25 / 27
新しい関係 2
しおりを挟む
「先生……、僕……、ごめんなさい」
翔太は野嶋に謝りながら、泣いていた。
「他の奴に触らせるなって言われたのに、僕……」
野嶋はそっと翔太の隣に腰かけると、ぎゅうっと抱きしめた。
「あ……、せ、先生?」
翔太は戸惑った声を上げて、そろそろと野嶋の顔を見上げた。
「……すまなかった」
野嶋は後ろめたくて、翔太の目が見られなかった。
「俺は、お前にずっとひどいことを……。今日、はじめて、お前が襲われているところを映像でなはなく、この目で見て、自分がいかに取り返しのつかないことをしてきたのかが分かった。俺はあまりにバカだった……。お前は最初から、こうやって助けを求めていたんだな」
胸がぐうっと塞き上げて、野嶋はことばに詰まった。涙がぽろぽろとこぼれる。
「泣かないで、先生……」
「そうだな……。俺に泣く資格なんてない。お前にたくさんひどいことをしたのは俺なんだから……」
「で、でも! 先生は助けに来てくれた……」
「でもあいつらと俺のやってたことは何も変わりはない。むしろ、俺の方が悪い。俺はお前を無理やり……!」
「そ、そんなこと……」
「望月。俺は教師を辞めるよ。それで許されると思っているわけではないが……、せめてものけじめとして。もう、お前が俺の顔を見なくてもすむように」
「な、なんで……! どうしてですか? もう会えないってこと?」
「望月。俺はお前にはふさわしくない。これからのお前の人生には、俺がいない方がいいんだ」
「そんなわけない!」
翔太は泣き叫んだ。
「先生は無責任だ! 僕の処女を奪っておいて、今さらもっともらしいことを言って、僕を捨てようっていうの?」
「そうじゃない。お前のために言っているんだ」
「嘘だ! 先生はこれっぽっちも僕のためになんか考えてない! もう僕の体は先生なしじゃいられないようにされちゃったのに! ちゃんと責任取ってよお!」
「望月……」
翔太は野嶋の足に取りすがって泣いた。
「いまさらひどいよ……。本当に悪いと思っているのなら、ちゃんと最後まで僕の面倒を見てよ」
野嶋はソファの前に膝をつき、翔太の顔をのぞきこんだ。
「お前はそれでいいのか。俺みたいなダメな男でいいのか」
「最初から言ってるでしょ。僕は先生が好きだから、何をされたっていい」
「望月……!」
野嶋はそっと翔太の頬を両手で包むと、優しく口づけた。
「んっ、んむぅ……」
そのまま野嶋は翔太をソファに寝かせた。
「先生……」
「望月……、愛してる」
はじめて、愛していると言われた。
翔太の目から涙がぼろぼろと零れ落ちた。
「ぼ、僕も……! 愛してます!」
今度は翔太から野嶋にキスし、そのキスは徐々に深いものになっていく。
翔太は野嶋に謝りながら、泣いていた。
「他の奴に触らせるなって言われたのに、僕……」
野嶋はそっと翔太の隣に腰かけると、ぎゅうっと抱きしめた。
「あ……、せ、先生?」
翔太は戸惑った声を上げて、そろそろと野嶋の顔を見上げた。
「……すまなかった」
野嶋は後ろめたくて、翔太の目が見られなかった。
「俺は、お前にずっとひどいことを……。今日、はじめて、お前が襲われているところを映像でなはなく、この目で見て、自分がいかに取り返しのつかないことをしてきたのかが分かった。俺はあまりにバカだった……。お前は最初から、こうやって助けを求めていたんだな」
胸がぐうっと塞き上げて、野嶋はことばに詰まった。涙がぽろぽろとこぼれる。
「泣かないで、先生……」
「そうだな……。俺に泣く資格なんてない。お前にたくさんひどいことをしたのは俺なんだから……」
「で、でも! 先生は助けに来てくれた……」
「でもあいつらと俺のやってたことは何も変わりはない。むしろ、俺の方が悪い。俺はお前を無理やり……!」
「そ、そんなこと……」
「望月。俺は教師を辞めるよ。それで許されると思っているわけではないが……、せめてものけじめとして。もう、お前が俺の顔を見なくてもすむように」
「な、なんで……! どうしてですか? もう会えないってこと?」
「望月。俺はお前にはふさわしくない。これからのお前の人生には、俺がいない方がいいんだ」
「そんなわけない!」
翔太は泣き叫んだ。
「先生は無責任だ! 僕の処女を奪っておいて、今さらもっともらしいことを言って、僕を捨てようっていうの?」
「そうじゃない。お前のために言っているんだ」
「嘘だ! 先生はこれっぽっちも僕のためになんか考えてない! もう僕の体は先生なしじゃいられないようにされちゃったのに! ちゃんと責任取ってよお!」
「望月……」
翔太は野嶋の足に取りすがって泣いた。
「いまさらひどいよ……。本当に悪いと思っているのなら、ちゃんと最後まで僕の面倒を見てよ」
野嶋はソファの前に膝をつき、翔太の顔をのぞきこんだ。
「お前はそれでいいのか。俺みたいなダメな男でいいのか」
「最初から言ってるでしょ。僕は先生が好きだから、何をされたっていい」
「望月……!」
野嶋はそっと翔太の頬を両手で包むと、優しく口づけた。
「んっ、んむぅ……」
そのまま野嶋は翔太をソファに寝かせた。
「先生……」
「望月……、愛してる」
はじめて、愛していると言われた。
翔太の目から涙がぼろぼろと零れ落ちた。
「ぼ、僕も……! 愛してます!」
今度は翔太から野嶋にキスし、そのキスは徐々に深いものになっていく。
14
お気に入りに追加
211
あなたにおすすめの小説



こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…


身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる