辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

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第40話 B型  ~陽菜~ 1

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 やった!と言われた。

 すごいねと褒められた。

 えらいぞと頭を撫でられた。

 翌日の決勝に進出できました! 

 パチパチパチ

 ちょー 嬉しい。

 でも、さすがに決勝の壁は厚かったです。

 インターハイ出場は無理だったけど、弱小都立が決勝を走っただけでも、すごいことだって言われました。

 瞬先輩に頭をヨシヨシしてもらえた! 

 あぁ! なんて、おトク! あぁああ、頭を洗いたくない!

 今日マッサージで全身を触ってもらってますけど、それは別腹ですからね。っていうか、普通のマッサージだと、先輩も普通なんですね。実は知ってますよ。先輩ったら、あの時、どうなっていたのか。

 ふふふ。先輩もオトコノコですね~

 今度から、秘密の場所でアップのストレッチもしてもらっちゃいましょうか?

 あああ! でも無理だよね。あの時のことを思い出しちゃうと、恥ずかしいけど、嬉し過ぎます。ついつい、ベッドの中でも先輩の密着した体温を思い出すと、妄想が止まらなくなっちゃいますよ。

 え~ おっほん。

 とにかく先輩とデート決定ですよ! デートできます! 先輩も認めてくれたも~ん。

 らっきー

 菅野陽菜、16年間生きてきて、最高に幸せ~

 ホントは、こっちの方がまさか、ですよね~ あ~ 服買わなきゃ。ワンピかな? それともフェミニンなニット系? 胸部装甲が薄いから、カバーしてくれるのだとチュニックシャツみたいな方がいい?

 悩む私をみんなが取り囲んでくれてる。

「陽菜、頑張ったね! 来年は、きっとインターハイだよ!」

 2年生の仲間は、瞬先輩を嫌ってること以外は本当にいい子なんだよね。今日もみんなで応援に来てくれて、終われば、頑張ったね、すごいって心から言ってくれた。でも、私にとってはインターハイよりも瞬先輩とのデートです。
 
 あ、でも、お祝いしてくれたみんなへのお礼に「瞬先輩のご尊顔」の写真を分けようか? いらない? そーですか。元気が出るのに。

 でも、まさかの決勝進出でした。しかも途中での失速をした天音先輩の記録を大幅に上回ったんだもん。大満足。

 へへへ。突然復活した上に、自己最高もチーム記録も大幅に更新しちゃったのだ。驚かれて当然ですよね。

 ちなみに、二階堂先輩は腰の痛みで途中棄権。ほら、瞬先輩の言うことを聞かないからこうなるんですよ。ざまぁ、です。

 でも、まあ、私の記録はできすぎですけど、これも愛のパワーですよ、愛のパワー!

 実は瞬先輩から、毎日、励ましのメッセをいただいていたんです。だから自主練だけはしていました!

 むふふ。愛のショーリだよね!

 しつこいけど、もう一度言いたい。

「愛の勝利である」と。

 私は有頂天。だって、インターハイ予選が終われば先輩とのが切れる人とは関係が終わるはず。

 後は、瞬先輩がどう動くのかを見極めていれば、私のハッピーがやってくるってわけ。七月は私の誕生日があるし、先輩だったらきっと何か言ってくれるはず。そうしたら、そこで、むふ、むふふふ、へへ。こ、く、は、く、しちゃいましょう!

 私が愛の計画を順調に立てている間にも、先輩達の引退式の日は着実に近づいてきます。
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