33 / 99
第20話 ウソ告返し(心愛視点) 2
しおりを挟む竜久は勉強ができないだけで、頭は悪くない。
しかも、ちゃんと「先生のいうことは聞く子」という一面を持っている。「真面目なふり」をしてるんじゃなくて、ある部分だけはホントに真面目なのだ。おかげで先生達も、竜久のことを悪く思っていないらしい。むしろ、どちらかというと「キレると何をするかわからないけど、普段は真面目で大人しい子」的な扱いなのがわかる。
でも、裏で何をしても良いと思って好き放題をしている。
一番怖いタイプだ。
だから、サッカー部でもクラスでも、表に出るのは寛太だけど、裏で操っている竜久には誰も逆らえない。
その竜久が「ヤレ」と言っている以上、ともかくヤルしかないんだ。
「来たみたい。しっかり撮ってよ」
返事はなかった。
扉が開いた。
「来てくれたんだ」
「やあ、須藤さん。君が呼び出してくれるなんて。いったい何の用かな?」
コイツ、なんで入ってこないのよ。そこだと映らないじゃん。しかも逆光になっちゃうじゃん。
「あの、こっちに来てくれる?」
「えっと、奥に入れってこと? じゃ、扉は開けておくね」
「え?」
やっぱり警戒されてるんだよね。今まで、何回もウソ告の場所に呼びに行ってたから、むしろ警戒されなきゃおかしいか。でも、このままじゃ、うまく行かない。なんとかしなくちゃ。
「ね、恥ずかしいから扉は閉めてくれる?」
クソ石田、サッサと奥へ来いよ。私が呼んでやってるんだぞ。
「う~ん。ここって人があんまり来ないから扉は開けておいても大丈夫だと思うよ。それに、扉を閉めて二人っきりになっちゃうのも、いろいろ誤解されるかもしれないだろ? 何かあったら不味いかもしれないし」
何とか警戒を解かなくちゃ。そうすれば、きっと上手く行くんだから。
「あ、警戒してるよね? ごめん。でも、あのね、信じて欲しいの」
上目遣いなら、いけるよね?
「わかった。信じるよ。でも、いったい何の用なの?」
よし、かかった!
「あのね、えっと、あ、もうちょっと近くに来てくれる?」
やっと中に入ってきた。あと三歩。早く、こっちに来い、クソが!
1
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる