ウソ告したいヤツはオレんとこに来い！ え？ 実はホントだった？ だが遅い。

第３６話 イヴ・デート ３

　それに正直な話、以前とは状況がまるっきり変わってしまった。オレの邪魔をするヤツがいないなら、ひなと一緒に頑張って見るのは楽しい気がしたんだ。

「うーん。他にやる人がいないなら。あいつらもいなくなったし、なんとかやってみるよ」
「良かったぁ！　これで、ウチらのクラスにも勝ち目が出てきた」

　一方で、みずほは「わぁ～　分かってはいたけど、ショックかも。クラスが違うのは痛いなぁ」と正直な感想を言って、むぅ～っと、唇を突き出した。

　ちょっとスネたふりの表情も、いつもの才女ぶりとのギャップがあり過ぎて可愛い。とはいえ、みずほは生徒会長としてクラスを超えての責任感があるから、クラスの勝ち負けには、あまりこだわる方じゃない。

「でも、これで他のクラスも含めて、みんながまとまってくれると良いよね。やっぱり、この間の事件で動揺しているのは１組だけじゃないもの」

　自分達が仕掛けたことが大事件に発展した分、みんなで反省はしたけど、ま、悪いのは悪さをした連中だっていうのは変わらない事実だからね。

「こっちに引っ越してきて、ちょっと驚きでした。この時期に合唱祭があるなんて」

　つんはつんで、素直に驚きを口にしている。確かに、年明けの３学期に合唱祭なんて、受験を無視したやり方だって意見は親にも多いらしい。

「まあ、ね。でも、受験をみんなで乗り越えるんだって言う意味なら、合唱祭で頑張れたクラスは、意味があるかも知れないわよ」

　みずほの受け止め方は常に前向きだよね。

　ただ、こんな話から、話題が「あっち」に行くとは思ってなかったんだ。