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第6章 隣国兄妹と嫉妬王子に挟まれ薬師
第4話 過糖は竜をぽとりと落とす
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今日も今日とて温室で作業。
最近気候が安定しているからかいつもより早く室温記録が終わったわたしは、残った時間でぷちぷちと草むしりをしていた。
数分作業して立ち上がり、雑草専用の処理袋にぽいぽい投げ込む。
この袋には特殊な魔法が入っており、入れた植物を処理してくれる優れものだ。
ある程度溜まってくると肥料が吐き出される。
クリード殿下のお膝の上事件から数日。
あれからわたしはいつも通りお菓子を作っては、殿下は嬉しそうに受け取っている。
変わったことを挙げるとするなら、クリード殿下は自分の隣、しかも上座にわたしを座らせるようになったことだ。
わたしが常日頃身体の力を抜いていて、押すなり引くなり容易であることを覚えてしまったらしい。
王族を差し置いて上座に座るなんて恐れ多いけれど、毎度いいように操られている。
その意図は、やたらに甘くなった目線にありそうだ。
告白してから何かのタガが外れたのか、想いを隠さなくなっていた。
背面は窓側で誰もいないことを計算した上でわたしを上座に座らせて、わたしだけに見えるように眺めてくるのだ。
正直、恥ずかしいからやめてほしい。
わたしの視界にはミカルガさんたちがちらちら映るのだ。本当に微妙な気分になる。
フラれるのわかっててなおそのような行動に出るなんて、絶対に自分の見た目の良さを自覚して使っているでしょう。
この前クレアに愚痴ってみたら大笑いされた。
『おかげで近年まれにみる安定感よ。陛下も大変喜んでいらしたわ。
……同時にあなたのことで悩んでいらしたけれど』
『えっ、どうして?』
『詳しくは知らないけど、思った以上の事態が起きていることは確かね』
『んん?』
「いったいなんでどうしてここまで進んじゃったんだろう……」
ただクリード殿下のご機嫌を損ねないようにお相手するだけだったのに。
親しい関係になったってただの似た趣味を持つ友人程度だろうに。
ぷちりと茶色い雑草を抜く。
「確かに気を引くようなことは言ったけどさ……」
今まで暴走した妖精たちをおさめるべく発言した内容は、いわゆる恋愛のいざこざに絡んではいたけれど、それは殿下によく刺さったからだ。
「そもそも論、なんであの方はわたしをそんなにす……す……」
顔が赤くなるのを感じて目の前の雑草を束でぶち抜いた。
「ええいもう!考えるのやめやめ!今は雑草のせん滅!!」
「ギャッ」
「ん?」
ぼすっと近くで音がした。ついでに潰れるような声も。
どこからだろう、近い気がする。
立ち上がって辺りをみまわせば、声の主はすぐに見つかった。
植物と植物の隙間、土の上で何かがうごめいている。
体長は50センチほどで、ごつごつした見た目はどうやらウロコのようだ。
暗い紺色かと思ったけれど、日に当たったしっぽのような部分は青く反射している。
しっかりと身体を支える太いうしろあしに、小さな前足。
翼はバタバタとさせるなりぱったりと閉じられた。
想像より小さいがこの姿は見たことがある。
「え……ドラゴン?」
「……ギュ」
ドラゴンだ……!こんな近くで見るのは初めてだ。
落ちてきたように見えるけど、いったい何事だろうか。
ゆっくり近づくと、やがて動きを止めたドラゴンは翼を広げ始めた。
飛ぼうとしているのだろうか、だが明らかな異常を見つけてわたしは大きく息をのむ。
「翼が……破れてる!」
ドラゴンは数本の翼指《よくし》と呼ばれる軸に対して翼膜《よくまく》が風を掴んで飛ぶ生き物だ。
風も浮遊も自分の魔法で生み出すので持っていないドラゴンも多いけれど。
だが翼のあるドラゴンは飛び立つときだけ翼の力を必須とする。
破れている状態では飛び立てないし、早く縫合《ほうごう》しないと治療に時間がかかってしまう。
偶然にもここは薬師院から一番近い温室だ。
医術院もすぐそば、人を連れていくよりも抱えられるなら抱えて連れて行こう。
「ギャア」
「じっとして!」
「ギュ!?」
簡略式無詠唱だが仕方ない。わたしはドラゴンに向けて保護魔法をかけた。
丸形の白い膜がドラゴンを覆い浮かび上がると、わたしは両手に抱えて走り出す。
「早く医者に連れていきますから、どうかじっとしていて。大丈夫よ。まかせて」
抗議の声をあげていたが、ドラゴンはやがておとなしくなった。
温室を出て左に曲がりもと来た道を走る。
もうすでに息が上がりそうだ。ちいさくとも重いドラゴンに簡易な魔法で浮かせるのはさすがにきつい。
薬師院が見えたころ、わたしは窓をひとつひとつ凝視しながら走る速度を速めた。
廊下を歩く人々の姿から、見知った頼れる人を探す。
たまたま歩いていてくれないか……あ!
「ミカルガさん!!」
ぴょこんと頭から生えた羽角《うかく》が見えた。
梟《ふくろう》族のミカルガさんの目印だ。
どうかどこかの窓が開いていてほしい、声が届かないだろうか。
「ミカルガさん!!!」
「……ん?メイシィ?」
気づいた!
ちょうど開いていた窓を通り過ぎていたミカルガさんがこちらに気づいて顔を出す。
彼は種族の特徴としてとても目が良い。すぐにドラゴンの容体を把握したのか慌てて身を乗り出してきた。
「すぐに医術院へ走りなさい!」
「はい!!」
わたしはすぐに進路を変えて薬師院を素通りした。
医術院はすぐそこだ。このまま力尽くことなく走っていける。
空に鳥の鳴き声が響いた。
雲のように白い梟が昼間にかかわらずわたしを追い越していく。
ミカルガさんの伝達魔法だ。わたしが到着することにはもう、何人かの医者が待機してくれているだろう。
「もうすぐだよ。大丈夫、気を確かに」
ドラゴンにとって飛べないことは誇りを失うのと同じこと。
温室でリアム殿下が空を眺めて言っていたことを思い出す。
『大空を自由に飛び回ることが我々の誇りなんだ。みんな果てのない空を眺めるのを心から愛している。
まあ、地上から君と眺める大空の隙間も、俺は好きだ』
……余計なことまで思い出してしまったのは、無事にドラゴンを預けたあとだった。
最近気候が安定しているからかいつもより早く室温記録が終わったわたしは、残った時間でぷちぷちと草むしりをしていた。
数分作業して立ち上がり、雑草専用の処理袋にぽいぽい投げ込む。
この袋には特殊な魔法が入っており、入れた植物を処理してくれる優れものだ。
ある程度溜まってくると肥料が吐き出される。
クリード殿下のお膝の上事件から数日。
あれからわたしはいつも通りお菓子を作っては、殿下は嬉しそうに受け取っている。
変わったことを挙げるとするなら、クリード殿下は自分の隣、しかも上座にわたしを座らせるようになったことだ。
わたしが常日頃身体の力を抜いていて、押すなり引くなり容易であることを覚えてしまったらしい。
王族を差し置いて上座に座るなんて恐れ多いけれど、毎度いいように操られている。
その意図は、やたらに甘くなった目線にありそうだ。
告白してから何かのタガが外れたのか、想いを隠さなくなっていた。
背面は窓側で誰もいないことを計算した上でわたしを上座に座らせて、わたしだけに見えるように眺めてくるのだ。
正直、恥ずかしいからやめてほしい。
わたしの視界にはミカルガさんたちがちらちら映るのだ。本当に微妙な気分になる。
フラれるのわかっててなおそのような行動に出るなんて、絶対に自分の見た目の良さを自覚して使っているでしょう。
この前クレアに愚痴ってみたら大笑いされた。
『おかげで近年まれにみる安定感よ。陛下も大変喜んでいらしたわ。
……同時にあなたのことで悩んでいらしたけれど』
『えっ、どうして?』
『詳しくは知らないけど、思った以上の事態が起きていることは確かね』
『んん?』
「いったいなんでどうしてここまで進んじゃったんだろう……」
ただクリード殿下のご機嫌を損ねないようにお相手するだけだったのに。
親しい関係になったってただの似た趣味を持つ友人程度だろうに。
ぷちりと茶色い雑草を抜く。
「確かに気を引くようなことは言ったけどさ……」
今まで暴走した妖精たちをおさめるべく発言した内容は、いわゆる恋愛のいざこざに絡んではいたけれど、それは殿下によく刺さったからだ。
「そもそも論、なんであの方はわたしをそんなにす……す……」
顔が赤くなるのを感じて目の前の雑草を束でぶち抜いた。
「ええいもう!考えるのやめやめ!今は雑草のせん滅!!」
「ギャッ」
「ん?」
ぼすっと近くで音がした。ついでに潰れるような声も。
どこからだろう、近い気がする。
立ち上がって辺りをみまわせば、声の主はすぐに見つかった。
植物と植物の隙間、土の上で何かがうごめいている。
体長は50センチほどで、ごつごつした見た目はどうやらウロコのようだ。
暗い紺色かと思ったけれど、日に当たったしっぽのような部分は青く反射している。
しっかりと身体を支える太いうしろあしに、小さな前足。
翼はバタバタとさせるなりぱったりと閉じられた。
想像より小さいがこの姿は見たことがある。
「え……ドラゴン?」
「……ギュ」
ドラゴンだ……!こんな近くで見るのは初めてだ。
落ちてきたように見えるけど、いったい何事だろうか。
ゆっくり近づくと、やがて動きを止めたドラゴンは翼を広げ始めた。
飛ぼうとしているのだろうか、だが明らかな異常を見つけてわたしは大きく息をのむ。
「翼が……破れてる!」
ドラゴンは数本の翼指《よくし》と呼ばれる軸に対して翼膜《よくまく》が風を掴んで飛ぶ生き物だ。
風も浮遊も自分の魔法で生み出すので持っていないドラゴンも多いけれど。
だが翼のあるドラゴンは飛び立つときだけ翼の力を必須とする。
破れている状態では飛び立てないし、早く縫合《ほうごう》しないと治療に時間がかかってしまう。
偶然にもここは薬師院から一番近い温室だ。
医術院もすぐそば、人を連れていくよりも抱えられるなら抱えて連れて行こう。
「ギャア」
「じっとして!」
「ギュ!?」
簡略式無詠唱だが仕方ない。わたしはドラゴンに向けて保護魔法をかけた。
丸形の白い膜がドラゴンを覆い浮かび上がると、わたしは両手に抱えて走り出す。
「早く医者に連れていきますから、どうかじっとしていて。大丈夫よ。まかせて」
抗議の声をあげていたが、ドラゴンはやがておとなしくなった。
温室を出て左に曲がりもと来た道を走る。
もうすでに息が上がりそうだ。ちいさくとも重いドラゴンに簡易な魔法で浮かせるのはさすがにきつい。
薬師院が見えたころ、わたしは窓をひとつひとつ凝視しながら走る速度を速めた。
廊下を歩く人々の姿から、見知った頼れる人を探す。
たまたま歩いていてくれないか……あ!
「ミカルガさん!!」
ぴょこんと頭から生えた羽角《うかく》が見えた。
梟《ふくろう》族のミカルガさんの目印だ。
どうかどこかの窓が開いていてほしい、声が届かないだろうか。
「ミカルガさん!!!」
「……ん?メイシィ?」
気づいた!
ちょうど開いていた窓を通り過ぎていたミカルガさんがこちらに気づいて顔を出す。
彼は種族の特徴としてとても目が良い。すぐにドラゴンの容体を把握したのか慌てて身を乗り出してきた。
「すぐに医術院へ走りなさい!」
「はい!!」
わたしはすぐに進路を変えて薬師院を素通りした。
医術院はすぐそこだ。このまま力尽くことなく走っていける。
空に鳥の鳴き声が響いた。
雲のように白い梟が昼間にかかわらずわたしを追い越していく。
ミカルガさんの伝達魔法だ。わたしが到着することにはもう、何人かの医者が待機してくれているだろう。
「もうすぐだよ。大丈夫、気を確かに」
ドラゴンにとって飛べないことは誇りを失うのと同じこと。
温室でリアム殿下が空を眺めて言っていたことを思い出す。
『大空を自由に飛び回ることが我々の誇りなんだ。みんな果てのない空を眺めるのを心から愛している。
まあ、地上から君と眺める大空の隙間も、俺は好きだ』
……余計なことまで思い出してしまったのは、無事にドラゴンを預けたあとだった。
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