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花園編
魔女の回想
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会員を全て帰した後、羽鳥はスタッフの黒服に尋ねた。
「…さっきの報告。あれは事実なの?」
「はい。間違いありません。VIPルームに軟禁している女たちがスタッフ1名と共に脱走。唯一残った女は、うわ言のように『金色の目』と…。」
「『金色の目』…。」
報告を聞きながらも、羽鳥は下腹部に熱い疼きを感じていた。
(金色の目…。あのお方の目…。)
「羽鳥様…。」
「あ、ああ。何かしら?」
「金色の目、ということは、やはりボスがVIPルームに紛れ込んでいたのでしょうか?」
「ふむ…。」
羽鳥はしばらく思案した後、口を開いた。
「…恐らくあの方ではないわ。私のVIPルームには若い女しか連れてこられないし、第一、ボスならあなたたちスタッフも容赦なく殺しているわ。今のところ死者はいないのでしょう?」
「はい。まだ誰一人として死んだ者はおりません。しかし…ボスじゃないとしたら一体何者が…?」
「考えられるのは一つ。私たちが探していた者が現れたのよ。ようやくね。」
「…と、言いますと?」
「ボスの血縁者よ。」
「ボスの…血縁者…!」
おお!…と、ホールに残っていた黒服達がざわめきだす。羽鳥はその黒服達に向けて指令を下した。
「直ちにそのボスの血縁者を捕らえなさい。いい?必ず生け捕りにするのよ。」
「…その他のものは?」
「必要ないわ。ボスの血縁者と確認できなかった者はその場で殺しなさい。」
「…かしこまりました。」
羽鳥の指令を受け、ホールから次々と黒服が出て行く。
「…やっと見つけたわ。ボスの妹。ボスの身代わり兼ボスへの人質…。」
ホールに残った羽鳥は椅子に座り、一人物思いに耽っていた…。
…思えば、いつからだったか。私が堕ちてしまったのは。
20代の頃、歌手としてデビューし輝かんばかりの若さに溢れていた私は、当時私に目をかけてくれていた大物俳優と恋に落ち、そして結婚した。私は大事にしてくれる夫を愛し、夫もまた同じ様に私を愛してくれていると、そう思っていた。
だけど30代に差し掛かった頃、夫の態度が明らかに冷め始めていた。始めは気のせいだと自分に言い聞かせていたが、決定的な瞬間を見てしまった。夫は新人の女性タレントと不倫していたのだ。
後で聞いた話だが、当時の夫は女癖の悪さで有名だったらしい。私に目をかけていたのも、愛情ではなく単なる肉欲だったのだ。なんてことは無い。夫の態度が冷たくなったのは、私が老いたから。だから新しい若い女を連れ込んで不倫を重ねていたのだ。…私の見えないところで。
私は夫が不倫をしているその場で追及した。だが夫は何ら悪びれる様子もなく、こう言った。
「だったらお前が出て行け。どうせ俺のコネのおかげで芸能界にいれたんだ。俺なしじゃ、お前は只のオバハンだ。」
…そう言って夫とその相手の女性が、二人してゲラゲラ笑っていたのは今でも覚えている。
頭にきた私は、夫とその場にいた不倫相手を殴り殺した。特に不倫相手の女は、元の顔が分からなくなるくらい撤退的に殴り殺してやった。
…あの方に出会ったのはそんな時だった。
「…おや。大変だ。知り合いがズタボロになってしまった。」
「っ!?」
いつからそこにいたのか。私の背後に、黒服に身を包んだ若い男が立っていた。スラリと伸びた背丈によく手入れのされた髪、端正な顔立ち。そして吸い込まれるようなどこまでも澄んだ瞳…。
私はその男の容姿にしばし見とれていたが、すぐに気を取り直した。殺しの現場を見られたのだ。この男を始末しなければ…!
「『僕も始末しなければ…』と、考えているね?やめた方がいい。ろくなことにはならないよ。」
「な…!」
男は私の考えを見透かしていた。何より冷静に考えれば、殺人現場を見たというのにこの男は随分と落ち着いている。普通はもっと取り乱しそうなものだけど…。
得体の知れない男に、私は少し興味が湧いた。
「あなた、一体何者?夫の知り合いなの?」
「そうだよ。その男の行きつけのクラブの元締め、と言ったところかな?その男、散々遊びまくるくせにツケばかりでねェ…。ちょっと困っていたんだよ。」
それからその男は色んなことをはなしてくれた。
男が経営しているクラブは、食と風俗と賭博のクラブであること。夫がその男が経営するクラブに何年も前から通い詰めていること。しきりに女を買い漁っては、料金を踏み倒していくこと。あまりに目に余るので、今日は夫を始末しにきたこと…。
「…は。ははは…は。」
…可笑しかった。
夫の中で、私の女としての価値はとっくに終わっていたのだ。それに気付かずに、私は夫を妄信的に愛し続けていた。今日になるまでそんなことに気付かなかった自分の間抜けさに、笑いが肚からこみ上げてきた。
「…まるでピエロね。周りにチヤホヤされて懸命に夫を愛する妻を演じて、終わってみれば夫から見限られた中年女が一人ぼっち…。あの人の言う通り夫の後ろ盾が無ければ、学歴の無い私では実社会でも芸能界でも生きて行けない…。」…可笑しすぎて涙が出てきた。「どうして…こうなっちゃったのかな…?」
「何やらお困りのようだね。どうだろう?君さえ良ければ、僕の元で働かないか?」
「…え?」
突然の男の提案に、私はその時耳を疑った。
何を言ってるんだろうか?この男は。ついさっき、人を殺した三十路女を雇うというのか。
「…残念だけど、それは叶いそうもないわ。私は夫を殺してしまった。間も無く殺人犯として捕まるわ。あなたの元では働けない…。」
「あー、そのことなら心配いらない。僕からこの事件をもみ消すよう手配しておくよ。」
「…は?」
何から何まで訳が分からなかった。まるで白昼夢でも見ている気分だった。
「僕が聞きたいのはね。君がやりたいかどうかだけだよ。僕の闇クラブ、実はまだ始めたばかりで手探りの状態なんだ。君が今もしやりたいことがあるなら、力を貸して欲しい。」
「あ…。でも、私経営なんてしたことないわ。ノウハウもないど素人なのよ。」
「それは僕も、他のオーナーも一緒さ。知らないなら学べばいい。問題はやる気があるかどうかさ。」
「でも…。」
…正直思いあぐねていた。このままでは殺人犯として逮捕されないにしても、ろくな仕事にはありつけそうもない。かといって、学もない自分にクラブ経営など務まるのだろうか、と。
その時悩む私の姿を見て、あの方はこう仰ったのを今でも覚えている。
「僕はね。君のように満たされない者を救いたいんだ。誰だって何かしらの欲望を持っている。でも人はその欲望に従ってはいけないとその欲望を抑えつけてしまう。でも抑えつけられた欲望は消えやしない。いつまでも残り続け、やがて決壊してしまう。ちょうど今の君のような形でね。だから、僕はその欲望を満たす場を一つでも多く作りたいんだ。その為に…君の力が必要なんだ。手を貸してくれないか?」
あの方の声は、私の頭の奥深くまで響いたような気がした。私は、人生で初めて誰かに必要とされているんだ。女としてではなく、1人の人間として…。
そうして協力を決意した私は、ボスの元でこの美容クラブを立ち上げた。対象は40~50代以上の女性達。会員は皆、若い者を羨み、憎んでいた。私と同様に。
始めは純粋に美容を高めるクラブだったが、次第に過激さを増していき、ついには自分の気に入らない者を殺す殺人クラブにまでになった。
私はそれを悪いとは思わない。悪いのは若いだけの愚かな女たち、そしてそれを弄ぶ男たち。私達はそんな奴らに虐げられた、いわば被害者なのだ。
…そうやっていくうちに、私の感覚は麻痺してきた。
あれ程抵抗を感じていた人殺しにも何も感じなくなった。いや、それどころかその行為に性的な興奮を覚えることすらある。思えば、この時にはもう私は堕ちてしまっていたのかもしれない…。
昔のことに思いを馳せる羽鳥。だがその回想は、再び鳴り始めた警報によって遮断された。黒服のスタッフが、報告の為に羽鳥の元に駆けつけた。
「…今度は一体何?」
「はっ。侵入者が2人現れた模様です。1人は裏口から侵攻中。もう1人は正面からこちらに向かっております。」
「2人も…。あなたたちは一体何をしているの!やすやすと侵入を許すなど…!」
「申し訳ございません。1人は絶対のセキュリティが確保された裏口の扉をひっぺがして入って来たらしく、現在我々『ルシフェル』が交戦中です。そしてもう1人は…スタッフを催眠で次々と殺しております…恐らくこちらは…。」
「…ボスね!ボスがいらっしゃったのね!」
ボス来襲の報告を嬉々として受ける羽鳥。
「こうしてはいられないわ。アイアン・メイデンを用意なさい。今日は二度目の血風呂よ。」
「い、今からでございますか!?お言葉ですが、脱出が優先かと!」
「ボスがお越しになられたのよ。丁重にもてなさなければ失礼だわ。その為にはうんとおめかしをしないと。確か、VIPルームに1人だけ小娘が残っていたわね。そいつをアイアン・メイデンに繋いで血風呂を用意なさい。」
「しかし…!」
「早くなさい!ウスノロ!」
黒服はしばらく思案していたが、止む無く羽鳥の命令に従ってVIPルームへと向かった。
(ああ…。もういつ堕ちたのかなんてどうでもいい。私には貴方が全て。ボス…。私は貴方のお越しを心よりお待ちしております…。)
己の劣情を自ら慰めながら、羽鳥は広いホールの中で1人妖しく笑い続けた…。
「…さっきの報告。あれは事実なの?」
「はい。間違いありません。VIPルームに軟禁している女たちがスタッフ1名と共に脱走。唯一残った女は、うわ言のように『金色の目』と…。」
「『金色の目』…。」
報告を聞きながらも、羽鳥は下腹部に熱い疼きを感じていた。
(金色の目…。あのお方の目…。)
「羽鳥様…。」
「あ、ああ。何かしら?」
「金色の目、ということは、やはりボスがVIPルームに紛れ込んでいたのでしょうか?」
「ふむ…。」
羽鳥はしばらく思案した後、口を開いた。
「…恐らくあの方ではないわ。私のVIPルームには若い女しか連れてこられないし、第一、ボスならあなたたちスタッフも容赦なく殺しているわ。今のところ死者はいないのでしょう?」
「はい。まだ誰一人として死んだ者はおりません。しかし…ボスじゃないとしたら一体何者が…?」
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「…と、言いますと?」
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「ボスの…血縁者…!」
おお!…と、ホールに残っていた黒服達がざわめきだす。羽鳥はその黒服達に向けて指令を下した。
「直ちにそのボスの血縁者を捕らえなさい。いい?必ず生け捕りにするのよ。」
「…その他のものは?」
「必要ないわ。ボスの血縁者と確認できなかった者はその場で殺しなさい。」
「…かしこまりました。」
羽鳥の指令を受け、ホールから次々と黒服が出て行く。
「…やっと見つけたわ。ボスの妹。ボスの身代わり兼ボスへの人質…。」
ホールに残った羽鳥は椅子に座り、一人物思いに耽っていた…。
…思えば、いつからだったか。私が堕ちてしまったのは。
20代の頃、歌手としてデビューし輝かんばかりの若さに溢れていた私は、当時私に目をかけてくれていた大物俳優と恋に落ち、そして結婚した。私は大事にしてくれる夫を愛し、夫もまた同じ様に私を愛してくれていると、そう思っていた。
だけど30代に差し掛かった頃、夫の態度が明らかに冷め始めていた。始めは気のせいだと自分に言い聞かせていたが、決定的な瞬間を見てしまった。夫は新人の女性タレントと不倫していたのだ。
後で聞いた話だが、当時の夫は女癖の悪さで有名だったらしい。私に目をかけていたのも、愛情ではなく単なる肉欲だったのだ。なんてことは無い。夫の態度が冷たくなったのは、私が老いたから。だから新しい若い女を連れ込んで不倫を重ねていたのだ。…私の見えないところで。
私は夫が不倫をしているその場で追及した。だが夫は何ら悪びれる様子もなく、こう言った。
「だったらお前が出て行け。どうせ俺のコネのおかげで芸能界にいれたんだ。俺なしじゃ、お前は只のオバハンだ。」
…そう言って夫とその相手の女性が、二人してゲラゲラ笑っていたのは今でも覚えている。
頭にきた私は、夫とその場にいた不倫相手を殴り殺した。特に不倫相手の女は、元の顔が分からなくなるくらい撤退的に殴り殺してやった。
…あの方に出会ったのはそんな時だった。
「…おや。大変だ。知り合いがズタボロになってしまった。」
「っ!?」
いつからそこにいたのか。私の背後に、黒服に身を包んだ若い男が立っていた。スラリと伸びた背丈によく手入れのされた髪、端正な顔立ち。そして吸い込まれるようなどこまでも澄んだ瞳…。
私はその男の容姿にしばし見とれていたが、すぐに気を取り直した。殺しの現場を見られたのだ。この男を始末しなければ…!
「『僕も始末しなければ…』と、考えているね?やめた方がいい。ろくなことにはならないよ。」
「な…!」
男は私の考えを見透かしていた。何より冷静に考えれば、殺人現場を見たというのにこの男は随分と落ち着いている。普通はもっと取り乱しそうなものだけど…。
得体の知れない男に、私は少し興味が湧いた。
「あなた、一体何者?夫の知り合いなの?」
「そうだよ。その男の行きつけのクラブの元締め、と言ったところかな?その男、散々遊びまくるくせにツケばかりでねェ…。ちょっと困っていたんだよ。」
それからその男は色んなことをはなしてくれた。
男が経営しているクラブは、食と風俗と賭博のクラブであること。夫がその男が経営するクラブに何年も前から通い詰めていること。しきりに女を買い漁っては、料金を踏み倒していくこと。あまりに目に余るので、今日は夫を始末しにきたこと…。
「…は。ははは…は。」
…可笑しかった。
夫の中で、私の女としての価値はとっくに終わっていたのだ。それに気付かずに、私は夫を妄信的に愛し続けていた。今日になるまでそんなことに気付かなかった自分の間抜けさに、笑いが肚からこみ上げてきた。
「…まるでピエロね。周りにチヤホヤされて懸命に夫を愛する妻を演じて、終わってみれば夫から見限られた中年女が一人ぼっち…。あの人の言う通り夫の後ろ盾が無ければ、学歴の無い私では実社会でも芸能界でも生きて行けない…。」…可笑しすぎて涙が出てきた。「どうして…こうなっちゃったのかな…?」
「何やらお困りのようだね。どうだろう?君さえ良ければ、僕の元で働かないか?」
「…え?」
突然の男の提案に、私はその時耳を疑った。
何を言ってるんだろうか?この男は。ついさっき、人を殺した三十路女を雇うというのか。
「…残念だけど、それは叶いそうもないわ。私は夫を殺してしまった。間も無く殺人犯として捕まるわ。あなたの元では働けない…。」
「あー、そのことなら心配いらない。僕からこの事件をもみ消すよう手配しておくよ。」
「…は?」
何から何まで訳が分からなかった。まるで白昼夢でも見ている気分だった。
「僕が聞きたいのはね。君がやりたいかどうかだけだよ。僕の闇クラブ、実はまだ始めたばかりで手探りの状態なんだ。君が今もしやりたいことがあるなら、力を貸して欲しい。」
「あ…。でも、私経営なんてしたことないわ。ノウハウもないど素人なのよ。」
「それは僕も、他のオーナーも一緒さ。知らないなら学べばいい。問題はやる気があるかどうかさ。」
「でも…。」
…正直思いあぐねていた。このままでは殺人犯として逮捕されないにしても、ろくな仕事にはありつけそうもない。かといって、学もない自分にクラブ経営など務まるのだろうか、と。
その時悩む私の姿を見て、あの方はこう仰ったのを今でも覚えている。
「僕はね。君のように満たされない者を救いたいんだ。誰だって何かしらの欲望を持っている。でも人はその欲望に従ってはいけないとその欲望を抑えつけてしまう。でも抑えつけられた欲望は消えやしない。いつまでも残り続け、やがて決壊してしまう。ちょうど今の君のような形でね。だから、僕はその欲望を満たす場を一つでも多く作りたいんだ。その為に…君の力が必要なんだ。手を貸してくれないか?」
あの方の声は、私の頭の奥深くまで響いたような気がした。私は、人生で初めて誰かに必要とされているんだ。女としてではなく、1人の人間として…。
そうして協力を決意した私は、ボスの元でこの美容クラブを立ち上げた。対象は40~50代以上の女性達。会員は皆、若い者を羨み、憎んでいた。私と同様に。
始めは純粋に美容を高めるクラブだったが、次第に過激さを増していき、ついには自分の気に入らない者を殺す殺人クラブにまでになった。
私はそれを悪いとは思わない。悪いのは若いだけの愚かな女たち、そしてそれを弄ぶ男たち。私達はそんな奴らに虐げられた、いわば被害者なのだ。
…そうやっていくうちに、私の感覚は麻痺してきた。
あれ程抵抗を感じていた人殺しにも何も感じなくなった。いや、それどころかその行為に性的な興奮を覚えることすらある。思えば、この時にはもう私は堕ちてしまっていたのかもしれない…。
昔のことに思いを馳せる羽鳥。だがその回想は、再び鳴り始めた警報によって遮断された。黒服のスタッフが、報告の為に羽鳥の元に駆けつけた。
「…今度は一体何?」
「はっ。侵入者が2人現れた模様です。1人は裏口から侵攻中。もう1人は正面からこちらに向かっております。」
「2人も…。あなたたちは一体何をしているの!やすやすと侵入を許すなど…!」
「申し訳ございません。1人は絶対のセキュリティが確保された裏口の扉をひっぺがして入って来たらしく、現在我々『ルシフェル』が交戦中です。そしてもう1人は…スタッフを催眠で次々と殺しております…恐らくこちらは…。」
「…ボスね!ボスがいらっしゃったのね!」
ボス来襲の報告を嬉々として受ける羽鳥。
「こうしてはいられないわ。アイアン・メイデンを用意なさい。今日は二度目の血風呂よ。」
「い、今からでございますか!?お言葉ですが、脱出が優先かと!」
「ボスがお越しになられたのよ。丁重にもてなさなければ失礼だわ。その為にはうんとおめかしをしないと。確か、VIPルームに1人だけ小娘が残っていたわね。そいつをアイアン・メイデンに繋いで血風呂を用意なさい。」
「しかし…!」
「早くなさい!ウスノロ!」
黒服はしばらく思案していたが、止む無く羽鳥の命令に従ってVIPルームへと向かった。
(ああ…。もういつ堕ちたのかなんてどうでもいい。私には貴方が全て。ボス…。私は貴方のお越しを心よりお待ちしております…。)
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