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第29話 職員会議 4
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「まず、石田の教科書やカバン、体育着、上履きが紛失することが度々あったとの申し出があったということです。本人の推測によれば斎藤達のグループであろうと言っております。これにつきましては、担任に度々訴えていたと証言にありますが、大島先生が聞き取る度に確認を複数名でしております。最初は橋本先生とともに確認したところ、事実がなかったと言うことです。はい。事実は確認できなかったのです」
大島は額の汗を手の甲で拭いながら、何度も頷いている。
「次のSNSのなりすまし問題というのも、資料の2枚目にあります通り、一連の石田に対するイジメと同じ背景を持っております。斎藤、青木の好きな女の子が、その根本にあるとのこと。そして3枚目に出て参ります…… 生徒達の言う『ウソ告』に関しましては、最初の数名、すなわち野中、松井、鈴木、高橋、あ、えっと、すべて3-1ですが、彼女達は斎藤達に騙された、あるいは脅されたという証言が出ています。ただし、野中はどちらかというと松井に引っ張られた可能性はありますが、そちらの詳細については、いったん置きます。ともかく、それ以後は、クラスのグループRINEで石田になりすました、おそらく斎藤による『ウソ告したいヤツはオレんとこに来い』という発言で、女子が次々とウソ告を始めたということのようです」
一気にそこまで喋った斉田は「ご質問は?」と言葉を切った。
「確認したいのですが」
「どうぞ、小仏先生」
副校長が、目を見開いている。
「さきほど、最初は橋本先生と確認され、事実はなかったとのことですが、2回目以後も教科書などの紛失は確認されなかったのですか? 私も3学年の副担任をしておりますが、それについて学年会で話題になったことはなく、それにまつわる連絡も受けたことがなかったので、確認なのですが」
一つ、息を吸った斉田はチラッと指導主事を見てから「訴えがあったのは都合6回。保健の教科書、ジャージ上下が2回、筆箱、数学の問題集、社会のワーク、上履き、体育館履き3回、通学用のカバンが紛失していました」
そこで小仏先生が何かを言おうと口を開き駆けた瞬間、斉田は早口で被せてきた。
大島は額の汗を手の甲で拭いながら、何度も頷いている。
「次のSNSのなりすまし問題というのも、資料の2枚目にあります通り、一連の石田に対するイジメと同じ背景を持っております。斎藤、青木の好きな女の子が、その根本にあるとのこと。そして3枚目に出て参ります…… 生徒達の言う『ウソ告』に関しましては、最初の数名、すなわち野中、松井、鈴木、高橋、あ、えっと、すべて3-1ですが、彼女達は斎藤達に騙された、あるいは脅されたという証言が出ています。ただし、野中はどちらかというと松井に引っ張られた可能性はありますが、そちらの詳細については、いったん置きます。ともかく、それ以後は、クラスのグループRINEで石田になりすました、おそらく斎藤による『ウソ告したいヤツはオレんとこに来い』という発言で、女子が次々とウソ告を始めたということのようです」
一気にそこまで喋った斉田は「ご質問は?」と言葉を切った。
「確認したいのですが」
「どうぞ、小仏先生」
副校長が、目を見開いている。
「さきほど、最初は橋本先生と確認され、事実はなかったとのことですが、2回目以後も教科書などの紛失は確認されなかったのですか? 私も3学年の副担任をしておりますが、それについて学年会で話題になったことはなく、それにまつわる連絡も受けたことがなかったので、確認なのですが」
一つ、息を吸った斉田はチラッと指導主事を見てから「訴えがあったのは都合6回。保健の教科書、ジャージ上下が2回、筆箱、数学の問題集、社会のワーク、上履き、体育館履き3回、通学用のカバンが紛失していました」
そこで小仏先生が何かを言おうと口を開き駆けた瞬間、斉田は早口で被せてきた。
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