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第24話 だが、遅い! 3
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階段をワンフロア上って、曲がったところに、二人はいたんだ。
「見てた?」
「「はい」」
半ば予想したけど、ひな・みずちゃん達が笑顔で待っていてくれた。
ひなちゃんは相変わらずキュートなサイドテールが揺れるし、みずほちゃんは別のところが揺れるのが…… おっと! 見てない! 見てないからね!
ともかく二人は、あれこれと揺らしながら待っていてくれたんだ。
「ひょっとして心配した?」
二人は瞬時に首を振った。
「ふふふ。石田君はそういう人じゃないもん」
ひなちゃんが、そっと、オレの右側に並ぶ。
「まして、相手はウソ告をしてきた人だもんね」
みずほちゃんは左側。
わぉ! これって両手に花、だよね! そっと二の腕にボディタッチしてくれる優しい感触が、何気に嬉しい。
「それにね、あなたに謝りたい人は、まだまだいるみたい」
みずほちゃんが目線を誘導してきた。
わっ!
びっくりだよ。
4階までのあらゆる踊り場に、一人ずつ。そして3年生の廊下では柱と教室の扉ごとに、女子が待ち構えていたんだ。まるで、ゾンビモノのシューティングゲームで廊下エリアって感じだ。
もちろん、襲ってくるわけじゃない…… と思いたいw。
「ごめんなさい」
「いいよ。これからもクラスメイトでいようね」
「なんて優しい!」
「じゃ、行くから」
「待って。あの、石田君がそんなに優しい人だなんて知らなくて。あの、よかったら私とお付き合いしてください」
「だが、遅い。断る!」
その日、帰るまでに「いいよ」と「だが、遅い。断る!」を死ぬほど繰り返して、やっと学校を出られたんだ。
しかし、ウチの手前の公園に最後の刺客が隠れていた。
「見てた?」
「「はい」」
半ば予想したけど、ひな・みずちゃん達が笑顔で待っていてくれた。
ひなちゃんは相変わらずキュートなサイドテールが揺れるし、みずほちゃんは別のところが揺れるのが…… おっと! 見てない! 見てないからね!
ともかく二人は、あれこれと揺らしながら待っていてくれたんだ。
「ひょっとして心配した?」
二人は瞬時に首を振った。
「ふふふ。石田君はそういう人じゃないもん」
ひなちゃんが、そっと、オレの右側に並ぶ。
「まして、相手はウソ告をしてきた人だもんね」
みずほちゃんは左側。
わぉ! これって両手に花、だよね! そっと二の腕にボディタッチしてくれる優しい感触が、何気に嬉しい。
「それにね、あなたに謝りたい人は、まだまだいるみたい」
みずほちゃんが目線を誘導してきた。
わっ!
びっくりだよ。
4階までのあらゆる踊り場に、一人ずつ。そして3年生の廊下では柱と教室の扉ごとに、女子が待ち構えていたんだ。まるで、ゾンビモノのシューティングゲームで廊下エリアって感じだ。
もちろん、襲ってくるわけじゃない…… と思いたいw。
「ごめんなさい」
「いいよ。これからもクラスメイトでいようね」
「なんて優しい!」
「じゃ、行くから」
「待って。あの、石田君がそんなに優しい人だなんて知らなくて。あの、よかったら私とお付き合いしてください」
「だが、遅い。断る!」
その日、帰るまでに「いいよ」と「だが、遅い。断る!」を死ぬほど繰り返して、やっと学校を出られたんだ。
しかし、ウチの手前の公園に最後の刺客が隠れていた。
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