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仮面編
診察
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探偵事務所を出て、裏通りを奥に進んだ所。そこが俺の行きつけの診療所だ。店に看板は立ってないが、代わりに古ぼけたケロリン人形が置いてある。現在営業中の目印だ。
「……ここ、本当に診療所?お化け屋敷じゃないの?」
背後でアカリの怯えた声が聞こえる。……まあ無理もない。屋根はところどころ剥がれ、窓のガラスは割れっぱなし。玄関に置かれてるケロリン人形は塗装が錆つき泣いているようにも見える。…外見はまるきり廃墟だ。
「大丈夫だよ。つい3日前も俺、ここに来たし。」
そう言って玄関に向かい、ドアをドンドンと叩いた。時々ミシミシと木材の軋む音がした。
「おーい。陳さん。いるかー?急患だー。」
…返事はない。
「あれ?おかしいなぁ。ケロリン出てんのに…。」
「留守なんじゃない?」
「いや、いるはずだ。ケロリン出てんだから。」
もう一回ドンドンと叩いてみた。
…返事はない。
「…おかしいな。」
「やっぱり留守なんだって。今日はもう帰ろ。」
「いやもう一回だけ。」
今度は思いっきりドン!ドン!と叩いてみた。
---バキッ。
……あ。やべ…。
「あーあ。やっちゃった。」
「やばいな…。見つかる前にずらかるか…。」
いざ帰ろうと振り返った途端、背後から、
「コラァーー!またんか!たわけが!」
頭の中にまで響いてきそうな怒鳴り声が聞こえた。
「ギャー!!出たー!!オバケー!!」
そう言って全速力で逃げようとするアカリを、俺は寸出のところでとっ捕まえた。
「まったく。いるならとっとと返事してくれ…。」
「フン。ちょいと休憩中だったのよ。」目の前の小柄な老人はそう言ってあ~、と肩を叩いた。「なにせ最近は忙しいんでな。」
「忙しい?」
「ああ、ヤクザの喧嘩が最近多くてな。今日もけが人を10人は診たかのう。」
「ああ---。」秋山が言っていたヤクザ間の抗争のことか。
「景気がいいのはいいことじゃないか。」
「いいわけあるか。大の大人が寄ってたかって縄張り争いじゃ。まったくバカバカしい。」
「あいつらにとっては重要なことなんだろ。」
「皆揃いも揃って、『組の命令』、『兄貴の命令』じゃ。誰一人自分の意志で動いてるやつはおらん。」
「それがあいつらの全てだ。命令には逆らえない。断れば殺されるか、臆病者と笑われる。」
「じゃが死にかける程の目にあって成し遂げた命令も結局は組のためじゃ。自分のためではない。そんなことに命をかけてどうなるというんじゃ。」
「あ、あのう…。」アカリが間に割って入った。
「この人が陳さん?」
「ああ、そうだ。ここで普通の病院では診てもらえない、訳ありの患者を診ている。大抵はヤクザか、犯罪者の類いだな。」
「でも見たところちゃんとした治療を受けれると思えないんだけど…。」
アカリの言葉に、陳さんは少し不機嫌顔で睨みつけた。…まあこの部屋の様子じゃ、そう思っても仕方ない。ボロボロのソファーが二つに、その間にこれまたボロボロの机が一つ。その他は特に何もない殺風景な部屋だ。
「心配するな。ここは待合室みたいなもんだよ。診察は別の部屋でやるんだ。」
「う~ん。でもなぁ…。」
「おい。用がないならワシはもう寝るぞ。疲れとるんだ。」
いかん。陳さんの機嫌を損ねたようだ。
「まあまあ、待ってくれ。診てもらいたい患者がいるんだ。」
「じゃあそいつをとっととみせな。」
「分かった。分かったからそう睨むなよ。こいつだ。」
そう言って、後ろで縮こまっていた依頼人を突き出した。
「ど、どうも…。」
「この小僧か。見たところ怪我や病気じゃないようじゃが?」
陳さんがジロジロと依頼人を睨め回す。
「ああ、じつは記憶喪失らしくてな。それを何とかしてもらいたくてきたんだ。」
「記憶喪失か…。また厄介なやつを連れてきたな。」
「まったくな。」と、アカリに一瞥をくれる。当の本人はキョトンとした顔で小首をかしげている。
「まあ、やるだけやってみよう。こっちに来い。」
「でもさぁ…。ここで診てもらうより、やっぱり大きい病院で診てもらった方がいいんじゃない?なんでここで診てもらうの?」
アカリがひそひそ声で俺に言った。
「お前…、まだゴネてんのか。」
「んー、そうじゃなくて、ここで診てもらうよりそっちの方が色んな検査もできるんじゃないかと思って…。」
「その点は心配はない。少なくとも俺が知ってる中ではここ以上に施設の揃っている所はない。」
「嘘だぁ。こんなボロ屋が?」
「ほら、診察室に着いたぞ。」
「う、嘘…。ここが診察室?」
診察室の扉を開けると、さっきまでのボロ屋の風景から一変して、何というか…近代的な部屋が現れた。10畳ほどの部屋に診察台、無数の薬品、書類ケースの棚などなど、本物の病院となんら遜色ない。
「さっきとはまるで別世界みたい…!」
「ほら、言ったろ?」
診察室に着くと、陳さんは診察台の前の丸椅子に腰かけた。俺たちも続いて空いてる椅子に座る。
「さて…、ほんじゃあ患者を見せてもらおうかいの。」
依頼人が陳さんの正面に座り、その後簡単な診察が始まった。眼、口、心音、血圧…。
「良し。じゃあ次はレントゲンで頭部を撮ってみるか。」
「え!レントゲンもあるの!?」
アカリがまたしても驚く。
「レントゲンだけじゃない。MRI、CTスキャンなど、でかい病院に置いてるやつはだいたい揃ってる。」
「ま、裏からの横流し品じゃがな。」
「すごい…!」
アカリの驚きように、陳さんもまんざらでもないようだ。顔がややにやけている。
「でも、こんなに機材が揃ってるんならもっと建物を綺麗にしたらいいのに。そうすればもっと患者さんが来るんじゃない?」
と、アカリのこの言葉に陳さんは今度は眉をひそめた。
「それではここに来たいと思っとるやつらが来れなくなる。悪いがそれだけはできん。」
「どうして?」
「うちの患者は、はみ出し者ばかりなんじゃよ。普通の人に紛れて診察は受けられん。」
「そうなの?」
「まぁ、人ゴミは避けたいだろうからな。追っ手や警察に見つからんように目立たないようにしてるんだろう。」
アカリの発言にこれ以上陳さんが機嫌を悪くしないよう、俺がフォローを出した。
「陳さんは元々はれっきとした医者だったんだ。それはもうかなりの名医だった。」
「それがどうしてこんなところでお医者をやってるの?」
「ま、色々あったんだよ。」
…本当のところは俺も分からない。陳さんはあまり昔のことを語りたがらないからだ。ただ過去に少し本人に聞いたことがある。病院内の派閥争いやら、患者の治療を人によって差をつけたりだとか、そういったことに嫌気がさしたんだとか。
「病院…。派閥争い…。」
――ん?依頼人今何か言ったか?
「つべこべ言っとらんで、ほれ、検査を始めるぞ。」
それから色々な検査が始まった。
レントゲン、MRI、血液検査…。全部終わる頃にはもう日が暮れてしまっていた。
「それで?どうやって治療するんだ?」
「治療?ちょいと勘違いしとらんか?わしがやったのは記憶障害の原因を探っただけで、治療するためではない。」
「え?そうなの?」
俺の問いに陳さんは頷いた。
「結論から言うと、俗に言う記憶喪失のような記憶障害を投薬などで治療するのは無理じゃ。本人の回復を待つしかない。」
「そんな…。」
「じゃが、回復の手助けは出来る。これを見てみろ。」
陳さんはレントゲン写真をボードに貼り付けた。
「こいつの頭部の写真じゃ。後頭部の頭蓋骨部分が少し薄くなっとるじゃろ。」
「ああ。」
「おそらく頭を打ったんじゃな。記憶喪失の原因はそれじゃ。」
「原因は分かった。しかし、どうやって手助けが出来るんだ?」
「それはな…。」
と、喉が渇いたのか陳さんが一口水を口に含んだ。
「催眠術じゃよ。」
「催眠術!?」
アカリが素っ頓狂な声をあげた。いきなり叫ぶな、まったく。
「…何そんなに驚いてんだ。」
「だって、ここまで色んな検査をしてもらったのに、急にまた胡散臭くなったんだもん!催眠術なんて!」
「いや、そうでもないぞ。」
「へ?」
「催眠療法という治療法があるのを、ちらと聞いたことがある。陳さんが言ってるのはそれだろう。」
「…まあな。」
胡散臭いと言われて、陳さんはまた拗ねてるようだ。
「でも…出来るのか?」
「実のところ、自信はない。催眠療法は専門外だしな。やり方は一応みたことはあるが…。」
「じゃ、やっぱりダメじゃん。」
「知り合いに催眠療法のできる医師とかはいないのか?」
「いや、おらん。見よう見まねだが、わしがやるしかあるまい。」
「え~。心配だな~。」
「…この小娘を黙らせられんのか?」
「悪いな。俺も努力してるんだが、それはどうも無理そうだ。」
はあ、と陳さんはため息をつき、その後平手を差し出した。
「まあ、とりあえず診察はここで終わりだ。ほれ、診察代。」
「ああ。助かったよ。ええと、2万だったか?」
「…足りん。」
「あれ?違ったか?それとも値上げした?」
俺の問いに、陳さんは首を振って答えた。
「入り口のドアの修理代。」
あ…。ちゃんと覚えてたのね…。
「……ここ、本当に診療所?お化け屋敷じゃないの?」
背後でアカリの怯えた声が聞こえる。……まあ無理もない。屋根はところどころ剥がれ、窓のガラスは割れっぱなし。玄関に置かれてるケロリン人形は塗装が錆つき泣いているようにも見える。…外見はまるきり廃墟だ。
「大丈夫だよ。つい3日前も俺、ここに来たし。」
そう言って玄関に向かい、ドアをドンドンと叩いた。時々ミシミシと木材の軋む音がした。
「おーい。陳さん。いるかー?急患だー。」
…返事はない。
「あれ?おかしいなぁ。ケロリン出てんのに…。」
「留守なんじゃない?」
「いや、いるはずだ。ケロリン出てんだから。」
もう一回ドンドンと叩いてみた。
…返事はない。
「…おかしいな。」
「やっぱり留守なんだって。今日はもう帰ろ。」
「いやもう一回だけ。」
今度は思いっきりドン!ドン!と叩いてみた。
---バキッ。
……あ。やべ…。
「あーあ。やっちゃった。」
「やばいな…。見つかる前にずらかるか…。」
いざ帰ろうと振り返った途端、背後から、
「コラァーー!またんか!たわけが!」
頭の中にまで響いてきそうな怒鳴り声が聞こえた。
「ギャー!!出たー!!オバケー!!」
そう言って全速力で逃げようとするアカリを、俺は寸出のところでとっ捕まえた。
「まったく。いるならとっとと返事してくれ…。」
「フン。ちょいと休憩中だったのよ。」目の前の小柄な老人はそう言ってあ~、と肩を叩いた。「なにせ最近は忙しいんでな。」
「忙しい?」
「ああ、ヤクザの喧嘩が最近多くてな。今日もけが人を10人は診たかのう。」
「ああ---。」秋山が言っていたヤクザ間の抗争のことか。
「景気がいいのはいいことじゃないか。」
「いいわけあるか。大の大人が寄ってたかって縄張り争いじゃ。まったくバカバカしい。」
「あいつらにとっては重要なことなんだろ。」
「皆揃いも揃って、『組の命令』、『兄貴の命令』じゃ。誰一人自分の意志で動いてるやつはおらん。」
「それがあいつらの全てだ。命令には逆らえない。断れば殺されるか、臆病者と笑われる。」
「じゃが死にかける程の目にあって成し遂げた命令も結局は組のためじゃ。自分のためではない。そんなことに命をかけてどうなるというんじゃ。」
「あ、あのう…。」アカリが間に割って入った。
「この人が陳さん?」
「ああ、そうだ。ここで普通の病院では診てもらえない、訳ありの患者を診ている。大抵はヤクザか、犯罪者の類いだな。」
「でも見たところちゃんとした治療を受けれると思えないんだけど…。」
アカリの言葉に、陳さんは少し不機嫌顔で睨みつけた。…まあこの部屋の様子じゃ、そう思っても仕方ない。ボロボロのソファーが二つに、その間にこれまたボロボロの机が一つ。その他は特に何もない殺風景な部屋だ。
「心配するな。ここは待合室みたいなもんだよ。診察は別の部屋でやるんだ。」
「う~ん。でもなぁ…。」
「おい。用がないならワシはもう寝るぞ。疲れとるんだ。」
いかん。陳さんの機嫌を損ねたようだ。
「まあまあ、待ってくれ。診てもらいたい患者がいるんだ。」
「じゃあそいつをとっととみせな。」
「分かった。分かったからそう睨むなよ。こいつだ。」
そう言って、後ろで縮こまっていた依頼人を突き出した。
「ど、どうも…。」
「この小僧か。見たところ怪我や病気じゃないようじゃが?」
陳さんがジロジロと依頼人を睨め回す。
「ああ、じつは記憶喪失らしくてな。それを何とかしてもらいたくてきたんだ。」
「記憶喪失か…。また厄介なやつを連れてきたな。」
「まったくな。」と、アカリに一瞥をくれる。当の本人はキョトンとした顔で小首をかしげている。
「まあ、やるだけやってみよう。こっちに来い。」
「でもさぁ…。ここで診てもらうより、やっぱり大きい病院で診てもらった方がいいんじゃない?なんでここで診てもらうの?」
アカリがひそひそ声で俺に言った。
「お前…、まだゴネてんのか。」
「んー、そうじゃなくて、ここで診てもらうよりそっちの方が色んな検査もできるんじゃないかと思って…。」
「その点は心配はない。少なくとも俺が知ってる中ではここ以上に施設の揃っている所はない。」
「嘘だぁ。こんなボロ屋が?」
「ほら、診察室に着いたぞ。」
「う、嘘…。ここが診察室?」
診察室の扉を開けると、さっきまでのボロ屋の風景から一変して、何というか…近代的な部屋が現れた。10畳ほどの部屋に診察台、無数の薬品、書類ケースの棚などなど、本物の病院となんら遜色ない。
「さっきとはまるで別世界みたい…!」
「ほら、言ったろ?」
診察室に着くと、陳さんは診察台の前の丸椅子に腰かけた。俺たちも続いて空いてる椅子に座る。
「さて…、ほんじゃあ患者を見せてもらおうかいの。」
依頼人が陳さんの正面に座り、その後簡単な診察が始まった。眼、口、心音、血圧…。
「良し。じゃあ次はレントゲンで頭部を撮ってみるか。」
「え!レントゲンもあるの!?」
アカリがまたしても驚く。
「レントゲンだけじゃない。MRI、CTスキャンなど、でかい病院に置いてるやつはだいたい揃ってる。」
「ま、裏からの横流し品じゃがな。」
「すごい…!」
アカリの驚きように、陳さんもまんざらでもないようだ。顔がややにやけている。
「でも、こんなに機材が揃ってるんならもっと建物を綺麗にしたらいいのに。そうすればもっと患者さんが来るんじゃない?」
と、アカリのこの言葉に陳さんは今度は眉をひそめた。
「それではここに来たいと思っとるやつらが来れなくなる。悪いがそれだけはできん。」
「どうして?」
「うちの患者は、はみ出し者ばかりなんじゃよ。普通の人に紛れて診察は受けられん。」
「そうなの?」
「まぁ、人ゴミは避けたいだろうからな。追っ手や警察に見つからんように目立たないようにしてるんだろう。」
アカリの発言にこれ以上陳さんが機嫌を悪くしないよう、俺がフォローを出した。
「陳さんは元々はれっきとした医者だったんだ。それはもうかなりの名医だった。」
「それがどうしてこんなところでお医者をやってるの?」
「ま、色々あったんだよ。」
…本当のところは俺も分からない。陳さんはあまり昔のことを語りたがらないからだ。ただ過去に少し本人に聞いたことがある。病院内の派閥争いやら、患者の治療を人によって差をつけたりだとか、そういったことに嫌気がさしたんだとか。
「病院…。派閥争い…。」
――ん?依頼人今何か言ったか?
「つべこべ言っとらんで、ほれ、検査を始めるぞ。」
それから色々な検査が始まった。
レントゲン、MRI、血液検査…。全部終わる頃にはもう日が暮れてしまっていた。
「それで?どうやって治療するんだ?」
「治療?ちょいと勘違いしとらんか?わしがやったのは記憶障害の原因を探っただけで、治療するためではない。」
「え?そうなの?」
俺の問いに陳さんは頷いた。
「結論から言うと、俗に言う記憶喪失のような記憶障害を投薬などで治療するのは無理じゃ。本人の回復を待つしかない。」
「そんな…。」
「じゃが、回復の手助けは出来る。これを見てみろ。」
陳さんはレントゲン写真をボードに貼り付けた。
「こいつの頭部の写真じゃ。後頭部の頭蓋骨部分が少し薄くなっとるじゃろ。」
「ああ。」
「おそらく頭を打ったんじゃな。記憶喪失の原因はそれじゃ。」
「原因は分かった。しかし、どうやって手助けが出来るんだ?」
「それはな…。」
と、喉が渇いたのか陳さんが一口水を口に含んだ。
「催眠術じゃよ。」
「催眠術!?」
アカリが素っ頓狂な声をあげた。いきなり叫ぶな、まったく。
「…何そんなに驚いてんだ。」
「だって、ここまで色んな検査をしてもらったのに、急にまた胡散臭くなったんだもん!催眠術なんて!」
「いや、そうでもないぞ。」
「へ?」
「催眠療法という治療法があるのを、ちらと聞いたことがある。陳さんが言ってるのはそれだろう。」
「…まあな。」
胡散臭いと言われて、陳さんはまた拗ねてるようだ。
「でも…出来るのか?」
「実のところ、自信はない。催眠療法は専門外だしな。やり方は一応みたことはあるが…。」
「じゃ、やっぱりダメじゃん。」
「知り合いに催眠療法のできる医師とかはいないのか?」
「いや、おらん。見よう見まねだが、わしがやるしかあるまい。」
「え~。心配だな~。」
「…この小娘を黙らせられんのか?」
「悪いな。俺も努力してるんだが、それはどうも無理そうだ。」
はあ、と陳さんはため息をつき、その後平手を差し出した。
「まあ、とりあえず診察はここで終わりだ。ほれ、診察代。」
「ああ。助かったよ。ええと、2万だったか?」
「…足りん。」
「あれ?違ったか?それとも値上げした?」
俺の問いに、陳さんは首を振って答えた。
「入り口のドアの修理代。」
あ…。ちゃんと覚えてたのね…。
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