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2『天使と悪魔』
2 第三章第三十五話「魔の王」
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ゼノが不敵に笑ってアッシュと対峙する。カイは安堵からか余裕が生まれたからか、とにかく力が抜けて尻餅をついた。その状態で後ろから声をかける。
カイ:
「親父、あいつ、相当強いぞ」
ゼノ:
「なんだ? 俺の心配してくれるのか? 随分言うようになったじゃないの」
セラ:
「カイ、大丈夫」
セラがカイの肩に手を置く。
セラ:
「ゼノなら、きっと。ゼノは凄いんだから」
ゼノ:
「ハッハー! もう、セラ! 照れちゃうだろうが!」
くねくねするゼノ。
カイ:
「……全然そうは見えないんだけど」
カイの死んだ目にセラは苦笑した。
ゼノ:
「まぁ任せとけって。大船に乗ったつもりでな」
ゼノがアッシュへと視線を戻す。アッシュは動くことなく大剣全てを構えていた。
アッシュ:
「……ゼノ・レイデンフォート」
ゼノ:
「そう畏まるなって。楽に行こうぜ」
ゼノが両手を広げてそう告げる。その隙にも、アッシュは微動だにしない。
アッシュ:
「おまえ、バルサを殺したのか」
ゼノ:
「まぁ、襲い掛かってきたからな。本当はなかなかの美女だったんで殺したくなかったんだが」
と、ここでセインとなっているシロがジト目(感覚)で呟いた。
シロ:
「(はぁ、ゼノ、そんなこと言っていいわけ?)」
ゼノ:
「え?」
直後、ゼノの背中に注がれる視線。
ゼノが恐る恐る振り返ると、セラが笑顔でゼノを睨んでいた。
ゼノ:
「……」
ゼノは表情を変えずに視線を戻す。
ゼノ:
「嘘嘘。本当は早くセラを助けに行きたかったんでな。容赦はしなかった」
ゼノの背中に注がれるセラの視線が穏やかなものに変わる。
シロ:
「(はぁ、ゼノの馬鹿)」
シロの呆れた声に、ゼノは思わず苦笑していた。
ゼノ:
「まぁ、とにかくあれだ。おまえも、俺の妻をここまで痛めつけたんだ。ただじゃ済まさねえぞ」
アッシュ:
「……おまえが相手だ。ただで済むとは、思っていない!」
直後、アッシュの背からさらに腕が飛び出す。ついには腕が二十本にまで増えていた。その全てにやはり大剣が握られている。
アッシュ:
「これなら、どうだ!」
アッシュが一気にゼノへと迫る。
ゼノ:
「腕が増えたからって、何かが変わるとは思わないけどな」
アッシュ:
「それは、身をもって確かめろ!」
様々な方向から大剣がゼノへ襲い掛かる。だが、
ゼノ:
「シロ、打ち上げるぞ」
シロ:
「(ええ)」
ゼノがセインを下から上に振り上げた瞬間、凄まじい衝撃波が前方を襲いアッシュが宙へと吹き飛ばされた。
アッシュ:
「……っ!」
宙に吹き飛ばされたアッシュ。その横にゼノが現れた。
ゼノ:
「ふんっ!」
ゼノがセインを一閃する。瞬間、アッシュの腕が五本も切断された。たった一振りでだ。アッシュの顔に驚きが広がっていく。
アッシュ:
「くっ、《怒黒!》」
残りの十五本をゼノへと殺到させ且つ黒いレーザーを放つ。だが、それもゼノへと届くことはなかった。
ゼノ:
「シロ!」
シロ:
「(分かってるわよ!)」
そして、二人が同時に叫ぶ。
ゼノ・シロ:
「《轟破斬!》」
セインに魔力を籠め、そのまま横に一閃する。その瞬間、黒いレーザーごとアッシュの残りの腕を全て切断した。
その様子を、カイが口を開けて見ていた。
カイ:
「すげえ……」
カイ達が全員でかかっても歯が立たなかったアッシュを、こうも容易く斬り裂いている。その事実に驚かずにはいられなかった。
ウェルムも、足を引きずりながらゼノを見つめていた。
ウェルム:
「あれが、人界の英雄。これ程とは……!」
その眼は驚きに満ちながらも、どこか品定めするようなものであった。
アッシュ:
「ぐぅうっ」
全ての腕を斬り落とされたアッシュの前に、ゼノが迫る。
ゼノ:
「終わりだ」
そのままセインを振り下ろそうとした。
だがその時、ゼノへと巨大な魔弾が後方から殺到した。
ゼノ:
「む」
振り向きながらゼノが魔弾を両断する。その間に、何者かがアッシュの近くへ駆け寄り、その場を離れていた。
ゼノ:
「新手か」
ゼノから離れた建物の上に、アッシュとウルが並んでいた。アッシュは膝をついており、ウルはそれに肩を貸している。身長差ゆえに、果たして肩を貸せているのかどうかは疑わしいものがある。
ウル:
「アッシュ、大丈夫かい?」
アッシュ:
「……まだ、戦える」
そう言って、アッシュが新しく腕を創造すると、再びゼノへ飛び出そうとする。ウルがそれを慌てて止めていた。それを見てゼノが笑う。
ウル:
「待った。悪いけど、ゼノ・レイデンフォートが出てきたなら話は別だよ」
ゼノ:
「俺は一向に構わんぞ? 何だったらそこの僕ちゃんも俺と戦うかい?」
ゼノがウルを煽る。ウルは冷静に答えていた。
ウル:
「……僕の方が歳は上だよ」
悪魔が人間よりも寿命が長いのは周知の事実である。ゼノも分かっていてそう言っているのだ。余計に質が悪い。
ゼノ:
「見た目って重要だと思わないか? なぁ、シロ」
シロ:
「(……前まで背の低かったあたしとしては、今回はあなたの敵だけど、ゼノ。ていうか、あたしに聞く時点でちょっとあたしのこと馬鹿にしてきてるわよね?)」
ゼノ:
「気のせいだ気のせい」
シロと揉め始めたゼノをよそに、ウルがアッシュへ告げる。
ウル:
「どうやらバルサもジェクスもやられちゃったみたいだし、ここは引こう。おそらく、もう向こうでの目的が果たされているはずだよ」
ゼノ:
「……何だと?」
ウルの話にゼノが介入する。
ゼノ:
「どういうことだ、おまえらの目的は天界の首都を落とすことじゃ……っ! こっちは囮か!」
ウルは、口角を上げていた。
ウル:
「君がここに来てくれて良かったよ。天界を狙った甲斐はあったかな」
カイ:
「っ」
その時、カイは言い難い奇妙な不安に襲われていた。落ち着きのないカイにセラが尋ねる。
セラ:
「カイ、どうかしたの?」
カイ:
「……何か、嫌な予感がするんだ。こう、このセインから伝わってくる不安というか。こういう時のって大体当たるからな。もしかしてと思うんだけど……」
フラフラとカイが立ちあがり、そして叫んだ。
カイ:
「ヴァリウス!」
すると、カイの場所にヴァリウスが転移してきた。
ヴァリウス:
「僕使いが荒いね。で、何だい?」
カイ:
「イデアに何か起きてる気がする。悪いけどマッハで戻るぞ!」
ヴァリウス:
「了解。何だろうね、君の魔力を持ってるからか、僕も良くないことが起きている気がするんだ」
ヴァリウスの開けた黒い穴にカイが飛び込む。
カイ:
「母さん、天界は親父に任せた!」
セラ:
「あ、カイ!」
そう言うが早いが、黒い穴は閉じられヴァリウスは転移してしまった。
セラ:
「落ち着きのないところはゼノそっくりね。無理しなきゃいいけれど。そういうところもそっくりなんだから」
そう言って、ゼノの方へ視線を戻す。
ゼノ:
「答えろ!」
ゼノが叫ぶが、ウルが答えることはない。
ゼノ:
「っ、なら、無理やり聞くだけだ!」
仕方なくゼノがウル達へ飛びかかろうとする。
その時だった。
突如黒い靄がゼノとウルの間に現れたのだ。
と、同時に凄まじい重圧が天界全体を襲った。
その重圧はあまりに重く、体中に巻きついてくる。
ゼノ:
「っ、この魔力は……!」
シロ:
「(嘘、でしょ……!?)」
この重圧にはゼノすら額に汗を滲ませていた。他の面々が耐え切れない様子で地面に縫い付けられているのは、ある意味当然であろう。
そして、その靄からとある人物が姿を現す。
闇を纏い、最初は捉えられない輪郭も徐々に明らかになっていく。
その人物は、ゼノの姿を目に留めると、口角を上げてさも嬉しそうに告げた。
???:
「久しいな、ゼノ・レイデンフォート」
相手とは対照的に、ゼノは会いたくなかったと言わんばかりの表情で返す。
ゼノ:
「……本当に久しぶりだな、ベグリフ」
そこにはベグリフが。魔界の王が降臨していた。
カイ:
「親父、あいつ、相当強いぞ」
ゼノ:
「なんだ? 俺の心配してくれるのか? 随分言うようになったじゃないの」
セラ:
「カイ、大丈夫」
セラがカイの肩に手を置く。
セラ:
「ゼノなら、きっと。ゼノは凄いんだから」
ゼノ:
「ハッハー! もう、セラ! 照れちゃうだろうが!」
くねくねするゼノ。
カイ:
「……全然そうは見えないんだけど」
カイの死んだ目にセラは苦笑した。
ゼノ:
「まぁ任せとけって。大船に乗ったつもりでな」
ゼノがアッシュへと視線を戻す。アッシュは動くことなく大剣全てを構えていた。
アッシュ:
「……ゼノ・レイデンフォート」
ゼノ:
「そう畏まるなって。楽に行こうぜ」
ゼノが両手を広げてそう告げる。その隙にも、アッシュは微動だにしない。
アッシュ:
「おまえ、バルサを殺したのか」
ゼノ:
「まぁ、襲い掛かってきたからな。本当はなかなかの美女だったんで殺したくなかったんだが」
と、ここでセインとなっているシロがジト目(感覚)で呟いた。
シロ:
「(はぁ、ゼノ、そんなこと言っていいわけ?)」
ゼノ:
「え?」
直後、ゼノの背中に注がれる視線。
ゼノが恐る恐る振り返ると、セラが笑顔でゼノを睨んでいた。
ゼノ:
「……」
ゼノは表情を変えずに視線を戻す。
ゼノ:
「嘘嘘。本当は早くセラを助けに行きたかったんでな。容赦はしなかった」
ゼノの背中に注がれるセラの視線が穏やかなものに変わる。
シロ:
「(はぁ、ゼノの馬鹿)」
シロの呆れた声に、ゼノは思わず苦笑していた。
ゼノ:
「まぁ、とにかくあれだ。おまえも、俺の妻をここまで痛めつけたんだ。ただじゃ済まさねえぞ」
アッシュ:
「……おまえが相手だ。ただで済むとは、思っていない!」
直後、アッシュの背からさらに腕が飛び出す。ついには腕が二十本にまで増えていた。その全てにやはり大剣が握られている。
アッシュ:
「これなら、どうだ!」
アッシュが一気にゼノへと迫る。
ゼノ:
「腕が増えたからって、何かが変わるとは思わないけどな」
アッシュ:
「それは、身をもって確かめろ!」
様々な方向から大剣がゼノへ襲い掛かる。だが、
ゼノ:
「シロ、打ち上げるぞ」
シロ:
「(ええ)」
ゼノがセインを下から上に振り上げた瞬間、凄まじい衝撃波が前方を襲いアッシュが宙へと吹き飛ばされた。
アッシュ:
「……っ!」
宙に吹き飛ばされたアッシュ。その横にゼノが現れた。
ゼノ:
「ふんっ!」
ゼノがセインを一閃する。瞬間、アッシュの腕が五本も切断された。たった一振りでだ。アッシュの顔に驚きが広がっていく。
アッシュ:
「くっ、《怒黒!》」
残りの十五本をゼノへと殺到させ且つ黒いレーザーを放つ。だが、それもゼノへと届くことはなかった。
ゼノ:
「シロ!」
シロ:
「(分かってるわよ!)」
そして、二人が同時に叫ぶ。
ゼノ・シロ:
「《轟破斬!》」
セインに魔力を籠め、そのまま横に一閃する。その瞬間、黒いレーザーごとアッシュの残りの腕を全て切断した。
その様子を、カイが口を開けて見ていた。
カイ:
「すげえ……」
カイ達が全員でかかっても歯が立たなかったアッシュを、こうも容易く斬り裂いている。その事実に驚かずにはいられなかった。
ウェルムも、足を引きずりながらゼノを見つめていた。
ウェルム:
「あれが、人界の英雄。これ程とは……!」
その眼は驚きに満ちながらも、どこか品定めするようなものであった。
アッシュ:
「ぐぅうっ」
全ての腕を斬り落とされたアッシュの前に、ゼノが迫る。
ゼノ:
「終わりだ」
そのままセインを振り下ろそうとした。
だがその時、ゼノへと巨大な魔弾が後方から殺到した。
ゼノ:
「む」
振り向きながらゼノが魔弾を両断する。その間に、何者かがアッシュの近くへ駆け寄り、その場を離れていた。
ゼノ:
「新手か」
ゼノから離れた建物の上に、アッシュとウルが並んでいた。アッシュは膝をついており、ウルはそれに肩を貸している。身長差ゆえに、果たして肩を貸せているのかどうかは疑わしいものがある。
ウル:
「アッシュ、大丈夫かい?」
アッシュ:
「……まだ、戦える」
そう言って、アッシュが新しく腕を創造すると、再びゼノへ飛び出そうとする。ウルがそれを慌てて止めていた。それを見てゼノが笑う。
ウル:
「待った。悪いけど、ゼノ・レイデンフォートが出てきたなら話は別だよ」
ゼノ:
「俺は一向に構わんぞ? 何だったらそこの僕ちゃんも俺と戦うかい?」
ゼノがウルを煽る。ウルは冷静に答えていた。
ウル:
「……僕の方が歳は上だよ」
悪魔が人間よりも寿命が長いのは周知の事実である。ゼノも分かっていてそう言っているのだ。余計に質が悪い。
ゼノ:
「見た目って重要だと思わないか? なぁ、シロ」
シロ:
「(……前まで背の低かったあたしとしては、今回はあなたの敵だけど、ゼノ。ていうか、あたしに聞く時点でちょっとあたしのこと馬鹿にしてきてるわよね?)」
ゼノ:
「気のせいだ気のせい」
シロと揉め始めたゼノをよそに、ウルがアッシュへ告げる。
ウル:
「どうやらバルサもジェクスもやられちゃったみたいだし、ここは引こう。おそらく、もう向こうでの目的が果たされているはずだよ」
ゼノ:
「……何だと?」
ウルの話にゼノが介入する。
ゼノ:
「どういうことだ、おまえらの目的は天界の首都を落とすことじゃ……っ! こっちは囮か!」
ウルは、口角を上げていた。
ウル:
「君がここに来てくれて良かったよ。天界を狙った甲斐はあったかな」
カイ:
「っ」
その時、カイは言い難い奇妙な不安に襲われていた。落ち着きのないカイにセラが尋ねる。
セラ:
「カイ、どうかしたの?」
カイ:
「……何か、嫌な予感がするんだ。こう、このセインから伝わってくる不安というか。こういう時のって大体当たるからな。もしかしてと思うんだけど……」
フラフラとカイが立ちあがり、そして叫んだ。
カイ:
「ヴァリウス!」
すると、カイの場所にヴァリウスが転移してきた。
ヴァリウス:
「僕使いが荒いね。で、何だい?」
カイ:
「イデアに何か起きてる気がする。悪いけどマッハで戻るぞ!」
ヴァリウス:
「了解。何だろうね、君の魔力を持ってるからか、僕も良くないことが起きている気がするんだ」
ヴァリウスの開けた黒い穴にカイが飛び込む。
カイ:
「母さん、天界は親父に任せた!」
セラ:
「あ、カイ!」
そう言うが早いが、黒い穴は閉じられヴァリウスは転移してしまった。
セラ:
「落ち着きのないところはゼノそっくりね。無理しなきゃいいけれど。そういうところもそっくりなんだから」
そう言って、ゼノの方へ視線を戻す。
ゼノ:
「答えろ!」
ゼノが叫ぶが、ウルが答えることはない。
ゼノ:
「っ、なら、無理やり聞くだけだ!」
仕方なくゼノがウル達へ飛びかかろうとする。
その時だった。
突如黒い靄がゼノとウルの間に現れたのだ。
と、同時に凄まじい重圧が天界全体を襲った。
その重圧はあまりに重く、体中に巻きついてくる。
ゼノ:
「っ、この魔力は……!」
シロ:
「(嘘、でしょ……!?)」
この重圧にはゼノすら額に汗を滲ませていた。他の面々が耐え切れない様子で地面に縫い付けられているのは、ある意味当然であろう。
そして、その靄からとある人物が姿を現す。
闇を纏い、最初は捉えられない輪郭も徐々に明らかになっていく。
その人物は、ゼノの姿を目に留めると、口角を上げてさも嬉しそうに告げた。
???:
「久しいな、ゼノ・レイデンフォート」
相手とは対照的に、ゼノは会いたくなかったと言わんばかりの表情で返す。
ゼノ:
「……本当に久しぶりだな、ベグリフ」
そこにはベグリフが。魔界の王が降臨していた。
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