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第42話 自縛 ~天音~ 2
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ホントは瞬に何もかも打ち明けるべきだ。だけど、それはできないって思った。
だって、裏側をわかってしまえば、優しい瞬は絶対に汚れてしまった私を捨てられなくなる。
それは絶対にダメなこと。私は冷たい仕打ちをした彼女として、彼に捨てられなきゃいけないんだもん。
それが私の望みのはず。
だから、どうにかして瞬を来させないよう考えた。でも、瞬はなんだかんだ言って、自分を殺して他人に会わせられる人だ。悪口を聞いても、聞いてなかったふりして話題を変えてみせる大人だ。
そんな瞬に「来るな」と言わず、自分から来ないようにさせるのは難しい。結局、瞬の苦手な「カラオケ」を利用するしか思いつかなかった。私は「カラオケパーティー」を自分で企画するしかなかった。
ううん、それだけじゃない。もっと前からだ。そもそも、10月に入って、部の会計を瞬にやらせようとしてた。もちろん、健のねらいはハッキリしてた。だから、私が泣いて阻止した。代わりに「ハーフ&ハーフ」を完璧に守ることを持ち出された。守れなかったら「罰」の約束ができてしまった。
私はボイスレコーダーを持たされてる。お部屋にも置かされた。毎日それを聞かれて「これ、公平じゃないよね」とネチネチと交渉を持ちかけられ、罰が与えられることになってしまった。
もう、あの頃からオカシクなっていったんだと思う。
IDの時だって抵抗する気力がなかったんだ。あの時から瞬とのメッセはすべて健から聞くしかできなくなった。
全部、私が悪いんだ。
学校での会話は全てボイスレコーダーで聞かれて、しまいには「一回私語をしたらキスね」などと言われてしまう。もちろん最初は拒絶したけど、チラチラッと瞬への新しい攻撃をほのめかされれば、私は受け入れることしか出来なかった。
リアルでも、SNSでも、瞬と連絡することは出来なくなってしまった。
その結果が、これだ。
お弁当の件を健が教えてくれたのは後の話。だから、お弁当が届かないことで最初は心配した。瞬がどうかしちゃったのかって。
自分のお昼なんてどうでも良かった。ただ純粋に心配で、健との約束を破って見に行ってしまった。
よかった。瞬はちゃんと食べてる。心から安心した。
安心の次の瞬間、私は愕然とした。
インターハイが終わったからだってことを理解したからだ。
だって、裏側をわかってしまえば、優しい瞬は絶対に汚れてしまった私を捨てられなくなる。
それは絶対にダメなこと。私は冷たい仕打ちをした彼女として、彼に捨てられなきゃいけないんだもん。
それが私の望みのはず。
だから、どうにかして瞬を来させないよう考えた。でも、瞬はなんだかんだ言って、自分を殺して他人に会わせられる人だ。悪口を聞いても、聞いてなかったふりして話題を変えてみせる大人だ。
そんな瞬に「来るな」と言わず、自分から来ないようにさせるのは難しい。結局、瞬の苦手な「カラオケ」を利用するしか思いつかなかった。私は「カラオケパーティー」を自分で企画するしかなかった。
ううん、それだけじゃない。もっと前からだ。そもそも、10月に入って、部の会計を瞬にやらせようとしてた。もちろん、健のねらいはハッキリしてた。だから、私が泣いて阻止した。代わりに「ハーフ&ハーフ」を完璧に守ることを持ち出された。守れなかったら「罰」の約束ができてしまった。
私はボイスレコーダーを持たされてる。お部屋にも置かされた。毎日それを聞かれて「これ、公平じゃないよね」とネチネチと交渉を持ちかけられ、罰が与えられることになってしまった。
もう、あの頃からオカシクなっていったんだと思う。
IDの時だって抵抗する気力がなかったんだ。あの時から瞬とのメッセはすべて健から聞くしかできなくなった。
全部、私が悪いんだ。
学校での会話は全てボイスレコーダーで聞かれて、しまいには「一回私語をしたらキスね」などと言われてしまう。もちろん最初は拒絶したけど、チラチラッと瞬への新しい攻撃をほのめかされれば、私は受け入れることしか出来なかった。
リアルでも、SNSでも、瞬と連絡することは出来なくなってしまった。
その結果が、これだ。
お弁当の件を健が教えてくれたのは後の話。だから、お弁当が届かないことで最初は心配した。瞬がどうかしちゃったのかって。
自分のお昼なんてどうでも良かった。ただ純粋に心配で、健との約束を破って見に行ってしまった。
よかった。瞬はちゃんと食べてる。心から安心した。
安心の次の瞬間、私は愕然とした。
インターハイが終わったからだってことを理解したからだ。
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