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第23話 全校集会 4

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 先生達は、他の女子からも話を聞いていたらしい。

「そして、最初にウソ告とかいうひどい行為をした女子は、サッカー部の子に脅されたからだと言っています。脅されたから仕方ないことだ、なんて全然思わないけど、ともかく最初は今日の4人が中心よ。それからは、なりすました人間が『ウソ告するならオレの所に来い』だなんて言って、それで調子に乗った女子が出てきたの。最低よね」

 クラスの何人かが俯いたまま涙を拭き始めた。

 ウソ告した女子の個人名は出さなかったけど、先生は、ほぼ洗いざらい喋ってしまった。むしろ「こんなに全部しゃべっちゃって大丈夫なんだろうか?」と心配になるほどだ。

 ただ、オレが言ってなかったことを付け加えてきたんだ。

「あのね、今回はなりすました人が悪いわ。誰とは言わないけど、元サッカー部のキャプテンだった子ね。でも、それだけじゃないのよ」

 いや、先生、思いっきり、再確認させてますけどw 心の中で突っ込むオレをよそに先生は話を進めてる。

「元々、ウソで人に告白するなんて最低な行為です。どんな理由であってもです。重ねて言います。脅されたにしろ、騙されたにしろ、その理由がなんであれ、ウソの告白をした人は最低なことをしたの。ちゃんと反省しなさい」

 うん、確かにそうだよね。

 オレは心の中で頷いたんだ。

「それから……」

 ん? まだ何か?

「自分は嘘の告白をしたつもりじゃなかったって思ってる人もいるかも知れませんね。でも、相手に誤解させたまま修復する努力をしなかったのも罪なのよ」

 ん? 誰のことだ?

 頭を捻るオレに、隣の列のみずほちゃんがニッコリと目を合わせてきた。可愛い。

 思わず顔が赤くなりそうになって顔を背けたら、そっちにはひなちゃんがいて、やっぱり、ニコッと微笑んでくれた。可愛い。

 って、二人とも誰のことなのかわかってるみたいだ。後で聞いてみようっと。

 ともかく、小仏先生の夢想はまだ続きそうだった。
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