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第1章
ねぎらい
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「おかえり、アイル。お疲れ様」
「……はい。ただいま帰りました……」
「……? 元気がないな。長時間だったから疲れたか?」
優しく尋ねてくれるアンソニーから微妙に視線をそらしつつ、アイルは言った。
「い、いえ……。あ、あの、僕、うまく陛下のお相手が出来なくて……。ごめんなさい」
「そうなのか?」
アンソニーは不思議そうに言った。
「父上はアイルを褒めてらしたぞ」
アンソニーが最終試験のお礼を言いに行った時、国王はなかなか上機嫌で、「心を折ってやろうと思って色々やったが、最後まで諦めずに食らいついてきてなかなか面白かった」と言っていたのだ。
「でも、いっぱい叱られて……、ご満足いただけなかったと思います」
「ああ、それはお前を試しているだけで、本当に怒っているわけじゃないと思うぞ」
「そう、なんですか……?」
アイルは半信半疑といった様子で、アンソニーの顔を見た。
「ああ。アイル。たくさん頑張ってくれてありがとう。よくやったな」
「アンソニー様……」
アイルは目に涙を貯めて、うっと声を詰まらせた。長い家政試験の中で、失敗もたくさんしたけれど、アンソニーはアイルの頑張りを認めてくれたのだ。それがうれしかった。
「今日はよく休みなさい。明日からは試験はないけれど、お前はこれからも俺の奴隷として働いていくんだからな」
「……アンソニー様……! は、はい! 僕、これからも頑張ります!!」
うれしい。結果が良いものであれ、悪いものであれ、アンソニーはこれからもアイルを可愛がってくれるつもりなのだ。優しく頭を撫でてくれるアンソニーの手に甘えて、アイルはうっとりと目を閉じた。
やれるだけのことはやった。後は結果を信じて待つしかない。
「……はい。ただいま帰りました……」
「……? 元気がないな。長時間だったから疲れたか?」
優しく尋ねてくれるアンソニーから微妙に視線をそらしつつ、アイルは言った。
「い、いえ……。あ、あの、僕、うまく陛下のお相手が出来なくて……。ごめんなさい」
「そうなのか?」
アンソニーは不思議そうに言った。
「父上はアイルを褒めてらしたぞ」
アンソニーが最終試験のお礼を言いに行った時、国王はなかなか上機嫌で、「心を折ってやろうと思って色々やったが、最後まで諦めずに食らいついてきてなかなか面白かった」と言っていたのだ。
「でも、いっぱい叱られて……、ご満足いただけなかったと思います」
「ああ、それはお前を試しているだけで、本当に怒っているわけじゃないと思うぞ」
「そう、なんですか……?」
アイルは半信半疑といった様子で、アンソニーの顔を見た。
「ああ。アイル。たくさん頑張ってくれてありがとう。よくやったな」
「アンソニー様……」
アイルは目に涙を貯めて、うっと声を詰まらせた。長い家政試験の中で、失敗もたくさんしたけれど、アンソニーはアイルの頑張りを認めてくれたのだ。それがうれしかった。
「今日はよく休みなさい。明日からは試験はないけれど、お前はこれからも俺の奴隷として働いていくんだからな」
「……アンソニー様……! は、はい! 僕、これからも頑張ります!!」
うれしい。結果が良いものであれ、悪いものであれ、アンソニーはこれからもアイルを可愛がってくれるつもりなのだ。優しく頭を撫でてくれるアンソニーの手に甘えて、アイルはうっとりと目を閉じた。
やれるだけのことはやった。後は結果を信じて待つしかない。
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