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人形師編
西馬探偵、初の風俗に行く4
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「ふう…。」
さっきのゆりあの記憶の映像に衝撃を受けた俺は、部屋の冷蔵庫にあった缶コーヒーをいただいていた。安物の缶コーヒーは飲まない主義なんだが、この際仕方ない。今は少しでも気を落ち着かせたかった。
「大丈夫かい?」
「ああ…。」俺は缶コーヒーの残りを飲み干す。「おかげで落ち着いた。」
落ち着いたところで、俺はゆりあへの聞き込みを再開することにした。さっきのゆりあの映像はたしかにショッキングなものだったが、それにびびって帰ってきました、じゃ何のためにここまで来たのか分からない。俺はまたゆりあの手を握った。
「さ…次の質問だ。」
「あんた…。本当に大丈夫?手、震えてるよ。無理しないほうがいいんじゃない?」
「…心配ご無用。ああいう映像は仕事柄慣れてるんだ。」
「…あらそう。わかった。」ゆりあは、はあ、とため息をつく。「そういうことにしといてあげるよ。こっちも仕事柄、男の強がりは聞き慣れてるから。」
…よし。じゃあ、次の質問は…。
「あいつの居場所について、知ってることを教えてほしい。」
「いいけど…、あたい、あいつの居場所なんて知らないわよ?」
「なんでもいい。どんな小さなことでもいいんだ。とにかく奴につながる手がかりがあれば教えて欲しい。」
「そうねえ…。」
ユリアの頭の中の映像は今、穴取の顔でグルグル回っている。
穴取についての記憶をどうにか引っ張り出そうとしてくれているようだ。
「そういえば、あいつの居場所かどうか分かんないけど、噂はあったよ。」
「噂?」
「そう。私らの仲間が、あいつがクラブの黒服に話してるのを見たんだって。なんでも『ドリームランド』がどうのこうの言ってたそうだよ。」
「『ドリームランド』?なんだそりゃ。一体。」
「詳しいことは分かんないし、それが場所かどうかも分かんない。でもあたしらの間じゃ、奴の別荘じゃないか、ってもっぱらの噂だった。」
…奴の別荘…か。ゆりあも本当に知らないらしく、記憶の映像も部屋で他の女の子と喋っているところしか映らなかった。
「それ以上は…悪いけど知らないね。そもそもあたい、オーナーの名前が穴取って事すら知らなかったし。」
「そうか…。」
というわけで、俺も彼女への聞き取り調査をここで終わることにした。
「ありがとうな。大分参考になった。」
「ううん。大した情報も持ってなくてごめん。あたい…あそこじゃ、どうやってクラブから抜け出すかしか考えてなかったからさ。」
「それでも十分だ。奴の顔も拝めたしな。」
「そう?それならいいんだけど。…で、この後はどうすんの?」
「ああ。あんたの証言をもとに、奴の居所を割り出してみるよ。それで…。」
「違う。そうじゃなくて。」
ゆりあはストップウォッチを俺の目の前に突き出した。
「今の話。あんた、60分コースで頼んだでしょ?あと30分以上あんだけど、どうすんの?」
「あ…。そっちの話か。」
…弱った。思っていたより早く話が済んでしまった。このまま無言で過ごすわけにもいかんし…。
悩んでる俺に、ゆりあがのしかかってくる。
「そっちの仕事が終わったら、今度はこっちの番、でしょ?」
「ま、待ってくれ!俺はそんな…!」
「グダグダ言わない!とっとと横になって!」
有無を言わさず、ゆりあは俺を押し倒す。俺はベッドに仰向けになり、ゆりあは俺を覆いかぶさる形に抱きついて来た。
「あわ、あわ、あわ…!」
「あら?本当にあんた経験ないんだね。女に抱きつかれたくらいでそんなに慌てちゃって…。」
「な、なあ。俺はもう目的は果たしたんだ。ここで終わりってことにしない?な?」
「ダァメ。あたいだってプロなんだ。客に金払ってもらった以上、気持ちよくなって帰ってもらわなきゃ。」
「ちょっと待…!」
抵抗する俺の口を彼女の唇が塞いだ。彼女の吐息が俺の口の中に入ってくる…。
…ヤバイ。ヤバイ事になった。
さっきのゆりあの記憶の映像に衝撃を受けた俺は、部屋の冷蔵庫にあった缶コーヒーをいただいていた。安物の缶コーヒーは飲まない主義なんだが、この際仕方ない。今は少しでも気を落ち着かせたかった。
「大丈夫かい?」
「ああ…。」俺は缶コーヒーの残りを飲み干す。「おかげで落ち着いた。」
落ち着いたところで、俺はゆりあへの聞き込みを再開することにした。さっきのゆりあの映像はたしかにショッキングなものだったが、それにびびって帰ってきました、じゃ何のためにここまで来たのか分からない。俺はまたゆりあの手を握った。
「さ…次の質問だ。」
「あんた…。本当に大丈夫?手、震えてるよ。無理しないほうがいいんじゃない?」
「…心配ご無用。ああいう映像は仕事柄慣れてるんだ。」
「…あらそう。わかった。」ゆりあは、はあ、とため息をつく。「そういうことにしといてあげるよ。こっちも仕事柄、男の強がりは聞き慣れてるから。」
…よし。じゃあ、次の質問は…。
「あいつの居場所について、知ってることを教えてほしい。」
「いいけど…、あたい、あいつの居場所なんて知らないわよ?」
「なんでもいい。どんな小さなことでもいいんだ。とにかく奴につながる手がかりがあれば教えて欲しい。」
「そうねえ…。」
ユリアの頭の中の映像は今、穴取の顔でグルグル回っている。
穴取についての記憶をどうにか引っ張り出そうとしてくれているようだ。
「そういえば、あいつの居場所かどうか分かんないけど、噂はあったよ。」
「噂?」
「そう。私らの仲間が、あいつがクラブの黒服に話してるのを見たんだって。なんでも『ドリームランド』がどうのこうの言ってたそうだよ。」
「『ドリームランド』?なんだそりゃ。一体。」
「詳しいことは分かんないし、それが場所かどうかも分かんない。でもあたしらの間じゃ、奴の別荘じゃないか、ってもっぱらの噂だった。」
…奴の別荘…か。ゆりあも本当に知らないらしく、記憶の映像も部屋で他の女の子と喋っているところしか映らなかった。
「それ以上は…悪いけど知らないね。そもそもあたい、オーナーの名前が穴取って事すら知らなかったし。」
「そうか…。」
というわけで、俺も彼女への聞き取り調査をここで終わることにした。
「ありがとうな。大分参考になった。」
「ううん。大した情報も持ってなくてごめん。あたい…あそこじゃ、どうやってクラブから抜け出すかしか考えてなかったからさ。」
「それでも十分だ。奴の顔も拝めたしな。」
「そう?それならいいんだけど。…で、この後はどうすんの?」
「ああ。あんたの証言をもとに、奴の居所を割り出してみるよ。それで…。」
「違う。そうじゃなくて。」
ゆりあはストップウォッチを俺の目の前に突き出した。
「今の話。あんた、60分コースで頼んだでしょ?あと30分以上あんだけど、どうすんの?」
「あ…。そっちの話か。」
…弱った。思っていたより早く話が済んでしまった。このまま無言で過ごすわけにもいかんし…。
悩んでる俺に、ゆりあがのしかかってくる。
「そっちの仕事が終わったら、今度はこっちの番、でしょ?」
「ま、待ってくれ!俺はそんな…!」
「グダグダ言わない!とっとと横になって!」
有無を言わさず、ゆりあは俺を押し倒す。俺はベッドに仰向けになり、ゆりあは俺を覆いかぶさる形に抱きついて来た。
「あわ、あわ、あわ…!」
「あら?本当にあんた経験ないんだね。女に抱きつかれたくらいでそんなに慌てちゃって…。」
「な、なあ。俺はもう目的は果たしたんだ。ここで終わりってことにしない?な?」
「ダァメ。あたいだってプロなんだ。客に金払ってもらった以上、気持ちよくなって帰ってもらわなきゃ。」
「ちょっと待…!」
抵抗する俺の口を彼女の唇が塞いだ。彼女の吐息が俺の口の中に入ってくる…。
…ヤバイ。ヤバイ事になった。
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