コトノハ

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降り止まない雨はない

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一人とぼとぼ雨の中

雨粒に濡れて寒さに震えていたら

雨よけを見つけてひとまず雨をしのぐ



傘をさしたどこかの誰かがこう言った

「かわいそうに かわいそうに」

「だけど降り止まない雨はないよ」

「そうだよ 頑張って」



そう言ってその人たちは行ってしまった

誰一人として傘を私に貸さずに

言いたいことだけ言って

行ってしまった



まあいいさ

はなから期待なんかしちゃいない

だけど私からもいくつか聞きたいんだ



この降り続く雨はいつ止むの?

止むまで私はどうすればいいの?



答える人なんかいない

答えられる人なんかいない

彼らは同情し 悲しんだり 励ましてくれる

けれど「答え」を授けてはくれない



しかたがないんだ

それは彼らが出した「答え」であって

私が望む「答え」とは限らない

私の「答え」を出すのに付き合えば

彼らもまた雨にさらされ

濡れてしまうだろう

誰だってそんな事は御免なのだ



「答え」を考えるのは私

「答え」を導き出すのは私

「答え」を決めるのは私だ


私は私が歩いてきた道を振り返る

雨に流されて消え掛かった足跡が見える

そうだ

雨にさらされても 私は一人歩いて今までやってきた

寒さに震えてもそれにグッと耐えてきた



私はしばらく雨除けの下で雨を眺める

待てども待てども

雨足が弱まる気配はない

それならもう仕方がない



私は雨除けを抜けて 

ぬかるんだ道をまた一歩ずつ踏みしめる

これが私の「答え」
 
たとえ雨が止まずとも

たとえ寒さに震えても

じっとなんかしてられない



止んだ雨もいずれまた降る

雨にさらされ 風にふかれて

それでも進み続ける

これが私がずっと出し続けてきた

私自身の「答え」だ
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