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4『理想のその先へ』

4 第三章第五十話「天界編⑤ 赤と黒の流星」

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最初見た時から、アグレシアのことは気に食わない男だとシェーンは思っていた。

言動がどこかちゃらんぽらんで、不真面目という程ではないけれど、ふざけているように見える。

特にセラへの態度。あれは本当に酷い。セラを尊敬し崇めているのは分かるが、その崇め方が酷い。セラの後をどこまでも追いかけようとするし、何度も浴場まで侵入しようと試みていたし。変態。ストーカー。そんな単語が適している気がしてならない。

だから、セラに近づけてはならないと何度も思った。自分がセラを守らなければならないと。

ただ、本当は分かっていた。

あのイカレ具合に困ったように笑うことも多かったけれど、でも確かにアグレシアが傍にいるようになってからセラの笑顔は前よりも増えた。

アグレシアはそれを分かっている。そうなるようにセラと接している。

ふざけた自分を演じてまで、セラの笑顔を生み出していた。

セラの心を豊かにしていた。

それだけ、セラのことを想っているのだ。

それが結果として人族の解放までセラを至らせたのだと、シェーンは思っている。そう考えるだけの余裕をセラに作るのはシェーンだけでは無理だったと。

だから、気に食わないけれど認めざるを得ない。

 

奴ほどセラを任せられる者もいない。

 

シェーンとアグレシアでは役割が違うのだと思う。

シェーンはセラの心の拠り所になり、アグレシアはその心を豊かにする。

どちらが欠けてもいけないもの。片方だけでは成立しないもの。

アグレシアのことだ。きっとそれを分かっていることだろう。

分かっていて、こう言ったのだ。

 

「シェーン、セラ様を任せたよ」

 

無意識のうちに伸ばした手が、奴に届くことはなく。

次の瞬間、アグレシアは八岐大蛇の放った高密度のレーザーに飲み込まれて消失した。

目の前で掻き消えた。

胸にポッカリと穴が開いたような感覚。片割れを失ったことによる喪失感。

いつの間にか涙が溢れていた。犬猿の仲に違いないのに、涙が止まらなかった。

それでも身体は動いた。

アグレシアの言葉に動かされた。

伸ばしていた手に託された想いが、身体を突き動かした。

「っ」

急いでセラの元へ行き、その場から離れる。目の前の光景に、信じたくない光景に呆然自失の彼女は無抵抗でシェーンに動かされていた。

八岐大蛇の放ったレーザーはアグレシアを消し去っても勢いを止めない。そのまま大地を穿ち、どんどん地表を溶かして奥へ奥へと突き進んでいく。

そしてセラとシェーンが離れた瞬間、地中で大爆発が起きた。大地が勢いよく膨れ上がったかと思うと、巨大な炎の柱が天高く飛び出した。

「―――!」

あまりの熱量と衝撃に、近くにいた二人は勢いよく吹き飛ばされた。宙を回転しながら吹き飛び、でもシェーンはセラを抱きしめて離さない。勢いそのままに地面を何度も転がったが、剣を突き刺してどうにか勢いを殺すことに成功した。

衝撃と轟音、何より転がった際に何度かぶつけたせいで頭が弾けそうになるくらい痛む。

「っ、セラ様、ご無事ですか!」

垂れてくる血を無視してセラへと視線を向けると、セラは変わらず我を失うようにアグレシアがいたはずの場所に視線を向けていた。今は大爆発の衝撃で煙に包まれてしまっているが、彼女はその中にまだアグレシアが生きていると信じているようにも見えた。

嘘、嘘です。

信じたくなかった。

目の前で見た光景が全てだと分かっている。けれど、信じたくない。

アグレシアが消失した。

突然いなくなったのではなく、掻き消された。

殺された。

私達を救う為に。

私の力不足を補う為に。

「ううぅっ!」

セラは大地に蹲った。

あの時と同じだ。

ベグリフの闇で、エイラとフィグルが目の前で消えた時と同じ感覚。

自分の心臓にぽっかり穴が開いてしまった。苦しくて悲しくて辛くて、身体を動かすことが出来ない。

あの時はゼノの姿が立ち上がる力をくれた。でも、今ここにゼノはいない。ゼノはまだ意識を失ったままだ。

それに、立ち上がってもどうにも出来ない。今込められている魔力では、《神鳴り》を放っても八岐大蛇を貫けない。あの凄まじい硬度をもつ怪物を倒せない。

ぽっかり空いた穴から闇が溢れていく。目を覚まさないゼノ、無力な自分、アグレシアの死が穴を一層大きくしていく。

「勝て、ない……」

その穴から、涙と共に零れた言葉。

 

シェーンは、セラの手を引いて八岐大蛇へと飛び出した。

 

翼を強く羽ばたかせ、セラごとシェーンは素早く前へと進んでいく。先程の爆発で視界一杯煙だらけの所へと向かっていく。

「シェーン……」

シェーンはセラを振り返らずに言葉を放った。

「セラ様、私の魔力をお使いください! セラ様の魔力コントロールならば、私の魔力を包み込んで自らの力とすることが出来るはずです!」

魔力の型は人それぞれで、融合することはない。だがシェーンの言う通り、彼女の魔力をセラが自分の魔力で包んで、無理矢理凝縮することは可能だろう。

でも、それでも。

「……それでも無理です。力も時間も、まだ足りません」

最低でもあと十五分は必要だった。その間に魔力を更に込め、凝縮して一撃を高めなければならない。シェーンが魔力をくれたとしても、凝縮する時間が少ない。

強化こそできるが、あの硬度を穿つのはまだ無理だった。

そんな彼女の手を、シェーンはギュッと強く握りしめた。二人が黒煙の中に侵入する。

「セラ様、アグレシアの引き出したあの怪物の一撃は多大な魔力を消費するものでした。セラ様の《神鳴り》が相手にとってそれだけ脅威だったという証拠です。そして、奴は全力でそれを放った。それがどういうことか分かりますか」

「……」

 

「あれの硬度は今、ほぼ間違いなく低下しています」

 

……!

セラの瞳に、光が揺れる。

「あの怪物は信じ難いですが魔力で出来ています。つまり、あの鱗の硬さも魔力が原因です。そして、今まで一度も見せなかった先程の攻撃手段。何故見せてこなかったのでしょう。きっとそれは、硬度に回している魔力を攻撃に回さなくてはならないから。硬度を犠牲に、攻撃を高めていたのです」

それ程までにセラの攻撃を脅威だとした。防御で受け止めるのではなく、攻撃で排除しようとした。セラさえ排除できれば、攻撃を貫かれることはないと踏んだ八岐大蛇は、その後の防御を捨てたのだ。

アグレシアが作った、最大の好機だった。

「今なら、通じるのです。奴に刃が届くのです……だから、セラ様っ!!」

言葉と共に、握った掌からシェーンが魔力をセラへと流し込んでいく。

魔力だけではない。

想いを。

自分の想いと、その手に掴んでいた。

 

アグレシアの想いを乗せて。

 

「……ごめんなさい、シェーン」

「っ」

その言葉に初めてセラへと振り向くシェーン。

瞳には、泣き笑うセラが映っていた。

「もう、大丈夫ですっ」

その表情に、シェーンもまた涙が込み上げてきた。

セラには伝わっていた。シェーンとアグレシアの気持ちが。

ずっと傍に居てくれた二人の想いが。

命を懸けてまで未来を作ってくれたアグレシア。

その未来へと手を引っ張ってくれるシェーン。

二人の想いが、セラを再び前に進ませる。

まさか死んだら役目返上するつもりだったか?

愛しい人の笑顔に、シェーンは思わざるを得ない。

例え死んだとしても、何も変わらない。

シェーンとアグレシアでは役割が違うのだから。

 

私と貴様は二人で、セラ様の傍に居続けるのだ。

 

ぎゅっとセラも握る力を強くした。

「シェーン、もっとです、もっと魔力を!」

「っ、はい!」

シェーンから溢れ出る魔力。それを上手く自分の魔力で搦めとって、一緒にレイピアへと込めていく。

今はまだ煙の中。八岐大蛇もこちらを視認していない。この間に、精一杯力を蓄えていく。

元々溜めていた分もある。まだ八岐大蛇の硬度がどれだけ下がっているか判断できないが、もうやるしかない。

絶対に貫く。

魔力だけではない、想いも込められたこの一撃で!

黒煙から飛び出した。セラ達の存在に八岐大蛇が気付く。

「行ってください、セラ様っ!」

シェーンがセラを前に押し出すように投げた。元々疲弊していた所に魔力の供給。これ以上ついていくのは邪魔になるという判断の末だった。

勢いよくセラが低空を翔ける。目指すは八岐大蛇、首の根元。

そこにこの怪物を操っている者がいるはず。

セラの接近に気付き、近かった二匹の青大蛇が阻むべく近くに寄っていく。

だが、動きが鈍い。シェーンの言う通り八岐大蛇もまた疲弊している。

これなら、魔力を解放すれば振り切ることが出来る。

「セラ、まだ温存しなさい!」

「っ、シノお姉様!」

頭上からかけられる声。いつの間にかシノが傍まで来てくれていた。

「あなたはその一発に全力を注いで! ここは私達が!」

「っ、はい!」

「これが今出せる全力! 《天衣・仙光轟!》」

シノが残りの魔力を全て解放する。身体から溢れた魔力が光に変わり、シノを包む。まるで天女のような出で立ち。そしてその頭上には、巨大な光の腕が浮かんでいた。シノの肘から先が光で顕現している。青大蛇程大きくないが、それでも十分な大きさだった。

青大蛇が二手に分かれて左右から同時に攻撃を仕掛けてくる。

「これでも、喰らいなさい!!」

シノの拳に呼応するように、頭上の腕が強く拳を握りしめて突き出される。勢いよく放たれたそれは、左から向かって来ていた青大蛇の眉間に炸裂し、見事に吹き飛ばしていた。

シノの一撃が強いこともあるが、やはり青大蛇は弱まっている。

だが、まだ右から青大蛇が攻めて来ていた。同時だけあって、振り向いてもう一撃喰らわせる余裕がない。

瞬間、シノの向きが真逆になった。左を向いていた身体が右へ。頭上の光腕もだ。

セラ達の背後に、エクセロはいた。

もう魔力は枯渇しており、身体も限界。動かすだけで全身が痛む。

けれど、これで本当に最後。

空間の入れ替えではなく、魔力消費の少ない空間の反転。

「さぁ姉様、どうぞお好きなように」

「タイミング完璧よ、エクセロ!」

向きが変わり、青大蛇の正面にシノが迫る。先程殴った勢いのまま、拳を身体に寄せて力を溜める。そして、眼前まで迫った青大蛇の側面に、強烈な裏拳を叩き込んだ。

二匹とも身体を波打たせて吹き飛んでいく。

その間を縫うように、セラは前へと突き進んでいく。

遂に迫る、八岐大蛇の根元。

彼女の行く手を遮るものは何もない。

全員で繋いだ力、想いが剣先で光る。

そして、セラは解き放った。

 

「《神鳴り!》」

 

轟音と共に、レイピアから魔力が解放される。瞬間、根元の皮膚を穿った。周囲に鱗が飛び散っていく。

「っ……ぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!」

確かに鱗の硬度こそ下がっているが、《神鳴り》も万全とは言えない。最初の一撃のように、一瞬で貫くことは出来なかった。

だが、確実に押している。

まるで鍔迫り合いのように両者一歩も引かないが、段々とセラが掘り進むように前へと進んでいく。

負けられない、負けられないのです……!

その瞳に再度宿った光が、セラを強くしていた。

徐々に徐々にと、セラが根元の中心部まで穿っていく。

その時。

 

「っ、マズい!」

 

場にそぐわないような幼い声が、セラに届いた気がした。

途端、八岐大蛇の様子が変わり始める。

まるで根元を守るかのように、自分自身に巻き付き始めたのだ。

幾つも幾つも層になって、外部からの侵入を拒もうとしていた。

「っ、セラ!」

当然、根元にいるセラの姿が見えなくなる。

一体何をするつもりなの……!?

分からないが、異常事態であることは確かであった。

「セラ様、今……っ!」

慌ててシェーンが飛び出そうとするが、身体が思うように動かない。

シノもエクセロも。全員満身創痍であった。

その中心にセラがいると分かっていても、段々とドーム状に積み重なっていく蛇達をじっと見つめるしかなく。

勝利を期待した心に、焦りと絶望が生まれ始めようとする。

その時だった。

 

 

赤と黒の流星を見た。

 

 

シェーンは目を見開いた。

あれは……!

二つの流れ星は凄まじい速度で八岐大蛇へと降り注ぎ、折り重なる大蛇の間を縫うようにして、その中に入っていったのだった。

 

※※※

 

気付いた時、セラは広々とした空間に浮かんでいた。

あ、あれ……?

先程まで八岐大蛇を貫こうと頑張っていたのに。いつの間にか手応えがなく、見渡せば灰色に淀んでいる空間に出ていた。上下左右前後全て似たような空間が続いていて、果てがあるのかどうか。

本当に何もない空間。そこにセラは佇んでいた。

 

「まさか、ここまで入ってくるなんて……」

 

「っ!」

突如聞こえてきた声に、セラは臨戦態勢をとる。

あの声、先程聞いた気がする。どこか子供の様に幼い声。なのに、今は凄い威圧感を感じた。

声の主は、セラの遥か正面に黒い翼をはためかせて浮かんでいた。

背は低く、子供のような少女。黒髪は無造作にあちこちで跳ねているが、気にした様子もなく腰まで伸ばしている。胸部と下半身だけ黒く身を包んでおり、ぴっちりした服が体のラインを強調していた。

見た目は幼い。だが、セラの本能が言っている。

あの少女が、八岐大蛇を操っていた。

つまり、それ程の魔力を有しているということ。セラ達が束になっても厳しい相手だということ。

侮れるわけがない。

それに、許せるわけがない。

少女はアグレシアを殺したのだから。

「……!」

レイピアを構えるセラに、少女レイニーが苛立つように言う。

「邪魔を、しないでよ……。さっさと天界を滅ぼして、ベグリフ様に褒めてもらうんだから!」

レイニーの両手に大剣が生み出される。銀製にも見える大剣だが、間違いなく魔力で生み出されたものだろう。それも八岐大蛇のあの硬い鱗を作りだしていた魔力で。

正直、一人で勝てるとは思えない。

八岐大蛇という怪物を生み出す少女には一人で勝てるわけがない。

でも、ここまで来て諦められなかった。

繋いでくれた皆の想いが、私を先に進ませる。

「負けるわけには、いきません!」

言い聞かせるように、そう放った。

 

 



「当然だな」

「ですね」


 

 

返ってきた言葉に、セラの身体は動きを止めた。

……え?

理解できず、思考が止まる。

だが、止まった視界に映りこむように何者かがセラの前へ。

余りにも見慣れた姿に、一瞬幻かと思うけれど。

「でも、無理はしないで下さいね。身体ボロボロなんですから」

「そっちこそ、四魔将と戦ってたって言ってたじゃないか。疲れてるなら帰っていいぞ」

「……はぁ、やっぱり心臓貫いてでも無理矢理帰すべきでしたね」

「んー、どこへ? どこへ帰そうとしてるのかな?」

「《馬鹿、くだらない話していると体力持ってかれるわよ》」

全身の感覚が、そこに確かに存在していると叫んでいる。

「な、なんで……――」

驚いて言葉にもできないセラへ、二人が振り返る。

「さて、セラ。山ほど話したいことはあるけどさ」

「まずはあの敵を倒しちゃいますか」

そう言って、ゼノとエイラが笑いかけたのだった。
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