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第2章 病み王子と中級薬師の1ヶ月
第4話 叶えたければすり替える
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マリウスが遠征から帰ってくるまで、殿下が最後に『病み』スイッチが入ったのは会話をしているまさにここ、薬師院の勤務部屋だった。
薬師は資格レベルによって、調合と提供ができる薬や相手が決まっている。
1級は王族と公爵家を含む全員に、禁忌以外の薬の調合が許される。
わたしのような2級は、侯爵以下が対象だけれど、基本的に貴族への調合は大体2級のベテランか1級の薬師が担当するから縁はない。
その日、わたしは常連さんたちがいる場所へ足を運んでいた。
「こんにちは。……随分辛いようですね」
「こほっこほっ、メイシィさんか、こんにちは……こほっ」
騎士寮の一室。
守衛さんに挨拶をして男だらけの廊下を突っ切り医務室に入ると、1人の騎士がベッドでわたしを迎えてくれた。
「薬、持ってきましたよ。マーサーさん」
顔を真っ赤にしたマーサーさんは、鼠人《そじん》族。
ネズミの耳と尻尾を持ち、ちっちゃくて素早い動きを得意とする。
だが今日はさすがにいつもの元気はなく、眉を下げてもう一度お礼を言うのがやっとのようだった。
わたしはさっそくカゴの中身を取り出しながら、話しかける。
「今回はどのような症状があって医者にかかったんですか?」
「熱と……鼻水と……咳があって、特に熱がなかなか収まらないんです……」
「なるほど……それで風邪と診断されたんですね」
「はい……」
担当医師から受けた処方指示と一致する。
それであれば問題ないだろう、わたしは小瓶と薬の包みを取り出した。
ミリステア魔王国の薬師の薬は特に質が高いと言われている。
それは様々な種族が平等に生きる国だからこそ、薬師に様々な知識と経験が必要になるからだ。
わたしたちヒューマンに効く薬でも、ミカルガさんのような梟人《きょうじん》族には毒薬だったりすることもあるので、慎重に扱う必要があり難しい。
だからこそ、この国で薬師をする意味があるんだけどね。
「マーサーさん、すぐに元気になると良いな」
薬の説明を終え昼の服薬を見届けて、わたしは騎士寮から熱い日差しの中に戻っていた。
長居する必要もないし、さっさと薬師院に帰ろう。
近道の鍛錬場の横を通り過ぎたその時、事件は起こった。
―――――――――――――――――――
「メイシィ!おかえ……り……」
薬師院の部屋に戻ると、クリード殿下がいた。
わたしがいると思って顔を出しに来ていたんだろう。白衣を着ているあたりミカルガさんに研究の助言を頼んでいたのかもしれない。
わたしの姿を見て殿下は急激に表情を変えていった。
「メイシィ、その姿は……!?」
簡単に言うと、わたしは噴水で水浴びでもしてきたんじゃないかくらい、びしょ濡れだった。
鍛錬場の横を通り過ぎた時、丁度魔法の訓練をしていた。
水の魔法と火の魔法がぶつかり合い、轟音を立てているのを見ながら柵の向こうを歩いていたら……
『危ない、お嬢さん!』
『え』
水の中に突き落とされたんじゃないかと思うほどの衝撃。
鼻の中にまで水が入り、思わず咳き込んでいると、数人の騎士がこちらに走ってくる。
『申し訳ありません!薬師殿!』
『お怪我は!?』
『い、いいえ……なにも……』
『おい!タオルを持ってきてくれ!』
模擬戦闘で跳ね返された水がわたしに直撃したらしい。
見事にびしょびしょになったのである。
「……誰が……」
もらったタオルと夏の日差しのおかげで髪はだいぶ乾いたが、わたしは殿下の顔を見て、着替えてから戻るべきだったと激しく後悔した。
ポンッ!
「うわ!」
ポンポンポンと蓋をしていない試験管が噴き出し始めて、マリウスの代わりに手伝ってくれているトカゲ頭の通り蜥蜴《トカゲ》族の薬師が慌てて封をして回る。
その反対側では運悪く蓋を開けていたインク瓶が小爆発を起こして、ミカルガさんの机を青黒く染めていった。
ガタガタガタと音が鳴りだしたと思って振り向けば、本棚の分厚い薬草図鑑たちがひとりでに震えている。
「誰がメイシィにこんなことを……」
「で、殿下!わたしの運が悪かったのです!騎士寮の鍛錬場の近くを通っていてたまたま」
「鍛錬場だと?そんな危険なところに何故いたのかな?」
ぼ、墓穴を掘ったー!
クリード殿下の表情に怒りが混ざりはじめた。
「クレア殿、そこの蝋燭の火を消してもらえるか」
「はい、ミカルガ様!」
「アンバーは他の液体の封を!火気のある薬草や機器はすべて箱に仕舞ってくれ」
「はい!」
怒りは火の妖精が反応する。
周りがバタバタと災厄に備える中、わたしはゆっくりと近づいてくる元凶から顔を背けた。
「メイシィ」
「は、はい……えと……薬師院に戻るには近道なので……」
「近道だからといって、危険な場所を通るのかい?
鍛錬場で魔法の模擬戦闘をしていたのであれば、近くにいることがどういう意味かわからなかったとでも言うのかい?」
まったくもって正論である。
わたしは何も言い返せず肩にかけていたタオルを握った。
「メイシィ」
「ひっ」
ガシャン、とガラス器具が落ちて割れる音がした。
クレアの悲鳴とアンバーさんの落胆の叫び声が響く。
だけれどわたしの視界には何がどうなったかわからない。
わたしはクリード殿下と扉に挟まれていた。
両腕が顔の左右に置かれて、眼前に胸板が迫る。
上を向けば、目の光どころか正常な顔色すら失った殿下の顔があった。
「やはり、君を自由に行動させるのは間違っていた。城内とはいえいつ何があるかもわからない。もし水でなく火や雷の魔法だったなら……ああ!考えるだけで恐ろしいよ!近道を通ってはいけない!騎士寮に行ってはいけない!わたしの目の届かないところにいかないでくれメイシィ!」
まずいまずいまずい。
どう返す、どう止める?
クリード殿下の向こうから更にガラスの割れる音がした。
本が落ちる音もする。ミカルガさんの驚いた声もする。
「殿下、殿下、近いです、離れてください!」
「聞いてくれメイシィ、わたしは真剣な話をしているんだ!」
「いいから離れてください殿下!」
「何故だメイシィ!そんなにわたしと離れたいのか…!」
あ!
そういえばこの前クレアに借りた恋愛小説で、ヒロインが嫌がらせでバケツの水をかけられた展開があったような。
その時は確か…。
「その……化粧が……」
「………ん?」
目を丸くしてこちらを見てくる殿下に、わたしは手で顔を覆った。
「化粧……落ちてしまっているので……お見せするわけには……」
「……なっ……」
大して化粧はしてないけど。
だが、クリード殿下のうろたえた声が聞こえたので、強行突破することにした。
「で、殿下はっ、濡れたとしてもより美しい御姿となりましょう!
ですがっ!わたしはより見目悪い女になってしまうのです!
メイシィは……っ、いつも綺麗な姿をお見せしたいのです……クリード様のために……っ!」
「っ」
ぴたり、とポルターガイストが止む室内。
ガタリと膝から崩れ落ち、耳を赤くしながら口を手で覆う殿下。
いや今の発言にときめくところある!?
普通ドン引くところでは??
わたしはうわってなったよ?あの本。あのシーン。
とりあえず手の隙間からかわいいだのなんだの聞こえてきたので、触れるのは止めた。
そしてわたしは、かなり苦しい方法と羞恥心を犠牲に、災厄を阻止したのである。
薬師は資格レベルによって、調合と提供ができる薬や相手が決まっている。
1級は王族と公爵家を含む全員に、禁忌以外の薬の調合が許される。
わたしのような2級は、侯爵以下が対象だけれど、基本的に貴族への調合は大体2級のベテランか1級の薬師が担当するから縁はない。
その日、わたしは常連さんたちがいる場所へ足を運んでいた。
「こんにちは。……随分辛いようですね」
「こほっこほっ、メイシィさんか、こんにちは……こほっ」
騎士寮の一室。
守衛さんに挨拶をして男だらけの廊下を突っ切り医務室に入ると、1人の騎士がベッドでわたしを迎えてくれた。
「薬、持ってきましたよ。マーサーさん」
顔を真っ赤にしたマーサーさんは、鼠人《そじん》族。
ネズミの耳と尻尾を持ち、ちっちゃくて素早い動きを得意とする。
だが今日はさすがにいつもの元気はなく、眉を下げてもう一度お礼を言うのがやっとのようだった。
わたしはさっそくカゴの中身を取り出しながら、話しかける。
「今回はどのような症状があって医者にかかったんですか?」
「熱と……鼻水と……咳があって、特に熱がなかなか収まらないんです……」
「なるほど……それで風邪と診断されたんですね」
「はい……」
担当医師から受けた処方指示と一致する。
それであれば問題ないだろう、わたしは小瓶と薬の包みを取り出した。
ミリステア魔王国の薬師の薬は特に質が高いと言われている。
それは様々な種族が平等に生きる国だからこそ、薬師に様々な知識と経験が必要になるからだ。
わたしたちヒューマンに効く薬でも、ミカルガさんのような梟人《きょうじん》族には毒薬だったりすることもあるので、慎重に扱う必要があり難しい。
だからこそ、この国で薬師をする意味があるんだけどね。
「マーサーさん、すぐに元気になると良いな」
薬の説明を終え昼の服薬を見届けて、わたしは騎士寮から熱い日差しの中に戻っていた。
長居する必要もないし、さっさと薬師院に帰ろう。
近道の鍛錬場の横を通り過ぎたその時、事件は起こった。
―――――――――――――――――――
「メイシィ!おかえ……り……」
薬師院の部屋に戻ると、クリード殿下がいた。
わたしがいると思って顔を出しに来ていたんだろう。白衣を着ているあたりミカルガさんに研究の助言を頼んでいたのかもしれない。
わたしの姿を見て殿下は急激に表情を変えていった。
「メイシィ、その姿は……!?」
簡単に言うと、わたしは噴水で水浴びでもしてきたんじゃないかくらい、びしょ濡れだった。
鍛錬場の横を通り過ぎた時、丁度魔法の訓練をしていた。
水の魔法と火の魔法がぶつかり合い、轟音を立てているのを見ながら柵の向こうを歩いていたら……
『危ない、お嬢さん!』
『え』
水の中に突き落とされたんじゃないかと思うほどの衝撃。
鼻の中にまで水が入り、思わず咳き込んでいると、数人の騎士がこちらに走ってくる。
『申し訳ありません!薬師殿!』
『お怪我は!?』
『い、いいえ……なにも……』
『おい!タオルを持ってきてくれ!』
模擬戦闘で跳ね返された水がわたしに直撃したらしい。
見事にびしょびしょになったのである。
「……誰が……」
もらったタオルと夏の日差しのおかげで髪はだいぶ乾いたが、わたしは殿下の顔を見て、着替えてから戻るべきだったと激しく後悔した。
ポンッ!
「うわ!」
ポンポンポンと蓋をしていない試験管が噴き出し始めて、マリウスの代わりに手伝ってくれているトカゲ頭の通り蜥蜴《トカゲ》族の薬師が慌てて封をして回る。
その反対側では運悪く蓋を開けていたインク瓶が小爆発を起こして、ミカルガさんの机を青黒く染めていった。
ガタガタガタと音が鳴りだしたと思って振り向けば、本棚の分厚い薬草図鑑たちがひとりでに震えている。
「誰がメイシィにこんなことを……」
「で、殿下!わたしの運が悪かったのです!騎士寮の鍛錬場の近くを通っていてたまたま」
「鍛錬場だと?そんな危険なところに何故いたのかな?」
ぼ、墓穴を掘ったー!
クリード殿下の表情に怒りが混ざりはじめた。
「クレア殿、そこの蝋燭の火を消してもらえるか」
「はい、ミカルガ様!」
「アンバーは他の液体の封を!火気のある薬草や機器はすべて箱に仕舞ってくれ」
「はい!」
怒りは火の妖精が反応する。
周りがバタバタと災厄に備える中、わたしはゆっくりと近づいてくる元凶から顔を背けた。
「メイシィ」
「は、はい……えと……薬師院に戻るには近道なので……」
「近道だからといって、危険な場所を通るのかい?
鍛錬場で魔法の模擬戦闘をしていたのであれば、近くにいることがどういう意味かわからなかったとでも言うのかい?」
まったくもって正論である。
わたしは何も言い返せず肩にかけていたタオルを握った。
「メイシィ」
「ひっ」
ガシャン、とガラス器具が落ちて割れる音がした。
クレアの悲鳴とアンバーさんの落胆の叫び声が響く。
だけれどわたしの視界には何がどうなったかわからない。
わたしはクリード殿下と扉に挟まれていた。
両腕が顔の左右に置かれて、眼前に胸板が迫る。
上を向けば、目の光どころか正常な顔色すら失った殿下の顔があった。
「やはり、君を自由に行動させるのは間違っていた。城内とはいえいつ何があるかもわからない。もし水でなく火や雷の魔法だったなら……ああ!考えるだけで恐ろしいよ!近道を通ってはいけない!騎士寮に行ってはいけない!わたしの目の届かないところにいかないでくれメイシィ!」
まずいまずいまずい。
どう返す、どう止める?
クリード殿下の向こうから更にガラスの割れる音がした。
本が落ちる音もする。ミカルガさんの驚いた声もする。
「殿下、殿下、近いです、離れてください!」
「聞いてくれメイシィ、わたしは真剣な話をしているんだ!」
「いいから離れてください殿下!」
「何故だメイシィ!そんなにわたしと離れたいのか…!」
あ!
そういえばこの前クレアに借りた恋愛小説で、ヒロインが嫌がらせでバケツの水をかけられた展開があったような。
その時は確か…。
「その……化粧が……」
「………ん?」
目を丸くしてこちらを見てくる殿下に、わたしは手で顔を覆った。
「化粧……落ちてしまっているので……お見せするわけには……」
「……なっ……」
大して化粧はしてないけど。
だが、クリード殿下のうろたえた声が聞こえたので、強行突破することにした。
「で、殿下はっ、濡れたとしてもより美しい御姿となりましょう!
ですがっ!わたしはより見目悪い女になってしまうのです!
メイシィは……っ、いつも綺麗な姿をお見せしたいのです……クリード様のために……っ!」
「っ」
ぴたり、とポルターガイストが止む室内。
ガタリと膝から崩れ落ち、耳を赤くしながら口を手で覆う殿下。
いや今の発言にときめくところある!?
普通ドン引くところでは??
わたしはうわってなったよ?あの本。あのシーン。
とりあえず手の隙間からかわいいだのなんだの聞こえてきたので、触れるのは止めた。
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