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《体験談?》アポトーシス
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皆さんは「アポトーシス」という言葉をご存知だろうか?
Wikipediaによると「アポトーシス、アポプトーシス とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死のこと。」とある。
つまり、私たちが健全に生きるためや成長するために、細胞にはあらかじめ自殺するプログラムが組み込まれているのだ。
これは、たとえばがん細胞が発生した時に体内のミトコンドリアが命令を出し、このアポトーシスにより悪性腫瘍になる前に消してしまったり、成長期の指の形が大人になるにつれてやや埋まった状態から成人期の形の変化に行われたりと、決して特別なことではなく頻繁に行われていることだそうだ。
これは人類に限った話ではなく、カエルの変態、つまりオタマジャクシのしっぽが脚に変わる、などの現象にも起こっているそうだ。
私が初めてこのアポトーシスという言葉を知ったのは「メタルギアソリッド」というゲームだった。そこでは「FOXDIE」という生物兵器が存在しており、血中に投与されたナノマシンを通して、DNA情報からターゲットを識別し、被験者にアポトーシス現象を利用して心臓麻痺を強制的に引き起こして死に至らしめるという特徴を持っていた。物語の主要人物やラスボスまで殺したりと、ストーリーで暗躍するまさに恐ろしい兵器だった。
…とまあ長々とアポトーシスについて話してきたのだが、
「で、何がいいたいの?」
「これはオカルトを語る場でしょう?」
「そんなこと知りたかったらナショナルジオグラフィックを読むよ!」
と思われる方がいらっしゃるかもしれないので、そろそろ私がここで語ろうとしている「妄想」の本題に入りたい。
それは、そんなアポトーシスが我々人類にも組み込まれているのではないかということである。
「なんのこっちゃ」と思われる方もいらっしゃるだろう。
「この小説家気取りは何が言いたいんだ」と思われる方も多々いらっしゃるだろう。
まあしかしそう言わずに少し説明する機会をいただきたい。
2015年の2月、オックスフォード大学からとあるレポートが発表された。
「人類滅亡12のリスク」である(正確には「文明を脅かす12のリスク」なのだが、こっちの方がなんか怖い感じがするのでこちらの呼称を用いさせてもらおう)。
その中の滅亡するリスクの一つとして、世界規模のパンデミックが挙げられていた。
世界規模のパンデミックといえば「あの病気」が記憶に新しい。しかしそれ以前に人口の爆発的増加による感染症の発生は危惧されていた。
2018年のある記事では人口は2055年には100億人を超えて、食糧やエネルギーの枯渇など様々な問題が起こるのではないか、などと騒がれていた。
しかし、そこに異変が起こり始めた。
皆さんもご存知の通り、2019年ごろから「あの病気」が世界的に流行し、2021年にWHO発表の累積死亡者数は約553万人にも上った。
さらにはロシアとウクライナ間、またイスラエルガザ地区で紛争が勃発。こちらもそれぞれ3万千人(2024/2/26 BBCNEWSJAPANより)、3万5千人(2024/5/13読売新聞より)と多くの死者を出した。
2022年の時点で世界の総人口は80億人を突破したが、2024年では82億人と微増となっている。WPP2022によると、世界の人口増加率は1963年に2.27%でピークをつけて以降、一貫して低下基調を辿っており、2020年には1%を割った。
近年では100億人に達するのは今世紀末になるだろう、という見方となっているが、2055年から2100年と大きく後退したものである。
数字の話ばかりしているといい加減頭が痛くなってきたし、何が言いたいのかもだんだんぼやけてきたので、改めて説明しよう。
アポトーシスが我々人類にも組み込まれているのではないかということを。
私たち人間だって、体内にミトコンドリアを始めとして様々な菌が一定数生息している。たとえヤクルトを大量に飲んでも、大腸菌が異常繁殖したりはしない。何かしらの形で排出されて一定に保たれる。
では地球規模で考えたら?
地球だって生命体だ。
常に生命活動をしなければならない。そんな地球にとって、私たちはどんな存在だろうか?
寄生虫か?支配者か?あるいはパートナーか?
いいや、きっと私たちにとっての大腸菌のような存在ではなかろうか。
だから増えすぎたら減らさなければならない。
時には災害で。
時には殺し合わせて。
時には自ら死なせて。
どうだろうか。
正直突拍子もない妄言だということはわかっている。
しかしこのアポトーシスの話をするたび、私にはあるドラマのことが頭をよぎる。
それはX-FILEという海外のテレビドラマで、主にUFOや怪奇現象を取り扱った番組だった。その中でこんな話があった。
どこにでもいる善良な市民。ある日彼が普通に働いていると、彼の取り扱っているレジスターに突如メッセージが浮かぶ。
“やれ!”
そのメッセージを目にした瞬間、彼はそれまでやっていた仕事をやめて、周辺の人間を殺し始める。そして皆殺しにした後、自らも命を絶つのだ。
この事件は結局原因不明としてそのままドラマは終わってしまったが、もしこれが本当に起こっているとしたら?
アポトーシスを命令するミトコンドリアのような存在があって、私たちは何の抵抗もできずに命を絶ってしまうとしたら?
まあ、そんなことを考えても仕方がない。
そんなことは死んだ後のことを悩むのと同義だ。そんなことを悩むくらいなら、今自分がやりたいことをやれるうちにやることを考える方が遥かに有意義だろう。
「その時」がくるまでは。
Wikipediaによると「アポトーシス、アポプトーシス とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死のこと。」とある。
つまり、私たちが健全に生きるためや成長するために、細胞にはあらかじめ自殺するプログラムが組み込まれているのだ。
これは、たとえばがん細胞が発生した時に体内のミトコンドリアが命令を出し、このアポトーシスにより悪性腫瘍になる前に消してしまったり、成長期の指の形が大人になるにつれてやや埋まった状態から成人期の形の変化に行われたりと、決して特別なことではなく頻繁に行われていることだそうだ。
これは人類に限った話ではなく、カエルの変態、つまりオタマジャクシのしっぽが脚に変わる、などの現象にも起こっているそうだ。
私が初めてこのアポトーシスという言葉を知ったのは「メタルギアソリッド」というゲームだった。そこでは「FOXDIE」という生物兵器が存在しており、血中に投与されたナノマシンを通して、DNA情報からターゲットを識別し、被験者にアポトーシス現象を利用して心臓麻痺を強制的に引き起こして死に至らしめるという特徴を持っていた。物語の主要人物やラスボスまで殺したりと、ストーリーで暗躍するまさに恐ろしい兵器だった。
…とまあ長々とアポトーシスについて話してきたのだが、
「で、何がいいたいの?」
「これはオカルトを語る場でしょう?」
「そんなこと知りたかったらナショナルジオグラフィックを読むよ!」
と思われる方がいらっしゃるかもしれないので、そろそろ私がここで語ろうとしている「妄想」の本題に入りたい。
それは、そんなアポトーシスが我々人類にも組み込まれているのではないかということである。
「なんのこっちゃ」と思われる方もいらっしゃるだろう。
「この小説家気取りは何が言いたいんだ」と思われる方も多々いらっしゃるだろう。
まあしかしそう言わずに少し説明する機会をいただきたい。
2015年の2月、オックスフォード大学からとあるレポートが発表された。
「人類滅亡12のリスク」である(正確には「文明を脅かす12のリスク」なのだが、こっちの方がなんか怖い感じがするのでこちらの呼称を用いさせてもらおう)。
その中の滅亡するリスクの一つとして、世界規模のパンデミックが挙げられていた。
世界規模のパンデミックといえば「あの病気」が記憶に新しい。しかしそれ以前に人口の爆発的増加による感染症の発生は危惧されていた。
2018年のある記事では人口は2055年には100億人を超えて、食糧やエネルギーの枯渇など様々な問題が起こるのではないか、などと騒がれていた。
しかし、そこに異変が起こり始めた。
皆さんもご存知の通り、2019年ごろから「あの病気」が世界的に流行し、2021年にWHO発表の累積死亡者数は約553万人にも上った。
さらにはロシアとウクライナ間、またイスラエルガザ地区で紛争が勃発。こちらもそれぞれ3万千人(2024/2/26 BBCNEWSJAPANより)、3万5千人(2024/5/13読売新聞より)と多くの死者を出した。
2022年の時点で世界の総人口は80億人を突破したが、2024年では82億人と微増となっている。WPP2022によると、世界の人口増加率は1963年に2.27%でピークをつけて以降、一貫して低下基調を辿っており、2020年には1%を割った。
近年では100億人に達するのは今世紀末になるだろう、という見方となっているが、2055年から2100年と大きく後退したものである。
数字の話ばかりしているといい加減頭が痛くなってきたし、何が言いたいのかもだんだんぼやけてきたので、改めて説明しよう。
アポトーシスが我々人類にも組み込まれているのではないかということを。
私たち人間だって、体内にミトコンドリアを始めとして様々な菌が一定数生息している。たとえヤクルトを大量に飲んでも、大腸菌が異常繁殖したりはしない。何かしらの形で排出されて一定に保たれる。
では地球規模で考えたら?
地球だって生命体だ。
常に生命活動をしなければならない。そんな地球にとって、私たちはどんな存在だろうか?
寄生虫か?支配者か?あるいはパートナーか?
いいや、きっと私たちにとっての大腸菌のような存在ではなかろうか。
だから増えすぎたら減らさなければならない。
時には災害で。
時には殺し合わせて。
時には自ら死なせて。
どうだろうか。
正直突拍子もない妄言だということはわかっている。
しかしこのアポトーシスの話をするたび、私にはあるドラマのことが頭をよぎる。
それはX-FILEという海外のテレビドラマで、主にUFOや怪奇現象を取り扱った番組だった。その中でこんな話があった。
どこにでもいる善良な市民。ある日彼が普通に働いていると、彼の取り扱っているレジスターに突如メッセージが浮かぶ。
“やれ!”
そのメッセージを目にした瞬間、彼はそれまでやっていた仕事をやめて、周辺の人間を殺し始める。そして皆殺しにした後、自らも命を絶つのだ。
この事件は結局原因不明としてそのままドラマは終わってしまったが、もしこれが本当に起こっているとしたら?
アポトーシスを命令するミトコンドリアのような存在があって、私たちは何の抵抗もできずに命を絶ってしまうとしたら?
まあ、そんなことを考えても仕方がない。
そんなことは死んだ後のことを悩むのと同義だ。そんなことを悩むくらいなら、今自分がやりたいことをやれるうちにやることを考える方が遥かに有意義だろう。
「その時」がくるまでは。
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