味の思い出

hyui

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正月料理

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小学生の頃、一年で一番楽しみだったのがお正月だった。

クリスマスも捨て難いが、お正月では連日のように正月番組をやっていたし、お年玉ももらえるし、何より正月料理が食べられるのが楽しみだった。
我が家ではおせちは祖母の手作りで、何日も前から準備し、当日になると重箱にたっぷり入って現れる。黒豆、蓮根の酢の物などなど、全て手作りだ。
そうして正月からおせち料理のサバイバルバトルが始まる。人気のあるものから順に消えていき、最終日には手をつけるのも億劫になるような嫌いなものが生き残るという寸法だ。

また、お正月と言えば雑煮。これは外せない。
地方によって雑煮は具材や出汁は異なるようなのだが、我が家では白味噌と大根と餅が入った雑煮がスタンダードだった。
餅ももちろん手作りだ。といっても、もち米を杵と臼でつくのではなく、餅つき機(正式な名前は知らない)に炊いたもち米をぶち込んで作っていた。そこから出来たデカい餅を少しずつちぎり、両手を使って丸めていく。これも少しコツがいる作業で、不器用な私はなかなか上手くいかなかった記憶がある。
そうして出来上がった丸餅を雑煮に好きなだけ入れて食うのだ。
もう正月はコイツらのためにあるといっても過言ではないだろう。

そんな料理で腹を満たし、昼から晩まで飽きもせずにお笑い番組を見て、コタツでぬくぬくしながらミカンを頬張る。
それが私の少年時代の正月だった。


そして現在。
飲食業に就いた私にとって、正月は休みではなく戦場と化した。
おせちも手作りのものなど見かけなくなり、一万そこらで手早く買えるようになってしまった。中にはローストビーフだの伊勢海老だの、それ本当におせちか?というものまで見かける始末。
そう言えば、餅の入った雑煮も久しく食べてない気がする。

最後におせちと雑煮を食ったのはいつだったか。一緒に食べたのは誰だったか。
もう遠い記憶の彼方である。
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