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第9章 薬師と次女妃と思い出の薬
第4話 限られた薬効は騒動にあり
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「バリストラ男爵家はミリステア魔王国の南に領地を持つのだが、歴史は古く実績もあるから男爵位では大きな影響力を持っているんだ」
「そしてあの家の令嬢はクリードに一目惚れして追いかけまわす度量と面の皮の厚さがある」
「ローレンス、言い方」
フン、となぜか被害者のクリード殿下よりも怒っているローレンス様は、王族を前にして足を組んだ。
「当時からクリードはご令嬢方に好かれていたが、まだ躱《かわ》し方がわかってなかったから愛想を振りまきすぎていた。本気になったご令嬢も多かったんだが、特にバリストラ男爵令嬢は酷かった」
酷いって……人の恋心にずいぶんな言い様……。
「いろいろな伝手《つて》で王城に来てはクリードに会っていたが、ついに王妃が苦言を呈《てい》して登城できなくなったんだ。それに令嬢は逆上して黒魔法に手を出した」
「メイシィは黒魔法を知っているかい?」
「はい、ほとんどが禁術に指定されているもので、かなり手間のかかる術と聞いています」
簡単に言えば呪いの術。学術的には遠隔で人の精神や肉体に影響を及ぼす魔術のことを指す。
力の源は闇の妖精だと言われている。クリード殿下のまわりにたくさんいる妖精のひとつで、暴走の原因は他の妖精への『力の活性化』だ。
ある意味誰よりも特性をご存じのクリード殿下は困った顔で頷くと、わたしの背中から自分の膝へ手を移動させた。
「バリストラ男爵令嬢はその黒魔法を準備してこっそりと登城、クリードを見つけて展開させたんだ。『魅了』の術をな」
「み、魅了……」
『好意』を増幅させることで性別関係なく自分に対して恋愛感情を錯覚させる精神魔法……!
術に必要な素材をどれだけ集められるかによるけれど、広範囲で無差別に行使されるので禁術指定ギリギリといわれているあの……!
治療された人々が口を揃えて『量産型黒歴史魔法』と言う、あの……!
「城全体に及ぶまでに無効化できたからよかったものの、夜勤の侍従たちを中心に令嬢のもとに殺到して大変なことになったらしい」
「クリード殿下にお怪我はなかったのですか?」
「ああ、まったくなかったよ」
「それなら良かったですが……殿下も大変でしたね、すぐに令嬢への好意は治まったのですか?」
クリード殿下の返事はなかった。どうしたんだろうと思って見上げると、悲壮感漂う表情が目に入った。
カタカタとスプーンたちが騒ぎ出す。殿下が動揺している。
「メイシィ、もしや私がバリストラ男爵令嬢に一瞬でも恋心を抱いたと言いたいのか……?」
「え、違うんですか?」
だって魅了の魔法でしょう?至近距離で受けたのにかからないはずないでしょう?
答えを待っていると今度は殿下自身が震えだした。
「違うんだ!信じてくれメイシィ!」
「えっ」
両肩を掴まれる。
「私には黒魔法は効かない!術の源である闇の精霊の加護があるし魔力の量が多い相手には無効だから全くもって効かなかった!だから彼女に一瞬でも好意を抱いたことはないし抱くつもりは微塵もない!信じてくれメイシィ、私は綺麗な女性より可愛らしい女性が好みなんだ、更に言うなら少し抜けていて飾らなくて笑顔が愛らしい女性が良い!」
「なるほど、サーシャ妃ですか」
「メイシィ!?」
すみません、ごめんなさい。
クリード殿下をからかいました。
悲惨な叫びに思わず吹き出してしまったわたしに、殿下は忙しなかった口を閉じてしまう。
「申し訳ございません、殿下。信じますから、ね?」
「まったく……私の好みの女性はいたずらっこだね」
「ふぐっ」
肩に置かれていた手はいつのまに両頬に。もちもちと勝手に楽しまれている。
ちょっと、待って、こういう展開は想定してなかった。
まるで恋人同士の触れ合いになってない!?
助けて止めてローレンス様!
なんとか向かいのソファに視線をずらすと、目を真ん丸にしたローレンス様がいた。
「あのクリードをからかっただと……?機嫌を損ねたら国ごと吹っ飛びかねないあのクリードを……?」
動揺と思考の海に落ちている。だめだ助けられない。
「と、と、ともかく!」
なんとかクリード殿下の手から逃げたわたしは、距離を取りながら声を上げた。
「13年前、王城では魅了の黒魔法が展開され騒ぎになったのですね!その年にサーシャ妃はカナリス殿下と同じ薬を飲んだ。その薬はおふたりとも病や怪我のないときに飲み、その後体調に変化はなかった、ここまでが集めた情報で間違いないですか?」
「その認識だ。ふむ、ふたりともその日は王城にいたはずだから、魔法の影響を受けた可能性があるな」
「……薬に心当たりができました」
「それは本当かい?」
ふたりの目がわたしを捕える。
想像通りであればわたしでも作れる薬だ。サーシャ妃の願いは叶えられる!
でも、どうしてもわたしひとりではたどり着けないものがある。
「ただ、クリード殿下とローレンス様にお願いがあるのです」
「何でも言ってくれ!」
「何だ?」
「まずローレンス様にはもういちどサーシャ妃殿下と面会のお時間をいただきたいのです。1週間後でご調整お願いできますか?」
「もちろんだ」
「クリード殿下には資料をお借りしたいのです。もし厳しい場合はバリストラ男爵令嬢の黒魔術の騒動があった日だけでも構いません」
「わかった。何を借りてこようか?」
「カーン陛下の投薬記録です。わたしの考えがあっていれば、騒動の当日に陛下は薬を飲んだはずです」
わかった。とクリード殿下は微笑んだ。
指の先でわたしの頬を摘まんでから立ち上がり、扉を目指して歩いていく。
……今触る理由あった?
ぶるっと震えていると、ローレンス様はため息をついた。
「これで交際してないだと……?」
「そしてあの家の令嬢はクリードに一目惚れして追いかけまわす度量と面の皮の厚さがある」
「ローレンス、言い方」
フン、となぜか被害者のクリード殿下よりも怒っているローレンス様は、王族を前にして足を組んだ。
「当時からクリードはご令嬢方に好かれていたが、まだ躱《かわ》し方がわかってなかったから愛想を振りまきすぎていた。本気になったご令嬢も多かったんだが、特にバリストラ男爵令嬢は酷かった」
酷いって……人の恋心にずいぶんな言い様……。
「いろいろな伝手《つて》で王城に来てはクリードに会っていたが、ついに王妃が苦言を呈《てい》して登城できなくなったんだ。それに令嬢は逆上して黒魔法に手を出した」
「メイシィは黒魔法を知っているかい?」
「はい、ほとんどが禁術に指定されているもので、かなり手間のかかる術と聞いています」
簡単に言えば呪いの術。学術的には遠隔で人の精神や肉体に影響を及ぼす魔術のことを指す。
力の源は闇の妖精だと言われている。クリード殿下のまわりにたくさんいる妖精のひとつで、暴走の原因は他の妖精への『力の活性化』だ。
ある意味誰よりも特性をご存じのクリード殿下は困った顔で頷くと、わたしの背中から自分の膝へ手を移動させた。
「バリストラ男爵令嬢はその黒魔法を準備してこっそりと登城、クリードを見つけて展開させたんだ。『魅了』の術をな」
「み、魅了……」
『好意』を増幅させることで性別関係なく自分に対して恋愛感情を錯覚させる精神魔法……!
術に必要な素材をどれだけ集められるかによるけれど、広範囲で無差別に行使されるので禁術指定ギリギリといわれているあの……!
治療された人々が口を揃えて『量産型黒歴史魔法』と言う、あの……!
「城全体に及ぶまでに無効化できたからよかったものの、夜勤の侍従たちを中心に令嬢のもとに殺到して大変なことになったらしい」
「クリード殿下にお怪我はなかったのですか?」
「ああ、まったくなかったよ」
「それなら良かったですが……殿下も大変でしたね、すぐに令嬢への好意は治まったのですか?」
クリード殿下の返事はなかった。どうしたんだろうと思って見上げると、悲壮感漂う表情が目に入った。
カタカタとスプーンたちが騒ぎ出す。殿下が動揺している。
「メイシィ、もしや私がバリストラ男爵令嬢に一瞬でも恋心を抱いたと言いたいのか……?」
「え、違うんですか?」
だって魅了の魔法でしょう?至近距離で受けたのにかからないはずないでしょう?
答えを待っていると今度は殿下自身が震えだした。
「違うんだ!信じてくれメイシィ!」
「えっ」
両肩を掴まれる。
「私には黒魔法は効かない!術の源である闇の精霊の加護があるし魔力の量が多い相手には無効だから全くもって効かなかった!だから彼女に一瞬でも好意を抱いたことはないし抱くつもりは微塵もない!信じてくれメイシィ、私は綺麗な女性より可愛らしい女性が好みなんだ、更に言うなら少し抜けていて飾らなくて笑顔が愛らしい女性が良い!」
「なるほど、サーシャ妃ですか」
「メイシィ!?」
すみません、ごめんなさい。
クリード殿下をからかいました。
悲惨な叫びに思わず吹き出してしまったわたしに、殿下は忙しなかった口を閉じてしまう。
「申し訳ございません、殿下。信じますから、ね?」
「まったく……私の好みの女性はいたずらっこだね」
「ふぐっ」
肩に置かれていた手はいつのまに両頬に。もちもちと勝手に楽しまれている。
ちょっと、待って、こういう展開は想定してなかった。
まるで恋人同士の触れ合いになってない!?
助けて止めてローレンス様!
なんとか向かいのソファに視線をずらすと、目を真ん丸にしたローレンス様がいた。
「あのクリードをからかっただと……?機嫌を損ねたら国ごと吹っ飛びかねないあのクリードを……?」
動揺と思考の海に落ちている。だめだ助けられない。
「と、と、ともかく!」
なんとかクリード殿下の手から逃げたわたしは、距離を取りながら声を上げた。
「13年前、王城では魅了の黒魔法が展開され騒ぎになったのですね!その年にサーシャ妃はカナリス殿下と同じ薬を飲んだ。その薬はおふたりとも病や怪我のないときに飲み、その後体調に変化はなかった、ここまでが集めた情報で間違いないですか?」
「その認識だ。ふむ、ふたりともその日は王城にいたはずだから、魔法の影響を受けた可能性があるな」
「……薬に心当たりができました」
「それは本当かい?」
ふたりの目がわたしを捕える。
想像通りであればわたしでも作れる薬だ。サーシャ妃の願いは叶えられる!
でも、どうしてもわたしひとりではたどり着けないものがある。
「ただ、クリード殿下とローレンス様にお願いがあるのです」
「何でも言ってくれ!」
「何だ?」
「まずローレンス様にはもういちどサーシャ妃殿下と面会のお時間をいただきたいのです。1週間後でご調整お願いできますか?」
「もちろんだ」
「クリード殿下には資料をお借りしたいのです。もし厳しい場合はバリストラ男爵令嬢の黒魔術の騒動があった日だけでも構いません」
「わかった。何を借りてこようか?」
「カーン陛下の投薬記録です。わたしの考えがあっていれば、騒動の当日に陛下は薬を飲んだはずです」
わかった。とクリード殿下は微笑んだ。
指の先でわたしの頬を摘まんでから立ち上がり、扉を目指して歩いていく。
……今触る理由あった?
ぶるっと震えていると、ローレンス様はため息をついた。
「これで交際してないだと……?」
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