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終幕編
岩田襲来 探偵チームの岐路
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「さて…ちょっと状況を整理しよう。」
「なるべく早く頼むぜ。時間がないんだ。」
淡々と語るヒカルとは対照的に、秋山はしきりに足踏みをしたりと明らかに苛立って見える。
まあそれも無理もない。ぶん殴っても銃で撃たれてもビクともしないあの岩田がすぐそこまで来ているのだ。目的が分からない以上、すぐにでも離れたいところだろう。俺だってあんな化け物を相手にするのはゴメンだ。だがヒカルはそんな状況で気になることがあると言う。それは一体何なのか……。
重たそうに半身を起こして、ヒカルは口を開いた。
「…まずこれまでの経緯を振り返って見よう。数時間前、君らは『マモン』の本拠地、ブラックバンクに潜入、陳成龍を奪還した。この間、西馬君の事務所に“運び屋”零野が現れて須田君に発砲、アカリを連れ去っている。負傷した須田君がこの診療所に着いたのはそれからおおよそ一時間の間だろう。」
……そう。信じがたい事に、この一連の流れはほんの数時間の間に起きている。こんなトラブル続きの厄日は生まれて初めてだ。
「そして彼らは『コキュートスにて待つ』とメッセージを残していった。それから一二時間くらいの後、つまり今だが、もう一人の“運び屋”岩田がここに来ている。これが今の状況だね。」
ヒカルの話を、秋山はカラダをソワソワさせながら聞いていた。見るからにイラついた様子を見せている。
「んなこたぁ分かってる!だから早いとこ逃げようって…!」
「さて、ここで一つ疑問がわく。」
「……ああ?」
「岩田は何のためにここに襲いに来たんだろう。」
……うん?
「何ってそりゃあ……、『マモン』を台無しにした俺たちを殺すため?」
「それはおかしい。彼らはわざわざコキュートスに来るようにアカリを人質に取ったんだ。だというのにここで僕らを殺しに来るのは矛盾した行動だよ。」
……確かに。ここで俺たちやヒカルを殺すのならあんなメッセージを残す意味もないし、もっと手っ取り早い方法もあったはずだ。
「あの岩田が暴走してここに来た……という事はないですか?」
おずおずと須田も自身の推論を話す。
なるほど。組織の思惑を知らないまま、ここまで俺たちを追ってきた、というのも一つの可能性だ。だが須田の推論にもヒカルは首を振った。
「……彼ら“ルシフェル”の組織については僕も分からない部分が多い。だがあの“運び屋”は常にコンビで行動を取る。互いの連絡は非常に密にやっているはずさ。どこでどんな行動をしてどう動くか、までね。」
「じゃあこれもなんらかの組織的な意図があると?」
「おそらく……。」
歯切れの悪い答えをするヒカルに、秋山は相変わらずイライラした様子でまた尋ねる。
「じれってえな。つまり何が目的だってんだよ?」
「わかった……。結論を言おう。おそらく岩田の目的は……陳成龍だ。 」
「何……?」
俺たちが奪還した陳成龍が、あの岩田がやってきた目的……?どういうことだろう。
「馬鹿な。もう闇クラブの連中があのオッさんにこだわる理由は無いだろう。金融システムの『マモン』は崩壊。裏切り者の始末の為に来たのだとしても、今はヒカル、あんたとケリをつける大事な時だ。こんなところに人員を割いてる場合じゃないはずだ。」
「そう。そんな場合じゃないはず。なのに彼は今ここに来た。今現在、組織がどういう状況かよく分かってるはずなのに。」
……なるほど。考えれば考えるほど不自然だ。本来本拠地の守りを固めるべき時にこんなところにまで追って来ている。目的がヒカルや俺たちであるなら、わざわざ「コキュートス」とやらに誘き出した連中の計画はおジャン。なら目的は別にあると考えるのが自然か。いやしかし……。
「なあヒカル。それでも目的があの成龍のオッさんだ、ってのはちょいと早計じゃないか?まだ俺たちを狙ってやって来た可能性だってゼロとは…。」
「根拠ならあるよ。」
俺の意見を遮って、ヒカルはベッド側の簡易のタンスの引き出しから何かを取り出した。 それは透明の小さなビニール袋に入れられた一個の銃弾だった。
「……なんだよ。それは。」
「これは、須田くんから摘出された銃弾。つまりもう一人の“運び屋”零野が撃ったものだ。」
「それが証拠?」
「そうだ。」
ヒカルはビニール袋から銃弾を取り出すと、 弾頭部分を取り外して俺たちに見せた。その弾頭は何か装置のようで内部で赤い光が点滅していた。
「何だ?これ。普通の銃弾じゃねえな。」
「発信機さ。ここから電波を発信して位置を知らせてる。」
「発信機……だと?」
「零野はこの発信機付きの銃弾を須田くんに撃った。成龍のいるであろう、この診療所の位置を特定するためにね。」
「なるほど……。しかし須田がそんな都合よくこの診療所に向かうと予測できるもんかね?」
俺の問いにもヒカルは動じない。
「できるさ。それだけ彼らは僕らの行動を観察し、調べ上げている。怪我をしたならどこに向かうか、君たちの家はどこにあり、何時には事務所に誰がいて今誰がいないのか、それら全てをね。」
「そ、そこまで……?」
「現に須田くんとアカリは、秋山くん、西馬くんのいない時を狙われた。こちらの行動を把握していないとできない芸当だよ。」
むむむ……。確かにそうだ。
事務所が襲われたのは俺と秋山が「ブラックバンク」に乗り込んでいた時間。あの零野という男はそれから数時間の合間を狙ってきた。俺達の行動がわかってなけりゃ、そんなことは実行は難しいだろう。
「じゃあ……、あの男が銃弾を私に撃ったのは、この場所を見つける……ため……?私はまんまと奴らに診療所の場所を教えてしまったってこと……?」
唇を震わせながら、須田は誰にともなく呟いた。責任感の強い須田のことだ。アカリを連れ去られただけでなく、敵の策にまんまとはまってしまったと知ってショックなのだろう。
そんな彼女の様子を知ってか知らずか、ヒカルはまた淡々と話し始める。
「多分、彼らが知りたかったのは診療所の場所じゃない。」
「場所じゃない……?」
「彼らが知りたかったのは、須田くん、君がここに到着した時間、そして成龍がここにいるかどうかだ。」
「どういうことだ?」
「アカリが連れ去られた事を伝えなければならない、須田くんはその為に西馬くんと合流しようとするだろう。そして同時期に君は成龍を連れている。合流地点に向かえばそこには自然と成龍もいるって寸法さ。さらに須田くんの動きが止まれば、そこで合流地点に着いた事がわかる。それが作戦開始の合図にもなる。」
……なるほど。これで岩田のやってくるタイミングの良さにも合点がいく。だがまだ納得のいかない点もある。
「ヒカル。須田が電話で伝えようとする可能性だってあるだろ?奴らがそこまで考えていたなら、そこを予想しないとは思えないんだが。」
「それはないんじゃないかな。」
「どうして?」
「君、携帯持ってないだろ?」
「……あ。」
……なるほど。奴らは何もかもお見通しという訳だ。
「とにかく、推論ではあるけど岩田は成龍を狙っている可能性はたかい。それだけは確かだ。だがアカリが人質に取られている以上、ここで足止めされる訳にもいかない。」
「な……!成龍のオッさんを見捨てるってのか!」
さっきまで黙って聞いていた秋山が声を荒げる。非情とも取れるヒカルの物言いに我慢ならなかったんだろう。
「そうじゃない。さっきも言ったが成龍は奴らの重要な情報を持っている可能性がある。このまま死なせてしまうのはこちらにとっても損失だ。」
「損失ってお前……。」
「成龍を守りつつ、アカリを追う。」
「……それは、つまり…。」
……ようやく、ヒカルの真意が見えてきた。
俺たちがここでどう動くべきなのか、奴らにどう立ち向かうのかを。
「二手に分かれる、って訳だな?ヒカル。」
ヒカルはゆっくりと頷いた。
……やれやれ。ますます厄介になってきた。
ここに留まってあの化け物の相手をするのか。
アカリの捕まっている敵の本拠地真っ只中に向かうのか。
どちらに転んでも骨の折れそうな面倒な分かれ道を、俺たちは今選ばないといけないのだから。
「なるべく早く頼むぜ。時間がないんだ。」
淡々と語るヒカルとは対照的に、秋山はしきりに足踏みをしたりと明らかに苛立って見える。
まあそれも無理もない。ぶん殴っても銃で撃たれてもビクともしないあの岩田がすぐそこまで来ているのだ。目的が分からない以上、すぐにでも離れたいところだろう。俺だってあんな化け物を相手にするのはゴメンだ。だがヒカルはそんな状況で気になることがあると言う。それは一体何なのか……。
重たそうに半身を起こして、ヒカルは口を開いた。
「…まずこれまでの経緯を振り返って見よう。数時間前、君らは『マモン』の本拠地、ブラックバンクに潜入、陳成龍を奪還した。この間、西馬君の事務所に“運び屋”零野が現れて須田君に発砲、アカリを連れ去っている。負傷した須田君がこの診療所に着いたのはそれからおおよそ一時間の間だろう。」
……そう。信じがたい事に、この一連の流れはほんの数時間の間に起きている。こんなトラブル続きの厄日は生まれて初めてだ。
「そして彼らは『コキュートスにて待つ』とメッセージを残していった。それから一二時間くらいの後、つまり今だが、もう一人の“運び屋”岩田がここに来ている。これが今の状況だね。」
ヒカルの話を、秋山はカラダをソワソワさせながら聞いていた。見るからにイラついた様子を見せている。
「んなこたぁ分かってる!だから早いとこ逃げようって…!」
「さて、ここで一つ疑問がわく。」
「……ああ?」
「岩田は何のためにここに襲いに来たんだろう。」
……うん?
「何ってそりゃあ……、『マモン』を台無しにした俺たちを殺すため?」
「それはおかしい。彼らはわざわざコキュートスに来るようにアカリを人質に取ったんだ。だというのにここで僕らを殺しに来るのは矛盾した行動だよ。」
……確かに。ここで俺たちやヒカルを殺すのならあんなメッセージを残す意味もないし、もっと手っ取り早い方法もあったはずだ。
「あの岩田が暴走してここに来た……という事はないですか?」
おずおずと須田も自身の推論を話す。
なるほど。組織の思惑を知らないまま、ここまで俺たちを追ってきた、というのも一つの可能性だ。だが須田の推論にもヒカルは首を振った。
「……彼ら“ルシフェル”の組織については僕も分からない部分が多い。だがあの“運び屋”は常にコンビで行動を取る。互いの連絡は非常に密にやっているはずさ。どこでどんな行動をしてどう動くか、までね。」
「じゃあこれもなんらかの組織的な意図があると?」
「おそらく……。」
歯切れの悪い答えをするヒカルに、秋山は相変わらずイライラした様子でまた尋ねる。
「じれってえな。つまり何が目的だってんだよ?」
「わかった……。結論を言おう。おそらく岩田の目的は……陳成龍だ。 」
「何……?」
俺たちが奪還した陳成龍が、あの岩田がやってきた目的……?どういうことだろう。
「馬鹿な。もう闇クラブの連中があのオッさんにこだわる理由は無いだろう。金融システムの『マモン』は崩壊。裏切り者の始末の為に来たのだとしても、今はヒカル、あんたとケリをつける大事な時だ。こんなところに人員を割いてる場合じゃないはずだ。」
「そう。そんな場合じゃないはず。なのに彼は今ここに来た。今現在、組織がどういう状況かよく分かってるはずなのに。」
……なるほど。考えれば考えるほど不自然だ。本来本拠地の守りを固めるべき時にこんなところにまで追って来ている。目的がヒカルや俺たちであるなら、わざわざ「コキュートス」とやらに誘き出した連中の計画はおジャン。なら目的は別にあると考えるのが自然か。いやしかし……。
「なあヒカル。それでも目的があの成龍のオッさんだ、ってのはちょいと早計じゃないか?まだ俺たちを狙ってやって来た可能性だってゼロとは…。」
「根拠ならあるよ。」
俺の意見を遮って、ヒカルはベッド側の簡易のタンスの引き出しから何かを取り出した。 それは透明の小さなビニール袋に入れられた一個の銃弾だった。
「……なんだよ。それは。」
「これは、須田くんから摘出された銃弾。つまりもう一人の“運び屋”零野が撃ったものだ。」
「それが証拠?」
「そうだ。」
ヒカルはビニール袋から銃弾を取り出すと、 弾頭部分を取り外して俺たちに見せた。その弾頭は何か装置のようで内部で赤い光が点滅していた。
「何だ?これ。普通の銃弾じゃねえな。」
「発信機さ。ここから電波を発信して位置を知らせてる。」
「発信機……だと?」
「零野はこの発信機付きの銃弾を須田くんに撃った。成龍のいるであろう、この診療所の位置を特定するためにね。」
「なるほど……。しかし須田がそんな都合よくこの診療所に向かうと予測できるもんかね?」
俺の問いにもヒカルは動じない。
「できるさ。それだけ彼らは僕らの行動を観察し、調べ上げている。怪我をしたならどこに向かうか、君たちの家はどこにあり、何時には事務所に誰がいて今誰がいないのか、それら全てをね。」
「そ、そこまで……?」
「現に須田くんとアカリは、秋山くん、西馬くんのいない時を狙われた。こちらの行動を把握していないとできない芸当だよ。」
むむむ……。確かにそうだ。
事務所が襲われたのは俺と秋山が「ブラックバンク」に乗り込んでいた時間。あの零野という男はそれから数時間の合間を狙ってきた。俺達の行動がわかってなけりゃ、そんなことは実行は難しいだろう。
「じゃあ……、あの男が銃弾を私に撃ったのは、この場所を見つける……ため……?私はまんまと奴らに診療所の場所を教えてしまったってこと……?」
唇を震わせながら、須田は誰にともなく呟いた。責任感の強い須田のことだ。アカリを連れ去られただけでなく、敵の策にまんまとはまってしまったと知ってショックなのだろう。
そんな彼女の様子を知ってか知らずか、ヒカルはまた淡々と話し始める。
「多分、彼らが知りたかったのは診療所の場所じゃない。」
「場所じゃない……?」
「彼らが知りたかったのは、須田くん、君がここに到着した時間、そして成龍がここにいるかどうかだ。」
「どういうことだ?」
「アカリが連れ去られた事を伝えなければならない、須田くんはその為に西馬くんと合流しようとするだろう。そして同時期に君は成龍を連れている。合流地点に向かえばそこには自然と成龍もいるって寸法さ。さらに須田くんの動きが止まれば、そこで合流地点に着いた事がわかる。それが作戦開始の合図にもなる。」
……なるほど。これで岩田のやってくるタイミングの良さにも合点がいく。だがまだ納得のいかない点もある。
「ヒカル。須田が電話で伝えようとする可能性だってあるだろ?奴らがそこまで考えていたなら、そこを予想しないとは思えないんだが。」
「それはないんじゃないかな。」
「どうして?」
「君、携帯持ってないだろ?」
「……あ。」
……なるほど。奴らは何もかもお見通しという訳だ。
「とにかく、推論ではあるけど岩田は成龍を狙っている可能性はたかい。それだけは確かだ。だがアカリが人質に取られている以上、ここで足止めされる訳にもいかない。」
「な……!成龍のオッさんを見捨てるってのか!」
さっきまで黙って聞いていた秋山が声を荒げる。非情とも取れるヒカルの物言いに我慢ならなかったんだろう。
「そうじゃない。さっきも言ったが成龍は奴らの重要な情報を持っている可能性がある。このまま死なせてしまうのはこちらにとっても損失だ。」
「損失ってお前……。」
「成龍を守りつつ、アカリを追う。」
「……それは、つまり…。」
……ようやく、ヒカルの真意が見えてきた。
俺たちがここでどう動くべきなのか、奴らにどう立ち向かうのかを。
「二手に分かれる、って訳だな?ヒカル。」
ヒカルはゆっくりと頷いた。
……やれやれ。ますます厄介になってきた。
ここに留まってあの化け物の相手をするのか。
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