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第4章 薬師と野次師に王子の困惑
第2話 ……やっぱりいかない様子
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「クリード殿下」
わたしは素早く立ち上がって一礼すると、クリード殿下は入ってきた勢いそのままにまっすぐわたしに近づいてきた。
乱れた髪も気にせずわたしの左肩に置いた手は、違和感があるほど優しい力加減。さすが紳士的だ。
「こんにちは、メイシィ。ローレンスがここに来ているとき聞いてね」
「はい。いらしております」
「おや、殿下。お早い到着でしたね」
いやに棒読みな声がしたかと思えばローレンス様のものだった。
クリード殿下はわたしの隣に立つと、その顔をじろりと睨む。
足を組んでないにしろ座ったままのローレンス様は、やれやれとばかりに首を振った。
「こんにちは、ローレンス。ずいぶん酷い親友になったものだね、メイシィに会いにいくのに声すらかけてくれないとは」
「どうして声をかける必要があるんです?私達の貴重な面会を邪魔する殿下こそ随分酷い親友ではございませんか?」
「ほう、たしかに君の時間に割って入ったことは認めるが、それをすべき理由があるのでね。……メイシィ」
突然こちらを向いた殿下は、いつもの優しい声で名前を呼ぶ。
わたしの両肩を掴んで自分の方を向かせると、にこりと笑みを深くした。
「可哀想なメイシィ、ローレンスに何を言われたんだい?いつもの元気な表情はすっかり失っているじゃないか」
「お、大げさです。わたしは特に何もお話してません……世間話くらいです」
「なんてことだ!」
クリード殿下は大きな声を上げると、両手で頭を抱えたままぽすんとソファに座り込んでしまった。
わたしは慌てて隣に座って手を伸ばしたけれど―――ハッと気づく。
『同じ国のために働く者として、殿下を誘惑するような言動は慎むように』
言われたばかりじゃないか。
一般人が高貴な方に触れるわけにもいかない。
わたしの手はただ空中を漂うだけにとどまった。
「なんてことだ……ああ、メイシィ……」
ガタン!と部屋の端から音が聞こえた。
反射的に振り向けば、いつもまにか1冊の分厚い本が地面を転がっている。
ほぼ同時に反応していたローレンス様は深く眉間にシワを寄せた。
「来る」
ぽつりとつぶやくように言ったその言葉の意味を、悲しくも瞬時に理解できてしまった。
「メイシィの愛らしい顔が自分で気がつかないほどまでに曇ってしまうなんて、私のせいだ!私がもう少し早く会議を終わらせてクレアからの情報を聞きもっと早く走って向かえば間に合ったかもしれないというのに、そもそもローレンスが直接干渉できるところにメイシィを放置した私が悪かったんだ。ああ、そうだ、それが原因だ。どうしてもっと早く気づけなかったんだ。やはり一刻も早くメイシィを手元に閉じ込めなければ今後何人の男が君のもとへ」
狭い棚に押し込められて限界がきた、とでもいうように、本たちがポンポン飛び出していく。
しかもご丁寧にローレンス様に向かって行くのだから、だんだん滑稽に見えてくる。
殿下の長いお言葉の間にちゃっかりと防御魔法を展開していたローレンス様は、静かな顔で跳ね返っていく本を見つめていた。
この人、妖精の暴走に慣れている!
とは言え表情は怒りと苛立ちが混ざり合っていて、怖い。
最初は黙っていたものの、ついにしびれを切らして声を荒らげた。
「いい加減にしろよクリード……!」
親友の声に一瞬動きを止めたクリード殿下。
だけれど……
「……もしラジアン兄上が直接メイシィのもとに来たら、ああ、ああ、手元に置くだけでは心配だ。いっそ別邸の私の家に連れて行こう。そこなら最悪時間は稼げるしその間に……」
だめだ。聞いてない。
この野郎!ととても王族に向かって言える言葉じゃない発言ですらも、彼には届いていなかった。
仕方ない、なんとかしてみよう。
「クリード殿下」
「なんだい?メイシィ」
わあ、やっぱりわたしの声は届くのね。
「殿下、わたしの顔は曇っておりません。ただ戸惑ってしまっただけなのです」
「戸惑った……?」
「わたしはご存知の通り一般国民の身分、本来は殿下だけでなく貴族の皆様とお話することもない人間なのです。ユーファステア家の嫡男であるローレンス様とお話するとなって、緊張してしまったのです」
「メイシィ……」
「でも今はもう戸惑ってもいなければ、緊張もしていません。
クリード殿下が、すぐに駆けつけてくださったからです」
ピタリ、と本たちの攻撃が止む。
クリード殿下の瞳の影は、ゆっくりと消えていく。
「とても嬉しいです。殿下、ありがとうございます」
「メイシィ……!!君はどうしてこんなに強くて聡明で心が広いんだ!」
ぐえ。
いつぞやの熱いハグを受ける一般階級薬師のわたし。
ローレンス様の鋭い視線を感じて、わたしはすっと両手を上げた。
ハグ、返してないよ、この通り!
「私を愛しさで殺す気か……?」
「あいにくその感情は毒ではございませんので、死にはしませんなあ。クリード殿下」
殿下の腕の隙間から見慣れたフクロウの飾り羽が見える。
いつの間にか部屋に入っていたのは、ミカルガさんだった。
いつもの無表情なのに、背後から何やら黒いオーラを感じてしまう。
うん、怒ってる。
「薬師院はひとりひとりに適切な薬を作り、提供する場。
誤った調合が行われないように集中しなければいけないのですが、随分と騒がしいようですね……?」
「す、すまない、ミカルガ」
「大変失礼いたしました。ミカルガ殿」
わたしから離れてバツの悪い顔尾をするクリード殿下。
その一方、恭しく頭を下げて謝罪するローレンス様。
ミカルガさんはそのどちらも気にすることなく、わたしを手招きした。
「今後も他の薬師に迷惑を掛ける行為が続くのであれば、メイシィとの面会を制限させていただきますぞ」
「な!それだけは勘弁してくれないか!」
「何卒ご容赦を……!」
隣に来たわたしの顔をじっと見たあと、ふん、と鼻を鳴らすミカルガ様。
あっという間に力関係が変わった部屋にはいそいそとお開きの空気が流れ始めた。
「そろそろメイシィは次の薬を作る時間ですので……よろしいですかな?」
「ええ、ミカルガ様。突然の訪問にも関わらず、ありがとうございました」
ローレンス様はとても丁寧に一礼すると、わたしを見降ろした。
その瞳には怒りも嫌味もなく、ただ記録に残すかのようにじっと見つめている。
思わず見つめ返すと、ゆっくりと首を横に振った。
「メイシィ嬢、また様子を見に来よう」
「え……」
「来なくていい、ローレンス」
「なんだと?」
解散の空気はどこへやら。
一瞬にして張り詰めた雰囲気に今度はミカルガさんが首を振った。
「君が来るとメイシィが怯える。今だってそうだろう、なんて可哀相なんだ……」
「怯えて言えるのはお前のせいだろう、クリード。いつ妖精を暴走させるかもわからないヤツにつきまとわれて可哀相だ」
「ふん、それはどうだろうね」
「なんだと?」
「僕の周りにいる花の妖精がメイシィを気に入ってね、彼女の『喜び』に花びらが降るようになったんだ。
つまり、僕らは想いを分かち合える関係なのさ!」
あ、ミカルガさんがもう一度首を振った。
目の前にはどや!と自信満々な顔をしているクリード殿下。
眩しい。煌めいている。
イラっとするはずのドヤ顔なのに、どうしてこんなに美しく見えるのか。
「認めないからな……クリード……!」
わなわなと震えだすローレンス様。
「『ユーファステア家』は認めない!
我々から祖母を奪ったお前に、もう他の者を奪わせてなるものか!」
祖母を、奪った?
言葉の意味がわからない。
思わずクリード殿下を見上げれば、先ほどとは同一人物と思えないほど、眉間に深くシワを寄せて苦悶の表情をしていた。
見たことない歪んだ顔に、わたしはどきりとする。
「メイシィ嬢!」
「は、はい!」
「また訪問させてもらう、今日はこれで失礼する」
ローレンス様は足早に去っていった。
「殿下……?」
「ん、ああ、ごめんね。メイシィ。気にしないでくれ」
「……はい、わかりました」
わたしもそろそろ行こう、クレアに怒られてしまうからね。
ひとつほほえみを残して、クリード殿下も颯爽と薬師院を後にしてしまった。
「祖母を奪ったって、一体……」
この部屋に残ったのは、ただただ、神妙な空気だけ。
「……………」
ミカルガさんは終始何も言うことはなかった。
わたしは素早く立ち上がって一礼すると、クリード殿下は入ってきた勢いそのままにまっすぐわたしに近づいてきた。
乱れた髪も気にせずわたしの左肩に置いた手は、違和感があるほど優しい力加減。さすが紳士的だ。
「こんにちは、メイシィ。ローレンスがここに来ているとき聞いてね」
「はい。いらしております」
「おや、殿下。お早い到着でしたね」
いやに棒読みな声がしたかと思えばローレンス様のものだった。
クリード殿下はわたしの隣に立つと、その顔をじろりと睨む。
足を組んでないにしろ座ったままのローレンス様は、やれやれとばかりに首を振った。
「こんにちは、ローレンス。ずいぶん酷い親友になったものだね、メイシィに会いにいくのに声すらかけてくれないとは」
「どうして声をかける必要があるんです?私達の貴重な面会を邪魔する殿下こそ随分酷い親友ではございませんか?」
「ほう、たしかに君の時間に割って入ったことは認めるが、それをすべき理由があるのでね。……メイシィ」
突然こちらを向いた殿下は、いつもの優しい声で名前を呼ぶ。
わたしの両肩を掴んで自分の方を向かせると、にこりと笑みを深くした。
「可哀想なメイシィ、ローレンスに何を言われたんだい?いつもの元気な表情はすっかり失っているじゃないか」
「お、大げさです。わたしは特に何もお話してません……世間話くらいです」
「なんてことだ!」
クリード殿下は大きな声を上げると、両手で頭を抱えたままぽすんとソファに座り込んでしまった。
わたしは慌てて隣に座って手を伸ばしたけれど―――ハッと気づく。
『同じ国のために働く者として、殿下を誘惑するような言動は慎むように』
言われたばかりじゃないか。
一般人が高貴な方に触れるわけにもいかない。
わたしの手はただ空中を漂うだけにとどまった。
「なんてことだ……ああ、メイシィ……」
ガタン!と部屋の端から音が聞こえた。
反射的に振り向けば、いつもまにか1冊の分厚い本が地面を転がっている。
ほぼ同時に反応していたローレンス様は深く眉間にシワを寄せた。
「来る」
ぽつりとつぶやくように言ったその言葉の意味を、悲しくも瞬時に理解できてしまった。
「メイシィの愛らしい顔が自分で気がつかないほどまでに曇ってしまうなんて、私のせいだ!私がもう少し早く会議を終わらせてクレアからの情報を聞きもっと早く走って向かえば間に合ったかもしれないというのに、そもそもローレンスが直接干渉できるところにメイシィを放置した私が悪かったんだ。ああ、そうだ、それが原因だ。どうしてもっと早く気づけなかったんだ。やはり一刻も早くメイシィを手元に閉じ込めなければ今後何人の男が君のもとへ」
狭い棚に押し込められて限界がきた、とでもいうように、本たちがポンポン飛び出していく。
しかもご丁寧にローレンス様に向かって行くのだから、だんだん滑稽に見えてくる。
殿下の長いお言葉の間にちゃっかりと防御魔法を展開していたローレンス様は、静かな顔で跳ね返っていく本を見つめていた。
この人、妖精の暴走に慣れている!
とは言え表情は怒りと苛立ちが混ざり合っていて、怖い。
最初は黙っていたものの、ついにしびれを切らして声を荒らげた。
「いい加減にしろよクリード……!」
親友の声に一瞬動きを止めたクリード殿下。
だけれど……
「……もしラジアン兄上が直接メイシィのもとに来たら、ああ、ああ、手元に置くだけでは心配だ。いっそ別邸の私の家に連れて行こう。そこなら最悪時間は稼げるしその間に……」
だめだ。聞いてない。
この野郎!ととても王族に向かって言える言葉じゃない発言ですらも、彼には届いていなかった。
仕方ない、なんとかしてみよう。
「クリード殿下」
「なんだい?メイシィ」
わあ、やっぱりわたしの声は届くのね。
「殿下、わたしの顔は曇っておりません。ただ戸惑ってしまっただけなのです」
「戸惑った……?」
「わたしはご存知の通り一般国民の身分、本来は殿下だけでなく貴族の皆様とお話することもない人間なのです。ユーファステア家の嫡男であるローレンス様とお話するとなって、緊張してしまったのです」
「メイシィ……」
「でも今はもう戸惑ってもいなければ、緊張もしていません。
クリード殿下が、すぐに駆けつけてくださったからです」
ピタリ、と本たちの攻撃が止む。
クリード殿下の瞳の影は、ゆっくりと消えていく。
「とても嬉しいです。殿下、ありがとうございます」
「メイシィ……!!君はどうしてこんなに強くて聡明で心が広いんだ!」
ぐえ。
いつぞやの熱いハグを受ける一般階級薬師のわたし。
ローレンス様の鋭い視線を感じて、わたしはすっと両手を上げた。
ハグ、返してないよ、この通り!
「私を愛しさで殺す気か……?」
「あいにくその感情は毒ではございませんので、死にはしませんなあ。クリード殿下」
殿下の腕の隙間から見慣れたフクロウの飾り羽が見える。
いつの間にか部屋に入っていたのは、ミカルガさんだった。
いつもの無表情なのに、背後から何やら黒いオーラを感じてしまう。
うん、怒ってる。
「薬師院はひとりひとりに適切な薬を作り、提供する場。
誤った調合が行われないように集中しなければいけないのですが、随分と騒がしいようですね……?」
「す、すまない、ミカルガ」
「大変失礼いたしました。ミカルガ殿」
わたしから離れてバツの悪い顔尾をするクリード殿下。
その一方、恭しく頭を下げて謝罪するローレンス様。
ミカルガさんはそのどちらも気にすることなく、わたしを手招きした。
「今後も他の薬師に迷惑を掛ける行為が続くのであれば、メイシィとの面会を制限させていただきますぞ」
「な!それだけは勘弁してくれないか!」
「何卒ご容赦を……!」
隣に来たわたしの顔をじっと見たあと、ふん、と鼻を鳴らすミカルガ様。
あっという間に力関係が変わった部屋にはいそいそとお開きの空気が流れ始めた。
「そろそろメイシィは次の薬を作る時間ですので……よろしいですかな?」
「ええ、ミカルガ様。突然の訪問にも関わらず、ありがとうございました」
ローレンス様はとても丁寧に一礼すると、わたしを見降ろした。
その瞳には怒りも嫌味もなく、ただ記録に残すかのようにじっと見つめている。
思わず見つめ返すと、ゆっくりと首を横に振った。
「メイシィ嬢、また様子を見に来よう」
「え……」
「来なくていい、ローレンス」
「なんだと?」
解散の空気はどこへやら。
一瞬にして張り詰めた雰囲気に今度はミカルガさんが首を振った。
「君が来るとメイシィが怯える。今だってそうだろう、なんて可哀相なんだ……」
「怯えて言えるのはお前のせいだろう、クリード。いつ妖精を暴走させるかもわからないヤツにつきまとわれて可哀相だ」
「ふん、それはどうだろうね」
「なんだと?」
「僕の周りにいる花の妖精がメイシィを気に入ってね、彼女の『喜び』に花びらが降るようになったんだ。
つまり、僕らは想いを分かち合える関係なのさ!」
あ、ミカルガさんがもう一度首を振った。
目の前にはどや!と自信満々な顔をしているクリード殿下。
眩しい。煌めいている。
イラっとするはずのドヤ顔なのに、どうしてこんなに美しく見えるのか。
「認めないからな……クリード……!」
わなわなと震えだすローレンス様。
「『ユーファステア家』は認めない!
我々から祖母を奪ったお前に、もう他の者を奪わせてなるものか!」
祖母を、奪った?
言葉の意味がわからない。
思わずクリード殿下を見上げれば、先ほどとは同一人物と思えないほど、眉間に深くシワを寄せて苦悶の表情をしていた。
見たことない歪んだ顔に、わたしはどきりとする。
「メイシィ嬢!」
「は、はい!」
「また訪問させてもらう、今日はこれで失礼する」
ローレンス様は足早に去っていった。
「殿下……?」
「ん、ああ、ごめんね。メイシィ。気にしないでくれ」
「……はい、わかりました」
わたしもそろそろ行こう、クレアに怒られてしまうからね。
ひとつほほえみを残して、クリード殿下も颯爽と薬師院を後にしてしまった。
「祖母を奪ったって、一体……」
この部屋に残ったのは、ただただ、神妙な空気だけ。
「……………」
ミカルガさんは終始何も言うことはなかった。
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