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新しい関係 1
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「何をしている」
そこには怖ろしい顔をした野嶋が、仁王立ちで立っていた。
「せ、先生。違うんですこれは……」
大澤が言い訳をしようとしたが、野嶋はそれを遮って、「望月から離れろ!」と一喝した。大澤は慌てて翔太の上から退いた。大澤の垂れ下がったままのズボンがカチャカチャと間抜けな音を立てた。
野嶋は上着を脱ぐと、翔太の身体に掛けて、大澤から翔太の局部が見えないようにした。
「ここで見たことは黙っておいてやる。お前も犯罪者になりたくなければ、二度と望月に近づくな。いいな?」
ドスの利いた声で言う野嶋に、大澤はコクコクと無言でうなずいた。
「とっとと行け!」
野嶋に言われて、大澤は走って逃げて行った。
助かったんだ。
そう思った瞬間、へなへなと身体の力が抜けて、翔太は便器から滑り落ちた。
「おい!」
慌てて野嶋が翔太の腰を抱き、身体を支えた。
「歩けるか?」
幾分優しい声で野嶋に言われて、翔太はゆっくりとうなずいた。
理科準備室に連れて行かれた翔太は、ソファに座らされた。野嶋は黙っていた。助かった、という気持ちと、野嶋に見られたくなかった、という苦しみが一気に襲ってきて、翔太は泣き崩れた。
野嶋は黙っていた。さっき見た光景が目に焼き付いて離れなかったのだ。あの時、翔太の性器は反応していた。しかし、その顔は恐怖に歪み、必死に助けを求めていた。身体は心を裏切って、それに翔太は苦しんでいた。
最初からそうだったのだろうか?
翔太が痴漢される映像をはじめて見た時、野嶋は男に媚び甘えるような翔太の声に血がわき立つほど怒りを感じた。しかし、その表情は映像に映っておらず、見る事が出来なかった。その時も今日と同じように、本当は、翔太が苦しんでいたのだとしたら?
野嶋に抱かれるとき、翔太はいつも喜んでいるように見えた。ほとんどレイプまがいに抱いた最初から、翔太は心から喜んでいたように思う。そんな彼を淫乱だと思ったからこそ、野嶋は常に苛立ち、翔太をひどく扱っていたのだ。でもそれが全て勘違いだったとしたら……。彼は野嶋のことを好きだと言っていた。好きだからうれしいのだと。それが本当だったなら。
俺は彼になんてひどいことをしてしまったんだろう。
そこには怖ろしい顔をした野嶋が、仁王立ちで立っていた。
「せ、先生。違うんですこれは……」
大澤が言い訳をしようとしたが、野嶋はそれを遮って、「望月から離れろ!」と一喝した。大澤は慌てて翔太の上から退いた。大澤の垂れ下がったままのズボンがカチャカチャと間抜けな音を立てた。
野嶋は上着を脱ぐと、翔太の身体に掛けて、大澤から翔太の局部が見えないようにした。
「ここで見たことは黙っておいてやる。お前も犯罪者になりたくなければ、二度と望月に近づくな。いいな?」
ドスの利いた声で言う野嶋に、大澤はコクコクと無言でうなずいた。
「とっとと行け!」
野嶋に言われて、大澤は走って逃げて行った。
助かったんだ。
そう思った瞬間、へなへなと身体の力が抜けて、翔太は便器から滑り落ちた。
「おい!」
慌てて野嶋が翔太の腰を抱き、身体を支えた。
「歩けるか?」
幾分優しい声で野嶋に言われて、翔太はゆっくりとうなずいた。
理科準備室に連れて行かれた翔太は、ソファに座らされた。野嶋は黙っていた。助かった、という気持ちと、野嶋に見られたくなかった、という苦しみが一気に襲ってきて、翔太は泣き崩れた。
野嶋は黙っていた。さっき見た光景が目に焼き付いて離れなかったのだ。あの時、翔太の性器は反応していた。しかし、その顔は恐怖に歪み、必死に助けを求めていた。身体は心を裏切って、それに翔太は苦しんでいた。
最初からそうだったのだろうか?
翔太が痴漢される映像をはじめて見た時、野嶋は男に媚び甘えるような翔太の声に血がわき立つほど怒りを感じた。しかし、その表情は映像に映っておらず、見る事が出来なかった。その時も今日と同じように、本当は、翔太が苦しんでいたのだとしたら?
野嶋に抱かれるとき、翔太はいつも喜んでいるように見えた。ほとんどレイプまがいに抱いた最初から、翔太は心から喜んでいたように思う。そんな彼を淫乱だと思ったからこそ、野嶋は常に苛立ち、翔太をひどく扱っていたのだ。でもそれが全て勘違いだったとしたら……。彼は野嶋のことを好きだと言っていた。好きだからうれしいのだと。それが本当だったなら。
俺は彼になんてひどいことをしてしまったんだろう。
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