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第12話 え? そっちw 後
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正直、合唱コンの練習の時は斎藤達トップカーストの連中がふざけていて、合唱のリーダーだった高木さんはずいぶんと大変だった。嫌な思いもしたはずだ。それなのに、ちゃんとかばってあげるなんて優しいよ。
人として、しっかりしてるんだろうな。さすが、ウソ告をしてこなかった四大美女の一人だけあるな。あんなに優しいこと付き合えたら、どんなに良いだろう。ま、モブのオレには縁の無い話だけどさ。
「……くん、……だくん、……しだくん」
「ん?」
「石田君ってば!」
「あ、ゴメンゴメン、ちょっとボンヤリしてた」
ヤバッ。目の前に、その高木さんがいた。
「もう~ 何度も呼んだのに。しかも目の前にいるのに見てくれないんだからぁ」
「ごめ~ん」
プクッとふくれてみせる表情が、ひどく子どもっぽく見えて、普段の理知的でしっかり者キャラとのギャップに、ドキンとした。
「ね、付き合ってくれる?」
「え? あ、もちろん。喜んで」
反射的に、高木さんの手をとって「ウソ告受け入れ体勢」を作っちゃったのは悲しい習性。
『あ~ とうとう、高木さんまでウソ告してきちゃったか~ しかも教室だぜ?』
地味にダメージがデカかった。
ん? でも、担任がここにいるんだし、さすがに撮影班は無理じゃね?
周囲をそっと見回したら、みんなの注意は大島先生の方に向けられていた。
あれ? 斎藤達はあっちにいるじゃん。
ふと前を見たら、高木さんがオレに手を握られたまま、真っ赤になってた。
「あのね? ち、ちがうよ? 違うの、そっちの『付き合う』じゃなくて、ちょっと話をしたいから一緒に来て、の方の『付き合って』なの!」
「え? あああああ、ご、ごめん、ごめん」
ヤバい。頭が「ウソ告脳」になってるよ。
ふと、高木さんの視線が、オレに握られている手に向けられているのに気付いた。
「ごめん!」
「ううん、いいよ? 人のいないところなら、もっと…… う、ううん、あ、紛らわしい言い方してごめんね」
「いや、完全に勘違いしちゃった。まさかだよね」
可愛らしく唇を尖らせた。
「もう~ 告白するなら、教室でなんてしないでしょ」
「そ、そうだよね(汗)」
高木さんは、顔を真っ赤にして、何かゴニョゴニョと口ごもってる。
「え? 何?」
「う、うん、なんでもない。とにかく、一緒に帰ろ?」
「わかった」
何となく、高木さんに言われたら断れない気がした。今日は5限帰りだから塾も十分間に合う時間だ。
『乃々佳以外の女子から誘われるなんて、いつぶりだろ?』
断る理由がなかったオレは、高木さんの後ろに付いていくように教室を後にしたんだ。
人として、しっかりしてるんだろうな。さすが、ウソ告をしてこなかった四大美女の一人だけあるな。あんなに優しいこと付き合えたら、どんなに良いだろう。ま、モブのオレには縁の無い話だけどさ。
「……くん、……だくん、……しだくん」
「ん?」
「石田君ってば!」
「あ、ゴメンゴメン、ちょっとボンヤリしてた」
ヤバッ。目の前に、その高木さんがいた。
「もう~ 何度も呼んだのに。しかも目の前にいるのに見てくれないんだからぁ」
「ごめ~ん」
プクッとふくれてみせる表情が、ひどく子どもっぽく見えて、普段の理知的でしっかり者キャラとのギャップに、ドキンとした。
「ね、付き合ってくれる?」
「え? あ、もちろん。喜んで」
反射的に、高木さんの手をとって「ウソ告受け入れ体勢」を作っちゃったのは悲しい習性。
『あ~ とうとう、高木さんまでウソ告してきちゃったか~ しかも教室だぜ?』
地味にダメージがデカかった。
ん? でも、担任がここにいるんだし、さすがに撮影班は無理じゃね?
周囲をそっと見回したら、みんなの注意は大島先生の方に向けられていた。
あれ? 斎藤達はあっちにいるじゃん。
ふと前を見たら、高木さんがオレに手を握られたまま、真っ赤になってた。
「あのね? ち、ちがうよ? 違うの、そっちの『付き合う』じゃなくて、ちょっと話をしたいから一緒に来て、の方の『付き合って』なの!」
「え? あああああ、ご、ごめん、ごめん」
ヤバい。頭が「ウソ告脳」になってるよ。
ふと、高木さんの視線が、オレに握られている手に向けられているのに気付いた。
「ごめん!」
「ううん、いいよ? 人のいないところなら、もっと…… う、ううん、あ、紛らわしい言い方してごめんね」
「いや、完全に勘違いしちゃった。まさかだよね」
可愛らしく唇を尖らせた。
「もう~ 告白するなら、教室でなんてしないでしょ」
「そ、そうだよね(汗)」
高木さんは、顔を真っ赤にして、何かゴニョゴニョと口ごもってる。
「え? 何?」
「う、うん、なんでもない。とにかく、一緒に帰ろ?」
「わかった」
何となく、高木さんに言われたら断れない気がした。今日は5限帰りだから塾も十分間に合う時間だ。
『乃々佳以外の女子から誘われるなんて、いつぶりだろ?』
断る理由がなかったオレは、高木さんの後ろに付いていくように教室を後にしたんだ。
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