カイ~魔法の使えない王子~

愛野進

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番外小話集

その4

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4第一章第一話「カイという道標」より

その後
カイ「…母さん、もういいよ。ありがとう」
セラ「あら、遠慮しないで。もっと抱きしめさせて」
カイ「~~っ///恥ずかしいんだよ!」
セラ「周りには誰もいないわ?」
カイ「そういう問題じゃない、のっ!」
セラ「きゃっ…もう。カイもそういう年頃なのね。ミーアはまだまだ全然抱きついてくれるわよ?」
カイ「同性同士ならそうでしょうね!?てかあいつまだ子供だし!」
セラ「私にとってはカイも、デイナもライナスもず~っと子供よ?」
カイ「…兄貴達にもやってるの?」
セラ「勿論。二人共嫌がるけどそんな拒絶もしないし」
カイ「…諦めてるんだろうな」
セラ「要はね、どんなに歳を取ったって皆私の子供であることは変わらないってこと。だから、悩んだり辛かったりする時はいつでもおいで?」
カイ「…ありがとう」
セラ「…それにしても、うちの子供は本当に可愛いわね!」
カイ「く、来るな親馬鹿ーーー!」


4第一章第四話「ミーアのお節介」より

シーナが来る前の日常
ミーア「お兄ちゃん早くしてよ!次の店で今セールやってるの!売り切れちゃうでしょ!」
カイ「もういらねえだろ!?こちとら持ちきれないわ!」
ミーア「男の癖してだらしない!ダリルはその倍持ってくれたよ!」
カイ「ダリルもやらされてんのかよ…。というか魔法使えよ!」
ミーア「…はっ!?」
カイ「いや「はっ!?」じぇねえよ!ふざけんな!」
ミーア「で、でもこんなに人がいると無暗に使えないでしょ!いいの!どうせお兄ちゃんいるんだし!いつも暇でしょ!」
カイ「何だと思ってやがる…」
※※※
カイ「ということがあってさ、結局魔法を使わず人を使うんだ、アイツ」
セラ「そう。きっとお兄ちゃんと遊びたがっているのね」
カイ「ミーアがぁ?昔は後ろをついてきてたけど、今はツンツンしてるぞ」
セラ「素直になれないだけよ、カイと同じでね」
カイ「え?」
セラ「結局手伝ってあげる癖に」
カイ「…」


とある日常編1

ミーア「お母さーん!」
セラ「あら、こんな夜更けにどうしたの?イデアさんまで」
イデア「捕まっちゃいました…笑」
ミーア「パジャマパーティしようよ!楽しそうでしょ!?」
セラ「それはそれは、是非やりましょう!」
イデア「即答なんですね…というか、ミーアと同じくらい眼がキラキラしている気がします…」
セラ「やったことないからとても楽しみだわ!」
ミーア「ね!」
イデア「…しっかり親子ですね笑」
~~~
ミーア「…むにゃぁ」
イデア「すぐに寝ちゃいましたね」
セラ「まだまだ子供だもの。夜更かし出来ないのよねヾ(・ω・*)ナデナデ」
イデア「お義母様が傍にいるから、安心しているんだと思います」
セラ「イデアさんも気にせず寝ていいのよ。あなただってもう私の子供なんだから」
イデア「お義母様…」
セラ「これからも、カイの事を、よろ、し……zzz」
イデア「本当、可愛らしい親子だ…(^▽^)」


とある日常編2

カイ「くそっ、母さんはいつも俺を子ども扱いだ!」
デイナ「諦めろ、あれはもうそういう生き物だ」
カイ「デイナが悟った顔してる…」
ライナス「逃れようものなら地獄まで追いかけてくるだろう」
カイ「ライナスまで!?」
ミーア「もう、お兄ちゃん達!お母さんの事を何だと思っているの!」
デイナ「なにっ、ミーア!」
ライナス「まずい、逃げるぞ!」
カイ「え、二人共どうしたんだ!?」
デイナ「ミーアは母様の諜報員なんだ!」
ミーア「お母さんに言ってやろう!」
カイ「チクリ、だと!?一体どうすれば…!」
ライナス「物で釣って約束しても無駄だ!奴は何かの拍子でぼろっと言ってしまう!」
カイ「最悪じゃねえか!」
ミーア「お母ーさーん!」
カイ「逃げるしかねえ!!」
ライナス「さらばだ!」
カイ「あ、転移ずるいぞ!!」
ドタドタ…
イデア「……母親って大変なんだなぁ」


とある日常編3

天界にて
セラ「メア!何処に行くんですか!?」
メア「少し気分転換!」
シノ「勉強は!?」
メア「後で!」
エクセロ「ケーキは?」
メア「今食べる!(´~`)モグモグ」
エクセロ「逃がしませんよー?」
メア「しまった!?きゃー!」
シノ「…エクセロはメアの扱いが上手ね」
セラ「何かコツでもあるんでしょうか?」
エクセロ「うーん、メアはお母様や私達の家族ですから。不思議と三人に対する対処法と似てくるんですよね」
セラ「え、対処法?」
エクセロ「どんな時でもセラにはゼノの話とか、お姉様にはお風呂の話とかすると食い付きます」
シノ「なるほど、好きなものの話ってことね」
セラ「私達って、そんなに単純な女性でしたっけ…」
シノ「でも、流石エクセロね」
セラ「じゃあ、ケーキをあげるのは…」
エクセロ「お母様は甘いものが大好きでしたから」
セラ「そう、でしたね…」
シノ「…メアもちゃんと家族ね」


とある日常編4

シオルン「エリス、一つ言ってもいいですか?」
エリス「…そう言えばカイん家でカイの大捜索が始まってるらしいんだ」
シオルン「え、どうしてですか?」
エリス「何でもカイが紆余曲折あって女性専用風呂に入ったんだと!羨ましいよなぁ」
シオルン「エリスぅ?(^▽^)」
エリス「あ、嘘嘘!全然羨ましくない!てかカイも何してんだかなぁ、エイラが面白可笑しく連絡してくれたわ」
シオルン「…もう。じゃなくて、言いたいことが―」
エリス「そう言えば、時たまエイラがカイの父さん母さんを覗いて寂しそうに笑ってるんだと」
シオルン「え、そうなんですか?」
エリス「あれは間違いなく恋する乙女の心だって、ヴァリウスがウキウキしながら教えてくれたぜ」
シオルン「あのエイラさんが…」
エリス「ドロドロの三角関係だなぁ」
シオルン「複雑ですね…じゃなくて!」
エリス「それとな―」
シオルン「公務、しに行きましょうね?(^▽^)」
エリス「……嫌だああああああああ!!!」


とある日常編5

カイ「あれ、エイラって親父と母さんとドロドロなの?」
エイラ「ちょ、この話やめません?」
カイ「いや実際親父と母さんの関係をエイラはどう思ってるのか知りたくね?」
イデア「それは、確かに」
エイラ「ど、どうも何もとても喜ばしいことじゃないですか。大切な人達が幸せになってるんですから」
カイ「じゃあ、エイラはもう親父の事好きじゃないの?」
エイラ「それは…」
イデア「カイ、もうやめとこ?好きって気持ちはカイ程単純じゃないんだから」
エイラ「イデア様…!」
カイ「あれ、今さりげなくディスられた?」
イデア「デリケートな話にズケズケ入り込むのは駄目だと思う」
エイラ「そうだそうだ!」
イデア「罰として一日話してあげない!」
カイ「そんな!?」
イデア「…私が耐えられないからやっぱやめる」
カイ「イデア!」
エイラ「…好きって単純なのかもしれませんね。……あ、ゼノー!(^▽^)/」
おわり


とある日常編6

ちょっと大人な話
セラ「…ん~」
ゼノ「おはよう、セラ」
セラ「んー、おはよう、ございまふぁ…」
ゼノ「起きたばっかなのに疲れてんなぁ」
セラ「それは…はっ、きゃあっ!」
ゼノ「いや今更隠さんでも」
セラ「ふ、服はどこです!?というかいつの間に寝て―」
ゼノ「疲れてたんだろうなぁ」
セラ「―っ///」
ゼノ「あ、思い出してるだろ?」
セラ「い、いいから部屋から出てって下さい!!」
ゼノ「えー、もっと愛でさせろ!」
セラ「きゃあっ!毛布を引っ張らないでください!」
ゼノ「隠す方が悪いんだ!」
セラ「逆に何で隠さないんですか!来ないでください!」
ゼノ「もう致した中だろ!」
セラ「キャー!変態ぃぃい!」
エイラ「セラ様!一体どう、しま、し…」
ゼノ・セラ「あ」
エイラ「……きゃ」
ゼノ「きゃ?」
エイラ「キャー!ちょ、ゼノ、服!なんてものを見せるんですか!///」
ゼノ「ちょ、壺投げん、痛てえっ!」


とある日常編7

エイラ「セラ様、ゼノに襲われたらいつでも呼んでくださいね。すぐにちょん切りに行きますから」
ゼノ「何を!?」
セラ「エイラ、ありがとうございます。まぁゼノも基本的に私が嫌がることはあまりしませんから」
ゼノ「ふっ、しっかり合意の上だ!」
エイラ「…死んでください!」
ゼノ「うわっ、ちょ、危ねっ!?急に魔法ぶっ放してくんなよ!!」
エイラ「人の気も知らずに!一度塵になってください!!」
ゼノ「その一度で人生終わるぞ!?」
エイラ「いっそ終えて来世で会いましょう!」
ゼノ「セ、セラ、止めてくれ!」
セラ「…エイラの気持ちは、分かっているつもりです」
エイラ「セラ様…」
セラ「だから今度、ゼノのことを好きにしていい券あげますね」
ゼノ「何それ!?」
エイラ「セラ様…!」
ゼノ「やめろ!目を輝かせるな!」
セラ「十枚あげます」
ゼノ「多くね!?」


とある日常編8

イデア「カイは季節だと何が好き?」
カイ「夏、かな。動きやすい恰好が好きだし」
イデア「普段軽装だもんね。でも私は冬なの」
カイ「何で?」
イデア「寒いとカイにくっつく口実になるでしょ?」
カイ「…可愛すぎか。というか口実無くても抱きついてくるじゃん」
イデア「うん、カイに触れるの好きなの」
カイ「…俺、よく我慢してるよな」
ゼノ「今までよく我慢したな、カイ」
カイ「親父ぃ…!」
ゼノ「だが今こそ男を見せる時、そして俺へ孫を見せる時だ、カイ!」
カイ「あんたはどんだけ孫が見てぇんだ!」
イデア「私もカイとの子供、欲しいよ?」
カイ「―っ///」
ゼノ「あーあ、女性に先に言わせるなんて―」
イデア「でもどうやって作るの?」
カイ・ゼノ「…」
カイ「ちょ、教育係誰ぇー?サボってないー?」
エイラ「はい、教育しに来ました」
カイ「助かった!」
エイラ「不埒な輩をね」
ゼノ「って、もしかして俺らかよ!?」


とある日常編9

ゼノ「いつからだろうなぁ、俺の性根がひん曲がってしまったのは…」
カイ「生まれた頃からじゃねえの」
ゼノ「きっと、セラにあんなことやこんなことを――」
カイ「だからそれをやめろって言われてるんだろうが!!」
ゼノ「そうは言うけどな、これは男の性と言っても過言ではない!カイ、お前だって心の奥底でイデアちゃんをあんな目やこんな目に―」
カイ「ぶっ殺す!」
イデア「?」
セラ「カイ、任せて。私が捕らえるわ」
ゼノ「ちょ、待て待て!セラ出てくんの禁止!」
カイ「ナイスだ、母さん!」
セラ「さぁて、そろそろ口を縫う必要がありそうですね、ゼノ?」
ゼノ「ご、ごめんなさい」
セラ「その言葉は聞き飽きました」
ゼノ「カ、カイ!お前なら分かってくれるだろ?」
カイ「…分かるけどさ。でも、時と場所を考えろ!」
イデア「?」
セラ「カイ…?(^▽^)」
カイ「いや嘘です怖い分かりません!」


とある日常編10

ミーア「お母さん、お兄ちゃんが酷いんだよ!」
セラ「あら、びしょびしょね」
ミーア「水をかけられたの!お気に入りの服なのにぃ!」
セラ「ほら、拭いてあげるわ。もう、どうしてかしらね」
ミーア「んぐ、私が押したらお兄ちゃんが噴水に落っこちちゃったの。それで―」
セラ「いや、それはミーアが悪―」
カイ「母さん聞いてくれよ。ミーアが…ってミーア!」
ミーア「残念でしたー、今お母さんは私のものですー」
セラ「カイも凄く濡れてるじゃない。ほら、まず拭きなさい」
カイ「いや、すぐ風呂入るし別に―」
セラ「拭きなさい?(^▽^)」
カイ「…はい」
ミーア「言われてやんのー」
セラ「ミーア」
ミーア「…はい」
セラ「もう、どうして仲良く出来ないの?それなら今日は昔みたいに三人一緒にお風呂入る?」
カイ「それならの意味が分からねえ…」
ミーア「お母さんそういう所あるよね…」
セラ「どうする?」
カイ・ミーア「仲良しです大丈夫です!」


とある日常編11(続き)

結局セラから解放されなかったカイとミーア
セラ「何で泣いてるの?あ、もしかして嬉し泣きでしょ!」
カイ「…ソウダトイイネ」
ミーア「17歳で母と妹と同じベッドで寝てるって、普通に考えてヤバいよね」
セラ「そう?私は嬉しいわ。懐かしいわね、昔もこうやって三人で寝たでしょ」
カイ「昔過ぎるんだわぁ…」
ミーア「結局許してもらえなかったね」
カイ「断ると凄い悲しそうな顔するし」
ミーア「一緒にお風呂よりマシだよ…」
カイ「俺達、もう喧嘩やめような…」
ミーア「うん」
セラ「ちょっとカイ、ほらもっと近くに寄りなさい。落ちちゃうわよ」
カイ「いや、ちょ、抱きつかなくていいから!」
ミーア「あ、お兄ちゃんばっかりズルいよ!」
カイ「何だかんだお前はまだ子供だな…」
ミーア「お母さんに抱きしめられてる人がよく言うよ」
カイ「…」
セラ「…すぅ」
カイ「いや母さんもう寝たの!?てか待て、抜け出せねえ!!ミーア!!助けて――」
ミーア「…すーっzzz」
カイ「ってお前もかーい!(´;ω;`)」


とある日常編12

ミーア「今日は何を買おう…あれ?お兄ちゃん?」
カイ「いらっしゃい!って何だミーアか」
ミーア「何だじゃないよ。何してんの?」
カイ「八百屋のおっちゃんがぎっくり腰やっちゃったみたいで、代わりに手伝ってんの。イデアもいるぞ」
イデア「い、いらっしゃいませー!新鮮なお野菜はいかがですかー!」
ミーア「一国の王女様を売り子に使うなんて…」
カイ「俺も王子カウントしろよ…」
ミーア「レン辺りから殺されても知らないから」
カイ「……あり得そうだからやめろよ」
イデア「あ、お、お買い上げありがとうございます!」
カイ「イデア、初めてであんまり慣れないんだってさ」
ミーア「そりゃそうでしょ。逆に何でお兄ちゃんそんなに慣れてるのよ…もう。イデアちゃん!」
イデア「あ、ミーア、いたんですね!」
ミーア「いい、お客さんの呼び込みはこうやるの!らっしゃっせー、らっしゃっせぃー!安いよ安いよー!」
カイ「お前の方が慣れてね?」
大繁盛でした♡


とある日常編13

ミーア「私って可愛いよね!!」
カイ「自分で言う奴に可愛い奴はいない」
ミーア「ねえ、イデアちゃん!私って可愛いよね?」
イデア「はい、可愛いと思いますよ」
ミーア「はいー、自分以外から言われたので私は可愛いですぅー!」
カイ「イデア、無理しなくていいんだからな?」
イデア「無理してないよ。私、ミーアみたいな可愛い妹が欲しかったの。末っ子だし」
ミーア「あ、私もイデアちゃんみたいな妹が欲しかった!お兄ちゃんみたいな兄じゃなくて!」
カイ「なっ……俺だってミーアじゃなくてイデアみたいな妹が良かったよ!」
ミーア「な、何でそんな酷いこと言うのっ!泣」
カイ「お前から言い始めたんだろ!!」
ミーア「もう口きいてあげない!」
カイ「あっそ!」
カイ・ミーア「ふんっ!」
イデア「…二人共喧嘩は良くないよ?謝りなさい!」
カイ「でもさぁ、アイツが――」
イデア「謝りなさい!」
カイ「……なんか」
ミーア「イデアちゃんはお姉ちゃんだね…」


とある日常編14

ゼノ「成長したなぁ、メア」
メア「でしょ!絶世の美女でしょ!」
アキ「確かに綺麗になったわ」
メア「私だってもう大人だよ!」
ゼノ「ほー、なら持ってきたケーキは要らないな」
メア「いるー!」
アキ「大人だってケーキは食べるわよ…」
ゼノ「こんな風に飛びついてか…?」
メア「わーい、ショートケーキだー!」
アキ「…」
メア「アキも一緒に食べよ?」
アキ「食べるけど…」
ゼノ「メア、最近天界でどうだ?」
メア「別に。…あ、そう言えば他都市にいる貴族から求婚の手紙貰ったの!」
ゼノ・アキ「は!?」
ゼノ「それで答えは!?」
メア「勿論断ったわ!ゼノくらい強くてカッコよくないと!」
ゼノ「…(^▽^)」
アキ「はぁ、自分の将来なんだからしっかり決めなさいよね」
ゼノ「そうだぞ、じゃなきゃアキみたいに婚期逃―」
アキ「もう逃がさないわ。ゼノの命もね」
ゼノ「ごめん!」
メア「本当に二人は仲良しだね!」
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