62 / 99
第26話 みっちゃん 3
しおりを挟む
大島先生に掴まれたときとは違って、当たっている手が柔らかくって、柑橘系の甘い匂いの空気がふわっと漂ってくるんだもん。
全然違う「胸ぐらを掴まれた」だよねって、わっバストまでのワンピースの下は、眼福モノの物体が揺れてる。
ダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ。
「そのくらいは見て良いですよ」
「え? 良いの? っていうか、視線がバレてる!」
「そんなの、どーでも良いから。ほら、教えて、そこを詳しくってば」
「え~っと、ミツキって読み方をするあだ名のこと?」
「そう。ちゃんと教えて」
「それは、その、木山さんって女の子がいて、その子はみっきーって。後は……」
「後は?」
「えっと、あの、教えるのはぜんぜん良いんだけど、それを聞いてどうするの?」
いきなり、紺野さんは ぷく~っと膨れたんだ。
「いけずぅ」
「いや、いけずって、あのぉ」
前髪で目が隠れちゃってるけど、確かに、この感じは、すごく可愛い子だよ。
ドキドキしてしまう。
あ、みず・ひなちゃん。これは浮気じゃないからね! ドキドキしちゃうのは男の子のサガなんだ!
「ほら、もう一つは? あ、それとも思い出せないの?」
「思い出せるって言うか、忘れるようなことでもないよ。でも、えっと、あんまり言いたくないんだよなぁ。その呼び方をした子のことがちょっと、あってさ」
「それって、悪い思い出なの?」
「ううん、逆だよ。オレにとっては、これ以上ないほどに最高の思い出の子なんだ。だから、かえって人に話したこともないんだ」
「♡ね♡ あえて、お願いしたいの。教えて? あ、そうだ、みっちゃんの最高の思い出だもんね。タダとは言わないわ」
「えっと、それは?」
「ちゃんと教えてくれたら、これ、あげる♡ あ、私は初めてだから安心して?」
ええええ!
だって、紺野さんが「これ」って言った時、唇を押さえていたんだよ? まさかキス? いや、まさかだよね。
「ね、お、ね、が、い。みっちゃん、教えて。私のファーストキスくらい、あげちゃうからぁ」
「えっと、あの、き、キスくらいって、あの…… 話すのは別に良いんだけど、えっと、君にとっては面白くないかも」
「ううん、そんなことない。教えて? ね、なんて呼ばれてたの?」
「えっと、君が今呼んだみたいに『みっちゃん』って呼ばれてたんだ。その子は近所の同い年の子でさ」
「うん、うん」
スルッと、隣に座り込んで、腕ごと抱きかかえるようにしてくっついてきた。
「あの、えっと、話すけど、あの~ なんか、当たってるんですけど」
ヤバい。この感触。
ぜったい、みずほと同じくらい…… いや、もう二回りはあるよ。
「いいの。これはワザと当ててるんだから。ほら、そんなことに気を取られてないで、ちゃんと教えて」
ギュッとしがみつかれているオレはベッドに並んで座りながら、幼い頃のことを思いだしていたんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者より
もう、読者の皆さまは、お気付きですよね。
「幼い頃の呼び方って大切な思い出だよね」という意味で
本話と27話は25話が伏線になってます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
全然違う「胸ぐらを掴まれた」だよねって、わっバストまでのワンピースの下は、眼福モノの物体が揺れてる。
ダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ。
「そのくらいは見て良いですよ」
「え? 良いの? っていうか、視線がバレてる!」
「そんなの、どーでも良いから。ほら、教えて、そこを詳しくってば」
「え~っと、ミツキって読み方をするあだ名のこと?」
「そう。ちゃんと教えて」
「それは、その、木山さんって女の子がいて、その子はみっきーって。後は……」
「後は?」
「えっと、あの、教えるのはぜんぜん良いんだけど、それを聞いてどうするの?」
いきなり、紺野さんは ぷく~っと膨れたんだ。
「いけずぅ」
「いや、いけずって、あのぉ」
前髪で目が隠れちゃってるけど、確かに、この感じは、すごく可愛い子だよ。
ドキドキしてしまう。
あ、みず・ひなちゃん。これは浮気じゃないからね! ドキドキしちゃうのは男の子のサガなんだ!
「ほら、もう一つは? あ、それとも思い出せないの?」
「思い出せるって言うか、忘れるようなことでもないよ。でも、えっと、あんまり言いたくないんだよなぁ。その呼び方をした子のことがちょっと、あってさ」
「それって、悪い思い出なの?」
「ううん、逆だよ。オレにとっては、これ以上ないほどに最高の思い出の子なんだ。だから、かえって人に話したこともないんだ」
「♡ね♡ あえて、お願いしたいの。教えて? あ、そうだ、みっちゃんの最高の思い出だもんね。タダとは言わないわ」
「えっと、それは?」
「ちゃんと教えてくれたら、これ、あげる♡ あ、私は初めてだから安心して?」
ええええ!
だって、紺野さんが「これ」って言った時、唇を押さえていたんだよ? まさかキス? いや、まさかだよね。
「ね、お、ね、が、い。みっちゃん、教えて。私のファーストキスくらい、あげちゃうからぁ」
「えっと、あの、き、キスくらいって、あの…… 話すのは別に良いんだけど、えっと、君にとっては面白くないかも」
「ううん、そんなことない。教えて? ね、なんて呼ばれてたの?」
「えっと、君が今呼んだみたいに『みっちゃん』って呼ばれてたんだ。その子は近所の同い年の子でさ」
「うん、うん」
スルッと、隣に座り込んで、腕ごと抱きかかえるようにしてくっついてきた。
「あの、えっと、話すけど、あの~ なんか、当たってるんですけど」
ヤバい。この感触。
ぜったい、みずほと同じくらい…… いや、もう二回りはあるよ。
「いいの。これはワザと当ててるんだから。ほら、そんなことに気を取られてないで、ちゃんと教えて」
ギュッとしがみつかれているオレはベッドに並んで座りながら、幼い頃のことを思いだしていたんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者より
もう、読者の皆さまは、お気付きですよね。
「幼い頃の呼び方って大切な思い出だよね」という意味で
本話と27話は25話が伏線になってます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる