まあ、とても元気で良い方でした」
はあ、とローレンス様がため息をつく。
わかりきってたけど、この兄妹は正反対で全く合わなそうだ。
といっても嫌悪感は全く感じない。さっさと部屋を追い出されたり、そもそも逃げられたり、ローレンス様は姉妹たちに親しみを込めてぞんざいに扱われているかも。
「それなら、しばらくメイシィはギルドに通いつつ薬師の仕事をこなすんだね」
「はい、状況により王城にいないことが増えるかもしれません。申し訳ございません、クリード殿下」
「いやいいんだよメイシィ。私もパーティの招待が多くて君より王城を空けている状態だからね」
寂しいよ、とこぼして、殿下は止めていた手を再開させた。
後ろから聞こえてくる声がくすぐったくて、わたしは身じろぎする。
「……あの、クリード殿下」
「なんだい?」
「そろそろ……髪から手を放していただいても?」
「ま、待ってほしい。まだ梳き終わっていない……!」
わたしを足の間に座らせているクリード殿下は、慌てた声でわたしの後頭部をくすぐった。
髪を自由に触って良いと言ってから、お会いするときはいつもこの調子になってしまった。
どこからともなく出てくる高級そうな液体だったり、職人技の結晶のような煌めく櫛《くし》だったり。
お人形遊びのような扱いになっている。おかげでやたらと頭髪の調子が良い。
「殿下……そんなにわたしの髪は飽きませんか……」
「まったく飽きないよ。むしろ時間が足りない。もっと触りたい」
「ええ……」
恥ずかしい。髪に触れるとき、たまに頭皮に指が触れるのだ。
あまりに優しい手つきだから、くすぐったくてびくりと反応してしまうのに。
やたらと意識してしまうのに。
「髪は切らないでね、メイシィ」
「はい、しばらくは我慢します」
そういうと、殿下はにこりと笑った。急に日差しでも入ったのだろうか、ご尊顔が煌めいて見えるのは気のせいかな。
前を向くとローレンス様が眩しそうに眉間に皺を作っていた。
あ、どうやら気のせいではないみたい。
「……ねえ、メイシィ」
「はい」
「念のため聞くけれど、」
クリード殿下が言葉を切る。めずらしい。
わたしは首だけ後ろを振り返ると、両腕が回って来て圧迫感に襲われた。
背中には固い感触、前には筋肉のついた腕がふたつ。
「!」
抱きしめられている。スリ、と髪が混ざる音が聞こえる。
驚きすぎて逆に冷静になっているわたしの耳元で、クリード殿下は息を含ませた声を発した。
「本当にギルドで事務作業をやってるんだよね?まさか依頼を受けてないよね?」
え、まさかバレてる?いやいやまさかそんな。
沈黙は肯定になる。わたしは素早く声を上げた。
「もちろんです、殿下」
クリード殿下の表情はわからない。わからないけれど、疑っていないと信じよう。
……大丈夫よね?
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