記憶探偵の面倒な事件簿

hyui

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迷子編

罪の記憶

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…なにもみえない。まっくらだ。
ここはどこだろう?


あ…。なんかみえてきた。
たなかおじさんとおばさんだ。ねっころがってる。だれかうえにのっかってる。うえにのってるのは…わたし?

…ちがう。わたしじゃない。わたしはこんなこわいかおしてない。でもきているふくはわたしのふくだ。
わたし「みたいな」こがたなかおじさんとおばさんのくびをしめてる。
…あのひのままみたいに。

おじさんのめがしろくなった。ぴくぴくしてあわをふいてる。…そうしてそのうちうごかなくなった。つづけてそのこはおばさんのくびをしめて…。

…こわい。

わかってる。
これはあたしがわすれたきおくだ。あのしろめのこは、あたしなんだ…。
またばしょがかわった。ここはくろさわおじさんのいえだ。

…やめて。みたくない。

くろさわおじさんとおばさんのうえにわたしがのり、そのままくびをしめる。
おじさんはぴくぴくしながらあわをふいて、うごかなくなって…。

…いや!やめて!

またばしょがかわった。
ここは…。あたしのさいしょのままのいえ。あのころのままがわたしをみおろしていた。

「お帰りなさい。りえ。さあ、みんなで幸せになりましょう…。」
まっしろなめをしたままと、たなかおじさんとくろさわおじさんがわたしのくびをしめてくる。

…くるしい!こわいよ!
…たすけて!


「りえちゃん!しっかりしろ!りえちゃん!」


…おじちゃん?あきやまおじちゃんのこえ…。

「…おじちゃん!たすけて!おじちゃん!」

おおきなうでがあたしのくびをしめていたままとおじさんたちを、けしていった。
あきやまおじちゃんがぜんぶおいはらっちゃった…。

「もう、大丈夫だ。」

ああ、あきやまおじちゃんが、わたしをまもってくれた…。
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