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迷子編
調査開始
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「さ、これからどうすんの?先生。」
秋山とりえちゃんが出ていってから、アカリが尋ねてきた。
「…そうだな。」
「先生、なんか浮かない顔してる。なんかあったの?」
「…いや、なんでもないよ。」
俺はどうしてもあの記憶が頭から離れないでいた。
あの少女を預かったのだろう夫婦。その夫婦の絞殺死体の映像…。
…そうだ。あり得るはずがない。そんなことできる訳ないんだ。
俺はあのりえという少女の記憶を読んでから、一つの恐ろしい仮説を立てようとしていた。
あの女の子が、親代わりになった人間を、殺して回っていると……。
「いや、そんなはずない。そんなはずはないんだ…。」
「…独り言なんか言って、やっぱ変だよ先生。」
心配そうに、アカリがこっちを見ていた。
…いかん。いかん。年下に心配されるなんて、我ながら情けない。
「…すまん。もう大丈夫だ。」
「ならいいけど…。それで、あの子の家の見当はついた?」
「まあな…。といっても、あの子の家かどうかわからんが。」
「? どういうこと?」
「あの子の記憶には、両親と思われる夫婦が複数組いた。あの子は鈴木姓を名乗っていたが、今の苗字じゃなく、前の家族のものかも知れん。」
「複数…。あの子、何回も親と別れてるのね…。」
「…。」
同情するアカリをよそに、俺にはあの子の記憶の映像がちらついていた。笑顔の後に、縊り殺されている両親と思われる夫婦の映像…。
「とにかくあの子の家を早く探さなきゃ!その家に行ってみようよ!先生!」
「…ああ、そうだな。」
考えていても仕方ない。とにかく足を動かさんと。
「よし、行くとするか!あの記憶の映像の場所には心当たりがある。早速そこに向かおう!」
「うん!了解!」
あれこれ考えるのは、全部がわかった後だ。
俺は事務所から外へ、一歩足を踏み出した。
秋山とりえちゃんが出ていってから、アカリが尋ねてきた。
「…そうだな。」
「先生、なんか浮かない顔してる。なんかあったの?」
「…いや、なんでもないよ。」
俺はどうしてもあの記憶が頭から離れないでいた。
あの少女を預かったのだろう夫婦。その夫婦の絞殺死体の映像…。
…そうだ。あり得るはずがない。そんなことできる訳ないんだ。
俺はあのりえという少女の記憶を読んでから、一つの恐ろしい仮説を立てようとしていた。
あの女の子が、親代わりになった人間を、殺して回っていると……。
「いや、そんなはずない。そんなはずはないんだ…。」
「…独り言なんか言って、やっぱ変だよ先生。」
心配そうに、アカリがこっちを見ていた。
…いかん。いかん。年下に心配されるなんて、我ながら情けない。
「…すまん。もう大丈夫だ。」
「ならいいけど…。それで、あの子の家の見当はついた?」
「まあな…。といっても、あの子の家かどうかわからんが。」
「? どういうこと?」
「あの子の記憶には、両親と思われる夫婦が複数組いた。あの子は鈴木姓を名乗っていたが、今の苗字じゃなく、前の家族のものかも知れん。」
「複数…。あの子、何回も親と別れてるのね…。」
「…。」
同情するアカリをよそに、俺にはあの子の記憶の映像がちらついていた。笑顔の後に、縊り殺されている両親と思われる夫婦の映像…。
「とにかくあの子の家を早く探さなきゃ!その家に行ってみようよ!先生!」
「…ああ、そうだな。」
考えていても仕方ない。とにかく足を動かさんと。
「よし、行くとするか!あの記憶の映像の場所には心当たりがある。早速そこに向かおう!」
「うん!了解!」
あれこれ考えるのは、全部がわかった後だ。
俺は事務所から外へ、一歩足を踏み出した。
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