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1『セイン』
1 第三章第二十四話「決着」
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全てが終わった瞬間、モル達がいたところには彼らのセインが落ちていた。だが、それらはやがて光の泡となって消えて無くなった。
イデア:
「セインって持ち主が死んじゃうと無くなっちゃうの」
カイ:
「そうなのか……」
カイとイデアはその消える瞬間をなんとも言えない儚い気持ちで見ていた。そして完全にセインが消えてしまったのを見て、カイはイデアに声をかけた。
カイ:
「セイン、ありがとな。返すよ。もう全部戦いは終わったみたいだし」
イデア:
「あ、うん」
カイがベルセインによって形を変えたセインをイデアの前で手放す。すると、セインが光の球となってイデアの中にゆっくりと入っていった。それと同時にカイが纏っていた防具も光の球となってイデアの中へと消えていく。
それを見届けた後、カイはイデアへ手を差し出した。
カイ:
「さ、戻ろっか」
イデア:
「うん!」
イデアがその手を取ってカイと共に歩き出す。
こうしてカイとイデアはダリル達のいる中心へと戻った。先にエリスも動くのが辛いレンと気絶しているミーアを抱えてダリル達の元に戻っており、ようやく全員が集まったのだった。
モル達が死んだからか、ランとメリルの拘束は既に解かれており自由になっていた。ランは気絶しているコルンを膝枕しており、メリルはダリルに抱きつくように寄り添っていた。
その光景にカイは思わず尋ねる。
カイ:
「ダリル、おまえいつの間にメリルと抱き合う仲になったんだよ」
ダリル:
「あー、これはだな……」
ダリルが顔を赤くしながら恥ずかしそうに視線を逸らす。対してメリルはそんなダリルを笑顔で見つめていた。
見ているだけで甘い雰囲気を醸し出す二人にカイがげんなりしていると、エイラが説明してくれた。
エイラ:
「カイ様、ダリルは戦闘中にあんな仲になったんです」
カイ:
「戦闘中に!? 戦闘中に女口説き落とすとかどんなテクニシャンだよ!」
エイラ:
「ほんとですよ、私が頑張って戦っている間にイチャイチャしてさらに結婚までしていたんですから」
ダリル:
「いや、あれはエイラが行けって…………まぁ、間違ってはいないが」
カイ:
「はー、戦闘中に結婚かー。ダリルとメリルがねー……って結婚!?」
結婚という単語にカイだけでなく、その状況を知らなかった者全員が驚きを見せる。
エリス:
「え、ダリル結婚したの?」
レン:
「メリルとか?」
イデア:
「おめでとうございます!」
エリスとレンは驚いた様子でそう口に出していたが、イデアは笑顔でダリルとメリルを祝福していた。
メリル:
「イデア様、ありがとう!」
ダリル:
「あ、ありがとうございます……」
メリルとは対照的にダリルが照れながら礼を言う。すると、ここでエリスが急に手を挙げだした。
エリス:
「あ、結婚繋がりで一応俺も言っておこうかと思うんだけど、俺、シオルンと結婚したから」
エリス以外:
「……ん?」
その唐突な発表は誰の理解も及ばなかった。そうにも関わらずエリスは二本のランスをカンカンとぶつけながら話す。
エリス:
「で、これがセインだから。これからは俺達のこともよろしくね!」
笑顔でそう締めくくったエリスだったが、全員は未だに驚いたまま固まっていた。まだ理解が及ばないのである。代表してカイがエリスへ尋ねた。
カイ:
「ん? エリス、何て? 何て言いました?」
エリス:
「だから、シオルンと結婚したの! 俺が!」
エリス以外:
「……ええええええええええ!?」
ようやく全員が驚きを声にする。それは全員が予想外だったのだ。
カイ:
「な、何がどうなればそうなるんだ!?」
エリス:
「いや、それがさ―――」
と、その時空からバサバサッと翼がはためく音が聞こえてきた。それと同時にクレーター内全域に影が差し込む。
全員が空を見上げると、そこには竜の姿のジェガロがいた。
ジェガロ:
「【無事、勝ったようじゃの】」
カイ:
「ジェガロ!」
そしてジェガロはクレーターを覆いつくすように着地した。そのジェガロの登場にエイラが首を傾げる。
エイラ:
「ジェガロ、まだ合図は送っていませんが……」
ジェガロ:
「【む、そうなのか?】」
ジェガロもまた長い長い首を傾げる。戦いが無事に終われば、エイラが見えやすいように合図を送るという話になっていたのだ。
ジェガロ:
「【わしはてっきりあの青い光がそうかと思ったのじゃが】」
エイラ:
「青い光……」
その単語に、全員がカイの方を見る。急な視線の多さにカイは動揺していた。
カイ:
「な、なんだよ……」
エリス:
「そういえば、あの青い光はなんだったのかなって」
エリスの言葉にカイとイデア以外が興味津々な面持ちで頷いていた。
カイ:
「あ、あれはベルセイン、だったはずだけど。な、イデア」
イデア:
「うん、ベルセインだったと思う」
ダリル、エイラ、エリス:
「ベルセイン?」
レン、ラン、メリル:
「ベルセイン!?」
ベルセインという単語に首を傾げる側と驚きを見せる側に分かれていた。もちろん驚いているのはフィールス王国の者達だ。
レン:
「この短期間でもうベルセインを出現させられる程になったのか……」
カイ:
「え、ベルセインってそんな発動難しいの?」
カイが尋ねると、メリルは首を振ってこたえてくれた。
メリル:
「うーん、個人差はあるけどね。ベルセインの使えるようになる条件は、どれだけ相手を想う気持ちが強くて、そしてどれだけ相手を信頼出来ているかだから」
カイ:
「どれだけ相手を想ってるか、か……」
そう言ってカイはイデアへ視線を向ける。
イデア:
「……っ!」
イデアはその視線の意味を理解し、慌てて佇まいを良くしてカイの方を見る。長く見つめ合う二人。だが、やがてカイが視線を逸らした。
カイ:
「あー、イデア。後で二人っきりで話がしたいんだけど、いいか?」
イデア:
「………ここじゃ駄目?」
少しおねだりするように、イデアが上目遣いでそう尋ねる。
カイ:
「うぅっ………で、出来れば、二人きりで」
イデア:
「うー、分かった……」
今ではないのが残念そうだが、イデアは渋々と引き下がった。
少し申し訳なさそうな顔をするカイにエイラが話しかける。
エイラ:
「別にここでいいじゃないですか、減るものじゃないですし」
カイ:
「減るんだよ、俺のメンタルが! 主におまえの言葉のせいでな! 絶対なんか言ってくるだろうし!」
エイラ:
「酷いですね、別に真面目な話のときは邪魔しませんよ」
カイ:
「いつも邪魔するなよ……」
カイがエイラへ恨みがましい視線を向けるが、エイラにはまったく効果がなかった。
ダリル:
「とにかく」
と、ダリルが全員をまとめる。
ジェガロ:
「ジェガロさんも来てくれたことですし、まずは戻りましょうか」
カイ:
「そうだな。帰ってまずはエリスとシオルンを問いただそうぜ!」
エリス:
「え、ちょ、お、お手柔らかにね!」
こうしてカイ達はジェガロに乗ってシオルンの待つ村へと戻っていった。
………………………………………………………………………………
シオルンは岩で出来た大きな広場に一人立っていた。いや、歩き回っていた。ジェガロが向かったということは、つまりカイ達が勝利したということであるが、どうもまだ心配でじっとしていられないのだ。
シオルン:
「エリスさん、怪我してないといいですけど……。あ、もちろん皆さんもですよ!?」
誰に言っているのか、先程からシオルンは一人でこの調子だった。
そんなシオルンの元にカイ達を乗せたジェガロがやってきた。
シオルン:
「っ、皆さん!」
シオルンの声にエリスが一番に反応する。即座にジェガロから飛び降りてシオルンの元まで辿り着くと、笑顔で言葉をかけていた。
エリス:
「シオルン、ただいま!」
その言葉を聞いた途端、シオルンが急に涙を流し始める。
シオルン:
「お、お、おかえりなさぁあい……!」
そしてそのままエリスへと抱きついた。その様子に苦笑しながらエリスはちゃんと受け止め、シオルンの頭を優しく撫でた。
エリス:
「ただいまって言っただけだよ? どうして泣いてるのさ?」
シオルン:
「し、心配だったんですよぉ!」
そんな二人を唖然と見ながらカイ達もジェガロから下りる。ジェガロは全員を下ろしたことを確認すると。人化した。
カイ:
「マジだったか……」
エイラ:
「今日だけで夫婦が二つも……」
ダリル:
「私もこれは予想外だったな」
メリル:
「あたし達だけじゃなかったのね」
レン:
「わけが分からん」
コルン:
「確かに突然ですね」
ラン:
「我々がいない間に何が……」
ミーア:
「うっそ!? 何がどうなってこうなったの!?」
先程ジェガロの上で目を覚ましたミーアが衝撃の事実に驚愕していた。その言葉にエイラが苦笑する。
エイラ:
「ミーア様、リアクションが知った時のカイ様そっくりですよ」
ミーア:
「えっ!?」
カイ:
「ミーア、残念ながらおれ達は兄妹だってことだな……」
ミーア:
「何でお兄ちゃんが残念がってんの!?」
そしてイデアはただ一人、二人に祝福の言葉を投げかけていた。
イデア:
「シオルンさん、おめでとうございます。気持ちが通じて良かったですね。エリスさんもおめでとうございます」
エリス:
「うん、イデアちゃん、ありがとね!」
シオルン:
「う、ううっ、イ、イデア様―!」
感極まった様子で今度はシオルンがイデアに抱きつく。だが、イデアの方が小柄であるためイデアはその突進さながらの抱擁によろめきそうになっていた。それをカイが支えてあげる。
カイ:
「ま、経緯はよく分かんないけど、おめでと、二人共」
エリス:
「おう、あんがと!」
シオルン:
「ありがとうございますぅー……!」
エリスがニッコリと笑い、シオルンが号泣する。その二人に全員が笑っていた。
ジェガロ:
「さて、立ち話もなんじゃし、まずは家に帰らんか」
カイ:
「そうだな。これからの動きとかも確認したいしな」
エイラ:
「では、行きましょうか」
ジェガロの意見に賛同して、カイ達はシオルンの家を目指して歩き出した。
イデア:
「セインって持ち主が死んじゃうと無くなっちゃうの」
カイ:
「そうなのか……」
カイとイデアはその消える瞬間をなんとも言えない儚い気持ちで見ていた。そして完全にセインが消えてしまったのを見て、カイはイデアに声をかけた。
カイ:
「セイン、ありがとな。返すよ。もう全部戦いは終わったみたいだし」
イデア:
「あ、うん」
カイがベルセインによって形を変えたセインをイデアの前で手放す。すると、セインが光の球となってイデアの中にゆっくりと入っていった。それと同時にカイが纏っていた防具も光の球となってイデアの中へと消えていく。
それを見届けた後、カイはイデアへ手を差し出した。
カイ:
「さ、戻ろっか」
イデア:
「うん!」
イデアがその手を取ってカイと共に歩き出す。
こうしてカイとイデアはダリル達のいる中心へと戻った。先にエリスも動くのが辛いレンと気絶しているミーアを抱えてダリル達の元に戻っており、ようやく全員が集まったのだった。
モル達が死んだからか、ランとメリルの拘束は既に解かれており自由になっていた。ランは気絶しているコルンを膝枕しており、メリルはダリルに抱きつくように寄り添っていた。
その光景にカイは思わず尋ねる。
カイ:
「ダリル、おまえいつの間にメリルと抱き合う仲になったんだよ」
ダリル:
「あー、これはだな……」
ダリルが顔を赤くしながら恥ずかしそうに視線を逸らす。対してメリルはそんなダリルを笑顔で見つめていた。
見ているだけで甘い雰囲気を醸し出す二人にカイがげんなりしていると、エイラが説明してくれた。
エイラ:
「カイ様、ダリルは戦闘中にあんな仲になったんです」
カイ:
「戦闘中に!? 戦闘中に女口説き落とすとかどんなテクニシャンだよ!」
エイラ:
「ほんとですよ、私が頑張って戦っている間にイチャイチャしてさらに結婚までしていたんですから」
ダリル:
「いや、あれはエイラが行けって…………まぁ、間違ってはいないが」
カイ:
「はー、戦闘中に結婚かー。ダリルとメリルがねー……って結婚!?」
結婚という単語にカイだけでなく、その状況を知らなかった者全員が驚きを見せる。
エリス:
「え、ダリル結婚したの?」
レン:
「メリルとか?」
イデア:
「おめでとうございます!」
エリスとレンは驚いた様子でそう口に出していたが、イデアは笑顔でダリルとメリルを祝福していた。
メリル:
「イデア様、ありがとう!」
ダリル:
「あ、ありがとうございます……」
メリルとは対照的にダリルが照れながら礼を言う。すると、ここでエリスが急に手を挙げだした。
エリス:
「あ、結婚繋がりで一応俺も言っておこうかと思うんだけど、俺、シオルンと結婚したから」
エリス以外:
「……ん?」
その唐突な発表は誰の理解も及ばなかった。そうにも関わらずエリスは二本のランスをカンカンとぶつけながら話す。
エリス:
「で、これがセインだから。これからは俺達のこともよろしくね!」
笑顔でそう締めくくったエリスだったが、全員は未だに驚いたまま固まっていた。まだ理解が及ばないのである。代表してカイがエリスへ尋ねた。
カイ:
「ん? エリス、何て? 何て言いました?」
エリス:
「だから、シオルンと結婚したの! 俺が!」
エリス以外:
「……ええええええええええ!?」
ようやく全員が驚きを声にする。それは全員が予想外だったのだ。
カイ:
「な、何がどうなればそうなるんだ!?」
エリス:
「いや、それがさ―――」
と、その時空からバサバサッと翼がはためく音が聞こえてきた。それと同時にクレーター内全域に影が差し込む。
全員が空を見上げると、そこには竜の姿のジェガロがいた。
ジェガロ:
「【無事、勝ったようじゃの】」
カイ:
「ジェガロ!」
そしてジェガロはクレーターを覆いつくすように着地した。そのジェガロの登場にエイラが首を傾げる。
エイラ:
「ジェガロ、まだ合図は送っていませんが……」
ジェガロ:
「【む、そうなのか?】」
ジェガロもまた長い長い首を傾げる。戦いが無事に終われば、エイラが見えやすいように合図を送るという話になっていたのだ。
ジェガロ:
「【わしはてっきりあの青い光がそうかと思ったのじゃが】」
エイラ:
「青い光……」
その単語に、全員がカイの方を見る。急な視線の多さにカイは動揺していた。
カイ:
「な、なんだよ……」
エリス:
「そういえば、あの青い光はなんだったのかなって」
エリスの言葉にカイとイデア以外が興味津々な面持ちで頷いていた。
カイ:
「あ、あれはベルセイン、だったはずだけど。な、イデア」
イデア:
「うん、ベルセインだったと思う」
ダリル、エイラ、エリス:
「ベルセイン?」
レン、ラン、メリル:
「ベルセイン!?」
ベルセインという単語に首を傾げる側と驚きを見せる側に分かれていた。もちろん驚いているのはフィールス王国の者達だ。
レン:
「この短期間でもうベルセインを出現させられる程になったのか……」
カイ:
「え、ベルセインってそんな発動難しいの?」
カイが尋ねると、メリルは首を振ってこたえてくれた。
メリル:
「うーん、個人差はあるけどね。ベルセインの使えるようになる条件は、どれだけ相手を想う気持ちが強くて、そしてどれだけ相手を信頼出来ているかだから」
カイ:
「どれだけ相手を想ってるか、か……」
そう言ってカイはイデアへ視線を向ける。
イデア:
「……っ!」
イデアはその視線の意味を理解し、慌てて佇まいを良くしてカイの方を見る。長く見つめ合う二人。だが、やがてカイが視線を逸らした。
カイ:
「あー、イデア。後で二人っきりで話がしたいんだけど、いいか?」
イデア:
「………ここじゃ駄目?」
少しおねだりするように、イデアが上目遣いでそう尋ねる。
カイ:
「うぅっ………で、出来れば、二人きりで」
イデア:
「うー、分かった……」
今ではないのが残念そうだが、イデアは渋々と引き下がった。
少し申し訳なさそうな顔をするカイにエイラが話しかける。
エイラ:
「別にここでいいじゃないですか、減るものじゃないですし」
カイ:
「減るんだよ、俺のメンタルが! 主におまえの言葉のせいでな! 絶対なんか言ってくるだろうし!」
エイラ:
「酷いですね、別に真面目な話のときは邪魔しませんよ」
カイ:
「いつも邪魔するなよ……」
カイがエイラへ恨みがましい視線を向けるが、エイラにはまったく効果がなかった。
ダリル:
「とにかく」
と、ダリルが全員をまとめる。
ジェガロ:
「ジェガロさんも来てくれたことですし、まずは戻りましょうか」
カイ:
「そうだな。帰ってまずはエリスとシオルンを問いただそうぜ!」
エリス:
「え、ちょ、お、お手柔らかにね!」
こうしてカイ達はジェガロに乗ってシオルンの待つ村へと戻っていった。
………………………………………………………………………………
シオルンは岩で出来た大きな広場に一人立っていた。いや、歩き回っていた。ジェガロが向かったということは、つまりカイ達が勝利したということであるが、どうもまだ心配でじっとしていられないのだ。
シオルン:
「エリスさん、怪我してないといいですけど……。あ、もちろん皆さんもですよ!?」
誰に言っているのか、先程からシオルンは一人でこの調子だった。
そんなシオルンの元にカイ達を乗せたジェガロがやってきた。
シオルン:
「っ、皆さん!」
シオルンの声にエリスが一番に反応する。即座にジェガロから飛び降りてシオルンの元まで辿り着くと、笑顔で言葉をかけていた。
エリス:
「シオルン、ただいま!」
その言葉を聞いた途端、シオルンが急に涙を流し始める。
シオルン:
「お、お、おかえりなさぁあい……!」
そしてそのままエリスへと抱きついた。その様子に苦笑しながらエリスはちゃんと受け止め、シオルンの頭を優しく撫でた。
エリス:
「ただいまって言っただけだよ? どうして泣いてるのさ?」
シオルン:
「し、心配だったんですよぉ!」
そんな二人を唖然と見ながらカイ達もジェガロから下りる。ジェガロは全員を下ろしたことを確認すると。人化した。
カイ:
「マジだったか……」
エイラ:
「今日だけで夫婦が二つも……」
ダリル:
「私もこれは予想外だったな」
メリル:
「あたし達だけじゃなかったのね」
レン:
「わけが分からん」
コルン:
「確かに突然ですね」
ラン:
「我々がいない間に何が……」
ミーア:
「うっそ!? 何がどうなってこうなったの!?」
先程ジェガロの上で目を覚ましたミーアが衝撃の事実に驚愕していた。その言葉にエイラが苦笑する。
エイラ:
「ミーア様、リアクションが知った時のカイ様そっくりですよ」
ミーア:
「えっ!?」
カイ:
「ミーア、残念ながらおれ達は兄妹だってことだな……」
ミーア:
「何でお兄ちゃんが残念がってんの!?」
そしてイデアはただ一人、二人に祝福の言葉を投げかけていた。
イデア:
「シオルンさん、おめでとうございます。気持ちが通じて良かったですね。エリスさんもおめでとうございます」
エリス:
「うん、イデアちゃん、ありがとね!」
シオルン:
「う、ううっ、イ、イデア様―!」
感極まった様子で今度はシオルンがイデアに抱きつく。だが、イデアの方が小柄であるためイデアはその突進さながらの抱擁によろめきそうになっていた。それをカイが支えてあげる。
カイ:
「ま、経緯はよく分かんないけど、おめでと、二人共」
エリス:
「おう、あんがと!」
シオルン:
「ありがとうございますぅー……!」
エリスがニッコリと笑い、シオルンが号泣する。その二人に全員が笑っていた。
ジェガロ:
「さて、立ち話もなんじゃし、まずは家に帰らんか」
カイ:
「そうだな。これからの動きとかも確認したいしな」
エイラ:
「では、行きましょうか」
ジェガロの意見に賛同して、カイ達はシオルンの家を目指して歩き出した。
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